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若い人がもっと怒らないでどうするっ!!
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【 最 近 の 動 き 】
東電や国の動向
弁護団の取り組み
3月16日 原賠審、中間指針第二次追補。
避難区域の再編に応じて精神的
損害の賠償範囲を見直し。
帰還困難区域-600万、居住制
限区域-240万、避難指示解除
準備区域-月10万
3月22日 東電、白河市など県南9市町村
の妊婦と子どもに20万円支
払。県の基金に30億円寄付も
3月28日 復興庁、全国避難者数を公表。
大阪以西では、沖縄、岡山、広
島、福岡が上位を占める。沖縄
1000人、広島543人
3月29日 福島県、県南・会津地方の住民
に独自に現金給付
妊婦・子ども(会津20万、県南
10万)、その他の住民-4万円
4月05日 東電、宮城県丸森町の妊婦と子
どもに20万円支払
4月15日 南相馬市の一部の避難区域、1
6日に解除
3月29日 商工業者向け相談会(越谷市)
3月31日 公害弁護団連絡会議40周年
記念シンポ(東京)
4月7日~8日
「原発と人権」全国研究交流集
会(福島市)
4月13日 埼玉県商連の東電交渉同行
(さいたま市)
4月13日 弁護団会議(東京)
4月18日 南相馬、相馬・新地、県北「被
害者の会」打ち合わせ(福島市)
4月20日 責任論チーム会議(東京)
4月20日~21日
避難者相談会(広島市)
4月26日 公害弁連東電交渉参加(東京)
4月28日 「国と企業の責任を明確にしよ
う」シンポ(東京)
4月29日~30日
避難者相談会・説明会(那覇市)
若い人がもっと怒らないでどうするっ!!
郡山市の北部――そこには、100年以上にわたって代々農業
を営んできた大河原力男さんの農地が広がります。
※イラストはイメージです。
■ 農作物を作ることは生き甲斐です
大河原さんは、現在62歳。44年にわたり農業に携わってきました。代々にわたって、
コメと梨を育て、いまでは田んぼが5反歩(1反歩=10アール=300坪)、梨畑が2反
歩あります。そのほか、夏には、枝豆やキュウリ、トマトなど、冬には、白菜や大根、ホ
ウレン草、水菜、レタスなども育てています。
農家の毎日はハードです。冬場だと朝9時ころから夕方4時くらいまで、夏場だと朝6
時ころから夜8時ころまで作業を行うそうです。
大河原さん自身は、家業を継ぐということもあって、農家になるのはごく自然なことだ
ったとか。コメや梨は美味しいと周囲の評判も大変良いそうです。「一生懸命作ったものが
評価してもらえるのが、なんといっても張り合いになっています。お礼状をもらったりも
しますが、とても嬉しいですね。農作物を作ることは、私の生き甲斐です」。
お母さまも、89歳になられますが、いまも野菜作りにかかわっています。「お
かげで、我が家では野菜を他所から買うということはありませんでした」という
のが、大河原さんのちょっとした自慢です。「母が野菜を作り続けているのも、
やはり生き甲斐だからだと思います。だから、母にとっても今回の事故は大変辛
い出来事でした」。
■ 一年かけて育ててきたものが売れない
大河原さんは、収穫されたコメをJAや直販所に卸すほか、お付き合いのある個人の方
に販売してきました。例年だと、早い人からはお盆のころに注文の予約が入るそうです。
ところが、昨年は、個人の注文が1件もありませんでした。結局、個人への販売はゼロ…
… かつて、こんなことは一度もなかったそうです。梨の場合も、幸水や豊水を収穫し、
個人の方などに販売していました。ところが、昨年は注文が極端に減りました。これも、
初めてのことでした。「一年かけて育ててきたものが売れないのは、とて
も辛いです。長年お付き合いのある人たちからも敬遠されて、本当に悲
しい思いをしました」。
■ 農地そのものがダメになってしまうのでは……
いまは、雨が降れば作業をやめている大河原さん。見えない恐怖をいつも感じています。
「事故直後は、西風ばかりと思っていて、郡山の方には飛んでこないなと、あまり心配し
ませんでした。しかし、昨年6月に、郡山も線量が高いことを初めて知りました。慌てて、
当時の作業日誌を見返しました。事故直後は、梨の枝縛りの時期で、毎日6時間くらい屋
外作業をやっていました。大変ショックでした」。
やっと暖かくなってきましたが、いかがお過ごしでしょうか。
福島県内外に避難している被害者の方々の集まりが各地で広がっています。
今後も、意見の交流の場や討論の場、いこいの場として、また、なにより東京電力と国に
対するたたかいの力となるように、ぜひこのたよりをご活用ください。
No.3 発行 2012 年4月
発行人:「生業を返せ、
地域を返せ!」福島原発
事故被害弁護団
TEL:03-3379-6770

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現在の心配は、農地そのものです。昨年は売れ行きが心配でしたが、今年は加えて、農
地が放射性物質に汚染され、ダメになるのではないか、そう心配されているのです。
「農家にとって、土は生命線です。1センチの土を作るのに、何年、何十年とかかりま
す。それが失われてしまう。一生懸命作った作物が買ってもらえないのも辛いことですが、
土がダメになってしまうということは、耐え難い苦しみです。土壌の線量も測っています
が、高い数値が出始めています。今年、作物を作ってみて、それで高い数値が出た場合は
どうしたらよいか、とても悩んでいます。仲間数人と、農業をこのまま続けていけるのか、
やめないといけなくなるのか、相談しあい悩んでいるところです。も
し、今年も高い数値が出るようなことになれば、この地での農業を諦
めるのか、あるいは仕事を変えるのか、決断を迫られると思っていま
す。悔しい気持ちでいっぱいです」。
■ 東電に対する想い
東電に強い憤りを感じている大河原さんは、お会いするたび、30人、50人と集まっ
て声を挙げなければと言われます。とくに、若い世代には期待も込めて叱咤激励が飛びま
す。「福島の人たちは、もっと怒らなければいけません。とくに、若い人たちは、もっとも
っと声を挙げていくべきです。色んな集まりの場で、私はいつもそんな話をしています。
私自身、泣き寝入りしないで、東電に責任を果たさせるまで声を挙げ続けます」。
郡山の農業の存亡がかかったたたかい――大河原さんの強い決意です。
(弁護士・馬奈木厳太郎)
安田法律事務所(福島市)の倉持です。今回は,我らが福島若手弁護士のリーダー,
渡邊純弁護士を紹介させていただきます。
純弁護士は,2005 年に弁護士登録をされ,郡山市のけやき法律事務所に入所され
ました。私もそうですが,福島県では 2007 年以降に弁護士となった,いわゆる若手
弁護士が非常に多く,その数年前に弁護士となった純弁護士は,常に私たちのリーダ
ー的な存在でした。
さて,純弁護士のご紹介をする中で,決して忘れることができないのは貧困問題で
す。純弁護士は,それぞれの立ち上げ当初から反貧困ネットワークふくしまの共同代
表と福島県弁護士会の貧困と人権に関する委員会の委員長をお務めになっておりま
す。それだけでも十分大変なことですが,特に昨年度は,それぞれの団体が,反貧困
フェスタ,貧困キャラバンを主催しました。いずれも,全国的な催しです。
純弁護士は長ですから,開催のための準備だけでも十分大変なはずでしたが,両方
の催しで自ら「被災地における貧困問題」について報告されるなど,大変積極的に取
り組まれておりました。
このように,あまりに反貧困運動に熱心に取り組まれるので,貧困の悪魔に呪われ
たのかわかりませんが,純先生が反貧困のために活動されると決まって自動車トラブ
ルがついて回りました。(純弁護士の車は,最終的には別の車に変わってしまいまし
た。)そんな困難にも負けず,貧困の悪魔と毅然と闘い続ける純先生の背中に,我ら
若手弁護士は,(純弁護士の運転する車には乗らずとも)この人をリーダーと慕い,
ついていこうと改めて強く思ったのでした。
さて,我らが純先生をリーダーとお慕いする理由は,
単に人権活動に熱心に取り組まれているということだけ
ではありません。純先生は,ともかく,レスポンスが早
いのです。たとえば,会議で何かを起案しましょうと決
まると,私が事務所に帰った頃にはもう ML でさっきの
起案が流れてくるのです(けっして私が外で油を売って
いるわけではありません。たぶん。)。もう少し難しい文
章のときでも,次の日くらいになるとやっぱり流れてく
るのです。あまりにレスポンスが早いので,しまいに,この人は仕事をしていないの
ではないか,と考えたこともありましたが,そう思った矢先に「17 人分の残業代請
求の訴訟を申立てた。」等とすました顔で言われてしまいました。
・・最近,私は,純弁護士は,きっと私とは違う時間軸を生きている人なんだと思
うようになりました。
そんな冗談はさておき,もう一つ,純弁護士には,忘れてはならない良さがありま
す。それは,面倒見のよさです。純弁護士のおかげで,私たち福島の若手弁護士は,
ここまで成長してこれましたし,震災後の困難な過大にもそれなりに取り組み,やっ
てくることができました。
そんな純弁護士は,間違いなく私たちの「アニキ」であり,おそらく長く険しい闘
いとなるであろうこの原発問題についても,我々は「アニキ」を信じて一緒に頑張っ
ていく決意を持っているのです。
安田法律事務所 倉持惠
弁護団員の紹介(渡邊純弁護士編)
【編集後記&今後の予定】
6月5~6日には、「全国公害被害者総行動」として、東京日比谷で決起
集会、その後、環境省や経済産業省などの各省・東電と交渉を行います。
国や東電に対して、当事者から直接原発事故による被害の実態を伝え、完
全賠償・原状回復を要求しに行きましょう!
※題字「みんなして」は、渡邊純弁護士の筆によるものです。