時には、冷静に時間をかけて問題を解決しなければならない事も多いと覚えておきましょう。
4.ギャップ(大目的)で考えて、目先の目的や、雰囲気に流されない事が大切
勉強法最強化PROJECT(エール出版社)で石原先生は試験について次のように述べてい
ます。
試験とは『自分の現在の力』を伸ばし『相手(資格試験やら大学やらの)
の求める力』を超えることである。
ところが多くの人は、このギャップを埋めるという感覚がありません。がんばる→受験する
という発想の人が多いのです。大変損をする考え方です。あなたにとって優先順位の高い問いとは(今
のスキルギャップを埋める為に必要なことは何か?)という問いです。ところが、直接教えてもらう
事が大切なので、直接教えてもらおうとか、勉強には理解が大切なので、理解をもっと重視すること
をやらなければならない、というように、最終的な大目的(ギャップを埋めて合格するということ)
からほぼ無関係な細目の事項を必要以上に埋めることを考える人がいます。手段の目的化です。3 分
かけて理解すればいい所に 3 時間の時間をかけて、自分で覚えれば分かる事や自分で理解できる内容
の講義を受講するのが、このような大目的と細目の目的を混同した人が取る行動パターンです。
『英語の単語はひとつひとつ丁寧に辞書で調べることが大切で、そうやっているうちに覚え
ることができるんだよ』という、人生訓や生きる姿勢と勉強アドバイスが混ざっているものも同様で
す。
学ぶ姿勢は大切であり、辞書を引くことは有益ですがそのことと『限られた時間の中で最
大のパフォーマンスを発揮して、最善の結果を得る確率を最大化させる』という事は別の話です。
ちなみに、私はかつて高校生の時に高校の英語教師に単語の覚え方を質問したことがありま
すが、全員違う答えが返ってきました。学校の教師は英語を教えるのが仕事であり、合格させること
が仕事ではありません。落ちこぼれを作らない様に分かりやすく教えることが目的であり、ギャップ
を埋めて合格させることが仕事ではないので、このように違う答えが返ってくるのです。
勉強気分になる行為はたくさんあります。ノートに書き写しをしたり、まとめノートを作っ
たり、問題を解きまくったり、座って先生の話を聞くという行為です。このような行為は多くの場合、
勉強気分にはなりますが、なかなかスキルギャップが埋まりません。
5.その戦略で何点確保できるかを把握しておく(誤差をシミュレーションする)
ある予備校の生徒に質問をしました。そのテキストを全部覚えて〇〇大学で何点が取れるか
知ってる?『いいえ、知りません』という答えが返ってきました。よくよく話を聞くと、〇〇大学を
受験するには、この予備校がいいということを聞いたんです。これはきっと確かな情報です。という
ように、答えるのですが、私はいろいろな予備校のテキストを使って何点取れるのかというデータが
集まってくる仕事をしているので、実情を知っていました。大体60点くらいの点数になるという実
情もあれば、〇〇と〇〇と〇〇で90点くらいの点数になるという情報もあります。
また、試験は記憶量で8割決まりますが、残りの2割は解答力や適性もあります。ですか
ら他の人がやった通りにすれば確実に絶対に同じ点数が確保できるというわけでもありません。そこ
で、そのスキルギャップを埋める方法をいろいろな可能性を探りながら探していく作業が必要になっ