GIMP2.6で、こんな感じの写真から特定の人物だけを綺麗に切り抜く方法を解説します。おもに「ファジー選択」と「クイックマスク」という機能を使って行います。
この写真のように、背景がごちゃごちゃしている場合に便利な方法です。
[人物を切り抜く手順]
- ファジー選択で大まかに選択範囲を指定する。
- クイックマスク編集で未選択箇所をブラシ(描画色/白)で塗る。
- 誤って選択してしまった背景部分は、ブラシ(描画色/黒)で塗る。
- クイックマスクを解除して通常編集画面で選択範囲を確認する。
- 未選択や誤選択があった場合は再びクイックマスクを使用し修正する。
- 選択範囲が確定したらコピーや切り抜きをする。
こちらの腰に手をあててキメてる女性部分だけを切り抜きたいので、ツールボックスから「ファジー選択」を選択します。この時赤枠で囲んだ”しきい値”のところを、10~25くらいの間で設定します。しきい値は、ツールの感度のようなもので数値を上げるほど選択範囲の判別が曖昧になります。
やり方は、「ファジー選択」を選び、切り抜きたい部分をShiftキーを押しながらクリックして行きます。この作業を連続して繰り返すことで、少しずつ選択範囲を広げていきます。
ある程度の選択範囲が決まった段階で、編集モードを「クイックマスク」に切り替えます。編集画面の左下すみにある、画像の赤枠で囲んだ箇所をクリックします。
※ファジー選択の段階で、正確に選択範囲が作成出来ていなくても問題ありません。想定内です。
「クイックマスク」という編集画面では、選択部分をオリジナルカラーで表示し、そうでない部分を赤でマーキングします。
この画像では、黄枠で囲った部分に赤いマーキングが残っているのがわかります。画像を選択出来ていない事をあらわしているので、再度選択する必要があるわけです。
もしもこの状態のまま、切り抜きなどの操作をした場合は、人物の赤い部分に穴が開いてしまいます。
このクイックマスク編集の便利なところは、ブラシをつかって選択範囲を作成出来るところです。それこそイラストを描くような感覚で、選択範囲を取り扱えます。
今回私は、ペンタブを利用して作業しています。もちろんマウスだけでも十分出来ますが、ペンタブで作業する場合より時間がかかってしまうかもしれません。
激安ペンタブ PTB-MT2 こちらを使っています。
場合によっては、パスや前景抽出選択などを利用して切り抜くほうが確実で速いという場合もあります。
それではツールボックスのブラシを選択して、描画色を白にしておきます。ツールオプションの”重ね塗り”にチェックを入れておいてもOKです。
クイックマスク編集で、ブラシを使って白で描画することは選択範囲の作成を意味します。逆に黒で描画することは選択解除を意味します。
前画面で選択外を意味する赤いマーキング部分が、ブラシ(白)で描画することで選択範囲を意味するオリジナルカラーに変わりました。
このようにして、切り抜きたい人物上にある赤いマーキング部分を無くしていきます。
画像の輪郭がギザギザして荒く見えますが、400%まで拡大しているせいです。通常の100%表示においては、問題ないはずです!
ここまでは、「選択外→選択範囲へ」にするための作業でしたが、ここからは「選択範囲→選択外へ」という作業に差し替わります。
やり方は先程すこし触れましたが、描画色を白から黒に変えてオリジナルカラーを赤いマーキングにします。
こちらの画像では、白い斜線を引いた部分が選択範囲になってしまっているので、選択外にするためにブラシを使って黒で描画して行きます。
このように、切り抜きたい人物以外はすべて赤いマーキング状態にしなくてはいけません。仮に人物の部分に赤いマーキングがはみ出しても慌てないで下さい、描画色を白に変更してもう一度塗り潰せば修正できます^^
かなり綺麗に人物の部分が選択出来ている気がしますが、クイックマスクは「選択範囲作成」の下書きみたいなものです。最終的な選択範囲の確定は、通常の編集画面に戻ってみないとわかりません。
ということで、クイックマスク編集のボタンを押して通常画面に戻ります!
クイックマスクを解除したところ、黄枠で囲んだ部分が選択ミスとして残っていることがわかりました。まず背景部分の黄枠2箇所は、クイックマスク編集で赤くマーキングし忘れた事を意味します。
そして人物の髪の毛の部分の黄枠は、オリジナルカラーになっていない事を意味しています。もう一度クイックマスク編集で、ブラシを使って白で塗り潰す必要があります。
きちんと一番手前の女性だけが選択範囲として表示されています。
それではこのまま、編集メニューでコピーを取って、新しいレイヤーとして貼り付けてみます。
「とりゃっ!」
「アレ?」、、、なんだか人物と背景の境界が汚くて目を背けたくなりました;;
でも大丈夫です、こういう場合は人物を囲んでいる選択範囲をまず1ピクセル縮小します。そして更に、選択範囲の境界を5~15程度ぼかします。今回は15にしました。
準備が出来たら、選択範囲を反転します。これで1ピクセル拡大した背景の方が選択される事になります。
そしてDeleteキーを押します。
こうすることで、人物の輪郭を一度ぼかした上で1ピクセル分内側を削除することになります。
しかし、画像をもっと拡大してみると、、、。
この黄枠で囲んだ箇所のように、見逃せないほどのガタつきが残っているのです。最後の仕上げとして「にじみ」や「ぼかし/シャープ」ツールをつかって修正します。
すると画像の右側のようなスッキリとした仕上がりにすることが出来ます。
文字による説明を読んでいると手間で難しく感じるかもしれません。
でも一度でも、GIMPを起動させて作業してみると思ったよりは簡単に出来るかもしれません^^
クイックマスクによる、人物の切り抜きいかがでしたでしょうか?
今後も私自身が学習したGIMPの活用方法を、少しづつではありますが紹介していこうと思っています~。
Adobe Photoshop Elements 13 Windows/Macintosh版(Elements 14への無償アップグレード対象商品 2015/12/24まで) 新品価格 |
GIMPでバナー・イラスト制作に使える画像合成・編集テクニック!!