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GPIF:16年度は2年ぶり黒字、収益率5.86%-運用資産は過去最高 - Bloomberg コンテンツにスキップする
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GPIF:16年度は2年ぶり黒字、収益率5.86%-運用資産は過去最高

  • 収益額7兆9363億円、1-3月期は2988億円
  • 自主運用を始めた01年度からの累積収益も53兆3603億円と最高

世界最大の年金基金、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の2016年度の運用収益は2年ぶりに黒字に転換し、年度末の運用資産は過去最高を更新した。世界的な株高の押し上げ効果が金利上昇(債券価格は下落)と円高による目減り分を上回った。

  GPIFが7日公表した昨年度の業務概況書によると、収益率は5.86%、収益額は7兆9363億円。資産別では国内株式が14.89%、外国株式は14.20%と2年ぶりのプラス。一方、国内債券はマイナス0.85%、外国債券はマイナス3.22%だった。15年度はリーマンショックに見舞われた08年度以降で最大の運用損を計上していた。

  この結果、16年度末の運用資産額は144兆9034億円。年度末として最高だった2年前の137兆4769億円と四半期末で最も大きかった昨年末をともに上回った。前身の年金資金運用基金として自主運用を始めた01年度からの累積収益も53兆3603億円と最高を更新した。名目賃金上昇率を差し引いた運用利回りはこの16年間に年率2.80%。公的年金制度の一翼を担うGPIFに求められる同0.19%を大幅に上回った。

  GPIFの高橋則広理事長は資料に掲載した挨拶文で、16年度は内外株式の価格上昇を受けてプラスの収益率になったと指摘。その上で、引き続き「投資原則・行動規範を遵守し、短期的な市場変動に捉われず長期的な観点から運用を行い、次世代に必要な積立金を残すためにしっかりと受託者責任を果たしていく」と表明した。10月からの合議制による意思決定の導入などガバナンス(組織統治)改革の実施に向けた準備を進めていくとも述べた。

  年金特別会計が管理する資金も含めた積立金全体に占める国内債の割合は3月末に31.68%。1年前より5.87ポイント低下し、過去最低となった。国内株は23.28%と1.53ポイント、外株は23.12%と1.03ポイント上昇。外債は0.44ポイント低い13.03%、短期資産は8.89%だった。全体の5%を上限とするインフラ投資やプライベートエクイティ(PE、未公開株)、不動産などのオルタナティブ(代替)投資は0.07%に増えた。

  公的年金制度は高齢化で膨張する給付額を現役世代からの保険料や税金だけでは賄い切れず、その1割前後をGPIFからの拠出に依存。第2次安倍晋三内閣の意向を受けたGPIFは14年10月、資産構成の目標値を国内債6割からリスク性資産が3分の2近くを占める収益追求型に変更した。国内債は日本銀行による金融緩和を背景に目標値を割り込んでいるが、他の3資産はまだ目標値を上回ったことがない。

  GPIFは巨額の運用損を計上した15年度に続き、昨年度も前半はリスク資産に逆風となる世界的な株安と円高に直面した。世界経済の減速や米利上げ観測の後退に加え、英国民投票で欧州連合(EU)離脱派が勝利した6月には1ドル=100円の大台を突破。投資家のリスク回避で先進国の国債利回りは7月に軒並み過去最低を更新した。

  ところが、11月の米大統領選でトランプ氏が勝利すると、GPIFをめぐる運用環境は一変した。市場は同氏が唱える大規模な景気刺激策や金融規制の緩和を先取りし、世界的な株高・金利上昇が進行。円の対ドル相場は年末に119円近くまで下げ、日本株も15%前後上昇した。年明けから3月末にかけては各資産とも横ばい圏内で推移した。

  日本株の運用指標であるTOPIXは3月末に1512.60と1年間で12.3%、外株のMSCIコクサイは円換算で11.3%上昇。米国債の10年物利回りは2.3874%と61.9ベーシスポイント(bp、0.01%)上げた。円相場は対ドルでは111円39銭と1円18銭の上昇にとどまったが、ユーロに対しては1ユーロ=118円67銭と9円44銭も上げた。長期金利の指標となる新発10年物国債利回りは11.5bp高い0.065%だった。

3月末の保有銘柄を公表

  16年度分と同時に発表した今年1-3月期の収益率は0.21%、収益額は2988億円。3四半期連続で運用益を確保したが、過去最高を記録した10-12月期には及ばなかった。資産別では国内債がマイナス0.32%、国内株は0.52%、外債はマイナス3.09%、外株は2.56%だった。

  GPIFは今回初めて、直近の3月末に保有していた全ての個別銘柄を公表。昨年7月にはその前年の3月末分を初めて開示し、11月に同年3月末のデータを発表していた。債券は発行体名と時価総額を、株式は銘柄名や株式数、時価総額などを開示。業務概況書には内外債券・株式の4資産ごとに時価総額が10位までの発行体・銘柄を記載した。

  国内株で時価総額が最も大きかったのはトヨタ自動車、次いで三菱UFJフィナンシャル・グループ、3位が日本電信電話。外株では米アップルが最大で、米マイクロソフト、米アマゾンが続いた。国内債は日本政府、日本高速道路保有・債務返済機構、地方公共団体金融機構の順。外債は米国、イタリア、フランス各政府の時価総額が大きかった。

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