東電に強い憤りを感じている大河原さんは、お会いするたび、30人、50人と集まっ
て声を挙げなければと言われます。とくに、若い世代には期待も込めて叱咤激励が飛びま
す。「福島の人たちは、もっと怒らなければいけません。とくに、若い人たちは、もっとも
っと声を挙げていくべきです。色んな集まりの場で、私はいつもそんな話をしています。
私自身、泣き寝入りしないで、東電に責任を果たさせるまで声を挙げ続けます」。
郡山の農業の存亡がかかったたたかい――大河原さんの強い決意です。
(弁護士・馬奈木厳太郎)
安田法律事務所(福島市)の倉持です。今回は,我らが福島若手弁護士のリーダー,
渡邊純弁護士を紹介させていただきます。
純弁護士は,2005 年に弁護士登録をされ,郡山市のけやき法律事務所に入所され
ました。私もそうですが,福島県では 2007 年以降に弁護士となった,いわゆる若手
弁護士が非常に多く,その数年前に弁護士となった純弁護士は,常に私たちのリーダ
ー的な存在でした。
さて,純弁護士のご紹介をする中で,決して忘れることができないのは貧困問題で
す。純弁護士は,それぞれの立ち上げ当初から反貧困ネットワークふくしまの共同代
表と福島県弁護士会の貧困と人権に関する委員会の委員長をお務めになっておりま
す。それだけでも十分大変なことですが,特に昨年度は,それぞれの団体が,反貧困
フェスタ,貧困キャラバンを主催しました。いずれも,全国的な催しです。
純弁護士は長ですから,開催のための準備だけでも十分大変なはずでしたが,両方
の催しで自ら「被災地における貧困問題」について報告されるなど,大変積極的に取
り組まれておりました。
このように,あまりに反貧困運動に熱心に取り組まれるので,貧困の悪魔に呪われ
たのかわかりませんが,純先生が反貧困のために活動されると決まって自動車トラブ
ルがついて回りました。(純弁護士の車は,最終的には別の車に変わってしまいまし
た。)そんな困難にも負けず,貧困の悪魔と毅然と闘い続ける純先生の背中に,我ら
若手弁護士は,(純弁護士の運転する車には乗らずとも)この人をリーダーと慕い,
ついていこうと改めて強く思ったのでした。
さて,我らが純先生をリーダーとお慕いする理由は,
単に人権活動に熱心に取り組まれているということだけ
ではありません。純先生は,ともかく,レスポンスが早
いのです。たとえば,会議で何かを起案しましょうと決
まると,私が事務所に帰った頃にはもう ML でさっきの
起案が流れてくるのです(けっして私が外で油を売って
いるわけではありません。たぶん。)。もう少し難しい文
章のときでも,次の日くらいになるとやっぱり流れてく
るのです。あまりにレスポンスが早いので,しまいに,この人は仕事をしていないの
ではないか,と考えたこともありましたが,そう思った矢先に「17 人分の残業代請
求の訴訟を申立てた。」等とすました顔で言われてしまいました。
・・最近,私は,純弁護士は,きっと私とは違う時間軸を生きている人なんだと思
うようになりました。
そんな冗談はさておき,もう一つ,純弁護士には,忘れてはならない良さがありま
す。それは,面倒見のよさです。純弁護士のおかげで,私たち福島の若手弁護士は,
ここまで成長してこれましたし,震災後の困難な過大にもそれなりに取り組み,やっ
てくることができました。
そんな純弁護士は,間違いなく私たちの「アニキ」であり,おそらく長く険しい闘
いとなるであろうこの原発問題についても,我々は「アニキ」を信じて一緒に頑張っ
ていく決意を持っているのです。
安田法律事務所 倉持惠