ヘルプ

<< http://0944.emkankyousosei.net/etc/stap.pdf のページ検索結果にもどる

このページでは http://0944.emkankyousosei.net/etc/stap.pdfをHTMLに変換して表示しています。

変換前のファイルはこちらから確認できます。

※Netscape4.0と4.7では正しく表示されない場合があります。ご了承ください。

※HTMLバージョンとして表示する際、レイアウトが崩れたり、文字が読めなくなる場合があります。ご了承ください。

Yahoo! JAPANはページ内のコンテンツとの関連はありません。

触れ顛倭凰運

Page 1
連載◎船瀬俊介 “STAP細胞” は不思議でもなんでもない 「千島・森下学説」 半世紀を超えて
ザ・フナイ 2014年6月号
しゅんすけ
はか
船瀬俊介 地球環境評論家 連載第33回
マスコミのタブー 100連発〈3〉
"STAP細胞〟は
不思議でもなんでもない
「千島・森下学説」半世紀を超えて
STAP細胞騒動が暴いた医療犯罪
「STAP細胞はあります!」
けなげ
満場のテレビカメラを見据えて言い切った小保
方晴子さんの健気な表情に、日本国中が釘付けに
なった。
いわゆるSTAP細胞騒動だ。その後、名誉挽回
を図った理化学研究所の調査委員長まで、論文不正
はか
論文不正は、今に始まったことではない。自らの
未熟さを謝罪した小保方さん。彼女は図らずも、そ
の女子力〟で既成学界の権威を崩壊させてしまっ
た。その破壊力たるや、じつにおそるべし。
科学論文の不正は、海外でも同じだ。次のような
告発がある。
「科学者が科学誌に発表するデータの半分以上が
無効である」
衝撃告発の主は、米国研究公正局 (ORI)のリ
チャード・ロバーツ氏。同局は米政府の公的機関で
あり、その責任者の証言はショックだ。さらに次の
ような証言もある。
「アメリカでは、カネさえ積めば、自分たちに都合
のいいデータを入手することができる」(サミエル・
エプスティン博士)
世界の医薬品の3分の2は“詐欺”商品
4人のノーベル賞受賞者を含む有力な科学者たち
で構成された調査委員会が、医薬品に関する問題を
船瀬俊介(ふなせ しゅんすけ)
1950(昭和25)年、 福岡県生まれ。 九州大学理学部
に進学するが翌年中退、 1971(昭和46)年、 早稲田
大学第一文学部に入学。 学生常務理事として生協経
営に参加。 約2年半の生協活動の後、日米学生会議
の日本代表として渡米、 ラルフ・ネーダー氏のグループ
や米消費者同盟などを歴訪。 同学部社会学科卒業後
は、日本消費者連盟に出版・編集スタッフとして参加。
1986(昭和61)年に独立。消費者・環境問題を中心
に評論、執筆、講演活動を行い現在に至る。 1990
(平成2)年にラルフ・ネーダー氏らの招待で渡米、 多
彩な市民環境団体と交流を深めている。 著書に
「新・知ってはいけない!?」(徳間書店)、 「悪魔の新・
農薬「ネオニコチノイド」」 (三五館)、「病院に行かず
「治す」 ガン療法」 (花伝社)など多数。
http://funase.jp-j.com/
が発覚して辞任するという異常事態に。掲載写真す
りかえの〝操作〟を認めたのだ。さらに、小保方さん
の“未熟さ"をマスメディアで批判していた山中教
授までが、過去の論文不正を告発されて陳謝した。
一連の騒動は、iPS細胞の作製でノーベル賞を
受賞して日本国中を沸かせたスター学者まで巻き込
狂騒曲と化した。世間は唖然呆然である。
しかし、私は一向に驚かない。
徹底精査した結果がある。その報告書には驚愕する。
1.新薬の臨床試験はデタラメである。
2.諸悪の根源は臨床試験を行う医者と研究者たち
である。
さらに、アメリカ政府の監督官庁が実施した公的
検査でも、以下の不正が暴かれている。
米国食品医薬品局(FDA)は臨床試験を実施し
ている医師を無作為で抽出し、その内容を検証して
いる。その抜き打ち検査の結果が『米国医師会雑誌』
(1975年11月号)に掲載された。その内容は-
全体の3分の1が、実際には臨床試験を行ってい
ない。
◆さらに全体の3分の1は、診療録(カルテ)に不
掲載のねつ造データを使用。
全体の5分の1が、不正確な分量を使ったりデー
夕改変したり、あらゆる不正を行っている。
結局、全体の3分の1にしか科学性は認められ
ない。
さんたん
この惨憺たる結果に、あなたは声もないだろう。
53
52

Page 2
連載◎船瀬俊介 “STAP細胞” は不思議でもなんでもない 「千島 森下学説」 半世紀を超えて
ザ・フナイ 2014年6月号
まさに、いずこも同じ。これは、現代医学の底無し
の病根といえる。つまり、臨床試験の3分の2は完
璧なペテンであり、 そら恐ろしいことに、そのねつ
造試験によって、新薬は効能”と“安全”を認めら
れ、認可されている。製薬メジャーは、そうして莫
大な利益を上げているのだ。
少なくとも3分の2の”効能”と“安全”がでっち
あげということは、はっきりいえば詐欺である。つ
まり、世界で流通している医薬品の3分の2は詐欺
商品! という驚くべき結論に達するのだ。
「いんちきな研究報告は日常茶飯事である」
この衝撃的な事実を告発したのは、故ロバート・
メンデルソン医師。 アメリカ屈指の良心の医師とし
て、いまだに国民の尊敬を集めている。彼は淡々と
告発している。
「新聞もいまさら大きく取り上げたりはしない。
新薬の臨床試験についてFDAが調査したときも、
いいかげんな使用量、データ改変とねつ造、ダンピ
ングが繰り返されていた」(「医者が患者をだますと
き』PHP文庫)
「科学誌データの半分以上が無効」
「臨床試験の3分の2がペテン」
この事実を知れば、STAP細胞どころか、iP
S細胞すら怪しく思えてくるだろう。
半世紀前に弾圧、
黙殺された“幻の学説"
「STAP細胞はね、小保方さんのやり方ならで
きますよ」
泰然自若の笑みで語る。目の前でドッカリ胡座を
かいて頷くのは森下敬一博士、66歳。国際自然医学
会の会長であり、まさに世界の自然医学の重鎮だ。
さる今年4月6日、昼下がり。JR中央線・高尾
駅近くの森下長寿研究所の庭には、しだれ桜が芝生
に淡い影を落としていた。恒例の花見句会。お酒の
グラスを手に、話題は小保方さんに移った。
「山中さんのiPS細胞は、遺伝子操作等でい
じっているから不自然。リンパ球を使った小保方さ
STAP細胞が私淑する森下先生に認められたこ
とが嬉しくて、私も頷く。
一番弟子といえる。ただしこの学説は、50年
以上も前に発表されながら、学界から完全黙
殺されて今日に至っている。
私も最初にSTAP細胞発見のニュースに接した
ときは、別に驚きもしなかった。
んの方がありえますよ」
あぐら
「そんなの当たり前。なんで今ごろ騒ぐのだろう?」
句会に参じた他の人々も、なんで今ごろと異口同
音に言って首をひねる。
小保方さんは、ある血球細胞に弱酸性の刺激を与
えると、万能細胞に変化することを“発見”したと
いう。万能細胞とは、色々な体細胞に変化する細胞
のことだ。
我々がニュースにまったく驚かなかった
のには、理由がある。
それは、千島・森下学説をとっくに知っ
ていたからだ。
この学説は、故・千島喜久男博士(※1)
が提唱し、森下敬一博士が実証を重ねた理
論だ。その意味で、森下博士は千島博士の
山中教授がiPS細胞 “発見”でノーベル
賞を受賞したときも、森下先生は相好を崩し、
体を揺すりながら笑われた。
「これをボクは50年以上も前に“発見”して
いるんだがねエ・・・・・・」
J
その通り。iPS細胞もSTAP細胞も、
千島・森下両博士が提唱し、発見している。
だから、真のノーベル賞に値するのは両博士
なのだ。
森下敬一博士。
55
故・千島喜久男博士。
陸軍獣医少尉、満州国立奉天農大教授、 満州医大講師などを経て、戦後は岐阜大学
※1 千島喜久男: 1899 (明治32)年、岐阜県生まれ。 国立盛岡高等農林学校獣医科卒。
農学部教授ほかを歴任。 1963(昭和38)年、千島学説を世界に提唱。 「新生命医学
「会」を設立し、月刊「生命と気血」 を発行。 著書に『千島・革新の生命医学全集』 全10
巻がある。 1978(昭和53)年、79歳で死去。
54

Page 3
連載◎船瀬俊介 “STAP細胞” は不思議でもなんでもない 「千島・森下学説」 半世紀を超えて
ザ・フナイ 2014年6月号
「腸管造血」「細胞可逆」「細胞新生」
の3本柱
千島・森下学説の根幹は極めてシンプルで、「腸
管造血」「細胞可逆」「細胞新生」という3本の柱で成
り立っている。
第1は「腸管造血」説。
古来より、「食」は「血」となり「肉」となると言わ
れてきた。つまり、食物は血球細胞となり、体細胞
となる。これは、逆も言える。空腹、飢餓状態などで
は、今度は「肉」が「血」となり、「食」の代わりとな
るのだ。
山で遭難した人が長い時間を経た後に救出された
ときは、見る影もなくやせ細っている。
飢餓状態にあって、「体細胞」が「血球細胞」「食物」
(栄養源)に戻ったのだ。
食物⇒血球細胞⇒体細胞という変化が起こる。そ
のためにはまず、食物が血球細胞に変わる場所を特
定しなければならない。千鳥・森下学説は、 それを
赤血球こそ万能細胞のルーツ
さて――――。「食」は「血」となった次に「肉」となる。
「血」が「肉」(体細胞)になるとは、どういうことか?
それは、赤血球が体細胞に変わるということだ。
つまり、赤血球こそが万能細胞のルーツなのだ。 は
やくいえば話題のES細胞、iPS細胞、 STAP
細胞なども、赤血球が体細胞に変わる過程にすぎな
い。そう考えれば、体内に様々な万能細胞が出現、
存在するのは当たり前なのだ。
あぼとおる
私の尊敬する安保徹博士 (元新潟大教授)は、iP
S細胞騒動のとき、苦笑いしながらこうおっしゃった。
「身体の中は、万能細胞だらけだよ」
我々の人体は、無尽蔵の万能細胞で満たされてい
る。それらが刻々と変化して、傷や炎症などが修復
されている。その膨大な種類と数の万能細胞を発
見〟した!と大騒ぎするのはコッケイだ。 そう安
保先生は皮肉っているのだ。
ちなみに赤血球は、白血球や血小板など、他の血
「腸である」と主張している。食物は腸管で赤血球
細胞に変化し、それが全身にめぐって体細胞に変化
する。
「食」は「血」となる。その場所は「腸」である。
ここまで聞いて、アレッ? と思う人が多いだろ
う。なぜなら、我々は学校で「血は骨から造られる」
と習ったからだ。 これは、「骨髄造血」説という。
現代医学の教科書には、いまだに「血は骨から造
られる」と明記されている。だから「血は腸ででき
る」と主張した千島・森下学説は、学界の猛攻撃を
受けた。 異端の排除。 これは学者の生存本能〟なの
だ。学者にとって自らの学説は、メシの種だ。 それ
を失うことはメシの食い上げを意味する。だから異
端に対しては、感情的にというより、動物的に攻撃
するのである。
しかし、「食べた物」が「血に変わる」のは消化吸
収の最終地点である腸以外にありえない。それは子
どもでも分かる。ところが知識偏重の学者には、そ
の“当たり前”のことが分からない。
球細胞にも変化する。
安保先生は、私にこう断言された。
「血球細胞が他の血球細胞に変わるのは、現代医
学ではもう常識だよ」
きょういく
しかし、医学教科書だけは、いまだにその“常識”
を認めていない。まさに、バカを作る狂育。 それが
現代医学の正体なのだ。
第2の柱は、「細胞可逆」説。
細胞は他の細胞に変化する。これが細胞可逆説だ。
「肉」は「血」となり「食」となる。つまり体細胞は
血球細胞となり、さらに栄養源に戻る。 まず体細胞
が血球細胞に戻る。 それは、飢餓状態に起きる。さ
らに、治癒や出血の時にも起きる。
飢餓状態では、身体に蓄えた栄養源 (体細胞)を
いったん血球に戻し、それをさらに栄養源に戻して、
生命は生き延びる。 実にシンプルなシステムだ。
しかし、あきれたことに、この単純な生理現象で
すら、現代医学は否定している。 石頭を通り越して、
完全に痴呆状態である。
57
56

Page 4
連載◎船瀬俊介 “STAP細胞” は不思議でもなんでもない 「千島 森下学説」 半世紀を超えて
ザ・フナイ 2014年6月号
この体細胞が血球細胞に戻るという現象は、
体細胞の一種、「骨」でも起きる。飢餓下では、「骨髄
細胞」が「赤血球」に戻っていくのだ。
「骨髄造血」説は、飢餓状態の鳥の骨髄に赤血球が
観察されたことから、「血は骨でできる」と早合点で
誤認したものだ。なるほど、骨が血に変わることは
ありうる。それは飢餓など特殊な状況下で起きる。
しかし通常は、腸で造血が行われているのだ。
ちなみに、傷の治癒のときにも細胞可逆は起きる。
これを解明した学者が、ニューヨーク州立大教授
ロバート・ベッカー博士だ。私はその著書『クロス
カレント電磁波複合被曝の恐怖』(新森書房)を
翻訳し、その説に驚嘆、感動した。
電磁生体学の世界的権威である博士は、まず治癒
の謎に挑んだ。 手や指を切る。 一時的に出血したり
傷口ができたりする。しかし、しばらくすると傷は
癒え、軽い傷なら切り口すら消滅して元に戻る。ま
さに、生命の神秘だ。
さらに驚異的なのは、再生(リジェネレーション)
それが「カントンの犬」だ(※2)。1897年、
フランスの生理学者ネル・カントンは歴史的な実験
を行っている。それは、「犬の血液を海水と入れ替え
る」という衝撃的な実験だった。フランス語では、
「母」も「海」も同じ発音だ。つまり、「海」を生命の
「母」と見なしているのだ。やはり東洋でも、漢字で
「血潮」と書く。このように「血」も源は「海」である、
ということは直感的に知られていた。
カントンは、血液成分と海水成分がほとんど同じ
ことを発見し「海水は血液の代替となり得る」と確
信した。その信念のもとで愛犬の血液を抜き、薄め
海水を注入するという、大胆な実験を実行したの
だ。それは公開で行われた。
犬は最初の2、3日はぐったりしていたが、やが
て元気を取り戻し、実験前より活発に動き回って周
囲を驚かせた。「カントンの犬」 実験は、海水が血液
の代替になるだけではなく、逆に海水が病気を治療
し、生命を活性化させることを立証したのだ。
この実験成功を機に、カントンは海水療法(タラ
あば
だろう。ベッカー博士は、トカゲの足を切断しても
また足が再生する謎に挑んだ。博士はまず、 切断面
の肉、骨、神経などの体細胞が変化して同じ共通細
胞(幹細胞)に戻る現象を確認。さらに、その共通細
胞が肉、骨、神経に変化して、なんと、失われた足が
再び出現したのだ。博士は、その過程で電磁気の“信
〟が指令を出していることも解明している。
こうしてベッカー博士は、「電磁気刺激をコント
ロールすれば、治癒・再生を制御できる」として電
気治療(エレクトロメディシン)を提唱するに至っ
たのだ。
これは、現在注目されている波動療法の根幹理論
の発見といえる。ベッカー博士は、独自の手法で、千
島・森下学説が唱える共通現象に到達したのである。
輸血は水と塩分だけでよし!
「カントンの犬」証明
もうひとつ。結果的に千島学説を証明する結果と
なった実験を紹介しよう。
ソテラピー)を確立し、その普及に生涯を捧げた。
しかし、ここにも既成医学界の大きな壁が立ちはだ
かった。
カントン理論もまた、千島・森下学説と同様、弾
圧黙殺の憂き目に遭い、歴史の闇に葬られていった
のである。
しかし、「カントンの犬」は輸血療法の根本的な矛
盾を暴くことになった。 大量出血しても、海水、つ
まり水分とミネラルを補給すればよい。その決定的
な証明となったのだ。すると、既成医学界からまた
横やりが入る。
「輸血とは、水分、ミネラル、血球を補うこと。血
球成分がない!」
ところが実際は、海水補給だけで十分なのだ。血
球成分は不要だ。なぜなら、血球は体細胞が変化し
て血液を満たすから。「カントンの犬」の実験成功は、
まさに千島学説の真実を証明しているのだ。
「カントンの犬」の実験は1897年、千島博士の
生まれる2年前だ。 両者が同時代に巡り合うことは
59
※2 カントンの犬」: 詳細は、本誌2013年10月号を参照。
88
58

Page 5
連載◎船瀬俊介 “STAP細胞” は不思議でもなんでもない「千島・森下学説」 半世紀を超えて
ザ・フナイ 2014年6月号
なかった。しかしそれから100年以上の歳月を経
て、孤高の学者カントンと千島学説は、見事にクロ
スしたのだ。
それらは、輸血医療という現代医学”最大の失敗”
を根底から打ち砕くパワーを秘めている。 輸血も血
液製剤も、本来なら、もっと有益で害のない方法に
取って代わられるべきものなのである。
出血による救命は、水分、塩分の補給で十分なのだ。
すると、肉・骨などの体細胞が血球細胞へと急激な
スピードで変化し、血液は血球細胞で満たされる。
ガン細胞は分裂せず
正常細胞が変化する
ちなみに、細胞可逆説は、従来のガン理論までも
根底から覆してしまう。
これまでのガン理論は、細胞のDNAが損傷して
遺伝子情報が狂い、細胞がガン化することで発症す
る、という。だからガンは、悪性新生物などとも言
われる。つまりガン細胞という悪性細胞が出現して
無から生命が生まれる!!!
ソマチットの驚異
第3の柱は「細胞新生」説だ。
これは、既成の学者には最も受け入れがたい説だ
ろう。生命の根幹に関わる問題だからだ。
「細胞は細胞からしか生まれない」
というのが近代生物学の根本理論だ。近代医学の
父、ドイツの生理学者ウイルヒョウが唱え、まさに
「医学の黄金律」として今日に伝えられている。それ
を千島博士は、真っ向から否定した。そして「生命
は自然発生する」と唱えたのだ。まさに驚天動地!
近代医学者たちが嘲笑、罵倒したのも当然かもし
れない。なにしろ、千島博士が論文を発表すると、
「精神鑑定の必要あり」とまで弄されたのである。
それはバクテリアの観察から始まった。そして得
られた結論は、「バクテリアは分裂増殖するという定
説は間違いである。それは、常に自然発生している」
(「千島学説入門』枠山紀一著、地湧社)というもの。
それが細胞分裂を繰り返し、幾何級数的に増殖して
人体を侵すという考え方だ。
しかし、千島・森下学説は別の見方をする。
それは「正常細胞がガン細胞に変化した」という
見解だ。つまり、細胞可逆説。
森下博士は、「血液の汚れがガンの源」だという。
血液が汚れると、最後は敗血症を起こして1週間
以内に死んでしまう。文字通り血液が腐敗するのだ。
「だから、血液の汚れを引き受ける“ゴミ溜め〟とし
ガンが発生した。つまり、ガンとは一種の延命装
置なのです」(森下博士)
血液の汚れを引き受けるために、正常細胞が変化
してガン細胞が生まれた!
そう考えると、ガンに感謝したくなる。
逆にいえば、血液を浄化すれば、“ゴミ溜め"も不
要になる。つまり、ガン細胞は正常細胞に戻る!
これがガン退縮、消滅の原理だ。だから、菜食、ファ
スティング(断食)などで血液を浄化すれば、ガン
が治るのも当たり前といえる。
といっても、千島博士は細胞分裂という現象を否
定しているわけではない。ただ、それ以外にも「生
命が湧いた」としか思えぬ現象を観察しているのだ。
つまり、無から有が生じた。何もないところから
「生命が誕生する」!
これは、ダーウィニズムに端を発する現代生物学
を根底からひっくり返す発想である。 ダーウィンは
『種の起源』で進化論を唱え、優勝劣敗、適者生存で
生命は“進化”してきた、と唱えた。しかしダーウィ
ンは「最初の生命はどうして誕生したのか?」とい
う質問には、こう答えている。
「それは、わからない」
じつに正直な学者であったことがわかる。
生命は、何もないところから生まれる。今でも、
こんなことを口走れば、正気を疑われるだろう。と
ころが、千島・森下学説の細胞新生説を裏付ける強
力な証拠が近年発見されている。それがソマチット
だ。「生命小体」あるいは「不死の生命体」とも訳さ
れる。フランスの生理学者ガストン・ネサンが発見、
61

Page 6
ザ・フナイ 2014年 6月号
載◎船瀬俊介 “STAP細胞” は不思議でもなんでもない 「千島 森下学説」 半世紀を超えて
何が
2子
1.ソマチット
二子
4.バクテリア
マイクロ・サイクル:
繊維質の葉状体
(不活性な老物)
5.二重バクテリア
16.成熟した菌糸体の破
6.状体(棒状)
15成熟した菌糸体
7.二
子のある
バクテリア状態
マクロ・サイクル
ク (ごみ)だよ」とつれない返事。それでも観察を続
け、教授たちを質問責めにした。 で、ついたあだ名
が“ドクター・プラーク”。しかしそれらはゴミでも
何でもなく、まさにミクロの生命体だった。
発見者ガストン・ネサンも弾圧の憂き目に遭い、
祖国を追われてカナダで“亡命”生活を送っている。
彼は、ソマチットが血液中で約16段階もの形態変化
を遂げる様を観察している(図参照)。
ソマチットは、動植物だけでなく、鉱物の中にさ
え存在する。それは、死ぬことのない有機体なのだ。
集合して細胞を作る。細胞は生命体を構成する。
つまり、千島博士が観察した 「バクテリアが無か
ら発生した!」という不可思議な現象こそ、まさに
ソマチット現象だと思える。
さらに、ソマチットは不食の生き方をも可能にする。
私は「長生きしたければ、食べてはいけない!』
(徳間書店)で、80歳を過ぎて、まったく飲食どころ
か排泄すらせずに生きているインドの老人を紹介し
ている。このような不食の奇跡は世界中で報告され
8粒
バクテリア状態
子のある
14.若い菌糸体
メデューサの
9. マイコバクテリア
(放射状)
13.7
12.MA
10.気泡のある
マイコバクテリア
11.マイコバクテリアの破裂
※バクテリア、酵母、あるいは菌糸体の形態
99 1
1999 C349F Distr
【図】 血中のソマチット・サイクル。 (出典: 福村一郎著『ソマチット 地球を再生する不死の
生命体」ビオ・マガジン社)
命名した。 ギリ
シャ語で「ソー
マ」(体)、「ティ
ドス」(作る)。
つまり、生命を
構成する最小単
位という意味だ。
森下博士も、
若い頃にこれを
発見している。
顕微鏡で血球
細胞を観察して
いると、画面に
なにやら不思議
な小さい点が動
き回るのが見え
る。それを先輩
や教授に尋ねる。
すると「プラー
ている。その理由を森下先生に尋ねた。すると、先
生は快活にこう答えられたのだ。
けいらく
「造血には、腸造血の他に、経絡造血というのがあ
る。経絡に太陽エネルギーを受けると、そこにソマ
チットがうじゃうじゃ増殖して、それが血球細胞に
なる。血球細胞が体細胞に変化する。 太陽の光が体
になる。いわゆる“光合成〟ですね。だから、食べな
くても生きていける!」
私は25歳のときに、沖正弘導師の沖ヨガと出会っ
た。ヨガの教えには「究極の真人は光によって生き
る」というものがあり、これは哲学的な比喩だと
思っていた。
しかし、どうもそれは、科学的な真理だったようだ。
今、こうして科学は新たなステージに昇ろうとし
ている。偏見を排して虚心坦懐に真実を受け入れ、
それに関する考察を深め、新たな学の体系をかたち
づくる時なのだ。
そこから、新たな文明の息吹が芽を伸ばすことだ
ろう。
63
62