考察投稿抜粋/暗黒館の殺人とうみねこ
- 投稿時の発売済み作品:EP1/EP2/EP3/EP4/EP5/EP6/EP7
[編集]暗黒館の殺人とうみねこ
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うみねこのなく頃に part935
869 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2010/09/18(土) 13:37:47
綾辻行人スレ
182:名無しのオプ:2009/10/22(木) 18:05:34 ID:sFHPRRVF
なんで暗黒館はうみねこのなく頃にをパクったとか言う奴がいるのかなぁ
うみねこスレ
863 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/22(金) 16:19:26 ID:ZVxVCeVP
暗黒館ネタが入ってそうだなうみねこ
ということで、2004年発売 綾辻行人『暗黒館の殺人』を研究。
ちなみに綾辻行人といえば、そして誰もいなくなったをモチーフにした『十角館の殺人』
時計が出てくる『時計館の殺人』は、うみねこを読む上で欠かせないかも。
■金蔵の過去について
「初代当主の浦登玄遥は――俺の曾祖父だが――、曾孫の俺が云うのもなんだけれど、若い頃からえらく
商才に長けていたらしくて、三十代にしてもう半端じゃない財産を築き挙げていたという。
同時に彼は相当の変わり者でね、あるとき突然この島を周囲の森ごと買い取ったり、
こんなたいそうな屋敷を作らせたりしたかと思うと、早々に隠居を決め込んでしまった。」
「ダリアというのは、初代玄遥の妻の名前さ。浦登ダリア。その昔、玄遥が欧州各地を巡った際に
イタリアの地で出会い、熱烈な恋に落ちた――それが彼女、ダリアだった。」
「始まりは豊臣秀吉が出した伴天連追放黎だね。(略)三大将軍家光の時、有名な天草・島原の乱が起こって、
(略)隠れ切支丹がそうだったのと同じように、神に見放された存在としての"闇"への傾倒が、
伝統宗教や土俗信仰、迷信その他の影響を受けながら変容を重ねた結果、
一種異様な我流の悪魔崇拝を形作っていった、という図式が考えられるが」
「忠教には生まれつき、両足の指に畸形があったのさ。恐らく、初代玄遥と同じような、ね」
足の指が人とは違う形の浦登玄遥は、イタリア人女性と結婚、商才があって、島を買い取り隠居してしまう。
玄遥はダリアとの間にうまれた娘、桜と関係をもち、さらに桜と玄遥の間にうまれたカンナにも手を出して、
子供をうませているというスーパー金蔵。EP5で「綾辻行人のデビューは来年だ」と作家名まで出ていること
からもわかる通り、金蔵の過去については、綾辻行人オマージュというかまあ流用。
人物名も、玄遥→金蔵 卓蔵(玄遥の娘の夫)→蔵臼 玄児→源次 ダリア→真里亞 桜→楼座と類似。
秀吉や天草の名がキリスト教関連の話題で出てきていることも関連があるかも。
■十八年前の事件について
「十八年前、玄遥と卓蔵に対する復讐を果たしたあと、十一月の末になって旧<北館>
のあの大火災が起こった。出荷の原因は未だ判然としないが、その際、逃げ遅れて炎と
煙に巻かれた挙句、重傷を負った子供が二人いたのだ。一人は玄児、もう一人が忠教だった。(略)
つまりそれが、この状況に乗じて、玄児と忠教、二人の子供を入替えてしまおうという計画だったわけだ」
明日夢の子供が無能でないのは不自然であり、明日夢の子供が戦人ならば、どこかで
入替えが起こったと考えるのが妥当だが、暗黒館の殺人においても、十八年前に子供の入れ替えがなされていた。
■鏡について
「この家には鏡が、ない。あの洗面所以外の場所では、一枚も見かけたことが……」
「ないはずさ、一枚もね。それがすなわち、この屋敷の決定的な欠落なんだから」
右代宮家において鏡は魔女に対する禁忌とされており、鏡が登場するのは夏妃の部屋のみであるが、
暗黒館の殺人においても、鏡は基本的には屋敷の中のどこにもないものとされている。理由は後述。
以上のように、かなりのうみねこと共通点ある作品を読み解くことで、うみねこのオチを推定。
870 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2010/09/18(土)
「玄遥が突然、原因不明の高熱に襲われて倒れたんだ。医者にもかかったがまったく手に負えず、
何日もの間、玄遥は生死の境を彷徨った。ダリアが救ったんだ。自分の血を玄遥に飲ませたのさ」
「自分の死後、自分に肉体を何らかの形で<肉>として保存・貯蔵して、毎年の自分の命日の夜に
皆で食するように、とね。ダリア自身がそう、玄遥に命じた。命日を誕生日と同じ九月二十四日と
定めたのも、彼女自身だった。」
「伝えられるところによると、<不死性>には大きく云って三つの段階がある。
第一の段階は、単純な不死の獲得。ダリアが<闇の王>に与えられたのが
そもそもそうだったわけで、これは<ダリアの血>や<肉>を体内に取り込むことによって
他者にも伝播する。この段階の不死を得た者は、いかなる病気によっても死なない。
老いはするが、いわゆる老衰による自然死もない。事故で致命的な傷を負うか
あるいは誰かに殺されるか、いずれかによってしか死は訪れない。
第二の段階は、単なる不死性だけでなく、事故その他で死んでしまった場合の
再生・復活をも可能にする。この<再生性><復活性>にも段階があって
一事的な死の後に息を吹き返すといったレヴェルから、それこそ燃え尽きた灰の中から
完全に蘇るといったレヴェルまで、さまざまな達成がありうる――とされている。
そして第三の段階は――これは必ずしも、第二段階の達成を前提とはしない。
第二を踏まえず、それを飛び越して達成されることもありうる――とされる。
この段階に至った者は、<不死性>に加えて<不老性>をも得ることになる。
老いもせず、死にもしない。文字通りの不老不死が具現されるという」
「第三の段階、すなわち不老不死達成の段階に至った者は、
その時点で鏡に姿が映らなくなる――と、そう伝えられているのさ」
「若い頃の自分にそっくりな美しさを備えた娘の桜に、仮にそれが一時の気の迷いであったとは信じるにせよ、
玄遥は心を奪われ、狂おしい衝動を抑えられなくなった。その原因はすなわち、自分にある。
自分がもはや若くはないこと、かつての美しさが衰えてきてしまったことにあるのだ、とね。
そこでダリアの心に生じたのはそれはつまり、<不老性>の獲得に対する
これまで以上の切望だった。<不死性>の第三段階に至って実現されるはずの不老不死、
その<不老性>を何としてでも早く手に入れたい、と。そうして自らの老いを止め、あまつさえ若返って
往年の美しさを取り戻すことまでを、彼女は狂えるほどに欲するようになったのさ」
「この身もこの心も全て灰になって、そこからの復活を果たしてこそ、真の成就は
あるのではないか、とな。完全な死からの完全な復活が成功して初めて、ダリアが私たちに託した
不老不死の夢は果たされうるのではないか、と」
クレルのハラワタの回想とは何か?
金蔵の過去が金蔵の回想と食い違うのは何故か?
→病気による精神錯乱。後に病気で瀕死になった金蔵をベアトが助け、ベアトの不死性が明らかになった。
お父様のお気持ちには云々とは何か?
→肉を食わせろ。不老不死をもとめた金蔵は、九羽鳥ベアトの肉を食べたかった可能性がある。
こんな体とは?
→崖から落ちて死んでも復活するような体。ヤスにおいては<不死性>の第二段階まで突入していた。
金蔵はどうなったのか?
→ヤスの回想ではたしかに死亡したが、そのあとでひょっこりと蘇った。
玄遥もきちんと医者によって死亡が確認されたあとで蘇っているので、ありうる。
鏡にヤスが顔をうつすとどうなるのか?
→何もうつらない。そして不死になっているよ、と納得させられる。
うみねこのオチは?
→さまざまな陰謀が重なって島は爆発したが、その時には全員が完全なる不死性を獲得していた。
よって肉体が消滅しようとも、何も問題は無かった。よって何も悲しくも辛くもない。
という、不死ファンタジーオチであると推定できる。
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