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東芝危機は原発終焉の象徴 | 環境ビジネスオンライン
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東芝危機は原発終焉の象徴

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東芝は昨年12月27日、傘下のウエスティングハウス(WH)の原発事業による損失が6,800億円に上る可能性があると発表。筆者は、本稿2017年2月6日号(「原発の終焉と太陽光発電の自立」)で、この件についてコメントした。それから1週間後の2月14日、損失額は7,125億円に上方修正された。東芝とWHは3月29日、連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)を申請した。

原発事業で1兆円の損失!

東芝は、今回の損失により2017年3月期決算で債務超過に陥ることになり、東証の規定により2部に降格する。しかし、実際には降格どころの騒ぎではない。東芝は解体の危機に瀕しているのである。

WHは現在8基の原発を建設中だが、特に問題になっているのがアメリカの4基(残り4基は中国)。WHがこの4基の建設を受注したのは2008年のこと。その時点では、「事業順調」と感じたのかも知れないが、それから3年後の2011年に福島第一原発事故が発生。米原子力規制委員会が安全対策基準を強化したため、大幅なコスト増となった。

東芝は、2015年3月期にもWH関連で2,476億円の損失を計上しているので、今回分と合わせると、損失は合計9,601億円に上る。結果論ではあるが、約1兆円もの損失を出すためにWHを買収してしまったことになる。

2011年の福島第1原発事故以降原発をめぐる環境が一変したことは東芝にとっては「不運」であった。しかし、その変化に対して適切に対応しなかったことは経営陣の怠慢だ。変化に気がつかなかったのか、あるいは、敢えて目をつぶってきたのか。

WH買収が裏目に

東芝は2006年当時、WH買収をテコに海外での原発事業を経営の柱に据えたのだが、これは大きなギャンブルであった。原発事業はその時点でもリスクの高い事業とみられていたからだ。そして、2011年3月に福島原発事故が起きるとそのリスクが一気に顕在化し、ギャンブルにも大負けすることとなった。

東芝は、今後原子力事業をどうしようというのか。連邦破産法11条は「破産」という文言が入っているが、日本の民事再生法に相当し、実際には会社の再生を支援する制度だ。WHで追加の損失が膨らむリスクを取り除き、新年度以降の再生に賭けようというのだ。

今後の原発事業の方向について、経営陣は2月14日、(1)建設中の原発8基(米国4基、中国4基)はコスト削減努力により完成させる(2)原発新設については、原子炉供給などに特化し、建設工事は受注しない(3)既存原発の燃料・サービス(原子力事業売上高の8割を占める)は安定したビジネスとして継続する(4)再稼働、メンテナンス、廃炉事業は継続する、などと説明した。

しかし、これでうまく行くのだろうか。筆者は、原発事業が健全化する可能性は極めて低いと見る。世界の原発離れは明確で、すでに事業として成り立たなくなりつつあるからだ。

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