東北被災地への募金は 60 万円ほどもお寄せいただき本当に感謝の一言です。
そのうちの一部でボカシ、乾電池などを順次東北へ送付しており、現地と
の連絡を密に取りながら、必要なものを送付予定でおります。 細川義治理事長
詳細につきましては後日報告させていただきます。本当にありがとうございました。
震災から3か月が過ぎ、福島原発はメルトスルー(溶融貫徹)という事実の把握がなされた
だけで、一向に改善の兆しが見えてきません。地震・津波災害以上に深刻度が増す原発の国
策災害とも言える現状は、社会資本の基盤である電力の在り方を改めて考え直す大きな転換
点となりそうです。8 割以上の国民が「廃炉」を望んでいるとの調査結果が出ました。この 3
か月の間に、原発、放射能、エネルギー関連など様々な講演会が開催され、また、映画も上
映されました。そこで得た情報と感想を列記してみます。
放射性物質が人体に及ぼす影響については、閾値(しきいち)と言われる、ある限度量ま
での安全領域の存在はないということが、最近の主流になってきていること。即ち、放射性
物質は可能な限り浴びないほうが良いということで、CTスキャンやMRI検査なども、緊
急の必要性の無い場合は、受けないほうが肉体にとっては良い。
原発反対派の小出裕章氏によると、100 万 kw の原発は毎日 3kg のウランを核分裂させ、そ
の 3 分の 1 だけが電気に変換され、残りは海水温暖化の熱になっているという。そして、3kg
近い核分裂生成物(死の灰)が残り、1 年間で1t。これは広島型原爆の 1000 発分を超える
量であり、最終処分地が未定であることへの疑問を呈し、
30 年以上にわたり毎日海水の温度測定を行い続けている岩内の反原発運動家の斉藤氏は、水
温上昇により、スケソウダラの生息水深が 150mも下がり、漁がほとんど無くなり漁民の激減
をもたらしたと言っていた。
そして、映画「10 万年後の安全」。フィンランドの世界初の高レベル放射性廃棄物の永久地
層処分場の建設に伴い、将来の安全性に絶対はないことを訴えていた。
映画「みつばちの羽音と地球の回転」。中国電力が計画している瀬戸内の上関原発に反対す
る 3km 南に位置する祝島の人たちのドキュメント。30 年近く毎週 1 度、原発反対の行進を続
けていることや明るく座り込みしていることに感嘆。活動とはなにかを考えさせられました。
これからの明るい情報として、道新にも掲載された環境エネルギー政策研究所の飯田哲也
氏は、環境省が出した全国の発電可能な自然エネルギー量は、北海道、東北のエネルギー自
給可能を示唆し、全国を一体化させれば、国内経済の活性化と合わせて、原発リスクのない、
クリーンな社会構築が実現できると言う。
放射能の危険性を考え、北海道に避難してきている若い夫婦や、福島の現状を伝えてくれ
た人たちの話を聞くと、政府・マスコミの報道に違和感を覚えざるを得ず、「外で遊んで帰っ
てくると、鼻血を出すようになった」「皮膚にちりちりとした痛みを感じる」「のどに違和感
を感じる」など、化学物質過敏症、電磁波過敏症の方々のような体質的に敏感な人たちや子
供たちには、直接的な症状が出ているようで、原発から 40km 離れた土地でも年間20ミリシ
ーベルト以上のホットスポットが明らかにされてきて、被災された人たちのこれからの社会
生活を考えると心が重い。今、自分にできることは、エネルギーの節約を考えながら日常の
経済行為を行うことと、正しいと思える情報を広く伝えること。それも、決して我慢するだ
けの未来ではなく、自然エネルギーの推進による雇用創出、経済力の維持が可能だという明
るい展望を伝えることではないかと考えている。