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教育多項式 < 凌宮数学 (LimgMath)

概要 EditToHeaderToFooter

2016年現在、
中学校・高校(以下、中高)で教える「多項式」と数学の「多項式」が異なっている。
大した害で無かろうと高を括っていたが、中高と大学の壁になりかねないほど深刻だった。

数学では「単項式は多項式に含まれる」とするのが習慣である。
対して、主に中高教育では「単項式は多項式に含まない」とする場合が多い。
これらは習慣の違いでしかないから、大した問題ではない。

しかし、「多項式が和の形をした式でなけれならない」など、
式と式を結ぶ「=」の概念まで危ういになる解釈もなされる。

中高の教科書では「~の形で表された式」と定義する場合が多い:

単項式の和の形で表された式を多項式という。

数学的には、このような定義に対し、その定義式に変形できれば満たすと解釈する。
例えば、$$ (a+b)^2 $$$$ a^2 $$$$ + $$$$ 2ab $$$$ + $$$$ b^2 $$に変形できて、
かつ、$$ a^2 $$$$ + $$$$ 2ab $$$$ + $$$$ b^2 $$は単項式の和であるため、$$ (a+b)^2 $$も多項式と見なされる。
そして、多項式について語られる全ての性質を、$$ (a+b)^2 $$が満たす。
それの上、$$ a^2 $$$$ + $$$$ 2ab $$$$ + $$$$ b^2 $$が持つ全ての数学的性質が$$ (a+b)^2 $$も持つから等号で結ぶ:

$$ a^2 $$$$ + $$$$ 2ab $$$$ + $$$$ b^2 $$$$ = $$$$ (a+b)^2 $$

そこで、現状把握するべく検定済み教科書を中心に、「多項式」の定義について調べた。
調査結果を以下に綴る。

目次 EditToHeaderToFooter

用語の定義 EditToHeaderToFooter

「多項式」という言葉自体が異なる概念を指す現象についての議論であるため、
曖昧を回避するべく以下の用語を定義する。
また、問題を単純にするべく1変数の場合のみを扱う。

  • $$ \mathbb{N}_0 $$を非負整数*1の集合とする。$$ n $$$$ i $$$$ j $$$$ \mathbb{N}_0 $$の要素とする。
  • $$ R $$を環*2を成す集合とする。$$ c $$$$ R $$の要素とする。
  • $$ x $$は変数で、冪*3が定義でき、$$ R $$を係数とする線形性*4を持つとする。
数式$$ m(x) $$と集合M
  • 数式$$ m(x) $$$$ = $$$$ c $$$$ x^n $$と定義する*5
  • 集合Mを$$ m(x) $$の集合とする。すなわち、M$$ = $$$$ \big\{ $$$$ r $$$$ x^n $$$$ \big| $$$$ r \in R $$$$ , $$$$ n $$$$ \in $$$$ \mathbb{N}_0 $$$$ \big\} $$
数式$$ p(x) $$、集合P
  • 数式$$ p(x) $$$$ = $$$$ \sum_{i=0}^{n} $$$$ c_i $$$$ x^i $$と定義する。
  • 集合Pを$$ p(x) $$の集合とする。すなわち、P$$ = $$$$ \Bigg\{ $$$$ \sum_{i=0}^{n} $$$$ c_i $$$$ x^i $$$$ \Bigg| $$$$ n $$$$ \in $$$$ \mathbb{N}_0 $$$$ , $$$$ c_i \in $$$$ R $$$$ \Bigg\} $$
数式$$ s(x) $$、集合S
  • 集合Sを集合Pと集合Mの差集合と定義する。すなわち、S$$ = $$$$ - $$M。
  • 集合Sの要素を$$ s(x) $$と表記する。
表記
  • 数式を記述する記号列ないし模様自体を表記と呼ぶ。
  • 曖昧で無い限り、数式と表記は基本的に1対多の関係にある。
    • 例:$$ 2x $$$$ x+x $$は数式として同じでも、見た目が異なるために異なる表記になる。
  • 以下では通常の表記は専ら数式を表すとする。表記を表す場合は引用符で括る。
    • 例:$$ 2x $$$$ x+x $$は数式を表す。数式として$$ 2x $$$$ = $$$$ x+x $$と表記する。
    • 例:“$$ 2x $$”と“$$ x+x $$”は表記を表す。表記として“$$ 2x $$$$ \neq $$$$ x+x $$”と表記する。
  • ただし、異なる記号列ないし模様を同一の表記と認める場合もありえる。
    • 例:$$ x-1 $$$$ x+(-1) $$は異なる綴りだが、和の表記として同一と見なす場合がある。
命名法の流派
  • 「多項式」を集合Pの要素を指す命名法をP流と呼ぶ。
  • 「多項式」を集合Sの要素を指す命名法をS流と呼ぶ。
  • 特定の表記を指す命名法をN流*6と呼ぶ。
表1:各命名法の用語と概念の関係
概念要素の命名法
P流S流N流
   
多項式環  
   
$$ m(x) $$単項式単項式 
$$ p(x) $$多項式整式 
$$ s(x) $$ 多項式 
$$ m(x) $$  単項式
$$ p(x) $$標準形 整式
$$ s(x) $$  多項式
*1 Wikipedia/自然数: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%87%AA%E7%84%B6%E6%95%B0
*2 Wikipedia/環: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%92%B0_%28%E6%95%B0%E5%AD%A6%29
*3 Wikipedia/冪乗: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%86%AA%E4%B9%97
*4 Wikipedia/線形性: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B7%9A%E5%9E%8B%E6%80%A7
*5 多変数の場合は$$ m(x) $$$$ = $$$$ c $$$$ \prod_{j=0}^m $$$$ x_j^{n_j} $$に差し替えれば良い。
*6 表記法:Notationに因む。

代数学教科書(大学・高専向け) EditToHeaderToFooter

共立2000:『共立講座 21世紀の数学⑨ 代数と数論の基礎』 EditToHeaderToFooter

  • 著者:中島 匠一、共立出版 2000年11月25日 初版1刷発行*7*8

『代数と数論の基礎』は大学の教科書として編集された本である。
P102、§2.3.1「1変数の多項式環」で多項式と定数多項式、単項式が定義されている:

 $$ R $$を環とする.$$ R $$の元を係数とする変数$$ T $$多項式(polynomial)とは

  $$ f(T) $$$$ = $$$$ a_n $$$$ T^n $$$$ + $$$$ a_{n-1} $$$$ T^{n-1} $$$$ + $$$$ \cdots $$$$ + $$$$ a_1 $$$$ T $$$$ + $$$$ a_0 $$$$ n \geq 0 $$$$ , $$$$ a_0 $$$$ ,\cdots, $$$$ a_n $$$$ \in $$$$ R $$) (2.7)

という式のことである.【中略】

$$ a_0 $$は0次の係数であるが,特に,$$ f(T) $$定数項(constant term)という名前がついている.

$$ j $$$$ = $$$$ 0 $$のときは,$$ T^0 $$$$ = $$$$ 1 $$と定めるのは自然であろう.(2.7)は

    $$ f(T) $$$$ = $$$$ \sum_{j=0}^n $$$$ a_j $$$$ T^j $$

とも表せる.ここで$$ n = 0 $$の場には$$ f(T) $$$$ = $$$$ a_0 $$$$ \in $$$$ R $$)となり

変数$$ T $$が登場しないが,これも多項式とみなす(定数多項式).

 (2.7)に現れる1つ1つの項$$ a_j $$$$ T^j $$単項式(monomial)と呼ばれる.

「単項式」をいくつか足し合わせてできるものが「多項式」というわけである.

ただし,(2.7)で項が1つだけの場合(すなわち,単項式)も多項式とみなすのが数学の習慣であるので,

誤解のないように.

その上、多項式という命名について、わざわざ脚注25)まで加えられている:

1つしかないものに「多」という言葉は使わないのが“日常語”の常識だろうが,

そうすると(2.7)を見たときにいちいち“単項式または多項式”と言わねばならず,非常に不便である.

それで,単項式も多項式に含めておくほうが得策だ,というわけである.

『代数と数論の基礎』の「多項式」の定義は以下のように読める:

  • 多項式は変数$$ T $$に関する式である。
  • その「式」とは、式(2.7)の表記ではなく、式(2.7)が表す数学概念を指す。
  • その「数学概念」は、式(2.7)に対し、同じか異なるかの区別ができる性質を持つ。
  • 「同じ」とは、片方が持つ性質が他方も持つことを意味する。── 片方が多項式なら他方も多項式。

このような数学書を読めるためには、以下の習慣を知っている必要がある:

  • 「という式」「表せる」は1つに過ぎない表示形を与える言い回しである。別の形も許される。
  • 式(2.7)で定義されても、(2.7)にそっくりな形=同じ記号列であるとは限らない。

以上より、共立2000『現代数学への入門 代数入門1』はP流である。

岩波1999?:『現代数学への入門 代数入門1』 EditToHeaderToFooter

  • 著者:上野健爾、岩波書店 ????年??月??日 ??版?刷発行*9

『代数入門1』は「代数を通した現代数学への入門書」である。
高校数学の「数と式」を扱うのが代数入門1、これを深めたが代数入門2である。

P86、第3章「多項式と方程式」(a)1変数多項式の節で、多項式と単項式が定義される:

変数$$ x $$と定数$$ a_0 $$$$ a_1 $$,…,$$ a_n $$とから作られる式

  $$ a_0 $$$$ + $$$$ a_1 $$$$ x $$$$ + $$$$ a_2 $$$$ x^2 $$$$ + $$$$ \dots $$$$ + $$$$ a_n $$$$ x^n $$

$$ x $$多項式(polynomial)と呼ぶ.

$$ 3x^2 $$のようにただ1つの項からなる多項式を単項式(monomial)という.

多項式は単項式の有限個の和であると考えることもできる.

このように、多項式を定義し、その1項の特例として単項式を定義する場合もある。
また、「単項式の有限の和」という言い回しでは、1項も考える。

以上より、岩波1999『現代数学への入門 代数入門1』はP流である。

*9 岩波書店ではリンク切れ、Amazonで上位に上がるのは恐らく版違い。

裳華1983:『基礎の数学』 EditToHeaderToFooter

  • 著者:矢野 健太郎、石原 繁、裳華房 2011年2月10日 第27版3刷発行*10*11

『基礎の数学』は「高等専門学校でのカリキュラムを効率よく学習」できるように編集されている。
大学向け教科書ではないためか、構成は高校数学と似ている。

P1の第1章「式の計算」§1整式で単項式と多項式が定義されている:

いくつかの数と文字を掛け合わせて得られる式を単項式という.

いくつかの単項式の和の形で表された式を多項式という.

P2で整式が定義されている:

単項式と多項式を合わせて整式という.

また,用語「多項式」と「整式」を同じ意味に用いる.

多項式を「単項式の和の形で表された式」と定義しているのは、多くの中高の教科書と同じスタイル。
その上、「多項式」と「整式」を同義という立場を取っている。

P5では展開式が定義されている:

 整式の掛算$$ ( $$$$ 2x $$$$ + $$$$ 1 $$$$ ) $$$$ ( $$$$ x $$$$ - 3 $$$$ ) $$を実行すれば,$$ 2x^2 $$$$ - $$$$ 5x $$$$ - $$$$ 3 $$が得られ,

    $$ ( $$$$ 2x $$$$ + $$$$ 1 $$$$ ) $$$$ ( $$$$ x $$$$ - 3 $$$$ ) $$$$ = $$$$ 2x^2 $$$$ - $$$$ 5x $$$$ - $$$$ 3 $$

積の形をしている整式$$ AB $$で掛算を実行して$$ AB $$$$ = $$$$ C $$となったとき,

$$ AB $$を展開すれば整式$$ C $$が得られるといい,整式$$ C $$$$ AB $$展開式という.

ここで、「積の形をしている整式$$ AB $$」という言い回しが登場するが、

  • 「和の形」と定義されたとしても、同じ扱いができれば「積の形」をしても構わない。
という事実を理解できないと、この手の教科書は理解に苦しむだろう*12

以上より、裳華1983『基礎の数学』はP流である。

日評2009:『代数入門』 EditToHeaderToFooter

  • 訳者:蟹江 幸博*13、日本評論社、2009年8月15日 第1版第1刷発行*14*15
  • 英語版:“Discourses on Algebra”
    • 著者:Igor R. Shafarevich、Springer出版 2003年*16*17

“Discourses on Algebra”はロシアで書かれた大学用教科書である*18
P26 §1.3「素因数分解」の最後、
第2章「多項式の基本性質」の導入として、単項式と多項式が定義されている:

$$ ax^k $$という形の表示を,$$ a $$が数で,$$ x $$が未知数で,$$ k $$が自然数か0であるときに,

単項式と言う($$ k=0 $$のときは単に$$ a $$と書く).

単項式の和を多項式という.

「単項式の和を多項式という」という文言は簡潔で、日本の教科書と同じ言い回しである*19
しかし、以下の補足説明によって「単項式は多項式に含まれない」よいう表層だけの読み方が否定される:

次数$$ n $$の多項式は

  $$ f(x) $$$$ = $$$$ a_0 $$$$ + $$$$ a_1 $$$$ x $$$$ + $$$$ \cdots $$$$ + $$$$ a_n $$$$ x^n $$

という一般形を持つ.

ここで,$$ a_k $$の中には$$ 0 $$になるものがあってもよいが,$$ a_n $$$$ \neq $$$$ 0 $$である.

なぜなら,もしもそうでなければ多項式の次数が$$ n $$より小さくなるからである.

$$ n=0 $$であれば,多項式は数$$ a_0 $$と一致する.そのような多項式を定数という.

つまり、式「$$ a_0 $$」は定数であり、多項式である。
一方で、「一般形」という言葉は$$ a_0 $$$$ + $$$$ a_1 $$$$ x $$$$ + $$$$ \cdots $$$$ + $$$$ a_n $$$$ x^n $$の表記を表す名前である。

同様に、

$$ a_n $$以外の係数が全て$$ 0 $$であれば、多項式は式$$ a_n $$$$ x^n $$と一致する。そのような多項式は単項式である。

つまり、「$$ a_n $$$$ x^n $$」は単項式であり、多項式でもある、という見方になる。

以上より、日評2009『代数入門』はP流である。

*13 書面印字では「蟹」は「鮮」の下に「虫」。
*14 日本評論社: https://www.nippyo.co.jp/shop/book/5088.html
*15 Amazon: http://www.amazon.co.jp/%E4%BB%A3%E6%95%B0%E5%85%A5%E9%96%80-%E3%82%A4%E3%82%B4%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%BBR-%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%AC%E3%83%B4%E3%82%A3%E3%83%83%E3%83%81/dp/4535784000
*16 Amazon.com: http://www.amazon.com/Discourses-Algebra-Igor-R-Shafarevich/dp/B002NX0IWC
*17 Amazon.co.jp, 2013再版: http://www.amazon.co.jp/Discourses-Algebra-Universitext-Igor-Shafarevich/dp/3540422536
*18 本人は序文で「本書を教科書であると言うつもりはない。」とは言っているが、英語版は間違いなくSpringerのUniversitextに収録されている。
*19 ロシア語や英語でも同じ言い回しか、日本語へ翻訳した際に読み替えた言い回しかは、未確認。

中学校用検定済み教科書 EditToHeaderToFooter

東書2015j#28:『新編 新しい数学』 1/2/3 EditToHeaderToFooter

  • 出版:東京書籍、2015、教科書センター用見本
  • 検定:中学校数学科用 文部科学省検定済み教科書 数学 728/828/928

数2のP10にて、単項式と多項式が定義されている:

 $$ 2a $$$$ 2x $$$$ \frac13a^2 $$などのように,数や文字についての乗法だけでつくられた式を単項式という。

1つの文字や1つの数,たとえば,$$ x $$$$ -5 $$なども単項式と考える。

 また,$$ 2a $$$$ + $$$$ 2\pi r $$$$ 3x $$$$ + $$$$ 10 $$$$ 3a^2 $$$$ + $$$$ 4ab $$$$ + $$$$ 1 $$などのように,

単項式の和の形で表された式を多項式といい,

そのひとつひとつの単項式を,多項式のという。

文字や数と単項式の包含関係が明記されているのに対し、
単項式と多項式の包含関係は明記されてない。
しかし、「単項式の和の形で表された式」は数学ではP流を意味するのは裳華1983で調べた通り。

実際、直後にある例1では、「単項式の和の形」でない式を「単項式の和の形」に変形できることを、
多項式である否かを判断する根拠としている。

例1 $$ 3x^2 $$$$ - $$$$ 2x $$$$ - $$$$ 5 $$の項を考えて見よう。

   $$ 3x^2 $$$$ - $$$$ 2x $$$$ - $$$$ 5 $$$$ 3x^2 $$$$ + $$$$ ( $$$$ -2x $$$$ ) $$$$ + $$$$ ( $$$$ -5 $$$$ ) $$と単項式の和の形で表せるから,多項式であり,

その項は$$ 3x^2 $$$$ -2x $$$$ -5 $$

このため、多項式の定義も演算による定義として運用されることになる。
よって、少なくとも運用に関しては東書2015#28はN流ではない。

他方、数3のP12には「展開する」が定義されている:

 単項式や多項式の積の形の式を,かっこうをはずして単項式の和の形に表すことを,

はじめの式を展開するという。

まず、「単項式や多項式」は、単項式を多項式に含ませない考え方への配慮と取れる。
そのため、運用に関してはS流と言える。

次に、「積の形の式」や「単項式の和の形」は、は明示的に数式の表記に関する表記と読める。
S流であれば「多項式」だけ表記が決まらず、形を記述する文脈では都合が悪い。
対して「和の形」が至って適切な表現である。

以上より、東書2015j#28:『新編 新しい数学』はN流ではない。
定義はP流である。運用はS流である。

学図2015j#30:『中学校 数学 1/2/3』 EditToHeaderToFooter

  • 出版:学校図書、2015、教科書センター用見本
  • 検定:中学校数学科用 文部科学省検定済み教科書 数学 730/830/930

数1のP31では加法の式について項が定義されている:

 加法の式$$ ( $$$$ +2 $$$$ ) $$$$ + $$$$ ( $$$$ -5 $$$$ ) $$$$ + $$$$ ( $$$$ +4 $$$$ ) $$で,

加法の記号$$ + $$で結ばれた$$ +2 $$$$ -5 $$$$ +4 $$を,この式のという。

数1のP75で文字式についての項が定義されている:

  の(1)で,面積の差は$$ 3a $$$$ - $$$$ 7 $$と表すことができ,

加法の記号$$ + $$を使うと,$$ 3a $$$$ + $$$$ ( $$$$ -7 $$$$ ) $$と表すこともできる。

 このとき,$$ 3a $$$$ -7 $$を,この式のという。

数2のP14で単項式、多項式、定数項が定義されている:

 $$ 4x $$$$ xy $$のように,数や文字をかけ合わせた形の式を単項式という。

$$ y $$$$ -6 $$のように,1つの文字や1つの数も単項式と考える。

 また,$$ 10x $$$$ + $$$$ 20 $$$$ 2x $$$$ + $$$$ 2y $$のように,

単項式の和の形で表された式を多項式といい,

それぞれの単項式を,その多項式の項という。

多項式で,数だけの項を定数項という。

項の定義が表記に基づいているのに対し、単項式と多項式の定義は演算に基づいている。
特に「かけ合わせた形の式」と定義された単項式に対し、
$$ y $$$$ -6 $$など掛け合わせてない表記の式も含む扱い方から、N流ではない。

その扱い方では、「和の形で表された式」と定義された多項式に対しても、
$$ 4x $$$$ xy $$のように表記上では和の形で表されてない式も含むことになる。
このため、少なくとも定義に関してはP流となり、
「単項式は多項式に含まれない」と解釈すると直ちに矛盾が生じる。

数3のP16では展開が定義されている:

 単項式と多項式や,多項式どうしの積の形をした式のかっこをはずして,

単項式の和の形に表すことを,もとの式を展開するという。

数3のP22では因数分解への導入に以下の文面がある:

 式の展開とは逆に,多項式を,単項式や多項式の積の形に直せるのかな?

数3のP28では因数分解が定義されている:

 多項式の中には,いくつかの式の積の形で表すことができるものがある。

たとえば,前ページのQの(1),(2)から,次の式が成立つことがわかる。

  $$ x^2 $$$$ + $$$$ 3x $$$$ = $$$$ x $$$$ ( $$$$ x+3 $$$$ ) $$        ①

  $$ x^2 $$$$ + $$$$ 3x $$$$ + $$$$ 2 $$$$ = $$$$ ( $$$$ x+1 $$$$ ) $$$$ + $$$$ ( $$$$ x+2 $$$$ ) $$     ②

 

 このように,多項式をいくつかの単項式や多項式の積の形で表すとき,

一つひとつの式をもとの多項式の因数という。

 たとえば,①の$$ x $$$$ x+2 $$は,多項式$$ x^2 $$$$ + $$$$ 3x $$の因数であり,

②の$$ ( $$$$ x+1 $$$$ ) $$$$ ( $$$$ x+2 $$$$ ) $$は,多項式$$ x^2 $$$$ + $$$$ 3x $$$$ + $$$$ 2 $$の因数である。

 多項式をいくつかの因数の積の形で表すことを,その多項式を因数分解するという。

単項式を多項式に含ませない立場を取りながら、「整式」という用語が欠けてるため、
「単項式と多項式や,多項式どうし」「単項式や多項式」など長ったらしい表現を用いる羽目になっている。
さらに長いが故の分り難さを回避するためか、単に「式」と曖昧に略す表現も用いられている。

以上より、学図2015j#30:『中学校 数学 1/2/3』はN流ではない。
定義はP流である。運用はS流である。

大日2015j#29:『新版 数学の世界 1/2/3』 EditToHeaderToFooter

  • 出版:大日本図書、2015、教科書センター用見本
  • 検定:中学校数学科用 文部科学省検定済み教科書 数学 729/829/929

数1のP76では1次式に関しての項が定義されている:

 式$$ 3x $$$$ - $$$$ 2 $$は,加法の記号$$ + $$を使うと,次のように表せます。

    $$ 3x $$$$ - $$$$ ( $$$$ -2 $$$$ ) $$

 このとき,$$ 3x $$$$ -2 $$を,それぞれ式$$ 3x $$$$ - $$$$ 2 $$といいます。

数2のP10では単項式と多項式、定数項が定義されている:

 $$ 4a $$$$ x^2 $$$$ -2 $$$$ ab $$などのように,

項が1つだけの式を単項式という。

 $$ a^2 $$$$ - $$$$ 9 $$$$ x^2 $$$$ - $$$$ 3x $$$$ - $$$$ 2 $$などのように,

項が2つ以上ある式を多項式という。

 

 多項式は,単項式の和とみることができる。

また,多項式の項で,$$ -9 $$$$ -2 $$のように文字をふくまない項を定数項という。

項の定義が記号区切りに基づいているために、表記に基づいている。
単項式と多項式の定義が項の個数であるため、表記に基づくN流の定義となる。

注目すべきは、以下の事実と、これらの事実から導けかれる悪い結果。

  • 単項式と多項式は、明示的に項の数で定義されている。
  • 項の定義は、加法記号による表記に基づいている。
  • 数1のP67のQ2(2)で分数式$$ a $$$$ \div $$$$ b $$$$ + $$$$ c $$$$ \div $$$$ 8 $$が既に扱われている。

その結果:$$ a $$$$ \div $$$$ b $$は1つ項に分類される。
悪い結果:$$ a $$$$ \div $$$$ b $$は単項式に分類される。
これは、大日本図書の教科書の「単項式」は、
数字と文字の積として定義される他社教科書の「単項式」と異なることを意味する。

数3のP13では展開が定義されている:

単項式と多項式との積や,多項式と多項式との積の形をした式を1つの多項式に表すことを,

もとの式を展開するという。

数3のP26では因数が定義されている:

 1  のように,1つの式をいくつかの単項式や多項式の積の形に表すとき,

その1つ1つの式を,もとの式の因数という。

「整式」に相当する語句が未定義なため長い言い回しもあるものの、運用もN流である。

以上より、大日本2015j#29:『新版 数学の世界 1/2/3』はN流である。

教出2015j#31:『中学数学 1/2/3』 EditToHeaderToFooter

  • 出版: 教育出版、2015、教科書センター用見本
  • 検定:中学校数学科用 文部科学省検定済み教科書 数学 731/831/931

数1のP29で数に関して「項」が定義されている:

 加法だけの式のそれぞれの数を,その式のという。

数1のP71で1次式に関して「項」が定義されている:

 式$$ 5x $$$$ - $$$$ 7 $$や,$$ 5x $$$$ + $$$$ ( $$$$ -7 $$$$ ) $$と表すことができる。

このとき,加法の記号$$ + $$で結んだ$$ 5x $$$$ -7 $$を,その式のという。

数2のP12とP13で単項式、多項式、定数項が定義されている:

 文字を使った式が書かれたカードを,式の形に着目して,下のA,Bに分類しました。

同じように㋐~㋒のカードを,A,Bに分類してみましょう。

  A: $$ 25x $$  $$ 2x^2 $$  $$ ab $$  $$ \frac x2 $$

  B: $$ 6a $$$$ - $$$$ b $$$$ + $$$$ 5 $$  $$ 2x $$$$ - $$$$ 2x $$$$ - $$$$ 5 $$  $$ 100x $$$$ + $$$$ 20 $$

  ㋐: $$ 100x $$$$ + $$$$ y $$

  ㋑: $$ 3a $$

  ㋒: $$ 5mn $$$$ - $$$$ 3 $$

 Aに分類された$$ 25x $$$$ ab $$のように,項が1つだけの式を単項式という。

単項式は,数や文字の積の形だけでつくられた式とみることができる。

また,$$ x $$のような1つだけの文字,$$ -2 $$のような1つだけの数も単項式である。

Bに分類された$$ 6a $$$$ - $$$$ b $$$$ + $$$$ 5 $$のように,項が2つ以上ある式を多項式という。

多項式は,単項式の和の形とみることができる。

多項式で,数だけの項を定数項という。

単項式と多項式は、項の数によって定義されている。
その項は、加法記号区切りの表記として定義されている。
これは、教育出版の「単項式」は大日本図書の「単項式」と同じく、
数字と文字の積として定義される他社教科書の「単項式」と異なることを意味する。

ただし、大日本図書の教科書と異なるのは、これまでに分数式が現れてない*20
そのため、辛うじて「扱ってる文字式の範囲では正しい」と拡大解釈できる。
それでも、後に再定義されないため、$$ \frac{a}{b} $$を単項式に分類するまま卒業することになる。

また、直後で「数や文字の積の形だけでつくられた式」と限定しているため、
それまでに数と文字の積になる項しか登場してなければ、辛うじて言い訳できる。

P34の「章の問題」で単項式・多項式の分類を問い、
P233の解答で「単項式が多項式に含まれない立場」を示している:

1 下の㋐~㋒の式について,次の問いに答えなさい。

  ㋐ $$ 2x $$$$ - $$$$ 3 $$    ㋑ $$ -3a^2b $$    ㋒ $$ a^2 $$$$ - $$$$ 5ab $$$$ + $$$$ 4 $$

  (1) 単項式と多項式に分けなさい。また,多項式について,その項をいいなさい。

  (2) それぞれ何次式ですか。

1(1) 単項式…①

   多項式…㋐ $$ 2x $$$$ -3 $$

       ㋒ $$ a^2 $$$$ -5ab $$$$ 4 $$

 (2) ㋐ 1次式  ㋑ 2次式  ㋒ 2次式

数3のP15では展開が定義されている:

単項式や多項式の積の形で表された式を計算して単項式の和の形に表すことを,

もとの式を展開するという。

数3のP24では因数分解が定義されている:

1つの式がいくつかの式の積の形に表されるとき,かけ合わされた1つ1つの式を,

もとの式の因数という。

多項式をいくつかの因数の積の形に表すことを,もとの式を因数分解するという。

N流の解釈では、全て式の形に関する表現となるため、整合性が取れている。
また、興味深い運用として、因数の積を因数と見なす考え方を明記している:

たとえば,$$ x+1 $$$$ x+3 $$$$ x^2 $$$$ + $$$$ 4x $$$$ + $$$$ 3 $$の因数である。

また,$$ 5xy $$では$$ 5 $$$$ x $$$$ y $$$$ 5x $$などが因数で,

$$ 3a $$$$ (a+2) $$では$$ a $$$$ 3(a+2) $$などが因数である。

積の形でない$$ 5 $$なども因数扱いするため、「積の形に表す」表現は演算に基づく定義と言える。
この運用から、演算に基づく定義と表記に基づく定義が使い分けされていると解釈できる。

また、教育出版の教科書では、索引で英語が併記されている:
数1

 項    term           ………………… 24, 71

数2

 多項式  polynomial     ………………… 13
 単項式  monomial       ………………… 13
 定数項  constant term  ………………… 13
 同類項  similar terms / like terms … 15

数3

 因数   factor         ………………… 24, 32
 因数分解 factorization  ………………… 24
 展開   expansion      ………………… 12

残念なことに、折角対応する英語を示しているのに、
教育出版の単項式は単なる項termに過ぎず、数字と文字の積からなるmonomialとは異なる、
そうすると多項式も単なる加算式に過ぎず、monomialの和として定義されるpolynomialとは異なる。

以上より、教出2015j#31:『中学数学 1/2/3』はN流である。

*20 単に確認漏れの可能性もある。

啓林2015j#32:『未来へひろがる 数学 1/2/3』 EditToHeaderToFooter

  • 出版:啓林館、2015、教科書センター用見本
  • 検定:中学校数学科用 文部科学省検定済み教科書 数学 732/832/932

数2のP15で単項式、多項式と項が定義されている:

 $$ 3a $$$$ xy $$$$ p $$のように,

数や文字についての乗法だけでできている式を,単項式といいます。

$$ c $$$$ 500 $$のような,1つの文字や1つの数も単項式と考えます。

 また,$$ 10a $$$$ + $$$$ 2b $$のように,

単項式の和の形で表された式を多項式といい,

1つ1つの単項式$$ 10a $$$$ 2b $$を,多項式$$ 10a $$$$ + $$$$ 2b $$といいます。

また、直後の例1は多項式の判定をせず、あくまでも項の判定に焦点を当てている:

問1> 多項式の項

$$ 3a^2 $$$$ - $$$$ 2a $$$$ + $$$$ 1 $$は,$$ 3a^2 $$$$ + $$$$ ( $$$$ -2a $$$$ ) $$$$ + $$$$ 1 $$と書けるから,

多項式$$ 3a^2 $$$$ - $$$$ 2a $$$$ + $$$$ 1 $$の項は,$$ 3a^2 $$$$ ( $$$$ -2a $$$$ ) $$$$ 1 $$

数3のP16では、「展開する」が定義されている:

 このように,積の形で書かれた式を計算して,和の形で表すことを,もとの式を展開するといいます。

同じ数3のP24では、「因数分解」が定義されている:

 $$ (a+3) $$$$ (a-3) $$は,展開すると$$ a^2 $$$$ - $$$$ 9 $$になります。

これを逆にみると,$$ a^2 $$$$ - $$$$ 9 $$は,次のように積の形に表されます。

  $$ a^2 $$$$ - $$$$ 9 $$$$ = $$$$ (a+3) $$$$ (a-3) $$

 このとき,整数の場合と同じように,$$ (a+3) $$$$ (a-3) $$$$ a^2 $$$$ - $$$$ 9 $$因数といいます。

 また,多項式をいくつかの因数の積の形に表すことを,

その多項式を因数分解するといいます。

展開と因数分解では、明示的に表記を表す「和の形」と「積の形」が用いられている。
その上、何の和や積かを限定してない。多項式に限らない一般的な展開や因数分解とも捉えられる。
そのため、啓林館の教科書では「多項式」の解釈は、確認できない。

以上より、啓林館2015j#32:『未来へひろがる 数学 1/2/3』はN流ではない。
定義はP流である。運用は、S流とは確認できない。

数研2015j#34:『改訂版 中学校 数学 1/2/3』 EditToHeaderToFooter

  • 出版:数研出版、2015、教科書センター見本
  • 検定:中学校数学科用 文部科学省検定済み教科書 数学 734/834/934

数2のP16で、単項式、多項式と項が定義されている。

 $$ x^2 $$$$ 3x $$のように,数や文字をかけ合わせてできる式を単項式という。

$$ a $$$$ -8 $$のように,1つの文字や数字も単項式である。

 また,$$ x^2 $$$$ + $$$$ 3 $$のように,単項式の和の形で表される式を多項式といい,

その1つ1つの単項式を,多項式のという。

直後の例1は多項式の判定をせず、あくまでも項の判定に焦点を当てている:

 $$ 2x^2 $$$$ - $$$$ 7x $$$$ + $$$$ 4 $$は,$$ 2x^2 $$$$ + $$$$ ( $$$$ -7x $$$$ ) $$$$ + $$$$ 4 $$と書けるから,

3つの項

  $$ 2x^2 $$, $$ -7x $$, $$ 4 $$

からできる多項式である。

数3のP26で、展開が定義されている:

 単項式と多項式の積,あるいは,多項式と多項式の積の計算をして,

単項式の和の形に表すことを,もとの式を展開するという。

数3のP26とP27で、因数分解が定義されている:

 このように,1つの式が多項式や単項式の積の形に表されるとき,

積をつくっている1つ1つの式を,もとの式の因数という。

 多項式をいくつかの因数の積の形に表すことを,もとの式を因数分解するという。

因数分解は,展開を逆にみたものである。

以上より、数研2015j#34:『改訂版 中学校 数学 1/2/3』はN流ではない。
定義がP流、運用がS流である。

日文2015j#35:『中学数学 1/2/3』 EditToHeaderToFooter

  • 出版:日本文教出版、2015、教科書センター用見本
  • 検定:中学校数学科用 文部科学省検定済み教科書 数学 735/835/935

数2のP12に単項式、多項式と項が定義されている:

 $$ 4x $$$$ ab $$$$ x^2 $$のように,

数や文字についての乗法だけでできている式を単項式といいます。

$$ x $$$$ -1 $$のような,1つの文字や1つの数も,単項式と考えます。

 一方,$$ 2x+1 $$のように,

2つ以上の単項式の和の形で表される式を多項式といい,

1つ1つの単項式$$ 2x $$$$ 1 $$を,多項式$$ 2x+1 $$といいます。

$$ x $$$$ - $$$$ 1 $$$$ = $$$$ x $$$$ + $$$$ (-1) $$だから,$$ x $$$$ - $$$$ 1 $$も多項式です。

多項式の定義に「2つ以上の単項式」とあるため、単項式を多項式に含めない立場である。
しかし、$$ x $$$$ - $$$$ 1 $$を多項式と判定する理由に$$ x $$$$ - $$$$ 1 $$$$ = $$$$ x $$$$ + $$$$ (-1) $$を使うため、
同じ論法で、「$$ 4x $$$$ = $$$$ x $$$$ + $$$$ 3x $$だから,$$ 4x $$も多項式です。」と言えてしまい、S流となる。

直後の例1は多項式の判定をせず、あくまでも項の判定に焦点を当てている:

例1 多項式の項

多項式$$ 6ab $$$$ - $$$$ a^2 $$の項は,$$ 6ab $$$$ -a^2 $$です。

中2文教P12図.PNG

ただ、P12における導入では、
文字式の加算として$$ ( $$$$ 2x $$$$ - $$$$ 1 $$$$ ) $$$$ + $$$$ ( $$$$ 2x $$$$ + $$$$ 1 $$$$ ) $$$$ = $$$$ 4x $$が登場し、
$$ ( $$$$ 2x $$$$ - $$$$ 1 $$$$ ) $$$$ + $$$$ ( $$$$ 2x $$$$ + $$$$ 1 $$$$ ) $$は単項式か多項式かを
考えさせる良い機会を与えているのが興味深い。

また、P12では式の形に着目するよう促す誘導が成されている:

★ 文字式について,式の形や,かけ合わされた文字の個数に着目して調べましょう。

数3のP14では展開が定義されている:

 単項式と多項式,または多項式と多項式の積の形でかかれた式を,

単項式の和の形にかき表すことを,もとの式を展開するといいます。

数3のP26では因数と因数分解が定義されている:

 1つの多項式がいくつかの単項式や多項式の積の形に表せるとき,

そのおのおのの式を,もとの多項式の因数といいます。

 また1つの多項式をいくつかの因数の積の形に表すことを,

もとの多項式を因数分解するといいます。

以上より、日文2015j#35:『中学数学 1/2/3』はS流である。

高等学校用検定済み教科書 EditToHeaderToFooter

東書2012a:『新編 数学 Ⅰ/Ⅱ』 EditToHeaderToFooter

  • 出版:東京書籍、2012、教科書センター用見本
  • 検定:高等学校数学科用 文部科学省検定済み教科書 数Ⅰ302 / 数Ⅱ302

数ⅠのP6で、単項式と多項式、そして整式が定義されている:

 $$ 2x $$$$ -3x^2 $$$$ 4x^2y^3 $$のように,数,文字およびそれらの積として表される式を単項式という。

 単項式の和として表される式を多項式といい,その1つ1つの単項式を多項式のという。

単項式と多項式を合わせて整式という。

(注意) 単項式を項の数1つだけの多項式と考えることもできる。

数ⅠのP10に展開が定義されている:

 整式の積を単項式の和の形に表すことを展開するという。

数ⅠのP14に因数分解が定義されている:

 $$ ( $$$$ x+1 $$$$ ) $$$$ ( $$$$ x+2 $$$$ ) $$を展開すると

  $$ x^2+3x+2 $$

になる。逆に,$$ x^2+3x+2 $$

  $$ ( $$$$ x+1 $$$$ ) $$$$ ( $$$$ x+2 $$$$ ) $$

のような積の形にすることを因数分解といい,

$$ x+1 $$$$ x+2 $$$$ ( $$$$ x+1 $$$$ ) $$$$ ( $$$$ x+2 $$$$ ) $$因数という。

 すなわち,因数分解とは,与えられた整式を1次以上の整式の積の形に表すことである。

数ⅡのP31で剰余の定理が与えられている:

 整式$$ P(x) $$$$ x-a $$で割ったときの余りは$$ P(a) $$である。

数ⅡのP32で因数定理が与えられている:

 整式$$ P(x) $$$$ x-a $$で割り切れる $$ \Longleftrightarrow $$ $$ P(a) $$$$ = $$$$ 0 $$

このように、以後の説明では、多項式は基本的に登場せず、単項式と整式が多用される。
式の形に焦点を当てる場合は、「積の形」や「和の形」で明示的に記述している。

以上より、東書2012a:『新編 数学 Ⅰ/Ⅱ』はS流である。P流にも触れている。

実教2012a:『新版 数学 Ⅰ/Ⅱ』 EditToHeaderToFooter

  • 出版:実教出版、2012、教科書センター用見本
  • 検定:高等学校数学科用 文部科学省検定済み教科書 数Ⅰ305 / 数Ⅱ305

数ⅠのP6で、単項式が定義されている:

 $$ 3x^2 $$$$ \frac13a^2h $$のように,

いくつかの数や文字の積の形で表されている式を単項式という。

数ⅠのP7で、多項式と整式が定義されている:

 $$ 2x $$$$ + $$$$ 3 $$$$ 3x^2 $$$$ - $$$$ 4x $$$$ + $$$$ 5 $$のように,

いくつかの単項式の和の形で表されている式を多項式といい,

それぞれの単項式をという。

 なお,$$ 3x^2 $$$$ - $$$$ 4x $$$$ + $$$$ 5 $$は,$$ 3x^2 $$$$ + $$$$ (- $$$$ 4x $$$$ ) $$$$ + $$$$ 5 $$の意味である。

 単項式と多項式を合わせて整式という。

数ⅠのP12に展開が定義されている:

 多項式と多項式の乗法も,分配法則を用いて単項式の和の形に直すことができる。

乗法により,整式の積を計算して単項式の和の形に直すことを展開するという。

数ⅠのP20に因数分解が定義されている:

 展開とは逆に,

1つの整式を2つ以上の整式の積の形にすることを,整式を因数分解するといい,

積をつくっているそれぞれの式を因数という。

数ⅡのP39で剰余の定理が与えられている:

 整式$$ P(x) $$を1次式$$ x-a $$で割ったときの余り$$ R $$

  $$ R $$$$ = $$$$ P(a) $$

展開の定義では、多項式と整式の使い分けが確認できる。
以後の説明では、多項式は基本的に登場せず、単項式と整式が多用される。
式の形に焦点を当てる場合は、「積の形」や「和の形」で明示的に記述している。

以上より、実教2012a:『新版 数学 Ⅰ/Ⅱ』はN流ではない。
定義がP流である。運用はS流である。

啓林2012a:『新編 数学 Ⅰ/Ⅱ』 EditToHeaderToFooter

  • 出版:啓林館、2012、教科書センター用見本
  • 検定:高等学校数学科用 文部科学省検定済み教科書 数Ⅰ309 / 数Ⅱ316

数ⅠのP10で、単項式が定義されている:

 $$ -3x^2 $$$$ 4x^3 $$のように,

定数と$$ x $$をいくつか掛け合わている式を$$ x $$についての単項式という。

数ⅠのP11で、多項式と整式が定義されている:

 $$ 3x^2 $$$$ - $$$$ 2x $$$$ + $$$$ 1 $$のように,

単項式の和として表されている式を多項式といい,

その1つ1つの単項式を,その多項式のという。

 また,単項式と多項式を合わせて整式という。

 単項式は項が1つの多項式と考えることができる。

このように、単項式と多項式の包含関係を明示している。

数ⅠのP16に展開が定義されている:

 整式の積は,計算法則

  $$ A $$$$ ( $$$$ B $$$$ + $$$$ C $$$$ ) $$$$ = $$$$ AB $$$$ + $$$$ AC $$

  $$ ( $$$$ A $$$$ + $$$$ B $$$$ ) $$$$ C $$$$ = $$$$ AC $$$$ + $$$$ BC $$

を使って,単項式の和の形、すなわち,1つの多項式にすることができる。

 これを,整式の積を展開するという。

数ⅠのP20に因数分解が定義されている:

 整式の積$$ ( $$$$ x $$$$ + $$$$ 3 $$$$ ) $$$$ ( $$$$ x $$$$ - $$$$ 2 $$$$ ) $$は,乗法公式を利用して,

  $$ ( $$$$ x $$$$ + $$$$ 3 $$$$ ) $$$$ ( $$$$ x $$$$ - $$$$ 2 $$$$ ) $$$$ = $$$$ x^2 $$$$ + $$$$ x $$$$ - $$$$ 6 $$

と展開することができる。

 この展開を逆に見ると,

  整式$$ x^2 $$$$ + $$$$ x $$$$ - $$$$ 6 $$が2つの整式$$ x $$$$ + $$$$ 3 $$$$ x $$$$ - $$$$ 2 $$の積

になっていることがわかる。

 このように,整式を2つ以上の整式の積の形にすることを因数分解するといい,

積を構成する1つ1つのの整式を,もとの整式の因数という。

「単項式の和の形」を「1つの多項式」とあるように、多項式を式の形として扱っている。
その結果、数ⅡのP45にある$$ ( $$$$ x-a $$$$ ) $$$$ Q(x) $$$$ + $$$$ R $$を多項式と理解できないだろう。

一般に,整式$$ P(x) $$$$ x $$の1次式$$ x-a $$で割ったときの商を$$ Q(x) $$,余りを$$ R $$とすると,

$$ R $$は定数で,$$ P(x) $$$$ = $$$$ ( $$$$ x-a $$$$ ) $$$$ Q(a) $$$$ + $$$$ R $$が成り立つ。

ここで,$$ x $$$$ = $$$$ a $$を代入すると,$$ P(a) $$$$ = $$$$ ( $$$$ a-a $$$$ ) $$$$ Q(a) $$$$ + $$$$ R $$$$ = $$$$ 0 $$$$ \cdot $$$$ Q(a) $$$$ + $$$$ R $$$$ = $$$$ R $$

 すなわち,$$ P(x) $$$$ x-a $$で割ったときの余り$$ R $$は,$$ P(a) $$である。

:,以上より、啓林館2012a:『新編 数学 Ⅰ/Ⅱ』はP流である。

数研2012a:『新編 数学 Ⅰ/Ⅱ』 EditToHeaderToFooter

  • 出版:数研出版、2012、教科書センター用見本
  • 検定:高等学校数学科用 文部科学省検定済み教科書 数Ⅰ312 / 数Ⅱ311

数ⅠのP6で、単項式が定義されている:

 $$ 3 $$$$ x $$$$ 2a $$$$ (-5)x^2y $$などのように,

数や文字およびそれらを掛けただけで作られる式を単項式という。

数ⅠのP7で、多項式と整式が定義されている:

 $$ 5x^2 $$$$ + $$$$ ( $$$$ -4x $$$$ ) $$$$ + $$$$ 2 $$のように,単項式の和として表される式を多項式といい,

その1つ1つの単項式を,この多項式のという。

 $$ 5x^2 $$$$ + $$$$ ( $$$$ -4x $$$$ ) $$$$ + $$$$ 2 $$は,ふつう$$ 5x^2 $$$$ - $$$$ 4x $$$$ + $$$$ 2 $$と書く。

 単項式と多項式をあわせて整式という。

直後に、単項式を多項式の特例とする流儀について補足される:

補足 単項式を項が1つの多項式と考え,多項式を整式と同じ意味に用いることがある。

数ⅠのP11で、展開が定義されている:

 整式の積の形をした式について,その積を計算して1つの整式に表すことを,

その式を展開するという。

数ⅠのP15で、因数分解が定義されている:

$$ (x+2) $$$$ (x+3) $$を展開すると,次の等式が成り立つことがわかる。

    $$ x^2 $$$$ + $$$$ 5x $$$$ + $$$$ 6 $$$$ = $$$$ (x+2) $$$$ (x+3) $$

このように,1つの整式を1次以上の整式の積の形に表すことを,

もとの式を因数分解するといい,積を作っている各式をもとの式の因数という。

数ⅡのP51では、剰余の定理が定義されている:

剰余の定理

整式$$ P(x) $$を1次式$$ x-k $$で割った余りは,$$ P(k) $$に等しい。

数ⅡのP53では、剰余の定理から因数の定理を導いている:

剰余の定理により,次が成り立つ。

    多項式$$ P(x) $$が1次式$$ x-k $$で割り切れる$$ \Longleftrightarrow $$$$ P(k) $$$$ = $$$$ 0 $$

よって,$$ P(k) $$$$ = $$$$ 0 $$のとき,$$ P(k) $$$$ = $$$$ (x-k) $$$$ Q(x) $$の形である。

以上から,次の因数定理が成り立つ。

因数定理

    整式$$ P(x) $$が1次式$$ x-k $$を因数にもつ$$ \Longleftrightarrow $$$$ P(k) $$$$ = $$$$ 0 $$

このように、以後の説明では、多項式は基本的に登場せず、単項式と整式が多用される。
ただし、「1つの整式」とあるように、N流の考え方も見られる。
また、因数定理では$$ P(x) $$の修飾で「多項式」と「整式」が混在しているように、P流の考え方も見られる*21

以上より、数研2012a:『新編 数学 Ⅰ/Ⅱ』はS流である。P流にも触れている。

*21 誤植の可能性が高い。

数研2012b:『新 高校の数学 Ⅰ』 EditToHeaderToFooter

  • 出版:数研出版、2012、教科書センター用見本
  • 検定:高等学校数学科用 文部科学省検定済み教科書 数Ⅰ314

数ⅠのP10で、単項式と多項式、そして整式が定義されている:

$$ 5x^3 $$$$ -x^3 $$のように,文字や数をかけてできた式を単項式といいます。

$$ x^2 $$$$ + $$$$ 3x $$$$ + $$$$ 2 $$のように,いくつかの単項式をたしてできた式を多項式といいます。

多項式のことを,整式ともいいます。

単項式の定義が「かけてできた式」と演算に基づくのと同じく、
多項式の定義も「たしてできた式」と演算に基づいでいるのが特徴である。
また、単項式を多項式に含ませる立場を取り、整式を多項式の別名として定義しているのも教科書では独特である。

以上より、数研2012b:『新 高校の数学 Ⅰ』はP流である。

特に、S流である数研2012a:『新編 数学 Ⅰ/Ⅱ』と異なっているのが要注意。
このように、同じ出版社の教科書でも、シリーズが異なれば流派が異なりうる
そのため、出版社に問い合せる際、教科書単位まで限定する必要があり、出版社で分類すべきではない。

第一2012a:『高等学校 新編 数学 Ⅰ/Ⅱ』 EditToHeaderToFooter

  • 出版:第一学習社、2012、教科書センター用見本
  • 検定:高等学校数学科用 文部科学省検定済み教科書 数Ⅰ316 / 数Ⅱ315

数ⅠのP2で、単項式が定義されている:

 $$ 2x^2 $$$$ 4xy $$のように,いくつかの文字や数字の積として表される式を単項式という。

数ⅠのP3で、多項式と整式が定義されている:

 $$ x^2 $$$$ + $$$$ 2x $$$$ + $$$$ 1 $$のように,いくつかの単項式の和として表される式を多項式といい,

各単行式をその多項式のという。

 単項式と多項式を合わせて整式という。

単項式の定義が「いくつかの~の積として表される式」と同じく、
多項式の定義が「いくつかの~の和として表される式」と定義されている。
このため、以下2つの命題はと同じ解釈される必要がある。

  • 1つの文字である$$ x $$は単項式である
  • 1つの単項式である$$ x $$は多項式である

このため、第一の教科書は以下の3通りの可能性が考えられる:

  • 他の教科書と異なり、1つの文字である$$ x $$は単項式に含まれない。
  • 単項式は多項式の特例とする立場である。
  • 同じ形式の定義にも関わらず、異なる包含関係の解釈を求める矛盾を抱えている。

数ⅠのP7で展開が定義されている:

 整式の積で表された式を計算し,1つの多項式に表すことを,その式を展開するという。

数ⅠのP12で因数分解が定義されている:

$$ (x+1) $$$$ (x+2) $$を展開すると,$$ x^2 $$$$ + $$$$ 3x $$$$ + $$$$ 2 $$となるから,等式

    $$ x^2 $$$$ + $$$$ 3x $$$$ + $$$$ 2 $$$$ = $$$$ (x+1) $$$$ (x+2) $$

が成り立つ。

 このように,整式をいくつかの整式の積の形に表すことを,

整式を因数分解するといい,積を作っているそれぞれの整式をもとの整式の因数という。

数ⅡのP49で因数定理が定義されている:

因数定理

$$ x-\alpha $$は整式$$ P(x) $$の因数である$$ \Longleftrightarrow $$$$ P(\alpha) $$$$ = $$$$ 0 $$

展開の定義で「整式」と区別して「1つの多項式」とあるように、N流の考え方も混在している。

以上より、第一2012a:『高等学校 新編 数学 Ⅰ/Ⅱ』は、以下の何れである。

  • $$ x $$$$ 2 $$を単項式とする立場で、P流
  • $$ x $$$$ 2 $$を単項式としない立場で、N流かS流

一般図書 EditToHeaderToFooter

森北1989:『マグロウヒル 英和 物理・数学用語辞典』 EditToHeaderToFooter

  • 監訳:小野 周、一松 信、竹内 啓、森北出版 1991年5月1日 第1版第2刷発行*22*23
  • 英語版:“McGraw-Hill Dictionary of Physics and Mathematics”
    • 著者:McGraw-Hill、Daniel N. Lapedes(編集)、Mcgraw-Hill(Tx)出版1978/6)*24

polynomial 多項式 [数]

$$ x_1 $$$$ x_2 $$$$ \cdots $$$$ x_n $$の多項式とは,$$ b $$$$ x_1^{p_1} $$$$ x_2^{p_2} $$$$ \cdots $$$$ x_n^{p_n} $$の形の項の有限和である.

ここに$$ b $$はある数,$$ p_1 $$$$ \cdots $$$$ p_n $$は整数.

monomial 単項式 [数]

項が1つのみの多項式.

multinomial 複項式 多項式 [数]

少なくとも2つの項の和を含む代数式.

以上より、森北1989:『マグロウヒル 英和 物理・数学用語辞典』はP流である。
また、S流に対しmultinomialと別の英単語を提示している。

講談1999:『数学英和小辞典』 EditToHeaderToFooter

  • 著者:飯高 茂、松本 幸夫、岡部 常治、講談社、1999/9/30 第1刷*25*26

term ,'単項式''(こう,たんこうしき)

monomial 単項式(たんこうしき)

項が1つしかない式.term.

polynomial 多項式整式(たこうしき,せいしき)

可換環(commutative ring)$$ R $$の元$$ a_0 $$$$ a_1 $$$$ \cdots $$$$ a_n $$と変数$$ x $$から構成された

$$ a_0 $$$$ x^n $$$$ + $$$$ a_1 $$$$ x^{n-1} $$$$ + $$$$ \cdots $$$$ + $$$$ a_n $$$$ R $$係数($$ R $$上)の$$ n $$次多項式という.

一般に$$ m $$個の変数$$ x_1 $$$$ \cdots $$$$ x_m $$$$ R $$係数の単項式の和$$ \textstyle\sum $$$$ a_{r_1r_2\cdots r_m} $$$$ x_1^{r_1} $$$$ x_2^{r_2} $$$$ \cdots $$$$ x_m^{r_m} $$

$$ x_1 $$$$ \cdots $$$$ x_m $$に関する$$ R $$係数の$$ m $$変数多項式という.

まず、「単項式」と「項」は循環参照になっていて、定義にならない。
次に、多項式と整式を同一扱いし、一般式を与えているため、P流になる。

朝倉2005:『現代物理学ハンドブック』 EditToHeaderToFooter

  • 著者:新井朝雄、朝倉書店 2005年5月25日 初版第1刷*27*28

P9の1.2「写像」で単項式と多項式が定義される:

例1.22 各非負整数$$ n $$$$ \in $$$$ {0} $$$$ \cup $$$$ \mathbb{N} $$に対して

    $$ p_n(t) $$$$ := $$$$ t^n $$,  $$ t $$$$ \in $$$$ \mathbb{R} $$

によって定義される写像$$ p_n $$$$ : $$$$ \mathbb{R} $$$$ \to $$$$ \mathbb{R} $$$$ n $$次の単項式とよばれる.

 $$ N $$を自然数,$$ a_n $$$$ \in $$$$ \mathbb{R} $$$$ \; $$$$ ( $$$$ n $$$$ = $$$$ 0 $$$$ \cdots $$$$ N $$$$ ) $$を実定数とするとき

    $$ P $$$$ = $$$$ \sum_{n=0}^N $$$$ a_n $$$$ p_n $$

という型の関数を$$ N $$次の多項式(polynomial)という.

$$ N $$$$ = $$$$ 1 $$$$ a_0 $$$$ = $$$$ 0 $$$$ a_1 $$$$ = $$$$ 1 $$の場合、$$ P $$$$ = $$$$ a_1 $$$$ p_1 $$$$ = $$$$ p_1 $$が導けて、多項式は単項式を含む。

朝倉2005:『現代物理学ハンドブック』はP流である。
ただし、単項式の定義には係数が含まれてなく、要注意である。

朝倉2011:『数学辞典』(普及版) EditToHeaderToFooter

  • 監訳:一松 信、伊藤 雄二、朝倉書店、2011/4/25 普及版第1刷*29*30
  • 英語版:“Mathematics Dictionary”
    • 著者:James and James, Springer出版1992/1/15)*31

単項式 monomial

 数と変数の積であるただ1つの項からなる式.

多項式 polynomial

 1変数$$ n $$次多項式(通常,単に多項式という)とは

$$ a_0 $$$$ x^n $$$$ + $$$$ a_1 $$$$ x^{n-1} $$$$ + $$$$ \cdots $$$$ + $$$$ a_n $$の形の代数的表現(詳しくは整有理的代数表現)である.

ここで,$$ a_i $$($$ i = $$$$ 0 $$$$ 1 $$$$ \cdots $$$$ n $$)は複素数(実数でも虚数でもよい)で,$$ n $$は非負整数である.

定数は次数$$ 0 $$の多項式である.ただし,定数$$ 0 $$の次数は定義しない(しいて定義すれば$$ -\infty $$である).

次数が$$ 1 $$$$ 2 $$$$ 3 $$$$ 4 $$であるのに応じて,多項式を$$ 1 $$次式,$$ 2 $$次式,$$ 3 $$次式,$$ 4 $$次式などという.

多変数多項式は,定数といくつかの変数の累乗の積を項とする和の表現である.

係数がすべて整数,有理数,実数である多項式を,

それぞれ整数上有理数上実数上の多項式という.

$$ 853 $$多項式形式または展開形式$$ 8 $$$$ \cdot $$$$ 10^2 $$$$ + $$$$ 5 $$$$ \cdot $$$$ 10 $$$$ + $$$$ 3 $$$$ \cdot $$$$ 1 $$である.

多項式を「代数的表現」とN流的な定義をしておきながら、

  • 定数$$ a_n $$を多項式とするため、単項式である$$ a_0 $$$$ x^0 $$も多項式となる、
  • 表記を表すのに「多項式形式」や「展開形式」という別の語句を定義している。

以上より、朝倉2011:『数学辞典』はP流である。

朝倉2013:『関数事典』 EditToHeaderToFooter

  • 監訳:河村 哲也、朝倉書店、2013年12月10日 第1版第1刷発行*32*33
  • 英語版:“An Atlas of Functions Secound Edition”
    • 著者:Keith B. Oldham、Jan Myland、Jerome Spanier、Springer出版 2009年(2008/12/29)*34

17章「多項式関数」17:1節「記法」で多項式が定義される:

 多項式関数は単に多項式とよばれることが多い,他の同義語は積分関数である。

 本書では一般的な記法

17:1:1    $$ \mathrm{P}_n(x) $$$$ = $$$$ a_n $$$$ x^n $$$$ + $$$$ a_{n-1} $$$$ x^{n-1} $$$$ + $$$$ \cdots $$$$ + $$$$ a_1 $$$$ x $$$$ + $$$$ a_0 $$$$ = $$$$ \sum_{j=0}^{n} $$$$ a_j $$$$ x^j $$    $$ a_n $$$$ \neq $$$$ 0 $$

を変数$$ x $$,次数$$ n $$の多項式関数を表すのに用いる.

17:3節「定義」では多項式の別の表記が定義されている:

連鎖の形

17:3:1    $$ \mathrm{P}_n(x) $$$$ = $$$$ a_0 $$$$ + $$$$ x $$$$ \!\bigg( $$$$ a_1 $$$$ + $$$$ x^{n-1} $$$$ + $$$$ x $$$$ \!\Big( $$$$ a_2 $$$$ + $$$$ x $$$$ \!\big( $$$$ \cdots $$$$ + $$$$ x $$$$ ( $$$$ a_{n-2} $$$$ x $$$$ ( $$$$ a_{n-1} $$$$ + $$$$ x $$$$ a_n $$$$ ))\big)\!\Big)\!\!\bigg) $$

で多項式関数を書き直すと,乗法と加法の算術演算で多項式関数を定義できる.

この連鎖は「入れ子の和」としても記述できる.

$$ n $$個の線形関数の積は$$ n $$次多項式をつくる.

17:3:2    $$ \prod_{j=1}^{n} $$$$ \big( $$$$ bx $$$$ + $$$$ c_j $$$$ \big) $$$$ = $$$$ \mathrm{P}_n(x) $$    $$ b = (a_n)^{\frac1n} $$

ただし,$$ c_j $$が実数の場合は,すべての多項式がこのように定義できるとは限らない.

しかし,それぞれの$$ r $$が実数の$$ 0 $$点または複素数の$$ 0 $$点としたとき,$$ n $$次のすべての多項式は,

17:3:3    $$ \mathrm{P}_n(x) $$$$ = $$$$ a_n $$$$ ( $$$$ x $$$$ - $$$$ r_1 $$$$ )( $$$$ x $$$$ - $$$$ r_2 $$$$ ) $$$$ \cdots $$$$ ( $$$$ x $$$$ - $$$$ r_i $$$$ ) $$$$ \cdots $$$$ ( $$$$ x $$$$ - $$$$ r_n $$$$ ) $$$$ = $$$$ a_n $$$$ \prod_{j=0}^{n} $$$$ x $$$$ - $$$$ r_j $$

の形の$$ n $$個の積によって定義される.

多項式の表記は、17:1:1の「一般的な記法」の他に、「連鎖の形」として「入れ子の和」と「$$ n $$個の積」もある。
この本では「単項式」が定義されてないものの、
多項式の何れの定義式も「数と文字の積」として定義される単項式を含むため、P流になる。

東洋2000:『和英/英和 算数・数学 用語活用辞典』 EditToHeaderToFooter

  • 編集:日本数学教育学会、東洋館出版社、2000/8/18 初版第1刷*35*36

『和英/英和 算数・数学 用語活用辞典』は算数・数学の諸概念に関する対訳形式の辞典である。

3-4 整式

【解説】 ①$$ 5x^2 $$$$ - $$$$ 4x $$$$ + $$$$ 3 $$のように,

単項式$$ 5x^2 $$$$ -4x $$$$ 3 $$

和になっている式を多項式という.

 

②単項式と多項式をあわせて整式という.

 

③整式は,有理式の特別の場合とみられる.

 

Polynomial

【Expression】 ①A polynomial expression

is an expression which consists of a sum of

monomials ''$$ 5x^2 $$, $$ -4x $$, $$ 3 $$, such as

$$ 5x^2 $$$$ - $$$$ 4x $$$$ + $$$$ 3 $$.

②An integral expression

is a monomial or a polymial.

③It is possible to regard integral expressions

as special rational expressions.

3-5 整式の加法・減法

【解説】 ①整式の加法は,

交換法則結合法則分配法則を使い,

同類項どうしをまとめて簡単にすればよい.

整式の減法は,

ひく式の各項の符合を変え,

加法の式に直して計算する.

     $$ ( $$$$ a $$$$ + $$$$ b $$$$ + $$$$ c $$$$ ) $$$$ - $$$$ ( $$$$ a $$$$ - $$$$ b $$$$ - $$$$ c $$$$ ) $$

    =$$ a $$$$ + $$$$ b $$$$ + $$$$ c $$$$ - $$$$ a $$$$ + $$$$ b $$$$ + $$$$ c $$

Addtion and Substraction of Polynomials

【Expression】 ①The addtion of two

polynomials can be found using

the mutative, associative, and

distributive laws. The sum is simplified

by combining similar terms.

②To subtract polynomials we add the opposite of each negative term

to positive term. (see to the left hand.)

まず、単項式は定義されたことにならない。
次に、節タイトルで「整式」と「Polynomial」を対応させておきながら、
解説①では「多項式」が「polynomial」と対応し、
解説②では「整式」が「integral expression」と対応し、
以降の項目でも基本的に「整式」と「polynomial」が対応して一貫性が悪い。

アルク2009:『英和 学習基本用語辞典 数学』(新装版)*37 EditToHeaderToFooter

  • 編集:藤澤 皖、高橋伯也、アルク、2009/4/10

『英和 学習基本用語辞典 数学』は海外子女や留学生向けに書かれた辞書です。
英米の教科書に登場する数学用語、統一テストでの必須用語が対象とされる。

term  述語

式において,文字と数を掛け合わせてできる1つ1つのまとまりを“項(term)”という.

たとえば,$$ 4x^2 $$$$ - $$$$ 5x $$$$ + $$$$ 3 $$の項は$$ 4x^2 $$$$ -5x $$$$ 3 $$である.

特に,数だけからなる項($$ 5 $$)を定数項(constant term)という.

また,述語とか用語の意味もあり,専門用語(technical terms)などという.

monomial  単項式の単項式

ただ1つの項からなる式を“単項式(monomial)”という.

たとえば,$$ 2x $$$$ 4y^3 $$などは単項式である.

polynomial  多項式整式

いくつかの単項式(monomial)の和で表される式を“多項式(polynomial)”という.

$$ 2x $$$$ 3x^2 $$などは単項式である.その和である$$ 2x $$$$ + $$$$ 3x^2 $$は多項式である.

このとき,$$ 2x $$$$ 3x^2 $$は項(term)という.

特に,2項からなる多項式は2項式(binomial expression),

3つの項からなる多項式は3項式(trinominal)という.

単項式の定義が項に基づくが、
そもそも項自体が加算の区切りではなく文字と数の積で定義され、通常の単項式相当である。

日評2014:『算数・数学活用事典』 EditToHeaderToFooter

  • 著者:武藤 徹、三浦 基弘、日本評論社、2014/9/19*38*39

『算数・数学活用事典』は、自然や社会を支配している法則を知るために法則の土台である数学について、
数学で用いられる難しい言葉や記号を回避した手軽な事典である。

P46の1章「等式・方程式」で多項式と単項式、整式が定義されている。

 数と文字の和と積で作られる文字式を,多項式(polynomial)といいます.

特に,数だけ,あるいは数と文字の積だけの場合は,単項式(monomial)といいます.

 単項式と多項式を合わせて整式(integral expression)と呼ぶ場合もありますが,

通常は単項式は多項式の特殊の場合であると考えます.

したがって,整式と多項式は,同義語です.

単項式を多項式の特例として定義し、整式と多項式を同義とするため、P流である。
また、多項式を単純に文字と数字の積和形として定義するのが特徴的で、
N流でないために文字の冪自体を積としても見なせる。

サイエン2006:『国語式数学Ⅰ~一歩進んだ高校数学~』 EditToHeaderToFooter

  • 著者:長谷川 貴之、サイエンティスト社 2006年4月*40*41

『国語式数学』は文部科学省の国費学部留学生のために著者が作った数学教科書(非売品)を原型とし、
一度高等学校の数学を学んでいる読者を想定した教科書です。

第2章「等式と不等式」2.1節「整式」2.1.1「整式と次数」で単項式と多項式、整式が定義されている:

 有限個の数と有限個の文字を掛け算だけでつないだ式を単項式と呼びます.

2個以上の有限個,単項式を加えたものを,多項式と言います.

また,単項式と多項式を整式と総称します.

$$ \text{deg}( $$$$ P(x) $$$$ ) $$$$ = $$$$ n $$$$ \in $$$$ \mathbb{N} $$)であるような文字$$ x $$の整式$$ P(x) $$は,一般に,

$$ x $$$$ n $$次の整式

    $$ P(x) $$$$ = $$$$ a_n $$$$ x^n $$$$ + $$$$ a_{n-1} $$$$ x^{n-1} $$$$ + $$$$ \cdots $$$$ + $$$$ a_1 $$$$ x $$$$ + $$$$ a_0 $$

    ただし,$$ a_n $$$$ \neq $$$$ 0 $$で,$$ a_i $$$$ \in $$$$ \mathbb{R} $$$$ i $$$$ = $$$$ 0 $$$$ , $$$$ 1 $$$$ , $$$$ 2 $$$$ ,\cdots, $$$$ n $$

と表すことができます。

「整式」に対し、脚注で別流派の定義について補足されている:

単項式を多項式の一種とみなし,「整式」と言うべところを「多項式」と言うこともあります.

以上より、サイエン2006:『国語式数学Ⅰ~一歩進んだ高校数学~』はS流である。P流にも触れている。

朝倉2000:『<生涯学習>はじめからの数学2 式について』 EditToHeaderToFooter

  • 著者:志賀 浩二、朝倉書店 2000年5月*42*43

『<生涯学習>はじめからの数学2 式について』は、以下の問いかけに関わっている。

  • 「数と式とは,どんなところが違うのでしょうか.」
  • 「式はどのようにして生まれてきたのでしょうか.」
  • 「式がつくってきた緑の森とはどんなものなのでしょうか.」

想定している読者と目的は読み取れないが、全体の雰囲気からは算数を情緒的に綴った感じである。

P9、P10で単項式と多項式、整式が定義されている:

 さて,ここで$$ (a+b)^3 $$の展開式を例として用いながら,

少し数学の言葉づかいについて述べてみたいと思います.

そのため改めて,上の結果を

    $$ (a+b)^3 $$$$ = $$$$ a^3 $$$$ + $$$$ 3a^2b $$$$ + $$$$ 3ab^2 $$$$ + $$$$ b^3 $$      (1)

と書いておきます.

この右辺に現れた式を見ると,これはかけ算だけで1つにまとめられた4つの文字式

    $$ a^3 $$$$ 3a^2b $$$$ 3ab^2 $$$$ b^3 $$      (2)

が,和の記号$$ + $$で結ばれており,これが$$ (a+b)^3 $$を表しているということになっています.

これは,$$ a^3 $$$$ 3a^2b $$$$ 3ab^2 $$$$ b^3 $$という‘語’が,$$ + $$で結ばれ,

これが1つのセンテンスをつくって,$$ (a+b)^3 $$を表していると見ることもできるでしょう.

 もっとも,(2)のそれぞれ独立した式と見ることもできます.

このときには,これらの式は単項式といいます.

単項式はいわば1語からなっている文書といってよいようなものです.

 それに対して

    $$ a^3 $$$$ + $$$$ 3a^2b $$$$ + $$$$ 3ab^2 $$$$ + $$$$ b^3 $$

という式は,いくつかの単項式を足して寄せ集めることでつくられています.

この意味で,このような式を多項式,または整式といいます.

そして、P10の傍注で多項式と単項式の包含関係が補足されている:

多項式で項が1の場合が単項式であると考えると,

多項式の中には単項式も含まれることになります.

以上より、朝倉2000:『<生涯学習>はじめからの数学2 式について』は、P流である。

まとめ EditToHeaderToFooter

以上、単項式と多項式、整式の定義を表1に纏める:

表1:単項式と多項式、整式の定義一覧
書籍流派単項式多項式整式
一般式数と
文字
の積
1項の
多項式
1つ
の項
一般式単項式
の和
数と
文字の
積和
2つ
以上
の項
単項式
多項式
の総称
多項式
共立2000          
岩波1999          
裳華1983         
 日評2009          
東書2015j         
学図2015j         
大日2015j         
教出2015j        
啓林2015j          
数研2015j         
 日文2015j           
東書2012        
実教2012         
啓林2012         
数研2012a      
数研2012b         
 第一2012          
森北1989           
講談1999            
朝倉2005           
 朝倉2011           
 朝倉2013            
 東洋2000         
  アルク2009        
 日評2014          
 サイエン2006         
 朝倉2000           

凡例:

  • ●:定義として扱っている。
  • ○:説明として扱っている。
  • 別:別流派の説明として扱っている。
  • 定:定義として扱っているが、定義と異なる運用を持つ。
  • 運:運用として扱っているが、定義は異なる。
  • ?:判定できない。可能性がある。

:,※アルク2009において、単項式の定義は表記上「1つの項」となっているが、
項の定義自体が「文字の数の積」として定義されているため、「数と文字の積」に纏めた。

以上の調査から得られるポイントを以下に纏める:

  • 代数書、そして一般図書の中でも数学寄りでは、専らP流と見て良い。
  • 一般式を与える場合、$$ s(x) $$を表現するのが面倒である。
  • 中高教科書、として一般図書の中でも教育寄りでは、P流・S流・N流が混在している。
    • 主に中学校教科書では、定義と運用が一致せず曖昧な場合が多い。
    • 逆に高校教科書では、P流・S流が明確に分かるものが多い*44
  • 中学校教科書では明確にN流の場合*45、定義の指す概念が他の定義と明らかに異なる。
    • 「加算の項」と「単項式」の混同が疑う。
    • 一般書にも「加算の項」と「単項式」を同一視する場合がある*46
  • 中学校教科書では、「整式」という言葉が使えない縛りがあるように見える。
    • そのため、「単項式や多項式」や「単項式と多項式、または多項式どうし」のような言い回しが多用される。
  • P流やS流でも、式の表記に言及する際に「和の形」「積の形」と言えば良く、何も困らない。
  • N流では数学概念$$ p(x) $$への理解が妨げられる恐れがある。
    • そもそも“$$ p(x) $$”ですら無かったり*47
    • 積和形以外の$$ p(x) $$の表現*48が理解できない。
  • P流の代数書でもS流の存在を言及すべき。先生方は注意が必要。
    • S流でありながら、P流を別流派として言及する教科書や一般書は有る。
    • しかし、P流でありながら、S流を別流派として言及する代数書が無い。
    • 肯定にしろ否定にしろ、今日の教育水準を考慮し、学生のために話すべき。
  • 同じ出版社でもシリーズが異なれば、定義が異なりうる*49
    • 一般書では当然なことですが、教科書でも同じ。
    • そのため、中高教科書の話でも、出版社で括るべきではない。

最後に

  • 日本の教科書だけでも大量にあるので、この調査はまだ終わってない。
  • 教科書は市や県の中央図書館に行けば調達できる。
  • この調査を無条件で信用せず、自分の足で調べるべき。

今後の予定

  • 一区切りとする。(TODO: 写真アップ)
  • 高校教科書を中心にカバー率を上げる。
  • 海外の教科書についても調べる
    • 同じ漢字圏の中国では、S流に統一されている可能性が浮上している。
    • アメリカでも中高・大学でギャップが発生する可能性が高い。
    • ドイツでは、中高で多項式が登場せず、二項式が登場する可能性が高い。
  • 教科書歴史については、後回しとする(他力本願)
    • 本調査では、21世紀の数学と21世紀の教育のギャップに焦点を当てたい。
    • 明日のため、今日の中高と大学の間にある壁を壊したい。
*44 数が多いため、更に調査を進める必要がある。
*45 大日2015j教出2015j
*46 講談1999アルク2009
*47 大日2015j
*48 裳華1983朝倉2013
*49 数研2012a数研2012b
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