千葉津波11メートル、死者1600人想定も 南海トラフ地震

内閣府が29日発表した南海トラフ巨大地震の被害想定で、千葉県内で最大11メートルの津波が発生する可能性があることがわかった。東海沖から四国沖にまたがる南海トラフが震源となるため津波到達には最短でも30分ほどかかる予想だが、死者数を最大1600人と見積もる。千葉県は8月に策定した防災計画の実施を徹底し、被害を最小限に抑える計画だ。

県内では建物の倒壊や火災による死者は出ないと想定。津波のみによる死者数を推計した。避難しない人が0%の場合で10人、30%の場合で1600人だった。

津波の到達時間は最短で31分。「震源が遠いので津波がくるまでの時間が比較的長い」(県防災計画課)。想定される津波の高さは最も高くなる館山市で11メートルと、県が4月に公表した被害想定を上回る地点はなかった。

一方、浸水深1メートル以上の浸水面積は最大で2070ヘクタール。このケースでは館山市で450ヘクタール、南房総市で290ヘクタールが浸水する。千葉市美浜区(10ヘクタール)や市川市(20ヘクタール)など都市部でも1メートル以上の浸水があると予測された。

8月に策定した千葉県地域防災計画は「1分未満で津波が発生する直下型地震も想定した」(同)という県の被害想定を基にしており、南海トラフ巨大地震についても、同計画に沿って対策をとることになる。

県は津波による被害を防ぐため、遠隔操作で水門を閉めるシステムを導入する。東日本大震災で津波到達までに閉められなかった千葉市の水門など、千葉港の海岸線に近い17カ所に遠隔操作や自動閉鎖システムを設置する。2012年度予算で3億円を計上し、13年3月末にも設置を終える。

情報収集や物流には、民間の力を取り入れる。7月には県内のタクシー会社が加盟する千葉県タクシー協会と災害時の連携協定を結んだ。タクシーから道路や帰宅困難者などの状況を集め、県災害対策本部に情報を集約する。物流面では、千葉県トラック協会との連携交渉を進めている。

津波高・浸水域ともに県内最大の館山市は防災マップを見直し、秋にも市民に配布する方針だ。国に市町村別の詳細データを要望し反映したい考え。地図に5メートル単位で海抜を表示するなど工夫を凝らす。避難訓練は震災前の2~3倍に相当する年19回を実施する。5メートルの津波を想定し海抜10メートル以上の場所に逃げる。

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