この多くは、みなとまちづくり構想推進協議会のメンバーでもある。それぞれの立場から、議
論された。
4.PCB盛り立て地対策の問題
西港再整備の最も重要な問題はPCB盛り立て地の取扱である。同協議会の議論や後で述べる
ように、住民や地域にとって最も関心が高く、不安要因になっているのは盛り立て地である。
1 PCBの盛り立てについて(昭和40年後半、昭和49年−51年)
盛り立て地は、現在西港北側に位置する(株)カネカと三菱製紙(株)の敷地内の約 5 ha、
高さ 5 mのアスファルトで覆われた巨大な丘となっている。横404.4m、縦196.4mの敷地で、
(株)カネカ管理部分44000m2、三菱製紙(株)管理部分7000m2、浚渫固化土224000m3、覆土
59000m3。これまで兵庫県と高砂市による監視の下、土地の所有者である両社が「高砂西港盛
り立て地の管理に関する確約書」を昭和52年 8 月に交わし、年 2 回周辺の雨水、地下水、大気
の周辺調査を実施し、盛り立て地の点検・補修をしている。また高砂市でも年 2 回同様の周辺
調査をしている。
2 PCB汚染土にかかる技術検討専門委員会での安全性の検証
技術検討専門委員会は、環境面の安全性の検証、構造面での安全性の検証、そして恒久対策
と検討事項を技術的な視点から次のようにまとめている。
q 環境面での安全性の検証
環境面の安全性の検証では、平成18年にボーリングを実施。①遮水性は盛り立て地上面はア
スファルト被覆がされ点検補修されている、法面覆土の下はアスファルト被覆、盛り立て地の
下は難透水性のカーバイド層1.8mと難透水性の沖積粘土性土層1.3m∼ 3 m、地下水位は盛り
立て地周辺下1.5m以上。結果、遮水性は非常に高く、地下水位と盛り立て地の間の物質移動
はほとんどない。
PCB測定結果は、周辺ボーリング採取土壌は、PCB含有試験では定量下限地未満、PCB溶出
試験は定量下限地未満。盛り立て地ボーリング採取土壌は、覆土はPCB含有試験、溶出試験と
も定量下限地未満。PCB含有固化土は含有試験では第一期工事部分では280∼470mg/kg、第
二期工事部分は22∼31mg/kg、溶出試験では第一期工事部分では0.0006∼0.0024mg/L、第
二期工事部分は定量下限値未満である。
③周辺への漏洩の有無は、PCBは周辺から遮蔽されており、漏洩の可能性はない。
w 構造面での安全性の検証
①盛り立て地の「すべり」の検証では、通常時はすべりは生じないが、震度 6 強の大規模地
震時は、盛り立て下部、周辺地盤が液状化する可能性が高く、その場合盛り立て土法面にすべ
りが生じる可能性がある。この場合、遮水性の地下土留め壁を設置すれば、地震時に液状化し
た場合のすべりを阻止することができる、としている。
②盛り立て地の「地盤の流動化」に対する影響の検証では、盛り立て地は水際線から離れて