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重 要
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2008年12月
医薬品の適正使用に欠かせない情報です。必ずお読み下さい。
ネクサバール®錠200mg 安全性情報
[製造販売元] バイエル薬品株式会社
ネクサバール錠200mgによる急性肺障害,間質性肺炎について
ネクサバール®錠200mg(ソラフェニブトシル酸塩)は,2008年4月の販売開始以降から11月ま
でに約2000例の患者に投与が行われ,本剤との因果関係が否定できない間質性肺炎を含む急性肺
障害が4例報告されており,そのうち2例が死亡に至っております。
このような状況を考慮し,本剤の「使用上の注意」の「重要な基本的注意」及び「重大な副作
用」の項に,「急性肺障害,間質性肺炎」に関する情報を追記しました。
本剤のご使用にあたっては,以下の事項にご留意ください。また,本剤によると思われる急性
肺障害,間質性肺炎の発現が疑われた場合には,直ちに弊社医薬情報担当者までご連絡ください。
1.異常が認められた場合には,速やかに胸部X線等の画像検査を行い,
適切な処置を講じてください。
・本剤の投与にあたっては,呼吸困難,発熱,咳嗽等の臨床症状を十分に観察し,
異常が認められた場合には速やかに胸部X線検査・胸部CT検査等を実施してくださ
い。
・急性肺障害,間質性肺炎の診断及び処置については,呼吸器専門の先生にご相
談ください。
2.呼吸困難,発熱,咳嗽等の症状があらわれた場合には,速やかに連絡
するよう患者に説明してください
「使用上の注意」の改訂内容は4ページをご参照ください。

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[症例の概要]
症例 1
患者背景
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経 過 及 び 処 置
転帰
50歳代
腎細胞癌
第4期
(癌疼痛,
腸憩室炎,
骨転移,肺
転移)
400mg/隔日
217日
800mg/日
45日
800mg/日
56日
投与14日前
投与開始日
投与218日目
投与253日目
投与263日目
休薬33日目
休薬61日目
再開26-35日目
再開54日目
再開57日目
中止5日目
中止11日目
中止12日目
中止20日目
転移性骨腫瘍にて再診。CT所見:肺転移以外
特記なし。
個人輸入にて本剤(400mg/隔日)投与開始。
本剤を800mg/日に増量。
胸部CTにて肺転移出現(肺転移のサイズと数が
増加,それ以外特記なし。)
休薬。IL-2による治療開始(70万単位,週3回)。
CT所見:肺転移の進行以外,特記なし。
家族,本人の希望強く,本剤の投与再開。
再開26,27,34,35日目にMAP 2単位ずつ輸血。
呼吸困難が現れ始める。
呼吸困難にて入院。CT上,右肺にはすりガラス
様陰影,左胸水著明であった。胸水穿刺では血
性胸水(報告医によると,胸水の原因は肺転移
出血)。原疾患の状態:骨・肺以外の転移はな
く,局所再発も画像上はなかった。
間質性肺炎の診断にて,本剤投与中止。
左胸腔内にトロッカー留置,細胞診:class4
胸写増悪。
ステロイド開始,デキサート4mg。
呼吸症状は改善あるも,胸写上は増悪。
呼吸不全により死亡。剖検の有無:情報なし
死亡
《社外専門家による肺画像の詳細解析結果》
投与253日目: 著明な肺転移,骨転移,右肺下葉の気管支内転移,軽度の肺気腫,左肺下葉の線状無気肺。
休薬33日目: 肺転移・骨転移巣の数及びサイズ増大を認めるが,その他は特に変化なし。
再開57日目: 肺転移巣の数及びサイズは増大し,左肺に多量の胸水が左胸腔内を占拠している。右肺と左肺上葉
の含気部位に,肺転移巣に関係なくランダムに分布する斑状のすりガラス陰影を認める。これら
の画像所見は薬剤性の初期ARDS(急性呼吸窮迫症候群)あるいは感染に矛盾しない。
中止11日目: 左胸水ドレナージ後,右肺に新たに中等量の胸水出現。両肺野に,小さなコンソリデーションを
伴ったびまん性のすりガラス陰影に重なって葉間胸水及び小葉間隔壁肥厚を認め,いわゆる
“crazy-paving pattern”(不揃いな敷石状パターン)を呈している。これらの所見は,急激な臨
床経過及び画像所見の増悪と併せ,ARDSに特徴的と考えられるが,ARDS自体は,感染や疾患進行に
伴う全身状態低下,肺転移巣からの出血などの他の要因によっても起こり得たと考えられる。
投与253日目CT画像
再開57日目CT画像
中止12日目CT画像
併用薬:塩酸オキシコドン水和物,エトドラク,塩酸ミルナシプラン,酒石酸ゾルピデム,フルニトラゼパム ,イン
ターフェロンアルファ,ゾレドロン酸水和物,メトクロプラミド,マレイン酸プロクロルペラジン,センノシド,酸化
マグネシウム,塩酸ミルナシプラン
1日投与量
投与期間
【臨床検査値】
再開57日目
SP-D(基準値:0-109.9):70.4
KL-6(基準値:0-409):565
中止12日目
SP-D:229.2
KL-6:625
DLST:7.6%(+)

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症例2
患者背景
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経 過 及 び 処 置
転帰
既往歴:間質性肺炎,慢性腎不全,関節リウマチ
70歳代
腎細胞癌
第4期
(リンパ節
転移)
800mg/日
39日
投与開始日
投与40日目
中止4日目
本剤(800mg/日)の投与開始。
この頃より食欲不振あり。本剤の投与中止。
朝,自宅で死亡に至った。
死後CTにて胸水貯留を認める。間質性肺炎の
悪化が疑われる。
死因:呼吸不全,剖検:なし
《社外専門家による肺画像の詳細解析結果》
投与56日前:通常型間質性肺炎(UIP)の像を示す間質性肺疾患の所見で,関節リウマチに関連する病態と考えら
れる。
投与49日前:上記と著変なし
中止4日目(死亡後):多量の両側胸水,広範なすりガラス陰影,重力負荷部位に一致したコンソリデーション
を認める。死後の変化も考慮に入れる必要があるが,画像所見からは左心不全や,慢性腎不全に続
発した体液過剰に伴う重症肺水腫が最も考えられ,通常型間質性肺炎の急性増悪によるびまん性肺
胞障害も考えられる。なお,薬剤性のびまん性肺胞障害も除外できないが,可能性はより低いと考
えられる。
投与56日前CT画像
中止4日目(死亡後)CT画像
併用薬:レバミピド,テプレノン,アクタリット,ファモチジン,プレドニゾロン,アセトアミノフェン
死亡
1日投与量
投与期間

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厚生労働省医薬食品局安全対策課長通知による改訂
改訂内容
改 訂 後
改 訂 前
■ 使用上の注意
2.重要な基本的注意
(6)急性肺障害,間質性肺炎があらわれることがある
ので,本剤の投与にあたっては,呼吸困難,発熱,
咳嗽等の臨床症状を十分に観察し,異常が認め
られた場合には,速やかに胸部X線検査等を実
施すること.急性肺障害,間質性肺炎が疑われる
場合には投与を中止し,副腎皮質ホルモン剤の
投与等の適切な処置を行うこと.
また,呼吸困難,発熱,咳嗽等の症状があらわれ
た場合には速やかに連絡するよう患者に説明す
ること.[「重大な副作用」の項参照]
4.副作用
(1)重大な副作用
10)急性肺障害,間質性肺炎 (頻度不明):急性肺
障害,間質性肺炎があらわれることがあるので,
呼吸困難,発熱,咳嗽等の臨床症状を十分に
観察し,異常が認められた場合には速やかに胸
部X線検査等を実施すること.急性肺障害,間
質性肺炎が疑われた場合には投与を中止し,副
腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行う
こと.
■ 使用上の注意
2.重要な基本的注意
←追記
4.副作用
(1)重大な副作用
←追記
:下線部追加改訂箇所
改訂内容につきましては医薬品安全対策情報(DSU)No.176(2009年1月)に掲載される予定です。
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バイエル薬品株式会社 くすり相談
フリーダイヤル 0120-106-398
製造販売元 バイエル薬品株式会社
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