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旅・留学・出張の持ち物 - 2.貴重品(1):海外でのお金 | Quo Vadis - 海外・留学を考えるヒント

旅・留学・出張の持ち物 - 2.貴重品(1):海外でのお金

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2. 貴重品 (1)
2-1. セキュリティポーチ 【パスポート&入国ビザ&イエローカード、国際キャッシュカード、現金100-300ドル】。
2-2. メイン財布 【メイン・クレジットカード、現地通貨100ドル相当以下、国際学生証・身分証、証明書写真x4、英語名刺】。
2-3. サブ財布 【サブ・クレジットカード、現金1万円以下、自宅鍵、海外旅行保険証&小冊子、NTTテレフォンカード】。百円小銭入またはチャック付ポリ袋(名刺大)。
2-4. 百円チケットケース 【Eチケット等】。


解説: 海外留学の予定があったり、定期的に海外旅行・出張をする人には、以下のようにお金を用意することを勧める。現金で大金を持参すると、盗難のリスクが高く、身動きが取れなくなる。カードや保険の状況は2007-2010年に大幅に変わった。国際派のクレジットカード選びクレジットカード付帯保険の危機海外で銀行口座を開設する海外滞在時の緊急連絡先を別記した。

たとえば以下の組合せ例がありえる。
・学生の短期滞在なら、東京三菱UFJ銀行等のVISAデビットカードをメイン、新生銀行キャッシュカードとMileage Plus Saison Masterカードをサブ。緊急用に現金100-300ドル。
・1年以上の長期滞在なら、現地銀行VISAデビットカードをメイン、新生銀行/シティバンク銀行キャッシュカードとMileage Plus Saison Masterカードをサブ。緊急用に現金100-300ドル。

・社会人なら、三井住友VISA ClassicAカード(キャッシング枠20万円以上)をメイン、シティバンク銀行キャッシュカードとMileage Plus Saison Masterカードをサブ。緊急用に現金100-300ドル。
・数年に1度だけの短期旅行なら、Travelex MasterCard Cash Passportとドル現金で旅費実費を半分ずつ。予備費・海外旅行保険用にMileage Plus Saison VISAカード。


1. クレジットカード

1-1.クレジットカードの長所

留学でも旅行でもクレジットカードは必須だ。買い物はカードで払い、現金もカードでATMから引き出すのが基本だ。日本人には現金信奉が根強いが、欧米はカード社会なので、海外で生活するなら発想を切り替えた方が良い。クレジットカードは、ホテル等で支払い能力の信用証明にもなる。クレジットカードは、盗難・紛失やATM不調に備えて、VISAとMasterが1枚ずつあると良い。クレジットカード2枚と国際キャッシュカードは一般的な組み合わせだ。国際派のクレジットカード選び参照。
・カード選択では海外旅行保険の付帯条件を慎重に確認するべきだ。そのカードで航空券を支払わない限り、海外旅行保険が付帯しないカードが急増したからだ。その点、三井住友Classic Aカードは治療費100万円、Mileage Plus Sasonカードは治療費300万円の海外旅行保険(3ヶ月)が自動付帯する堅実なカードだ。ただし、3ヶ月以上の留学・長期滞在には別途、海外旅行保険が必須だ。クレジットカード付帯保険の危機参照。
・クレジットカードでのキャッシングは一種の借金で、キャッシングには年率18%(月率1.5%)の利子がかかる。が、海外に限って利用する価値がある。新生銀行のキャッシュカードの為替コスト(4%)より大分安く、紛失・盗難時の再発行も容易だからだ。
・海外での買物の場合、利子はつかないが、1.63%の手数料がつく。しかし、大金を持ち歩く必要がなく、しかも購入物の盗難にショッピング保険がつくことを考えると、手数料の価値はある。加えて、海外の安ホテルや中小商店では、本来なら店が払うべき加盟店手数料3%を客に請求することもある。日本の加盟店契約では禁じられているが、英豪蘭・北欧等では合法で、途上国(高級ホテルやデパート以外)では商慣習化している。
・クレジットカードには不正利用に備えた保険がついている(ユーザーの落ち度や60日以上前は不可)。紛失時の海外連絡先とカード番号・使用期限を手帳や携帯電話、Webmail電話帳に登録し、付帯保険の使用条件や海外連絡先もチェックすべきだ。ローザンヌでVISAカードが盗難にあったが、被害なく停止できて、翌日には仮カードがホテルに届けられた。プノンペンのATMにカードが呑み込まれ、東京の緊急連絡先では、不正利用時には保険が効くので、カードを止める必要がないと言われた。こうした盗難保険を考えれば、年率18%の利子も誤差の範囲内だ。
・旅慣れたバックパッカーなら初めての途上国でも、現金で大金は持たず、カードでキャッシングする。どうしても不安なら、ATM LocatorでATMの所在を予め確認すると良い。先進国なら99%問題ない。途上国でも、空港・都心部・観光地はもちろん、途上国の地方都市でもATMがある。マダガスカルのアンボシチャ、インドネシアのデタム島、ラオス国境のドンデット島、インドのオーロヴィルですら、ATMは何台もあった。


1-2.クレジットカードの短所

・アフリカ等、滞在費全額をドル現金で持参すべき国もある(ロシア・CIS・中南米は未確認)。コンゴ民主共和国やケニアでは、カード会社が不正利用を警戒し、カードを勝手に停止した。
・人気のないATMは犯罪者に狙われやすい。ケニアのナイロビで、ATMでの引き出し直後に人の追跡を受けたことがある。怪しい店ではカード情報を盗んで不正利用されることもあるので、定期的にネットで使用歴・引落額をチェックすべきだ。また、週末・夜間の無人ATMは故障事故に対応できないので、営業時間中の銀行店舗内のATMを利用するのが望ましい。営業時間外・店舗外・無人の場合、念のためメインのカードは使わず、予備のカードを使うべきだ。「現金引落機(ATM)にひそむ罠」(外務省『海外法人事件簿』)という被害報告もある。
海外滞在時の緊急連絡先は、メモ帳、携帯電話、Webmail連絡先に登録すべきだ。カード番号と有効期限も必要だ。世界主要都市のコレクトコール方法とフリーダイヤル番号リストを調べておくべきだ。

1-3. 学生・新社会人の注意

・学生の場合、与信枠(利用上限額)が10万円、キャッシング枠が3-5万円しかないことがある。また、社会人も、改正貸金業法(2010年)以降、年収証明書類を事前提出していないと、キャッシングができなくなった。さらに、学生向けカードには、そのカードで航空券を購入しないと、海外旅行保険が自動付帯しないものが増えた。したがって学生の場合、以下の注意が必要だ。国際派のクレジットカード選び参照。
①治療費用100万円とショッピング保険が自動付帯する三井住友Master ClassicA(死亡補償だけ条件付)、治療費用300万円が自動付帯するMileage Plus Saison Master、治療費用200万円が自動付帯するSkywalker Masterのいずれかが候補だろう(今後の条件変更に注意)。ここでMasterを挙げたのは、楽天銀行/スルガ銀行のVISAデビットカード(後述)との併用を仮定したために過ぎない。
②学生用クレジットカードは与信枠・キャッシング枠が小さいため、VISAデビットカードをメイン、国際キャッシュカードとMasterクレジットカードをサブにすべきだ。VISAデビットカードと国際キャッシュカードの利用上限額は、各銀行口座預金残高に依存するため、メイン口座に旅費全額、サブ口座にその半額以上の預金をトラブル時の余裕をも想定して用意すべきだ。カード紛失・盗難・故障や急病・事故等には、いずれの口座にもすぐに送金できるよう、両者の銀行口座番号を親に伝えておくべきだ。
親の持つクレジットカードの家族カードを作ってもらえれば、VISAデビットカードは不要かもしれない。親が収入証明書を提出済でキャッシング枠を持って入れば、子供の家族カードでもキャッシングできるからだ。
④渡航前にクレジットカード会社に電話し、海外旅行中に与信枠・キャッシング枠を拡大できるか、確認すべきだ。与信枠は、まず年収に比例し、次いでクレジットヒストリー(利用)の蓄積で大きくなる。たとえば、出発前に航空券などの大きな買い物をすると、旅行中にカードが使えなくなってしまう。しかし、海外旅行の場合、カード会社との交渉次第では、一時的に利用枠が引き上げあれることがある。
⑤半年以上の長期滞在者で現地銀行口座を開設していれば、現地銀行のデビットカードをメイン、日本のクレジットカードをサブにするのが良い。

1-4.クレジットカードのトラブル(1):解決例

・私の十数年の仏米英生活と三十余ヶ国(欧米・アジア・北アフリカ中心)の旅行経験では、中南部アフリカを除き、キャッシングに立ち往生したケースは少ない。いずれも手持ちの現金100ドルで1日持ちこたえれば解決した。たとえば以下の事例だ。
・パリで1km四方のATM数台が故障中だった(30分歩いた)。
・韓国ソウルで複数のATMでエラーが出た(韓国外換銀行ATMや銀行窓口なら使えた)。
・ラオスのパクセでATMシステムが半日ダウンした(翌日まで待った)。
・ラオス・カンボジア国境の長距離バスで道路沿いにATMがなかった(終点到着まで待った)。
・パリの旅行代理店で航空券を現金で買い、1日のキャッシング上限を超えた(翌日まで待った。高額商品はクレジットで買うべき)。
・アルジェリア滞在と高額決済が偶然重なり、1ヶ月の上限を超えた(海外渡航を申し出ると上限を引き上げてくれる)。
・使用頻度の低いカードの暗証番号をついど忘れした(慌てず騒がず、気分転換してから再トライした)。
・スイスのローザンヌでカードを紛失した(再発行カードを現地ホテル受取。後述)。
・カンボジアのプノンペンで夜間、無人ATMにカードが呑み込まれた(レシートに記された現地連絡先にホテル受付から電話した。翌朝にホテル宛に返答があり、同日午後に銀行本店で返却された)。
・スコットランドのグラスゴーで、週末閉店中の銀行ATMにカードが呑み込まれた(メモ済の口座番号・電話番号でカードを止め、他のカードで代替した)。
・・・それなりに深刻ではあるのだが、打つ手のない現金の盗難とは異なり、いずれも解決策はある。

1-5.クレジットカードのトラブル(2):限界例

・中南部アフリカでは、ドル現金の必要性を感じた。
・コンゴ民主共和国やケニアでは、三井住友VISAカードや三菱UFJニコス・マスターカードで高額支払をすると、以後のカード使用がブロックされた。東京のカード会社に国際電話すると、南アフリカ周辺の不正使用を警戒したプロテクションがかけられたことが判明し、アフリカ旅程を説明してプロテクションを外す必要があった。
・とくにコンゴ民主共和国では、hewa boa Airwaysの航空券を購入したとき、三菱UFJニコスは、日本の自宅に留守番電話を残しただけで、一方的にマスターカードを停止した。顧客を途上国の路上に放り出す暴挙だと思う。おかげで、3つ星ホテルLubumbashi Hoelのチェックアウトが遅れ、航空機に乗り遅れそうになった。以後、国際事情に弱そうなカード会社は使わない
・ザンビア、ケニア、カンボジアの入国時のアライバルVISAには現金20-50ドル、コンゴ民主共和国・カンボジアの出国時の航空税には現金50ドルが必要だ。カンボジア入国時に20ドルがなく、特別に日本円で支払ってぼられた。コンゴからケニアに移動するとき、コンゴ出国時で予想外の航空税を取られたため、ケニア入国時のアライバルVISA費が不足しそうになった。
・コンゴ民主共和国では汚職警官の検問名目(=時間潰し)の賄賂要求に毎日会った(1-20ドル)。カンボジア・ラオスの陸路の出入国には1ドルの賄賂が相場だ。当然ながらカード払いも領収書もない。
・ケニアではVISAカード、コンゴ民主共和国ではマスターカードしか通用しない。無人ATMに飲み込まれる危険を考えると、VISA・マスターで各2枚ずつの用意が望ましい。
・コンゴ民主共和国やザンビアではクレジットカードやATMの信頼度が低く、カード支払可能と明言する旅行代理店や3つ星ホテルでもシステムエラーが生じる。ザンビアのンドラ空港では2台のATMが双方とも故障中で、コンゴ民主共和国のルブンバシ空港ではATM自体が存在しない。
・コンゴ民主共和国でのマスターカードによる現金引き出しは、銀行窓口に限られるため、銀行の開店時間に拘束され、時間がかかる。ケニアではATMでVISAが使えるが、一定額以上を引き出せるのは、おそらくBarclays Bank Kenyaの銀行窓口だけだ。

2. 国際キャッシュカード

2-1.国際キャッシングカードの長短所

・国際キャッシュカードは、国内銀行の普通預金口座から現地通貨を海外ATMで引き出せるキャッシュカードだ。学生や海外駐在員も、日本での奨学金・仕送りや給与の受け取りに便利だ。帰国後も維持するつもりなら、メインバンク候補のつもりで慎重に選ぶべきだ。もちろん、ネットバンキングの操作に慣れておき、海外からも定期的に口座状況を確認すべきだ。
・社会人ならば、クレジットカードをVISAとMasterで1枚(以上)ずつ用意し、それぞれメインカード・サブカードとしてキャッシングにもショッピングにも併用する方が、為替コストが安めで、カード紛失時の再発行も早い。その場合、国際キャッシュカードは3枚目の非常用・予備にする。
・しかし、収入証明書類が未提出の学生や社会人だと、クレジットカードのキャッシング枠が0-5万円しかない(海外旅行前に枠を引き上げられるか交渉・確認すべきだ)。そこで、学生が半年以下の旅行・留学にお金を持参するもっとも手軽な方法は、国際キャッシングカードだ。VISAデビットカードを兼用するものもある(後述)。
・しかし、学生が1枚の国際キャッシュカードのみに依存しては、紛失・盗難・故障時に立ち往生してしまう。そこで学生用クレジットカードに加え、①予備・非常用の国際キャッシュカード、②親名義のクレジットカードの家族カード、③デビットカードのいずれかを用意し、少なくとも3つにリスク分散するべきだ。
・半年以上の先進国留学や海外駐在など、総額100万円以上引きだすなら、3-4%のATM手数料は3-4万円に達するので、語学力さえ許せば海外で銀行口座を開設する方が賢い。逆に、数年に1度だけの短期旅行なら、日常的に縁のない銀行にわざわざ口座を開設するのも大袈裟なので、Travelex Cash Passportも選択肢だ。

2-2.国際キャッシングカードの選択

・2014年時点の国際キャッシュカードは、新生銀行PowerFlexが代表的だ。楽天銀行とスルガ銀行のキャッシュカードは、VISAデビットカードを兼ねる(後述)。先に「学生なら、東京三菱UFJ銀行等のVISAデビットカードをメイン、新生銀行キャッシュカードとMileage Plus Saison Masterカードとをサブ」等、モデル事例を紹介した。
・しかし、2009年以降、状況が激変したため、昨年の経験者の話も今年は通用しない。他人の言うことを鵜呑みにせず、最新情報を調べて比較すると良い。東京三菱UFJ銀行、みずほ銀行、三井住友銀行、Citibank World Cash、JTBは、2010年までに新規発行を止め、イーバンク銀行は楽天銀行に改称した。ソニー銀行MONEYKit Global、HSBC International Cash Card、HSBC外貨Cash Card(富裕層対象)等は2011年までに撤退し、シティバンク銀行も2014年に撤退を決めた。

2-3.新生銀行パワーフレックス

新生銀行PowerFlexは、預金額の少ない学生・新社会人にもメインバンクになりうる(友人にも愛用者が多い)。地方銀行を除く国内ATMの大半が24時間無料で使え、振込手数料も最低月1回は無料だ。海外ATMは一見、手数料無料だが、実は為替コストを4%上乗せしている(VISAレート+4%)。総コストはVISAカード(VISAレート+1.5%の月率利子)や楽天・ソニー(VISAレート+3%)の方が安い。また、郵便物は国内にしか対応しないため、月例ステートメントも、キャッシュカード紛失時の再発行も、海外転出時には指名した国内代理人に送られる。

2-4.シティバンク銀行バンキングカード
シティバンク銀行は、国際派の社会人ならメインバンクになりうる(私は10年以上愛用している)。世界共通の国際サービスを提供しながら、日本の預金保険制度の保護対象だ。バンキングカードは、国内では地方銀行を含む国内ATMの大半を使え、百万円の口座残高があればすべて無料になる(月100回まで)。同じカードを海外ATMでも使える(手数料はCitibankレート+為替3%+ATM210円。4万円以上なら新生の4%より安い)。さらに外貨キャッシュカードは、ドル建普通預金から米国ATMでドルを直接引き出せる。コストは、入金時の為替手数料(片道1円)+ATM手数料(2ドル)なので、100ドル以上で引き出すなら有利だ(3%以下)。ちなみにドル・ユーロ・ポンド・豪州ドル建の外貨預金は、同通貨のトラベラーズチェックとしても引き出せる(手数料1%)。登録住所を海外に変更できるので、口座報告やカードの再発行も、国内住所と同じ扱いで海外住所に郵送してくれる。配偶者名義の家族カードも発行できるのも社会人には貴重だ。ただし、口座残高が50万円を切ると月額2100円の口座維持手数料がかかるので、定期預金や給与振込を含めたメイン口座にしないと不利になる。なお、Citigold(口座残高1000万円以上)の場合、海外ATM(210円/2円)、国内振込(260-840円)、海外送金(4,000円)等の手数料が無料になる。


3. 国際デビットカード

・VISA/Masterデビットカードは、国際キャッシュカードとVISA/Masterカードを合体した存在だ。預金額を上限にATMでのキャッシングとVISA/Master加盟店でのショッピングに使え、支払いと同時に預金口座から引き落とされる。
VISAデビットカードHPは都市銀行、地方銀行、ネット銀行が発行している。TravelexのCash Pssportは、銀行カードではなくプリペイドカードだが、Masterデビットカードと言える。
・発行元は新興・中小機関が多い。2007-2010年に、郵貯チェックカード《セゾン》、TOKYO STAR DEBIT、さくら銀行(現みずほ)・キャッシュパスポート、シティバンク・ワールドキャッシュ、日興プラチナデビットカード等が廃止されたが、2013年に東京三菱UFJ銀行Debitが復活した。状況が激変しているので最新情報の更新が欠かせない。
・デビットカードの選び方は3点あると思う。第1に、VISAかMaster・銀聯かだ。後者ならTravelexしかない。第2に信頼性だ。入金しやすく、残金を確認しやすく、安心して大金を預けられるいことは、銀行の基本だ。カード紛失や途上国など、トラブル時の対応力も大切だ。第3にコストだ。最低利用額や手数料、為替の違いがある。ただし、まだ新しいサービスなので、信頼性とコストの兼ね合いは未知数だ。東京三菱UFJ銀行よりスルガ銀行の方が低コスト、楽天銀行はサポート不足という噂を聞いたが、口コミの蓄積が必要だ。

3-1.国際デビットカードの長所

・デビットカードは、預金残高さえ多ければ、キャッシングでもショッピングでも利用限度額が大きくなる。逆に預金額以上に使いすぎることもできない。銀行口座間の振込ならば、日本からの預金追加も簡単だ。半年以内の学生旅行・留学ならば、現地銀行口座を開かずとも、国際デビットカード、クレジットカード、国際キャッシュカードの3-4枚で間に合う。
・デパート・旅行代理店などで大きな買い物をするときはもちろん、Amazonやホテル予約などのネットショッピングでも、VISA/Masterカードの利用は多い。ショッピング保険もつく。
・海外滞在中のキャッシングとショッピングを、ひとつの銀行口座で一括して家計管理できる。とくに楽天銀行やスルガ銀行に定期収入・預金残高・支払いを集中させ、メインバンクにするならば、日本の収入支出を含めた全家計を管理できる。
大金を持ち歩かずに済む。先進国でもトラベラーズチェックT/Cの換金場所が減り、途上国でもATMやVISA/Master提携店が増えている現状では、T/Cより便利かもしれない

3-2. 国際デビットカードの短所

・社会人ならば、老舗クレジットカードをキャッシング(要収入証明)やショッピングに集中して使う方が、新興デビットカードより手堅い。紛失・盗難・不正使用の補償や海外旅行保険、ポイント制度などのサービスも手厚く、為替コストも安めだ。デビットカードは、クレジットカードの与信枠・キャッシング枠が少ない学生・新社会人の代替手段に過ぎない。
・国際デビットカード1枚だけでは不十分だ。3ヶ月の海外旅行保険が自動付帯するクレジットカードを最低1枚欲しい(たとえばMileage Plus Saison Master Card)。デビットカードがVISAなら、クレジットカードはMasterが良いだろう。加えて、シティバンク銀行や新生銀行など、実績のある国際キャッシュカードも予備に欲しい。
デビットカードを発行する銀行海外経費専用のサブバンクとして割り切る場合、オンラインで口座残高を常にチェックして、不足分はメインバンクから定期的に振り込むなどの手間暇が不可欠だ。家族にも口座番号と振込方法を教えておくことも必要だ。
・半年以上の先進国留学や海外駐在など、総額100万円以上引きだすなら、3-4%のATM手数料は3-4万円に達するので、語学力さえ許せば海外で銀行口座を開設する方が賢い。

3-3. 都市銀行:東京三菱UFJ銀行、りそな銀行
東京三菱UFJ銀行デビットカードは、メイン銀行にできる信頼性があるが、最低利用額や手数料の条件がある。
りそなVISAデビットカードは、JMBカードを兼ねており、JALマイレージもたまる。

3-3.地方銀行:スルガ銀行、りそな埼玉銀行、近畿大阪銀行
・スルガ銀行に加え、りそな埼玉銀行、近畿大阪銀行も、VISAデビットカードHPの発行を始めた。
スルガ銀行VISAデビットは、銀行キャッシュカードとVISAデビットカードを合体させている。同銀行は、1896年沼津創業の老舗地方銀行だが、新サービスに次々と挑戦するネット銀行でもある。地元はもちろん海外滞在者の間でも、知る人ぞ知る定評がある。国内ATMは地方銀行を含む大半が使え、とくに郵貯・コンビニの手数料は平日昼間ならば無料だ(時間外利用や銀行ATMは有料)。海外ATMの手数料も安めだ(VISAレート+3%)。

3-4.ネット銀行:楽天銀行、ジャパンネット銀行、あおぞら銀行
・楽天銀行は、トラブル時に電話サポートがつながらないという噂を聞いた。ジャパンネット銀行やあおぞら銀行という選択肢もできた。
楽天銀行デビットカードは、銀行キャッシュカードとVISAデビットカードを合体させた存在だ。2010年にネット銀行最大手のイーバンク銀行が楽天に買収されたもので、楽天ポイントもつく。預金額を上限として、VISAデビットカードとして使える。カード利用料が年1-3千円だが、0.2-0.5%の楽天ポイントが還元される(VISAクレジットカードでのキャッシングなら0.3%のポイント還元)。ただし、メインバンクにするには国内ATMがネックかもしれない。海外ATMの手数料は新生やシティバンクよりやや安い(VISAレート+3%)が、国内ATMはコンビニと郵貯しか使えず、高額預金をせぬ限り手数料は有料だ。

3-5.Travelex MasterCard Cash Passport

・Travelexは、MasterCard Cash Passportや銀聯Cash Passportを提供する。銀行キャッシュカードではなく、プリペイド式マネーカードで、トラベラーズチェックのカード版に近い。数年に1度だけの短期旅行なら、日常的に縁のない銀行にわざわざ口座を開設するのも大袈裟なので、手軽だ。楽天銀行とスルガ銀行はVISAカードのため、Masterカード(たとえばコンゴ民主共和国)や銀聯カード(中国のみ)がどうしても必要な国に滞在する人にもメリットがある。しかし、銀行のような預金保証はないし、奨学金・給与等の振込先にはできない。銀行間の振込よりも入金方法も面倒だ。ケニアのようにVISAしか使えない国もある。

4. 現金

4-1. ドル現金の持参

・米国ドルと日本円を合計数万円分、空港ATMでの現地通貨の引き出しが間に合わないときの緊急用に常備しておくと心強い。日本円は、帰国時に空港から自宅にたどり着ける分(1万円以下)だけで良いが、米国ドルは100-300ドルを渡航前に用意しておきたい(欧州ならユーロ)。現金持参は、カードが使えない緊急時に3日間を持ちこたえられる分を最低額(先進国で300ドル、途上国で100ドル)、盗難・紛失を覚悟できる分を最高額(300ドル)と考える。
・カンボジア・ケニア・ザンビア等の入国時のアライバル・ビザには約50ドル、カンボジア・コンゴ民主共和国の出国時の空港税にも約50ドルが必要なので、不意打ちされると困る。現地通貨を使い始めたら、日本円や米国ドルは、自宅の鍵などと一緒にサブ財布に入れて鞄の底に仕舞い込み、帰国まで手を触れない。手つかずの米国ドルは、そのまま次回の渡航にも使う。

4-2. 現地通貨の活用

・現地通貨は、ドル/ユーロと異なり、日本で用意する必要はない。その代わり、空港に到着したら必ず、カードでATMから現地通貨を引き出すか、T/Cを現地通貨に両替する。そして、空港から街へ出る前に、空港内のキオスクでミネラルウォーター等を買い、少額紙幣や小銭を手に入れる。ローカルな交通手段で高額紙幣は使えないからだ。また、この最初の買い物で現地の紙幣・貨幣の模様や金銭感覚を覚える。
・途上国の人はもちろん、欧米人でも、50ドル以上の現金は持ち歩かないのが世界の常識だ。私は、100ドル相当を現地通貨を引き出す単位にしている。途上国の街歩きならば、半分以上の紙幣はチェーン付財布に入れてサブバッグ内につないで仕舞い、残り(50ドル以下)を外側が一番の少額紙幣になるように金額順に並べ直し、2つ折にしてズボンのポケットに突っ込む。小銭なら小さなチャック付ポリ袋も便利だ。屋台等の支払いはポケットだけで済ませ、宿代や書籍などの高額の支払い以外は周囲に財布を見せない。万一強盗に襲われたら、このポケット分を盗ってもらうつもりだ。マダガスカルでもカンボジアでも、途上国の庶民は財布を使わない。そのため庶民の市場・大衆食堂・雑貨屋の紙幣はクシャクシャで、外国人・上流階級が使う旅行代理店・ネット喫茶などではピン札が出てくるのが面白い。

4-3. ドル現金持参の長短所

・スリ・盗難やホテル内で「現金10万相当を盗られた」等の盗難被害を私の回りでも何人も聞く。しかし、滞在費全額を現金で持参しようと考えること自体が、時代錯誤だ。「カードが使えない」リスクと「現金が盗難に合う」リスクの選択は人それぞれだが、現金は盗難を前提に覚悟できる緊急用に限るのが良いと思う。その代り、複数のカードと送金方法、緊急連絡先を分散管理するべきだと思う。現金は300ドル相当あれば、万一カードが使えない緊急事態でも3日は持ちこたえられる。その間に、クレジットカードを再発行したり、キャッシュカード・デビットカードの銀行口座に送金してもらったり、ATMの多い都心へ移動したり、銀行の閉まる祝休日を乗り切ることができる。海外旅行保険には、財布盗難時の現金手配サービスもある。
・ただし、アフリカ等の非観光地では、全滞在費分のドル現金の用意もやむを得ない。コンゴ民主共和国では、空港にすらATMがなく、旅行代理店や3つ星ホテルですらクレジットカードが使えない。コンゴではマスターカード、ケニアではVISAカードしか使えないため、2枚ずつ持っていないと、片方が使えないときに窮する。しかも、三井住友カードと三菱UFJニコスは、アフリカでの不正利用を警戒し、カードを突然一方的に無効化してしまった。カード会社に国際電話すれば解除できたが、飛行機搭乗直前にホテルの清算ができず、窮地に追い込まれた。観光地ではまずありえない例外事例なので、ガイドブック等でカードの普及状況を良く確認すべきだ。

5. トラベラーズ・チェック

もはやT/Cは勧めない。2000年以前のガイドブックやブログ、海外経験者は、T/Cを勧めるが、時代遅れだ。2000年代に、VISAも、元祖Thomas Cook=Masterすらも、T/Cの販売を終了した。今は前述のように、社会人ならクレジットカード、学生なら国際デビットカード(サブカードとしてクレジットカードと国際キャッシュカード)から現金を引き出すべきだ。

※トラベラーズ・チェックの短所

・いまや先進国の観光地でさえT/Cが使える場所を探すのに苦労する。かつては両替手数料無料が売りだったが、今や大半の両替所で手数料を取る。途上国の非観光地では使えないはずだ。少なくとも、カードが使えないような辺境や祝祭日はT/Cの両替もできず、逆に、T/Cの両替ができる場所ならカードも当然使えるはずだ。アフリカのマダガスカルの首都アンタナナリボでは、ATMはいくつもあったが、T/Cは、複数の両替所・銀行・高級ホテルに拒否され、たらい回しにあった。フランスの市街地でも、ATMならいくらでもあって24時間使えるが、T/Cを両替できるのは平日昼間のごく一部の銀行だけだ。留学等の長期滞在でも意味がない。盗難・紛失時の再発行というT/Cのメリットは、クレジットカードでも(時間はかかるが国際キャッシュカードでも)同様だからだ。
・国際キャッシュカードの予備として、①10万円以上のキャッシング枠を持つクレジットカードか、②親名義のクレジットカードの家族カードか、③10万円以上の預金額を持つVISA/Masterデビットカードいずれかを持っていれば、T/Cは不要だと思う。また、留学生にもT/Cの必要性は低い。国際キャッシュカードを紛失しても半月で再発行が届くはずだが、クレジットカードで大抵の日常品は買えるし、友達から借金することも不可能でない。現地銀行デビットカードを作っていれば、なお不要だ。

6. ウェスターン・ユニオンの海外送金

ウェスターン・ユニオンによる海外送金・受取網は、世界200ヶ国に27万の代理店を持つ。途上国では銀行・郵便局による送金は一般的でなく、Western Unionこそがもっとも一般的で手軽な海外送金機関だ。日本では札幌、仙台、東京(多数)、横浜、成田・船橋、大阪、京都の営業店からしか送金できないのが難点だ。しかし、実家の近くに営業店がある場合、T/Cやクレジットカードよりも便りになるかもしれない。カンボジア国立文書館のコピー費もWestern Unionでの送付を求められたし、ケニアからコンゴ民主共和国に送金するときもWestern Unionを使った。簡単な手続きで、送金の直後から海外での受取が可能になる。コンゴ民主共和国のように、クレジットカードやATMの通用性が低く、現金主義の発展途上国では最後の送金手段となろう。


※本稿は2010年に書いたが、その後クレジットカード付帯保険の危機を追加し、2014年にデビットカード情報を増やした。Bitcoinは2014年のMt.Goxの経営破綻で再起不能だが、他にも新しい海外送金手段が生まれるかもしれない。PaypalはEbay等の支払い手段としてすでに老舗だ。金融サービスは日々変わるので、最新情報と口コミの収集が欠かせない。
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