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放射性物質の除染と汚染廃棄物処理の課題
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ISSUE BRIEF
放射性物質の除染と汚染廃棄物処理の課題
-福島第一原発事故とその影響・対策-
国立国会図書館 ISSUE BRIEF NUMBER 743(2012. 3.29.)
農林環境課
(小寺
こ て ら
正一
しょういち
)
福島第一原発事故により環境中に大量放出された放射性物質の除染は、特に福
島県で避難を余儀なくされている住民の速やかな帰還や生活の再建を目指す観点
から、また、他の地域においても安全・安心な生活環境を回復させるために重要
な課題となっている。加えて、東日本大震災で発生した災害廃棄物も含め、放射
性物質に汚染された廃棄物の処理も大きな問題である。
国は、放射性物質汚染対処特措法を新たに制定し、対応を図っているが、放射
能に対する国民の間の懸念は根強く、仮置場や処分場の確保などが必ずしも十分
に進んでいない。また、除染に要するコストや、除染方法とその有効性について
もいっそうの検証が必要ともなっている。今後、廃棄物の処理が円滑に進んでい
くか、除染が計画のとおりに成されるか、予断を許さない状況である。
はじめに
Ⅰ 放射性物質による汚染状況
1 放射性物質の放出・拡散・沈着
2 汚染廃棄物
Ⅱ 国・自治体による対応
1 これまでの措置
2 放射性物質汚染対処特措法
調査と情報
743
Ⅲ 除染と汚染廃棄物をめぐる課題
1 除染の量・コスト・方法・有効性
2 処分場をめぐる問題
3 クリアランスレベルと広域処理
4 農地・森林・水域への対策
おわりに

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調査と情報-ISSUE BRIEF- No.743
1
はじめに
本稿は、東京電力株式会社の福島第一原子力発電所(以下、「福島第一原発」)事故の発生
以来、この約 1 年の間における、放射性物質による環境汚染の状況、また、除染1と汚染廃
棄物2への対処に向けた政府等の動向、課題を整理したものである。なお、本稿の記述は、
概ね平成 24 年 3 月初頭までに得られた情報に基づいている。
Ⅰ 放射性物質による汚染状況
1 放射性物質の放出・拡散・沈着
本項では、事故に伴い環境中に放出された放射性物質の量とその拡散・沈着した範囲に
ついて確認する。大気中に放出された放射性物質3のうち、ヨウ素 131 とセシウム 137 の
総量推計値(ヨウ素換算値)として、原子力安全・保安院は、77 万テラベクレル4、一方、
原子力安全委員会は、57 万テラベクレルとする5。人体や環境への影響を単純に比較する
ことは難しいが、原子力安全・保安院の推計値を、広島原爆による大気中放出量6と比べる
と、事故放出量は、ヨウ素 131 で約 2.5 倍、セシウム 137 で約 169 倍に相当する。なお、
これらにおいて推計の対象とされた期間以降も原子炉格納容器からの放出は継続している
が、平成 23 年 12 月の時点で、事故時に比べ約 1300 万分の 1(毎時約 0.6 億ベクレル)
減少したとされる7。また、平成 23 年 4 月及び 5 月に汚染水が海洋へ漏出し、各々推定 4700
兆ベクレル、20 兆ベクレルの放射性物質が放出されたほか、4 月 4 日から 10 日にかけ東
京電力は、滞留している高濃度汚染水の収容先を確保するため、低濃度の滞留水等(推定
1 本稿では、放射性物質による汚染をその場から除去又は低減する行為を指して、「除染」という用語を用いる。
なお、現状の技術水準においては、半減期が長寿命(例えば万年単位)の放射性物質を短寿命に変える核変換
技術などが研究段階にあるのみで、放射能そのものを消滅させることはできず、隔離・保管までの対応となる。
2 本稿では、今回事故に由来する放射性物質によって汚染された廃棄物を指して「汚染廃棄物」という。
3 原子力安全・保安院は、計 31 核種を示している(原子力安全・保安院「東京電力株式会社福島第一原子力発
電所の事故に係る 1 号機、2 号機及び 3 号機の炉心の状態に関する評価について」(平成 23 年 6 月 6 日)
<http://www.meti.go.jp/press/2011/06/20110606008/20110606008.html>)。
4 テラは、1 兆倍を表す。ベクレル(Bq)とは、放射性物質が放射線を出す能力(放射能量)を示す単位。シ
ーベルト(Sv)とは、放射線の人体影響を表す単位。
5 東京電力福島原子力発電所における事故調査・検証委員会『中間報告(本文編)』(平成 23 年 12 月 26 日)
pp.345-346. <http://icanps.go.jp/post-1.html> なお、原子力安全・保安院のデータは、政府が国際原子力機関
(IAEA)に提出した報告書(原子力災害対策本部『原子力安全に関する IAEA 閣僚会議に対する日本国政府の
報告書』(平成 23 年 6 月)<http://www.kantei.go.jp/jp/topics/2011/iaea_houkokusho.html>)にも記載されて
いるが、原子力安全・保安院は、2 核種での合計値を 48 万テラベクレルとする新たな試算結果を示している(原
子力安全・保安院『(案)東京電力株式会社福島第一原子力発電所事故の技術的知見について(中間とりまとめ)』
(平成 24 年 2 月)<http://www.enecho.meti.go.jp/info/committee/kihonmondai/10th/10-32-1.pdf>)。他にも
放出量の検証が進められている(例として、「セシウム放出 4 京ベクレル 気象研」『朝日新聞』2012.2.29)。
6 原子力安全・保安院「東京電力株式会社福島第一原子力発電所及び広島に投下された原子爆弾から放出され
た放射性物質に関する試算値について」(平成 23 年 8 月 26 日)
<http://www.meti.go.jp/press/2011/08/20110826010/20110826010.html>
7 放射性物質(セシウム)の時間当たり放出量でみた比較であり、この時点で、敷地境界の年間被曝線量は、
最大で年 0.1 ミリシ-ベルトと評価されている(原子力災害対策本部政府・東京電力統合対策室『東京電力福
島第一原子力発電所・事故の収束に向けた道筋 ステップ 2 完了報告書』(平成 23 年 12 月 16 日)
<http://www.cas.go.jp/jp/genpatsujiko/pdf/111216a.pdf>)。飛散抑制のため、原子炉建屋カバーの設置等の対
策が取られている。

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約 1500 億ベクレルの放射性物質を含む)を海洋へと放出した8
大気中に放出された放射性物質は、風により移流・拡散され、セシウムの場合は、雲な
どに取り込まれた後、雨(雪を含む)の作用による陸地や海洋へ向けた湿性沈着が支配的に
生じたと考えられている9。よって、大気中濃度、風向等に加え、降水の分布・タイミング
がセシウム分布の重要な決定要因の一つとなる。結果として、予想されない地点で高濃度
の汚染(ホットスポット)が形成される場合がある。文部科学省等が実施している放射線モ
ニタリングにおいて、セシウム 134 及び同 13710の地表面 1 平方メートル当たり合計沈着
量をみると、十数の都県において、3 万ベクレル11を超える地域を有している12。また、年
間被曝線量が1ミリシーベルト以上の地域は、少なくとも8の都県において確認できる13
ただし、今回の事故による放射性物質は、これら都県にとどまらず、程度の差はあれ、全
都道府県に降下していることが確認されている14。表 1 は、都市、海洋、公共用水域(河
川・湖沼等)、農地、森林など各環境領域の汚染状況を簡単に整理したものである。
2 汚染廃棄物
(1) 上下水汚泥
関東・東北地方を中心とした広範囲における下水処理場の汚泥から、放射性物質が検出
されている15。下水道には、汚水と雨水をあわせて流す合流式と、別々に流す分流式があ
8 原子力災害対策本部 前掲注(5), 添付Ⅵ-2, Ⅵ-3, Ⅵ-4. なお、ここで海洋に放出された放射性物質量は、ヨ
ウ素 131、セシウム 134 及び同 137 の 3 核種合計値である。
9 国立環境研究所「東京電力福島第一原子力発電所から放出された放射性物質の大気中での挙動に関するシミ
ュレーションの結果について(お知らせ)」(平成 23 年 8 月 25 日)<http://www.nies.go.jp/whatsnew/2011/
20110825/20110825.html> 一方、主にガス態であるヨウ素の場合は、乾性沈着(拡散や重力、化学的な力など
によって地面等に降下すること)が主要で、原発を中心に放射状の分布が示されている。
10 ヨウ素 131 の半減期が短く(8 日)、今後の主たる除染対象としてはセシウムが想定されることから、ここで
はセシウムに対する記述にとどめた。なお、これら以外の核種として、福島第一原発敷地外においても、プル
トニウムやストロンチウムが実際に計測されている(文部科学省「文部科学省による、プルトニウム、ストロ
ンチウムの核種分析の結果について」(平成 23 年 9 月 30 日)
<http://radioactivity.mext.go.jp/ja/distribution_map_around_FukushimaNPP/0002/5600_0930_n.pdf>)。
11 目安として、チェルノブイリ原発事故においては、測定の容易さと重要さからセシウム 137 が土壌表面沈着
の指標として選ばれ、平方メートル当たり 3 万 7 千ベクレル以上の地域が、放射能に汚染されたものとして分
類された。これは、対応する事故後 1 年間での被曝レベルが約 1 ミリシーベルトに相当すること等を理由とす
る(IAEA, Environmental Consequences of the Chernobyl Accident and their Remediation: Twenty Years of
Experience, 2006, pp.23-25. <http://www-pub.iaea.org/mtcd/publications/pdf/pub1239_web.pdf>)。
12 文部科学省(米国エネルギー省との共同を含む)による航空機モニタリング結果及び文部科学省放射線量等
分布マップ拡大サイト(<http://radioactivity.mext.go.jp/ja/monitoring_around_FukushimaNPP_MEXT_
DOE_airborne_monitoring/>)において確認(山間部のスポット的汚染を含む)できた、岩手、宮城、秋田、
山形、福島、茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、山梨、新潟、長野の各都県。
13 環境省「航空機モニタリングの測定結果(災害廃棄物安全評価検討会・環境回復検討会 第 1 回合同検討会
参考資料 5)」(平成 23 年 10 月 10 日)<http://www.env.go.jp/jishin/rmp/conf/g01-mat4.pdf>において確認し
た、宮城、福島、茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京の各都県。加えて、岩手県に汚染状況重点調査地域(後
述Ⅱ-2)に指定された地域がある。
14 河野益近・西山文隆「福島原発事故による日本全土の放射能汚染マップ」『現代化学』2011.12, pp.48-50; 文
部科学省「文部科学省による、愛知県、青森県、石川県、及び福井県の航空機モニタリングの測定結果につい
て 参考 6」(平成 23 年 11 月 25 日)<http://radioactivity.mext.go.jp/ja/1910/2011/11/1910_1125_2.pdf>
15 本項では、主に次の資料を参考にした。白崎亮・久岡夏樹「放射性物質を含む下水汚泥に関する現状」『資源
環境対策』48(2), 2012.2, pp.39-44; 下水道における放射性物質対策に関する検討会(国土交通省)「中間とりま
とめ」(平成 23 年 11 月)<http://www.mlit.go.jp/mizukokudo/sewerage/crd_sewerage_tk_000165.html>

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表 1 放射性物質による汚染状況(環境領域別)
環境領域
放射性物質による汚染状況
都 市
雨どい、側溝、樹木根元等にホットスポットが現出。住宅、道路、公園、校庭等が汚染さ
れている場合もある。
海 洋
海水中の放射性物質濃度は、概ね低レベルで推移。海底土から検出される場合がある。今
後は、底魚の汚染等海中での食物連鎖による物質循環に注意が必要。
公共用水域
(河川・湖沼等)
水質については、福島県を含め、不検出ないし微量。底質や河川敷等周辺環境から一定濃
度の放射性物質が検出される場合が多い。
農 地
福島県内には、当初の稲作付制限基準(キログラム当たり 5 千ベクレル)を超える農地が
みられ、他の関東・東北各県においても一定濃度の放射性物質が検出される農地が多い。
森 林
放射性物質が、落葉広葉樹林(コナラ等)において落葉等の堆積物、常緑針葉樹林(スギ
等)において枝葉に付着している傾向が高い。今後は、森林土壌への移行が想定される。
(注)放射性物質の移動や自然減衰により、表で示した状況は一定ではない。
(出典)政府の各種モニタリング調査結果、報道等に基づき筆者作成
るが、特に合流式において高い濃度が見られる傾向がある。これは、市街地の表面等に堆
積した放射性物質が、雨で流され汚泥に移行・濃縮したものと考えられている。この汚泥
を焼却あるいは溶融した焼却灰等にはさらに高い濃度の放射性物質が含まれることになっ
た。日本で発生した下水汚泥の相当部分がセメントなど建設資材の材料、コンポスト(肥
料)等に活用されてきたが、汚染を受けて再利用が困難になり、廃棄物資源化ルートが破
壊されたとも指摘16される。また、埋立て等の処分も進まず、12 都県17で保管される汚泥
(焼却灰等を含む)は、約 8 万 3 千トンに上った18。東京都や群馬県のように処分について
一定の見通しが立ったとされる例19も出てきており、セメント業界も低濃度のものについ
ては受入れを再開したとも報じられる20が、高濃度の焼却灰の処分等は依然課題として残
る。なお、浄水場から発生する汚泥についても、同様の問題を抱えている。
(2) 一般廃棄物と焼却灰
東日本の広範囲で一般廃棄物(家庭ごみ等)処理施設の焼却灰から、放射性セシウムが検
出され、8,000Bq/kg(キログラム当たりベクレル)を超えた焼却灰等が確認されたのは、福
島県以外でも 6 都県 26 施設に及んだ21。この原因(ごみ種別)は必ずしも特定されていな
22が、放射性物質を含む草木類やそれに付着した土壌がごみとして排出されたとの指摘
がみられる23。汚泥同様保管や処分場をめぐって困難な問題24が生じているほか、従来首都
16 村田德治「循環型社会の虚構と現実 第 70 回 循環型社会構築を破壊した放射性物質」『月刊廃棄物』38(1),
2012.1, pp.56-61.
17 特に多い県(累積保管量 1 万トン以上)は、福島、宮城、神奈川。
18 平成 23 年 12 月 16 日現在の累積保管量(白崎・久岡 前掲注(15), p.39)。
19 「東京都の下水汚泥保管焼却灰 来年初めにも搬出完了」『環境新聞』2012.2.8; 「下水汚泥 3800 トン 県
外 2 社受け入れ」『上毛新聞』2012.2.16.
20 「セメント業界、板挟み 消費者の安全と資源循環の間」『環境ビジネス』117, 2012.3, pp.82-83.
21 環境省「一般廃棄物処理施設における放射性物質に汚染されたおそれのある廃棄物の処理について」(平成
23 年 8 月 29 日)<http://www.env.go.jp/jishin/attach/osenhaiki-shori20110829.pdf> なお、福島県を含め 16
の都県において、一定レベルの放射性セシウムが検出された処理施設が確認されている。
22 東京二十三区清掃一部事務組合「放射線量等についてよくいただく質問と回答」(平成 24 年 2 月 28 日)
<http://www.union.tokyo23-seisou.lg.jp/topics/data/houshasen-faq.pdf>(アクセス日:2012.3.19.)
23 森口祐一「原発事故に関する情報をどう読み解くか」森田昌敏編『福島原発事故の検証と環境放射能汚染』
環境コミュニケーションズ,2011, pp.57-70.ほか
24 例えば、千葉県では県が提案する一時保管場所の選定をめぐり、調整が難航している(「汚染焼却灰、保管場
所で調整難航 我孫子・印西市と松戸・柏・流山 3 市、県提案に利害対立」『毎日新聞』(千葉)2012.1.20.)。

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圏などの焼却灰を受け入れていた地域が返送したり25、埋立処分を継続した場合でも周辺
住民の不安解消が課題となる事例26が現われている。なお、産業廃棄物焼却施設において
も、木くず・汚泥、屋外にあったものを処理している施設で高い測定値が確認された27
(3) 災害廃棄物と除染廃棄物
東日本大震災の津波又は地震により発生した災害廃棄物は、岩手、宮城、福島各県で膨
大な量に上る。福島県内の災害廃棄物については、放射性物質による汚染のおそれから、
事実上同県内での処理を余儀なくされている28が、岩手県、宮城県の災害廃棄物について
は、その処理必要量29に鑑み、全国レベルでの広域的な協力対応が求められる。しかし、
この両県の廃棄物に対しても汚染に対する不安は根強く、受入れは進んでいない30。前述
のように、東日本においては、自らの地域内で発生する廃棄物についても一定の放射性物
質が含まれており、そのことも織り込んだ検討が必要な状況となっている。
一方、除染の本格化に伴い、除去された放射性物質を含む草木等の除染廃棄物や土壌が
大量に生ずることから、その適切な処理方法、処分先の確保が重大な課題となっている。
Ⅱ 国・自治体による対応
1 これまでの措置
人の健康や生活への影響を速やかに低減する観点から、放射性物質による環境汚染や汚
染廃棄物への対処は、喫緊の課題となったが、環境基本法(平成 5 年法律第 91 号)をはじ
め、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和 45 年法律第 137 号、以下「廃棄物処理法」)
環境に関連する既存の法体系においては、放射性物質は規制の適用除外となっていた31
一方、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(昭和 32 年法律第 166 号、
以下「原子炉等規制法」)は、事故により発電所施設外に広範囲に拡散された環境汚染への対
処が想定されておらず、放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律(昭和 32
年法律第 167 号、以下「放射線障害防止法」)は、原子力発電所で取り扱う放射性物質につい
ては規制対象外としており32、今回の事態に際しては、基本的な考え方の整理から始まり、
各種の基準・方針の作成、放射線モニタリング等、実務へ向けた態勢作りが取り急ぎ行わ
25 「汚染焼却灰返送、最終の搬出作業 きょう千葉へ出発」『毎日新聞』(秋田)2012.1.10.
26 「小諸の処分場で線量調査 近隣住民立ち会う」『読売新聞』(長野)2012.2.19.
27 環境省「産業廃棄物焼却施設における焼却灰の放射性セシウム濃度測定結果について」(平成 23 年 9 月 15
日)<http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=14212>
28 環境省の広域処理ガイドライン(環境省「災害廃棄物の広域処理の推進について」(平成 23 年 8 月 11 日(平
成 24 年 1 月 11 日一部改訂))<http://www.env.go.jp/jishin/attach/memo20120111_shori.pdf>)においても、
福島県の災害廃棄物は対象外とされている。
29 災害廃棄物の量は、岩手県で通常の 11 年分、宮城県で 19 年分に相当する(環境省広域処理情報サイト
<http://kouikishori.env.go.jp/faq/>)。
30 すでに受入れを行っているのは、東京都、山形県、青森県。秋田県は、岩手県のがれき処理について平成 24
年 2 月に協定を締結した。
31 第 180 回国会(平成 24 年常会)に、環境基本法と循環型社会形成推進基本法(平成 12 年法律第 110 号)か
ら適用除外規定を削除する改正案が提出された。廃棄物処理法等個別環境関連法の扱いが今後の課題である。
32 原子力災害対策特別措置法(平成 11 年法律第 156 号)もあわせ、既存の法体系が今般のような事態への対
処を十分に準備していなかったことに関しては、次の文献を参照。前田圭介「法令解説 放射性物質汚染対処
特別措置法について」『時の法令』1898 号,2012.1.30, pp.24-40.

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れてきている(末尾資料)。平成 23 年 8 月 26 日には、「平成二十三年三月十一日に発生し
た東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故により放出された放射性物質による環
境の汚染への対処に関する特別措置法」(平成 23 年法律第 110 号、以下「放射性物質汚染対処
特措法」又は「特措法」)が成立し、平成 24 年 1 月 1 日から全面施行されている。
(1)除染への対応
平成 23 年 8 月、原子力災害対策本部は、避難解除等に向けた原子力安全委員会の考え
33等を踏まえ、①緊急時被曝状況34(追加被曝線量35が年 20 ミリシーベルト以上)にある地
域を段階的かつ迅速に縮小、②現存被曝状況36(年 20 ミリシーベルト未満)にある地域の追
加被曝線量を長期的に年 1 ミリシーベルト以下とする、との目標を示した37。さらに具体
的には、2 年後(平成 25 年 8 月)までに一般公衆の被曝線量を約 50%、子どもについては
約 60%縮減することとした38。これらは、特措法の下での基本方針39(以下、「基本方針」)
にも引き継がれている。また、まずは人の健康保護の観点から必要である地域について優
先的に除染計画を策定することとされた40。平成 23 年 10 月には、除染に伴い大量に発生
する除去土壌等を一定期間(貯蔵開始後 30 年以内)保管する中間貯蔵施設41の工程表が示さ
れ、平成 24 年度内に設置場所選定、平成 27 年 1 月には搬入開始とした42。国が除染を実
施する警戒区域及び計画的避難区域等においては、平成 23 年 11 月以降、除染モデル実証
事業が実施され、また、本格的除染に先行してその拠点となる役場等施設の除染が自衛隊
等により行われてきたが、平成 24 年 1 月、除染ロードマップが示された43。これによると、
年 50 ミリシーベルト以下の地域について、住民の一日も早い帰還を目指し、住民の同意、
仮置場の確保等条件が整い次第、平成 24 年度には除染作業を開始し、平成 25 年度末まで
に完了させるとする一方、50 ミリシーベルトを超える地域については、具体的な時期を明
示していない。
なお、放射線量が年 1 ミリシーベルト以上で、特措法に基づく国の指定を受けた地域で
は、市町村(又は都道府県)が除染実施計画を策定し、国の補助により除染活動に入ること
33 原子力安全委員会「今後の避難解除、復興に向けた放射線防護に関する基本的な考え方について」(平成 23
年 7 月 19 日)<http://www.nsc.go.jp/anzen/shidai/genan2011/genan054/siryo.pdf>
34 原子力事故又は放射線緊急事態の状況下において、望ましくない影響を回避もしくは低減するために緊急活
動を必要とする状況。
35 自然被曝線量及び医療被曝を除いた被曝線量を指す。
36 緊急事態後の長期被曝を含む、管理に関する決定を下さなければならない時に、既に存在している被曝状況。
37 原子力災害対策本部「除染に関する緊急実施基本方針」(平成 23 年 8 月 26 日)<http://www.meti.go.jp/press
/2011/08/20110826001/20110826001-3.pdf>
38 ただし、放射性物質の自然減衰相当分(約 40%)を含み、特措法の下での基本方針では、年 20 ミリシーベ
ルト未満である地域に限定された目標となっている。
39 「平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故により放出された放
射性物質による環境の汚染への対処に関する特別措置法 基本方針」(平成 23 年 11 月 11 日閣議決定)
<http://www.kantei.go.jp/jp/kakugikettei/2011/1111HOUSHIN_houshasei.pdf>
40 同上, p.4.
41 福島県にのみ設置し、県外の除去土壌等は持ち込まず、他の都道府県については、その区域内の管理型処分
場の活用等により処分を進めるとされる。
42 環境省「東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う放射性物質による環境汚染の対処において必要な中間貯
蔵施設等の基本的考え方について」(平成 23 年 10 月 29 日)
<http://www.env.go.jp/jishin/rmp/attach/roadmap111029_a-0.pdf>
43 環境省「除染特別地域における除染の方針(除染ロードマップ)について」(平成 24 年 1 月 26 日)
<http://www.env.go.jp/jishin/rmp/attach/josen-area-roadmap.pdf>

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になる。また、指定を受けていない場合でも、文部科学省等が示したホットスポットに関
する方針44等を目安に、また、独自の基準を設けて除染対策を進める自治体もある45
(2)汚染廃棄物への対応
今回の事故により放射性物質に汚染された廃棄物の処理処分等を行う際の被曝管理、従
来の放射性廃棄物処理処分における考え方との関係が問題となった。環境省は、平成 23
年 5 月、福島県内災害廃棄物の取扱いに際し、原子炉等規制法のクリアランスレベル46
当てはめることは適当ではないとした47。一方、原子力安全委員会では、平成 23 年 6 月、
安全確保に向けて、次のような考え方48を示したが、これは上下水汚泥への対処を含め、
その後の汚染廃棄物への対応に通底するものとなった。①リサイクルする場合、再利用し
て生産された製品は、市場に流通する前にクリアランスレベル以下になるように適切に管
理、②処理・輸送・保管に伴い、周辺住民の被曝線量が年 1 ミリシーベルトを超えない、
③処理等を行う作業者の被曝線量が可能な限り49年 1 ミリシーベルトを超えない、④(最
終的な)処分施設の管理期間終了後、周辺住民の受ける線量が年 10 マイクロシーベルト以
下。放射性物質の影響評価シナリオ計算等50により、この考え方を達成するための焼却灰
等の放射性セシウム濃度として、8,000Bq/kg 以下ならば自治体等の一般廃棄物最終処分場
(管理型最終処分場)における埋立処分が可能とされた51。環境省はさらに、平成 23 年 8
月、8,000Bq/kg を超え 10 万 Bq/kg 以下の焼却灰等についても、雨水侵入を防ぐ隔離層の
設置等を条件として、やはり一般廃棄物最終処分場(管理型最終処分場)における安全な埋
立処分を可能とする指針を出している52
災害廃棄物のリサイクル利用に関しては、再生利用される製品53に対して、放射性セシ
44 内閣府・文部科学省・環境省「当面の福島県以外の地域における周辺より放射線量の高い箇所への対応方針」
(平成 23 年 10 月 21 日)<http://radioactivity.mext.go.jp/ja/important_imformation/0006/111021
Correspondence_plan_to_a_high_dose_part.pdf>
45 「除染に挑む自治体 首都圏の現状」『東京新聞』2011.12.4.
46 クリアランス制度とは、放射能濃度が低い(クリアランスレベルを超えない)放射性廃棄物について、「放射
性物質として扱う必要のないもの」とみなし、放射線防護に係る規制の体系から外して廃棄物処理法等の下で
廃棄物の再生利用と処分の合理化を意図した制度であり、原子炉等規制法においては、平成 17 年の改正におい
て、放射線障害防止法においては平成 22 年の改正(公布日(平成 22 年 5 月 10 日)から 2 年内施行、本稿執
筆時未施行)において各々導入された。原子炉等規制法の下でのクリアランスレベルは、放射性セシウム濃度
については 100Bq/kg であり、この算出の目安となった放射線量は、年 10 マイクロシーベルトである。
47 環境省「福島県内の災害廃棄物の当面の取扱い」(平成 23 年 5 月 2 日)
<http://www.env.go.jp/jishin/saigaihaikibutsu.pdf>
48 原子力安全委員会「東京電力株式会社福島第一原子力発電所事故の影響を受けた廃棄物の処理処分等に関す
る安全確保の当面の考え方について」(平成23年6月3日)<http://www.nsc.go.jp/info/20110603_2.pdf> なお、
この策定経緯をみると、従来の放射性廃棄物に関する安全確保の考え方を崩すべきではない、との意見があっ
たことや周辺住民の被曝線量年 1 ミリシーベルトに関し、「暫定的」との文言付与の検討があったことが分かる
(原子力安全委員会事務局資料(平成 23 年 8 月 19 日)<http://www.nsc.go.jp/info/20110603_a_dis.pdf>)。
49 作業者が、比較的高い放射能濃度を扱う場合は、電離放射線障害防止規則(昭和 47 年労働省令第 41 号)等
の遵守が必要になる。
50 日本原子力研究開発機構安全研究センター廃棄物安全研究グループ「災害廃棄物等の処理・処分のシナリオ
に対する線量評価結果の整理」(平成 23 年 11 月 15 日)環境省 前掲注(28), pp.32-43.
51 環境省「福島県内の災害廃棄物の処理の方針」(平成 23 年 6 月 23 日)<http://www.env.go.jp/jishin/attach
/fukushima_hoshin110623.pdf>; 同 前掲注(21) ただし、跡地利用に制限がかかることに注意。
52 環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部「8,000Bq/kg を超え 100,000Bq/kg 以下の焼却灰等の処分方法
に関する方針について」(平成 23 年 8 月 31 日)<http://www.env.go.jp/jishin/attach/no110831001.pdf> 10
万 Bq/kg を超える場合も含め、埋立基準は特措法の施行規則中に定められた。
53 原料として用いる災害廃棄物それ自体にはクリアランスレベルが適用されないとの考え方に立っている。

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ウム濃度 100Bq/kg(クリアランスレベル)という目安が示されている54が、「管理された状
態」で、例えば道路の路盤材等にコンクリートくず等を利用する場合は、3,000Bq/kg 程度
まで再利用可能との考え方も出された55。これは、100Bq/kg という基準を採用した場合、
リサイクルが停止してしまう懸念56が背景にあるとも推測される。
2 放射性物質汚染対処特措法
放射性物質汚染対処特措法は、今回事故由来の汚染による、人の健康等への影響の低減
を目指し制定されたものであるが、従来廃棄物処理法が適用されていなかったものについ
て、同法により新たに適用することとなる範囲を定める等、分かりにくい点も多く、国と
地方公共団体等との役割分担をめぐって理解の齟齬も発生しているようである57。除染あ
るいは汚染廃棄物の処理における、関係主体ごとの措置の分担について、同法の規定を整
理すると、表 2 のようになる。表 3 は、同法が定める地域を具体的に示したものである。
表 2 放射性物質汚染対処特措法の下で各関係主体が講ずべき措置
実施主体
講ずべき措置
除染
・除染特別地域に係る除染措置(除去土壌の処理を含む)(注 1)
汚染廃棄物 ・汚染廃棄物対策地域内廃棄物の処理
・指定廃棄物の処理(注 2)
地方公共団体等
除染
・除染実施区域に係る除染措置(除去土壌の処理を含む)(注 3)
汚染廃棄物 ・特定一般廃棄物、特定産業廃棄物の処理(市町村、排出事業者)(注 4)
関係原子力事業者
事故に係る事業所内廃棄物や事業所外に飛散したコンクリートの破片その他廃棄物の
処理、土壌等の除染等措置等
(注 1)除染に伴い発生した廃棄物については、汚染廃棄物と同様の区分に従って処理
(注 2)事故由来放射性物質が集積すると考えられる対象都県の施設(水道施設、下水道、廃棄物焼却施設、集落排水施設等)
について調査を義務付け、放射性セシウム濃度が 8,000Bq/kg を超える汚泥等廃棄物を指定
(注 3)国、都道府県、市町村等の公的主体が管理する土地(土地にある工作物等を含む)については、それぞれの主体が、
それ以外の土地については市町村が除染実施(ただし、国の補助金の対象)
(注 4)低レベルに汚染された廃棄物(指定廃棄物、汚染廃棄物対策地域内廃棄物及び原子炉等規制法・放射線障害防止法に
基づき廃棄されるもの等を除くもの(環境省令で列挙、廃棄物処理法に基づき処理))
(出典)放射性物質汚染対処特措法及び関連政省令等に基づき、筆者作成
なお、低レベルで汚染された(おそれのある)廃棄物(特定一般廃棄物及び特定産業廃棄物)
については、廃棄物処理法の適用を受けるが、安全確保のため処理基準が上乗せされた。
また、特措法では、これら措置にかかる費用について、原子力損害の賠償に関する法律(昭
和 36 年法律第 147 号)の規定により、関係原子力事業者が負担するとしている58
54 環境省 前掲注(28), pp.1-3.
55 環境省「管理された状態での災害廃棄物(コンクリートくず等)の再生利用について」(平成 23 年 12 月 27
日)<http://www.env.go.jp/jishin/attach/concrete-waste111227.pdf>
56 「放射能汚染廃棄物 処理促進へ技術のコンセプト化急務」『環境新聞』2012.1.11.
57 例えば、高レベル汚染土壌の処理を国と地方公共団体のいずれが行うかについて見解の相違がみられる(「柏
の汚染土、国処理せず「廃棄物ではない」市と対立」『朝日新聞』2012.2.19)。
58 本法律案の提出の際、次の決議がなされている。「国は、事業が円滑に進むよう、この法律に基づき地方公共
団体が実施する民有地除染事業について、これに要する計画策定費用、調査費用も含め、費用の全額を国が一
旦負担した上、国が関係原子力事業者に必要な求償を行うこと。また、国は、この法律に基づき地方公共団体
が実施する公有地除染事業について、必要な財政上の支援措置を実施すること。」(第 177 回国会衆議院環境委
員会議録第 14 号 平成 23 年 8 月 23 日 p.12)また、参議院でも同様の附帯決議が行われた(第 177 回国会
参議院環境委員会会議録第 12 号 平成 23 年 8 月 26 日 p.2)。

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表 3 放射性物質汚染対処特措法における地域指定
対象
地域指定の条件等
該当地域
除染特別地域
環境の汚染が著しいと認められること等により
国による処理が必要な地域(環境大臣指定)
・警戒区域・計画的避難区域である、
又はあった地域
・区域の大部分が警戒区域・計画的
避難区域である、又はあった市町村
の区域
汚染廃棄物対策地域 廃棄物が特別な管理が必要な程度に汚染されて
いるおそれがあると認められること等により国
による処理が必要な地域(環境大臣指定)
除染実施区域
環境の汚染状態が一定水準である等として指定
(環境大臣)された汚染状況重点調査地域におけ
る調査の結果等に基づき策定された除染実施計
画の対象区域(年 1 ミリシーベルト以上に相当)
岩手、宮城、福島、茨城、栃木、群
馬、埼玉、千葉の各県から計 104
市町村(注)
(注)平成 24 年 2 月 28 日時点で、汚染状況重点調査地域に指定された数。当該市町村の全域が除染実施区域とは限らない。
(出典)放射性物質汚染対処特措法及び関連政省令等に基づき、筆者作成
Ⅲ 除染と汚染廃棄物をめぐる課題
1 除染の量・コスト・方法・有効性
(1)量(除去土壌等)とコスト
政府は、除染に伴って生じる除去土壌等(除去土壌及び廃棄物)の量を表 4 のように試算
している。一方、計算の前提は異なるが、毎時 1 マイクロシーベルト59以上の土地の深さ
5cm の表層土壌を除去した場合、福島県全体で約 1.2 億立方 m(2,373 平方 km)に達する
との試算(政府の試算対象面積はこの半分前後)もみられ、これは日本全国の一般廃棄物最終
処分場の残余容量に相当するという60
表 4 除去土壌等の発生量(政府試算)
福島県(注 2)
その他地域
発生量が少ないケース
1,500 万立方 m(焼却前同量)
140 万立方 m(焼却前同量)
発生量が多いケース(注1) 2,800 万立方 m(焼却前 3,100 万立方 m) 1,300 万立方 m(焼却前同量)
(注 1)発生量が多いケースでは、年 20 ミリシーベルト以上の地域について、非生活圏の森林についても除染を行い、追加
被曝線量が比較的低い地域について、追加的な除染(土壌はぎとり)を行うと想定
(注 2)除染対象面積は、合計約 900 平方 km から 1,200 平方 km
(出典)環境省「除染に伴って生じる除去土壌等の試算について」(平成 23 年 10 月 29 日)<http://www.env.go.jp/jishin/rmp
/attach/roadmap111029_a-6.pdf>; 高市早苗衆議院議員の質問主意書に対する政府答弁書(平成 24 年 2 月 3 日内閣衆質 180
第 17 号)に基づき、筆者作成
除染及び汚染廃棄物処理に関する国の必要経費としては、中間貯蔵施設整備及び高濃度
汚染地域対策費用を除き、1 兆数千億円程度と政府は見込んでいる61一方、実際の事業実
施に際しては、除染対象の線量、範囲、方法等による変動要因が現時点では大きく、政府
自身、明確な形で費用を示すことは困難であることを認めている62。福島県飯舘村の除染
費の総額だけで 3224 億円と概算63され、これを参考に、年 1 ミリシーベルト以下を目指す
59 環境省は、毎時 0.99 マイクロシーベルトを、年 5 ミリシーベルトの追加被曝線量に相当するとしている。
60「空間線量別・土地利用別面積の推計結果(環境省第 2 回環境回復検討会森口委員提出資料)」(平成 23 年 9
月 27 日)<http://www.env.go.jp/jishin/rmp/conf/02-mat4.pdf> ただし、これらの数値は平成 23 年 7 月時点の
ものであり、除染の結果生ずる処分対象土壌や廃棄物の推計ではなく、目安として理解すべきである。
61 環境省「平成 24 年度環境省重点施策」(平成 23 年 12 月)p.4. <http://www.env.go.jp/guide/budget
/h24/h24juten-2.pdf>
62 高市早苗衆議院議員の質問主意書に対する政府答弁書(平成 24 年 2 月 10 日内閣衆質 180 第 33 号)
63 福島県飯舘村「飯舘村除染計画書」(平成 23 年 9 月)<http://www.vill.iitate.fukushima.jp/saigai

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場合の広域除染費用を 28 兆円とした試算も見られる64。現在の国の補助水準では、実際に
は自治体側の負担の一部しか賄えないとの指摘もある65。経済への悪影響も懸念される66中、
現実に担保可能な財政負担の範囲内で、どこまで有効な除染が行えるのかどうか、さらに
慎重な検討が求められよう。
(2)除染方法・技術と有効性
環境省は、平成 23 年 12 月、線量が特に高い地域以外を対象として、汚染状況の調査測
定方法、建物・道路・土壌・草木などの除染方法等を示したガイドライン67(以下、「ガイ
ドライン」)を示したが、状況によって必ずしも有効・適当でない場合があるとの指摘68や、
ガイドライン以外の処理方法をめぐって(補助金支給との関係などから)自治体側の困惑も
指摘69される。また、内閣府は、農地なども含め除染対象ごとに有効な技術を整理したカ
タログ70を用意、加えて減容化・剥離等の除染技術について公募し、実証試験71を行ってき
ている。これらの実地での有効性について、今後注視が必要であろう。
2 処分場をめぐる問題
福島県における除染に伴う除去土壌等の処分の流れは、①仮置場の選定・保管、②中間
貯蔵施設への搬入・保管、③(福島県外で)最終処分、のようになる。中間貯蔵施設につい
て、政府は、福島県双葉郡に設置する方向で進めている72が、地域との調整、供用開始ま
での過密な工程73など多くの難題を抱える。また、最終処分について、政府は、福島県住
民が既に過重な負担を負っていること等を踏まえ、福島県外で行うこととしている74が、
その場所について予定の 30 年以内に決定し、処分を完了できるか、全く予断を許さない。
一方、他の自治体における汚泥や一般ごみ等廃棄物の処分等をめぐっても、前述のとお
り困難な状況がみられ、特措法の下で埋立基準等が示されて以降も、低レベルの汚染廃棄
物についてすら支障が継続し、市民生活や産業への影響ももはや無視できないことから、
環境省は、自治体に対し、独自制限や指導は不適切であるとの通知75を出すに至った。な
/wp-content/uploads/2011/10/b2eb22467554edc1286c0f22672344be>
64 原子力委員会事務局編「原子力発電・核燃料サイクル技術等検討小委員会メンバーからの提出資料(原子力
発電・核燃料サイクル技術等検討小委員会 資料集 3)」(平成 23 年 11 月 10 日)
<http://www.aec.go.jp/jicst/NC/about/kettei/seimei/111110_3.pdf>
65 「除染費用 負担は?」『朝日新聞』2012.3.10; 「除染負担 募る不信」『東京新聞』2012.2.27.
66 除染の長期化に伴い、GDP を抑制する恐れの指摘もある(日本経済研究センター「第 38 回(中間報告)中
期経済予測(2011 年度-2020 年度)」2011.12.2. <http://www.jcer.or.jp/research/middle/detail4255.html>)。
67 環境省「除染関係ガイドライン 第1版」(平成23年12月)<http://www.env.go.jp/jishin/rmp.html#josen-gl>
68 例えば、「除染技術問題 ガイドライン効果不十分 道路線量下がらず」『福島民報』2012.1.24; 「屋根の高
圧洗浄「注意」低い除染効果」『朝日新聞』2012.1.12; 「森林の除染 手探り」『朝日新聞』2012.1.25, 夕.等。
69 小長洋子「目先のコスト論より長期的な配慮が必要」『週刊東洋経済』2012.2.18, pp.124-125.
70 内閣府原子力被災者生活支援チーム「除染技術カタログ」(平成 23 年 11 月 22 日)
<http://www.meti.go.jp/earthquake/nuclear/pdf/20111122nisa.pdf>
71 日本原子力研究開発機構福島技術本部「平成 23 年度「除染技術実証試験事業」概要」(平成 24 年 1 月 20 日)
<http://www.jaea.go.jp/fukushima/pdf/kankyoanzen-20120120.pdf>(アクセス日:2012.3.19.)
72 環境省「細野大臣記者会見録」(平成 24 年1月 6 日)<http://www.env.go.jp/annai/kaiken/h24/0106.html>
73 予定の 3 年では困難で、少なくとも 7 年は必要との指摘もみられる(小長 前掲注(69), p.124)。
74 高市早苗衆議院議員の質問主意書に対する政府答弁書(平成 24 年 2 月 10 日内閣衆質 180 第 25 号)
75 環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部「事故由来放射性物質に汚染された廃棄物の処理に係る留意事項
について」(平成 24 年 1 月 20 日)<http://www.env.go.jp/jishin/rmp/attach/no120120001.pdf>

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お、国直轄で行う対象とされた、高濃度である指定廃棄物についても、処理施設や処分場
を国が自ら用意することは難しく76、結局既存の廃棄物処理施設の活用を最優先とする旨
の通知77を行うなどしており、自治体側が不信感を強めているとの報道78もみられるところ
である。さらに今後、各自治体で、除染実施区域等における除染作業が本格化するにつれ、
仮置場の確保も含め、処分場をめぐる問題の解決にはいっそうの困難が予測される。
こういった状況の中、放射性物質で汚染された廃棄物や土壌等は、すべて事前の選別や
資源化等を考えず、漏出対策を十分講じた上で、一括して海洋への埋立処分を検討すべき
とする主張も現われてきている79
3 クリアランスレベルと広域処理
このように汚染廃棄物の処理が難航し、とりわけ喫緊の課題である災害廃棄物の広域処
理が遅々として進まない理由の一つとして、今回政府が示した基準(放射性セシウム濃度
8,000Bq/kg 以下の廃棄物は通常の処理方法により安全な処理が可能80と従前のクリアランスレ
ベル(放射性セシウム濃度 100Bq/kg を超えない場合、放射性物質(汚染物)として取り扱わない)
の並立が指摘される81。環境省は、前者を「廃棄物を安全に処理するための基準」、後者を
「廃棄物を安全に再利用できる基準」とし82、二重基準ではないとする。いずれの基準も、
目安となる被曝線量の上限を設定して算出されているが、それらを比較したものが表 5 で
ある。今回の基準では、被曝線量の上限が年 1 ミリシーベルトに設定されている場合があ
ることが分かる。つまり、両者とも「安全」としつつもその目安は異なる。今回の基準は、
事故時の対応として理解すべきものであろう83。また、放射性物質の濃度規制に加え、総
量規制(例えば処分場ごとの上限設定等)の要・不要について、廃棄物・灰等の混合調整によ
り放射能濃度を管理することがあるならば、それと「希釈」84との関係等についても考え
方を整理しておく必要があろう。
一方、従来の低レベル放射性廃棄物の埋設処分に際し、トレンチ処分(素掘り処分)とな
るセシウム 137 濃度上限値は、1 トン当たり 1 億ベクレル(10 万 Bq/kg)であった85が、そ
76 国有林活用の方向は示された(「汚染がれき処分 国有林を活用 環境相表明」『日経新聞』2012.3.13, 夕)。
77 環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部「指定廃棄物の処理に向けた基本的な考え方について」(平成 24
年 1 月 20 日)<http://www.env.go.jp/jishin/rmp/attach/no120120002.pdf>
78 「「国は処分の行程表示せ」負担続々 不信感」『朝日新聞』2012.2.29.
79 立川涼「私の視点 放射能汚染処理 廃棄物は一括埋め立てを」『朝日新聞』2011.10.20; 村田德治「循環型
社会の虚構と現実 第 69 回 放射性物質汚染物の処分」『月刊廃棄物』37(12), 2011.12, pp.66-71.
80 特措法の下では、さらに上乗せの特別基準を適用するとされている。
81 例えば、「がれき どこへ 基準の違いに不安」『朝日新聞』2012.2.24.
82 環境省廃棄物・リサイクル対策部「100Bq/kg と 8,000Bq/kg の二つの基準の違いについて」
<http://www.env.go.jp/jishin/attach/waste_100-8000.pdf>
83 参考として、国際原子力機関(IAEA)の BSS(国際基本安全基準)では、通常時年 10 マイクロシーベルト
の免除レベルを、事故時には年 1 ミリシーベルトとする(放射線安全規制検討会・文部科学省「放射線障害防
止法へのクリアランス制度の導入に向けた技術的検討結果について(第 2 次中間報告書)」(平成 22 年 1 月)
pp.177-182. <http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/gijyutu/004/004/sonota/1290220.htm>)。
84 平均放射能濃度のみが規制されている場合、濃度を上回る物を下回る物で希釈することにより規制値を見か
け上満足する意図的操作への考慮に対する IAEA の考え方等は、次の資料を参照。原子力安全委員会「原子炉
施設及び核燃料使用施設の解体等に伴って発生するもののうち放射性物質として取り扱う必要のないものの放
射能濃度について」(平成 16 年 12 月(平成 17 年 3 月一部訂正及び修正))pp.5, 25.
<http://www.nsc.go.jp/haiki/page5/050408-1.pdf>
85 原子力安全委員会「低レベル放射性固体廃棄物の埋設処分に係る放射能濃度上限値について」(平成 19 年 5

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の点では、今回、むしろ基準は厳しくなったともいえる。今後は、8,000Bq/kg を超える今
回の汚染廃棄物や原発・事業所由来のものも含め、放射能を帯びた廃棄物の処理処分の安
全性に対する考え方につき、一貫した全体像を示し、国民の理解を得ていく必要があると
思われる。
表 5 基準算出に際しての被曝線量の比較
基準
基準算出に際しての目安の比較
今回の基準
(8,000Bq/kg
以下)
・処理・輸送・保管に伴い、周辺住民の被曝線量が年 1 ミリシーベルトを超えない
・処理等を行う作業者の被曝線量が可能な限り年 1 ミリシーベルトを超えない
・(最終的な)処分施設の管理期間終了後、周辺住民の受ける被曝線量が年 10 マイクロシーベ
ルト以下
クリアランス
レベル
(100Bq/kg)
・埋設処分、再利用・再使用、焼却処理に際して作業者、周辺住民、一般人の被曝線量が年 10
マイクロシーベルトを超えない(焼却処理は、放射線障害防止法のクリアランスレベル算出時
に付加)
(出典)原子力安全委員会「東京電力株式会社福島第一原子力発電所事故の影響を受けた廃棄物の処理処分等に関する安全確
保の当面の考え方について」(平成 23 年 6 月 3 日)<http://www.nsc.go.jp/info/20110603_2.pdf>; 原子力安全委員会「原子炉
施設及び核燃料使用施設の解体等に伴って発生するもののうち放射性物質として取り扱う必要のないものの放射能濃度につ
いて」(平成 16 年 12 月(平成 17 年 3 月一部訂正及び修正))<http://www.nsc.go.jp/haiki/page5/050408-1.pdf>; 放射線安全
規制検討会・文部科学省「放射線障害防止法に規定するクリアランスレベルについて」(平成 22 年 11 月)<http://www.
mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/gijyutu/004/004/sonota/1301630.htm> 等に基づき、筆者作成
4 農地・森林・水域への対策
(1)農地
国民の食への信頼を回復し、被災地の農業を再生する上で農地の除染は重要な位置づけ
にある。政府は農地(単年性栽培農地)の除染方法として、①表土の削り取り、②水による
土壌攪拌・除去、③反転耕86などを示し、土壌の汚染濃度に応じて適用する技術を整理し
ている87。当初期待された、高吸収植物については、効果は小さい(ヒマワリ)とされたが、
種子中の油へセシウムが移行しないとすると、バイオ燃料等への活用が可能で、汚染地に
おける栽培作物として有望となる88。今後は、10 アール当たり 40 立方メートル89ともされ
る膨大な廃棄土壌の処理・減容化、仮置場の確保に加え、畦畔・農道・水路等からの再汚
染の防止や(表土が剥ぎ取られた)圃場の土壌診断と地力の回復90、林産物や畜産物まで含
め、放射性物質移行低減技術の実用化等が課題となろう。
(2)森林・水域
森林については、木材やきのこ等林産物や野生生物への汚染の中・長期的影響が懸念さ
れる。しかし、チェルノブイリ事故への対策をみると、積極的な除染というより、林業活
月)<http://www.nsc.go.jp/shinsashishin/pdf/3/ho3005.pdf>
86 30cm 以上の反転耕起を行い、放射性物質を土中深くに埋め込む手法。
87 農林水産省「農地土壌の放射性物質除去技術(除染技術)について」(平成 23 年 9 月 14 日)
<http://www.s.affrc.go.jp/docs/press/110914.htm>
88 「放射性物質除去技術の実証試験の成果」『aff』42(12), 2011.12, pp.2-3; 「ヒマワリ油 セシウム移らず 汚
染農地で栽培可能 バイオ燃料に活用も」『朝日新聞』2012.1.25. 今後は、菜種の検討も必要であろう。
89 原子力災害対策本部「農地の除染の適当な方法等の公表について」(平成 23 年 9 月 30 日) p.3.
<http://www.maff.go.jp/j/kanbo/joho/saigai/jyosen/joho/pdf/111020-a2.pdf> 4 ㎝の表土削り取りの場合。
90 中達雄ほか「農地の放射性物質対策のための技術開発について」『土地改良』276, 2012.1, pp.24-29.

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動の制限や 2 次的汚染を考慮した防火対策といった管理上の措置にとどまっている91。今
回の事故に際しても国際原子力機関(IAEA)は、技術的な対策の費用対効果上の疑問、生
態系への影響を指摘し、森林除染実施の前に、公衆被曝線量の低下につながるか評価すべ
きとする92。政府は、落葉等の堆積物の除去、枝葉の除去等が有効とし、ガイドラインで
は、居住者の被曝量低減の観点から、林縁部周辺の除染を想定している。しかし、生活圏
以外の森林についても国が主体的に除染を行うことを求める声93もあり、東日本の林業の
将来も見据えた検討が必要であろう。なお、樹木の放射性物質濃度は、長期間(例えば 10
年程度)を経てピークを迎える可能性もあり94、木材(経済財)利用に際しては注意が必要
である。また、水域に関して、ガイドラインは河床堆積物について当面のモニタリングに
触れるのみであるが、海洋も含め、水産物や生態系等の状況も注視していく必要があろう。
おわりに
特措法の全面施行に伴い、上乗せされた廃棄物処理施設等における各種基準の適切な運
用を担保し、汚染物の漏出等を監視していくことが今後重要である。同法の定める範囲に
該当しない廃棄物やそもそも廃棄物に該当しない有価物への対処95も課題であろう。また、
除染について、基本方針における 2 年先の目標が達成できたとしても、未だ長期的な目標
(年 1 ミリシーベルト)には及ばない地域が多いと考えられ、その後も除染をしっかりと継
続しなければ、住民の生涯被曝線量が 100 ミリシーベルトを超える懸念もある96。場合に
よっては、従来の土地で生活を再建することとは別の選択肢を検討しなければならない困
難な局面が生じる可能性97も今後念頭におく必要があろう。
資料 除染と汚染廃棄物をめぐる国・自治体等の主な動向(公表文書を含む)
日付
国・自治体等の動向
平成 23 年
5 月 2 日
環境省「福島県内の災害廃棄物の当面の取扱い」
5 月 6 日
文部科学省及び米国エネルギー省航空機による航空機モニタリングの測定結果公表 ※以降、
継続して空間線量率、地表面への放射性物質蓄積状況等を測定・公表
5 月 12 日
原子力災害対策本部「福島県内の下水処理副次産物の当面の取扱いに関する考え方」
5 月 15 日
環境省、第 1 回災害廃棄物安全評価検討会開催
5 月 19 日
総合科学技術会議、平成 23 年度 科学技術戦略推進費による「放射性物質による環境影響への
対策基盤の確立」プロジェクトに係る実施方針提示
6 月 3 日
原子力安全委員会「東京電力株式会社福島第一原子力発電所事故の影響を受けた廃棄物の処理
処分等に関する安全確保の当面の考え方について」
6 月 16 日
原子力災害対策本部「放射性物質が検出された上下水処理等副次産物の当面の取扱いに関する
考え方」
91 レオニード・イリーンほか(西条泰博訳)「3.4 事故ゾーンの森と林業」『放射能汚染の大事故:影響と防護
措置』長崎ヒバクシャ医療国際協力会,[2002], pp.155-164.
92 IAEA, Final Report of the International Mission on Remediation of Large Contaminated Areas Off-site
the Fukushima Dai-ichi NPP, 2011.11.15, pp.49-51.
<http://www.mofa.go.jp/mofaj/saigai/pdfs/iaea_mission_1110_en.pdf>
93 「森林除染をどうする?現場からの報告」『林政ニュース』427, 2011.12.21, pp.8-10.
94 IAEA, op.cit. (11), pp.46-47.
95 前掲注(56)
96 河田東海夫「社会修復に不可欠な福島地方の環境修復への対応」『原子力 eye』57(11), 2011.11, pp.31-35. 100
ミリシーベルトは、食品安全委員会が、放射線による影響が見いだされているとした、生涯追加累積被曝線量。
97 清水修二「原発災害がもたらしたもの・原発災害をもたらしたもの」『環境と公害』41(3), 2012.1, pp.45-50.

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6 月 23 日
環境省「福島県内の災害廃棄物の処理の方針」
6 月 28 日
環境省「一般廃棄物焼却施設における焼却灰の測定及び当面の取扱いについて」 ※東京都の
清掃工場で高濃度の放射性物質を含む焼却灰の発生判明を受けたもの
7 月
南相馬市、放射性物質除染方針を策定 ※以降、福島県内の多くの市町村で除染計画策定
7 月 15 日
・原子力災害対策本部「福島県内(警戒区域及び計画的避難区域を除く)における生活圏
の清掃活動(除染)に関する基本的な考え方」
・福島県災害対策本部「生活空間における放射線量低減化対策に係る手引き」
7 月 25 日
平成 23 年度第 2 次補正予算成立、特別緊急除染事業費約 180 億円計上(福島県県民健康管理基
金補助) ※9 月 9 日の閣議において復旧・復興予備費から生活圏の除染や除染モデル事業に
2179 億円追加計上決定
8 月 11 日
環境省「災害廃棄物の広域処理の推進について(東日本大震災により生じた災害廃棄物の広域
処理の推進に係るガイドライン)」
8 月 24 日
福島除染推進チーム(環境省、内閣府、日本原子力研究開発機構)発足
8 月 26 日
原子力災害対策本部「除染推進に向けた基本的考え方」「除染に関する緊急実施基本方針」「市
町村による除染実施ガイドライン」
8 月 29 日
環境省「一般廃棄物処理施設における放射性物質に汚染されたおそれのある廃棄物の処理につ
いて」
8 月 30 日
・放射性物質汚染対処特措法公布(一部施行)
・農林水産省、福島県及びその周辺の地域を対象とした農地土壌の放射性物質濃度分布図公表
・文部科学省、放射線量等分布マップ(放射性セシウムの土壌濃度マップ)公表
8 月 31 日
環境省、8,000Bq/kg を超え 100,000Bq/kg 以下の焼却灰等の処分方法に関する方針提示
9 月 14 日
・環境省、第 1 回環境回復検討会開催 ※除染等の措置等に係る事項について検討
・農林水産省、農地土壌の放射性物質除去技術(除染技術)開発研究成果とりまとめ
9 月 30 日
・林野庁、森林内の放射性物質の分布状況及び分析結果について中間とりまとめ、住居等近隣
の森林における除染のポイントを提示(12 月 27 日に第 2 報)
・原子力災害対策本部、森林・農地の除染の適当な方法等について公表
10 月 3 日
日本原子力研究開発機構、「福島第一原子力発電所事故に係る避難区域等における除染実証業
務」(内閣府委託事業)の一環として、平成 23 年度「除染技術実証試験事業」に係る課題公募
(10 月 7 日に、「警戒区域、計画的避難区域等における除染モデル実証事業」に係る候補者公募)
10 月 21 日 内閣府・文部科学省・環境省、当面の福島県以外の地域における周辺より放射線量の高い箇所
への対応方針を提示 ※ホットスポットへの除染等対応
10 月 29 日 環境省「東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う放射性物質による環境汚染の対処において
必要な中間貯蔵施設等の基本的考え方について」
11 月 11 日 放射性物質汚染対処特措法に基づく基本方針を閣議決定
11 月 15 日 国際原子力機関(IAEA)「福島第一原子力発電所外の広範囲に汚染された地域の除染に関する国
際ミッションの最終報告書」
11 月 18 日 除染及び特定廃棄物処理に関する関係閣僚会合(第 1 回)開催
11 月 21 日 平成 23 年度第 3 次補正予算成立、汚染廃棄物処理事業に 451 億円、除染に 1997 億円計上
12 月 5 日
福島県、福島県農林地等除染基本方針策定
12 月 14 日 放射性物質汚染対処特措法関係政省令公布 ※平成 24 年 1 月 1 日施行
12 月 22 日 ・厚生労働省「東日本大震災により生じた放射性物質により汚染された土壌等を除染するため
の業務等に係る電離放射線障害防止規則」(厚生労働省令)公布 ※平成 24 年 1 月 1 日施行
・低線量被ばくのリスク管理に関するワーキンググループ報告書(内閣官房)
12 月 24 日 平成 24 年度予算政府案閣議決定、汚染廃棄物処理事業に 772 億円、除染に 3721 億円、中間貯
蔵施設検討・整備に 20 億円等計上
12 月 28 日 ・汚染廃棄物対策地域、除染特別地域、汚染状況重点調査地域の各指定(環境省告示)
・細野環境相、中間貯蔵施設の双葉郡内設置を佐藤福島県知事等に要請
・福島県、「福島県復興計画(第 1 次)」策定 ※除染及び汚染廃棄物の円滑な処理を含む
平成 24 年
1 月 1 日
放射性物質汚染対処特措法全面施行
1 月 4 日
福島市内に、福島環境再生事務所(環境省)開所
1 月 26 日
環境省「除染特別地域における除染の方針(除染ロードマップ)」
2 月 29 日
流山市(千葉県)、放射性物質汚染対処特措法に基づく除染実施計画策定
3 月 13 日
災害廃棄物の処理の推進に関する関係閣僚会合(第 1 回)開催
(出典)関係各機関のホームページ等における関連情報を基に筆者作成