マンネリ、つまらなくなったという方も多いだろうフジ「笑っていいとも」。
私はここ10年くらい毎日録画している。
もちろん、毎日じっくり見ちゃいないし、そこまで面白い番組でないのは確かだ。
でも、このような事件があるから「生放送」の少ない大成功例「いいとも」は存在価値があるのだ。


「いいとも」生放送中に珍事発生(スポニチ)

フジテレビの看板番組「笑っていいとも!」(月~金曜、正午)の生放送中、
司会者のタモリ(60)に観客席から質問した男性が退席させられるハプニングが21日、起きた。
いきなり「番組は年内に終了するんですか?」という予定外の質問をぶつけられ、
タモリが失笑。退席後、番組サイドが男性の席にくまのぬいぐるみを置く緊急措置をとった。
この日で放送5887回を迎えた長寿番組で前代未聞の騒動だった。

今年10月で開始から丸23年を迎える長寿番組で「過去にはなかったと思いますが…」(フジ広報担当者)
という珍事が発生した。騒動は、定番コーナー「テレホンショッキング」で起きた。
ゲストの山崎邦正(37)とタモリがトーク中に、
観客席から「いいともが年内に終了すると聞いたのですが、本当ですか?」との質問。
タモリは「聞いてないですよ」と冷静に反応。同じ男性が間髪入れずに
「終了するって本当なんですか?」と繰り返したため、スタジオは“微妙”な雰囲気に包まれた。

普段から、タモリが観客に突っ込みを入れたり、会話をしたりする光景はよく見られる。
しかし、この日だけはスタッフが騒動の男性客に退席を申し入れた。
CM明けには男性の姿はなく、席にクマのぬいぐるみが置かれ
「あの人、クマに変わっちゃった」(山崎)とギャグにして、放送を乗り切った。

クマのぬいぐるみは、他局の日本テレビで1960~70年代に
一世風びした幼児番組「ロンパールーム」の手法。
言うことを聞かない子どもを退場させた時のきり返し技として伝説化。
今回、スタッフがこれをまねて機転を利かせたようだ。

同局では「進行業務の妨害ということで、CM中に話し合い、ご理解いただいた上でご退席いただいた。
ぬいぐるみはたまたまそばにあったので使ったようです」(広報担当)と説明。
観客は番組HPなどで募集され、高校生不可で18歳以上なら誰でも申し込める。

生放送ならではのハプニングだが、坪田譲治プロデューサーも
「番組は1万回を目指してまい進中ですから、終了はしませんよ」とコメント。
この日ばかりは、笑って「いいとも!」とはいかなかったようだ。



この記事は、かなり説明不足で誤解される方が多いと思うので、
事件の経緯を少し補足します。

私も、この事件を最初に聞いた時、
この記事に書かれているように、ただの「痛い客」が居たのかと思っていました。
しかし、録画したビデオを見たところ、真相は違いました。

その観客は「良い人」だった

この男性の発言は「いきなり」ではなく、
山崎邦正さんとタモリさんのトークが発端となっています。

山崎さんが出版された「人生相談」の本の話題になり、
「ホントに相談答えられるの?」と疑いを持ったタモリさんに対し、
山崎さんは「何でも相談に答えますよ。タモリさん悩みありませんか?」と
いう会話が続いていたのです。

そして、しばらく、タモリさんは「自分の悩み」を考えていた最中に、
この男性の発言があったのです。

つまり男性こそが、機転を効かせて、
「番組が年内に終了する(仮定の話)」=「タモリの悩み」という
冗談で発言されたのです。

実際、彼は「微妙な空気」を察して、
聞き取りづらい弱々しい声で「相談・・」とモゴモゴっと言い訳し
(下記紹介サイトでは「?(判別不能)?」と書かれている部分)
最後には「すみません」を繰り返しており、
極めて「良識のある客」だったことが伺える。

そして、テレフォンショッキングは、この客のネタで終始し、
いいともの客としては全然「アリ」な空気に見受けた。

ちなみに、CM明けの「1人アンケート」が
「クマになったことのある人」という出題だったことでも
「番組の空気」が分かるのではないだろうか。

「退場」という措置の影響

ただ、その「冗談」が微妙なネタであったことで、一瞬「微妙な空気」になり、
「客の素性」が分かるまで、タモリらも硬い反応をしたことは確かではあるが、
「痛い客」として片づける事件では全くなく、
むしろ、本当に「退場」をくらっていたという
「いいとも」らしからぬ対応だった事実を知って、ガッカリ。

このような対応が、これまでユルく展開されていた
「観客の突然の参加」という「いいとも」の魅力を失うキッカケと
なることを逆に危惧してしまう。

ぶっそうな世の中、「タレントや客の安全性」を考慮すれば、
このような観客を許容しない時代になっているのかもしれないが、
このセンスを許容しなくなった「いいとも」はそろそろ限界なのかもしれない。

ちなみに、「前代未聞」と書かれているが、
番組開始初期の「テレホンショッキング」に観客が乱入し、
タモリと会話して「マジの退場」をくらった事件があったはず。

「いいとも」のセンス

今回の事件でも見受けられたように、
最近では、「ミンテレ」にしても「なまあらし」にしても、
生放送であることを全く生かしきれず終わった多くの番組に比べて、
生であることで大成功を収めた「いいとも」の秘訣がここに隠れている。

「ハプニング」を番組として許容してしまうセンス、
その許容のトークに出てきた「クマのぬいぐるみ」という冗談を
短い時間で本当に実践してしまう「スタッフのノリ」。
大した努力ではないように思えるかもしれないが、
こういう小さい積み重ねが「いいとも」が続いている魅力なのだと思う。

例えば、dosの活動後ではあったものの、
ほぼ無名の振り付け師としてKABA.ちゃんが「いいとも」にゲスト出演した際、
普通の番組なら、その場だけ盛り上がって終わるものだが、
番組は翌週以降も彼を「ノリ」で出演させ、現在のブレイクの一因となった。

数々のタレントをブレイクさせただけでなく
「マジックの赤尾くん」だったり、「カンフー少年」だったり、
少し前だと「ミニタッキー」だったり、
面白い素人を見逃さず、番組内でブレイクさせる「ノリ」もあった。

かなり初期ではあるが、テレホンショッキングで素人の家に間違い電話してしまった際、
本当に翌日素人を出演させてしまったなんて事件もあったと記憶している。

また、今回の「ぬいぐるみ」でも実証された
ちょっとした会話に出てきた音楽の話で、
即座に音源を用意出来るほど敏捷性を持ったスタッフの実力なども
この番組の底力なのだ。

「退場」の措置を取ったということは、
増刊号でも放送しないという意志でしょうから、
詳しい会話は、こちらのサイトを参照されると良いかと思います。

「森田一義アワー 笑っていいとも」資料室

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