急な下痢や腹痛って本当に困りますよね。会議中や電車の中など、今は来ないでというときに限って襲われることも。
どうしようかと焦るとますます症状が悪化してしまうかもしれません。
そんな時、ツボを押すだけで症状が改善するかもしれないのなら、すぐに試してみたいですよね。下痢や腹痛についてやツボ押しについてお伝えしたいと思います。
下痢と腹痛が同時に起こるのはなぜ?
下痢や腹痛はなぜ起こるのでしょうか?下痢の原因には以下のようなものがあります。
- 暴飲暴食による消化不良や体が冷えたことにより自律神経が乱れ、腸が異常収縮してしまい起こる下痢があります。
- 細菌やウイルスに感染することで起こる感染性胃腸炎があります。O-157、サルモネラ菌などによる食中毒、ノロウイルス・ロタウイルスなどが有名な病原体です。
- ストレスなどが原因で起こりやすい過敏性腸症候群も下痢症状を起こします。
- クローン病や潰瘍性大腸炎、バセドウ病などのように、重い病気が原因で下痢が起こっている場合もあります。
下痢は、腸の運動が活発になり、消化された食べ物が腸の中を通るスピードが早くなり過ぎて、水分が十分に吸収できないこと、腸自体の水分を吸収する力が低下していること、腸からの水分の分泌量が増えてしまったことが原因で起こります。
このような仕組みで、本来ならば腸を通過する水分の99%は腸で吸収され、残りの1%が便に含まれるはずなのに、便に含まれる水分量が増えてしまうということが起こるのです。
腹痛にもいくつか種類があります。体性痛・内臓痛・関連痛です。
- 体性痛
お腹の臓器が炎症を起こして、腹壁や腸と腸の間にある膜(腸間膜)が刺激されることによって起こる腹痛です。痛みの発生が狭い範囲に限られていることが多いです。うずくまってしまう程の鋭く強い痛みが続くこともあります。
- 内臓痛
胃や腸などの臓器が収縮したり痙攣(けいれん)を起こしたりすることで起こります。間欠的でお腹に違和感を覚えるような症状から激しい腹痛まで様々です。痛みの部位が特定しにくく、お腹全体が痛い・下腹が痛いなど漠然とした訴えが多いようです。
- 関連痛
内臓の痛みを伝える神経が皮膚の痛みを伝える神経と合流することで起こる痛みです。痛みの発生源となっている内臓から離れた場所でも痛みを感じることがあります。
では下痢と腹痛が同時に起こるのはなぜなのでしょうか?3種類の腹痛があるとお伝えしましたが、その中でも下痢症状を起こしやすい腹痛は①の体性痛と②の内臓痛になります。
まずは体性痛が起こっている場合の下痢症状についてです。腹壁や腸間膜を刺激し腹痛を引き起こす臓器の炎症とは、虫垂炎(盲腸)・急性膵炎・急性胆のう炎などがあります。
これらは食べ物の消化吸収に必要な臓器です。その臓器や臓器に接している腸間膜が炎症を起こすと、もちろん腹痛がおこります。
炎症を起こした臓器は正常に働くことができず、消化不良を起こしたり、腸の水分吸収機能が低下してしまうため下痢も起こってしまうのです。
内臓痛が起こっている場合の下痢症状は、胃や腸そのものが異常に収縮したり痙攣を起こしているため、胃や腸の内容物が通常よりも早く通過してしまいます。
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そうすると十分に水分が吸収されずに便に混ざり、排出されてしまうため下痢になります。また、痙攣を起こしている時の腸は、腸自体の水分吸収機能が低下しているため、さらに下痢になりやすいのです。
下痢や腹痛によく効くツボが手にもあるの?
そもそも、ツボとはいったい何なのでしょうか?
ツボとは、神経がつながっている節目やつなぎ目の箇所をいい、急所にもつながりかねる体の大事な部分です。疲れなどが溜まると体調に反応が現れ、具合が悪くなってしまいます。そんな時にツボをお灸やマッサージで刺激すると改善が期待できるのです。
手にもよく効くツボはありますが、それ以外の場所にあるツボもお伝えしますね。
まずは≪下痢≫に効くツボをいくつかご紹介します。
①下痢点(げりてん)
手の甲にあります。中指と薬指の骨が手の甲の中央あたりで合流していると思います。その部分を指先で押すとへこみを感じられると思います。そこが下痢点です。
②関元(かんげん)
おへそからまっすぐ下に9cm程下がったところにあるツボです。
③天枢(てんすう)
おへその両側にあり、おへそから左右に6cm程外側に行ったところにあります。
次に≪腹痛≫に効くツボをいくつかご紹介します。
①合谷(ごうこく)
手の甲にあるツボで、親指と人差し指の間にある骨の付け根部分から、少し外側(指先の方向にあります。
②温溜(おんる)
肘を直角に曲げたときにできるシワの中央と、手首の親指側にある骨の中間にあるツボです。
効果的なツボの押し方は?注意することはある?
押すというのは、手の指のはらをつかってツボを刺激する方法で、1番基本的なやり方です。親指のはらの部分(指の先から第1関節にかけて)を押し当て、やや強め(程よく痛みを感じる程度)に押します。押している時間はひと押し3~5秒が一般的です。
もむというのは、手のひらや指全体を使ってもみほぐしていく方法です。
たたくといういのは、こぶしや手のひらを使い「トントン」とたたく方法です。
痛みが強い場合は、無理に押したりもんだりたたいたりしなくても、さするだけで効果はあります。ツボ押しをするときに、呼吸を意識して行うとさらに効果が上がると言われています。
リラックスしゆっくりと呼吸しながら、押すときはゆっくり息を吐いて、離すときにゆっくり息をように意識してみてください。
ツボ探しのポイントとしては、ツボ周辺を触ったときに「冷えている」「へこんでいる」「痛みがある」など、他の場所と少し違う感じがした部分が、自分にあてはまるツボだと思ってください。ツボを押したあと離す際は、すぐにパッと離すよりゆっくり離した方が効果的だと言われています。
ツボ押しをするときは注意することもあります。次に当てはまる場合はツボ押しを避けてください。
- 妊娠中、とくに安定期前の妊婦さんは、自分でむやみにツボ押しをしてはいけません。どうしてもの場合は、資格をもったプロにお願いしてください。
- ツボ周辺にけがや火傷などの異常がある場合
- 飲食後30分以内
- 発熱時
- 飲酒をしているとき
- 手術の後(主治医に相談してOKが出てから行ってください)
- その他、いつもと体調が違うと感じたとき
力任せにやりすぎたり、長時間同じ場所ばかりをやりすぎると、炎症を起こしたり、筋肉を傷つけてしまうこともあるため注意してください。
まとめ
突然の下痢や腹痛で、トイレにも行けないし薬も持っていないなんてときに、ツボ押しはすぐにでもできる対処法の1つです。
特に手のツボはどこでもできるので、覚えておくととても便利です。ツボ押しは手軽にできる対処法ですが、きちんとした知識を持たない素人がやると、効果がないどころか逆効果になってしまうこともあります。
注意点をきちんと理解し、異変を感じたら自分で行うツボ押しは中止して専門家にみてもらうようにしましょう。