グアテマラで火山噴火 死者数十人に
中米グアテマラの首都グアテマラ・シティーから南西に約40キロ離れた活火山フエゴが3日、噴火した。数十年来の規模となった噴火で、これまでに60人以上の死亡が確認され、何百人もの負傷者が出ている。
当局は4日、確認された死者数が62人に上ったと明らかにした。
火山から流れ出した溶岩が近隣の町エル・ロデオに流れ込み、住宅を破壊。逃げ遅れた屋内の住民が焼死したという。黒煙や灰が火山から吹き上げており、グアテマラ市のラ・アウロラ国際空港は閉鎖されている。
ジミー・モラレス大統領は、犠牲者を悼み国全体で3日間喪に服すと宣言した。3日深夜に出された声明で同大統領は、「取り返しがつかない」人命が失われ、国は「深い悲しみ」に包まれていると述べた。
噴火の規模
フエゴ山は中南米で最も活発な火山の一つで、1974年の噴火では近隣の農場に壊滅的な打撃を与えたが、死者は出なかった。
今年2月に起きた噴火では、1700メートル上空まで灰が吹き上げられた。
3日の噴火はより大規模で、溶岩が山腹を流れ落ち村々を飲み込んだ。灰は上空6000メートル以上まで上がっている。
犠牲者数は、1902年に起きたサンタマリア山の噴火で何千もの死者が出て以来、最悪となった。
救助活動
警察や国際赤十字、軍など数百人が救助活動のため派遣されており、避難の支援や臨時避難所の設置を行っている。
地元メディアが報じた映像には、救助隊員が灰だらけになった被災者に対応したり、溶岩の上の遺体を収容したりする姿がとらえられている。
グアテマラの国家災害対策委員会(CONRED)のセルジオ・カバーニャス委員長は、エル・ロデオ町は溶岩の下に「埋まった」と語った。
このほか、アロテナンゴやサンミゲル・ロス・ロテスなどの町が被災。救助隊が多数の村に向かっており、死者の数は増加するとみられている。
犠牲者のうち数人が子供だという。カバーニャス委員長は、死者の中にはCONREDの職員も含まれると明らかにした。
グアテマラ政府によると、噴火による被災者は約170万人に上っている。
当局は市民に対し、火山灰から身を守るためマスクの着用を呼びかけた。
降灰はグアテマラ市でも見られており、軍の兵士らはラ・アウロラ国際空港の滑走路から灰の除去を行った。
ビデオ, グアテマラ火山噴火 過去100年以上で最も激しく, 所要時間 0,33
活火山のフエゴ火山噴火で、これまでに60人以上の死亡が確認され、何百人もの負傷者が出ている。