【議員】法案提出者に質問します。
この法案の六条三号に、「医療の在り方については、個人の尊厳が重んぜられ、患者の意思がより尊重されるよう必要な見直しを行い、特に人生の
最終段階を穏やかに過ごすことができる環境を整備すること。」 こういう文言がございます。これはどういうことを想定されているのでしょうか。
【法案提出者】日本国民の皆さんにアンケートをいたしますと、やはり最期は自宅でお亡くなりになりたいという希望が多いわけですが、ただ実態は、先
ほど申し上げましたように病院が多い。
そこで、この推進法に書いてございますのは、個人の尊厳といった観点も踏まえた上で、在宅医療、介護の推進等、本人の希望にこたえて、できる限
り最期まで住み慣れた地域での暮らしが続けられる環境の整備の改革に取り組むということの決意を示したところであります。(後略)
【議員】ポイントは、個人の尊厳、それから人生の最終段階を穏やかに過ごす環境という、ここにあるんだと思うんですが、ちょっと総理に突然お伺いを
するんですが、尊厳死という言葉あるいは平穏死という言葉、こういう言葉は聞いたことあられますか。もしございましたら、どういうイメージ、どういう内
容を指し示すのかもお答えいただければと思います。
【内閣総理大臣】尊厳死というのは、人生の終末の段階において、患者さん御自身の意思決定を尊重して、そして自然な形で死を迎えるという場合が尊
厳死だろうと思います。 平穏死というのは、ちょっと分かりません。同じ意味なんでしょうか。聞いたことがありません。
【議員】最近、平穏死という言葉も使われるようになってきていまして、内容としてはほぼ同義語だとは思います。ただ、文字からいえば、人間としての尊
厳を保ちながら死を迎えるということになるかと思いますし、具体的には、不治であったり末期の状態で、例えば食べられなくなった場合に人工的な栄
養補給等はせずに自然な死を迎えると、そういうこともあるかと思います。イメージとすれば、自然に穏やかにあの世に旅立っていくということもあるだろ
うし、あるいは、我々家族も親と話をしていると、もし自分が例えば食べられなくなったり本当に末期が近づいているのであれば延命治療はやめてほし
いと、そういうことも家族の中では、尐なくとも私の家庭の中ではよくそういう話もするんです。やはり私は、これは医療に対する考え方もこれから変えて
いかなければいけない。具体的には、患者さん本人の望む終末期を実現していくんだと。死を延ばすだけが医療の役割であると、こういう考え方を変え
ていかなければならないと思っています。
(中略)
医療というのはやはり命を延ばすということが今までは大前提でしたから、それを何らかの形でもし縮めるということがあれば、本当は終末期の生活
の質を上げるためにやっているんだけれども、外形上そういうことになれば、これは厳密に言えば法律に問われるということも私は出てくるんじゃないか
なと考えています。
そんな中で、今回、日本老年医学会が指針を出しまして、口からの摂取が可能かどうか十分に検討した上で、更に胃瘻などの措置で延命が期待でき
たとしても、本人の意向などにそぐわない場合、複数の医療関係者と本人、家族らが話し合った上で合意すれば差し控えが可能だと、そういう指針を出
されました。また、人工栄養を開始した後でも、苦痛を長引かせるだけの状態になった場合などは、再度話し合って合意すれば栄養分の減量や中止も
できるとした、こういうガイドラインを出されました。やはり、こういうことが医療現場では今必要となってきているわけなんです。(後略)