小惑星1998 QE2のレーダー画像。各画像右下寄りの白い点が衛星。カリフォルニア州ゴールドストーンにある深宇宙通信施設の70メートルアンテナがとらえた。

Images courtesy GSSR/JPL-Caltech/NASA
 直径2.7キロもある小惑星が6月1日(日本時間)、地球から約580万キロを離れた地点を通過した。 この地球近傍小惑星はマサチューセッツ工科大学やNASAなどが共同で運営するリンカーン地球近傍小惑星探査(LINEAR)プロジェクトによって1998年8月19日に発見され、1998 QE2と命名されていた。

 1998 QE2は、地球と木星の間の太陽周回軌道を回る小惑星の一つで、レーダー観測によって表面がでこぼこした形状であることや、直径約610メートルの衛星を伴っていることが確認されている。

 小惑星は、日本時間6月1日5時59分に最接近し、地球から約580万キロ離れた地点を通過した。これは地球から月までの距離の15倍以上もあり、衝突の危険はなかった。

 専門家によると、地球の軌道を横切る1キロ以上の大きさの天体のうち90%は記録されており、その中に当面脅威となるものはないという。

 1998 QE2は2028年に地球に最接近する予定だが、このときも衝突の危険はないという。

Images courtesy GSSR/JPL-Caltech/NASA