昨日のアクサレディス2日目、単独首位に躍り出た堀奈津佳でしたが、規則誤認騒動が物議を醸し出しています。

大会前に降った雨の影響で、この2日間は無罰で球を拾い上げて拭けるという特別規則が認められていた。
但し、ボールは元の位置に戻さなければならないという競技委員側の意図を、堀奈津佳が「プリファードライ」（元の位置から6インチの範囲で動かしてよい)と勘違いしていたというもの。
実際に初日のプレー中に5～6回移動させたと自ら申告し、一時は失格かと思われたが、最終的には競技委員長が、「ボールを元の位置に戻さなければならない」との明確な記述がなかったと非を認め、罰則なしとされた。

しかし、正しい認識をしてプレーしていた選手がほとんどであることから、不公平があるとの見方も残っている。
というわけですね。

堀奈津佳としても、始めての優勝争いを前に大きな動揺があったことでしょうし、最終日のプレーへの影響も少なからずあるでしょう。
でも、堀自身は誤りを認めしっかり申告をしたわけですし、その結果協議委員が無罰を認めたわけですから、ここは開き直って堂々と最終日に臨んでもらいたいですね。


堀、初首位もあわや失格　笑顔のち涙のち複雑…
（スポーツ報知)



　◆女子プロゴルフツアー　アクサレディス第２日（３０日、宮崎・ＵＭＫＣＣ、６４７０ヤード＝パー７２）　プロ３年目の美女選手・堀奈津佳（２０）＝サマンサタバサ＝が首位でホールアウト後、危うく失格となる事態が起こった。１０バーディー、２ボギーの６４で通算１１アンダーとした堀は、第１ラウンド（Ｒ）で「追加競技特別規則」を誤って解釈していたことを知り、日本女子プロゴルフ協会（ＬＰＧＡ）競技委員会に申告。同委員会は特別規則の選手への告知に不備があったとして罰打を免除。混乱を招いたことを謝罪した。

　歓喜の笑顔から約２時間後、後悔の涙をこぼした。自己ベストの６４で初めて首位に立った堀は「何をやってもうまくいって、夢のような時間でした」と愛らしく笑った。だが直後、仲良しの諸見里しのぶの指摘で規則を誤解していたことが判明。失格を覚悟した。

　コースはぬかるみ、球に泥がつきやすかった。競技委員会は「球は罰なしに拭くことができる」（抜粋）との追加競技特別規則を設けて掲示。諸見里によると、堀は第１Ｒスタート前、１０番ホールの競技委員に「プリファードライですか」と尋ねた。同委員会は否定したが、「そうです」と言われたという。

　「プリファードライ」は、拭いた球を元の位置から６インチや１クラブ以内など状態の良い所に置ける規則。だが今回、「同じ場所に置き直す」ことが“義務付け”られていた。第１Ｒで６インチ以内に「５、６回」置いた堀に対し第２Ｒ終了後、規則を勘違いしているとのうわさが流れ、諸見里が堀に確認。堀は競技委員会に事態を申告した。

　この件の協議から約２時間後、江間陽子・大会競技委員長（５４）は「規則の文章に不手際があることを認めざるをえない。元の位置に戻すという文章が入っていないので無罰にしました」と謝罪。誤所からのプレーによる罰を加えないスコアを提出した過少申告によって失格でもおかしくない堀を不問に付す異例の発表をした。選手間に不公平が生じることになった。

　堀は「優勝のチャンスはこの後、何回かあるかもしれないですが、私のゴルフ人生は１度だけ」と申告の理由を語った。第２Ｒは特別規則を使わず前半のアウトでパー３６のツアー歴代２位に並ぶ９ホール２９の快スコア。初優勝に王手をかけたが、複雑な表情だった。

　◆堀　奈津佳（ほり・なつか）１９９２年７月６日、徳島市生まれ。２０歳。１０歳でゴルフを始め、中学から江連忠アカデミーに通う。香川・藤井学園寒川高で０８、０９年四国女子アマ連覇や１１年日本女子アマ３位など実績を残し、１１年夏のプロテストに２位で合格。昨年のセットアップツアーでエディオンカップとルートインカップ阿蘇グラヴィリオレディースで優勝。家族は両親と妹。１５９センチ、５０キロ。

　◆今大会の追加競技特別規則の〈３〉　スルーザグリーンにある球は罰なしに拾い上げて拭くことができる。球を拾い上げる前に、その位置をマークしなければならない。

　◆ゴルフ裁定集３４―３　委員会がローカルルールについて間違った情報を与えた場合、プレーヤーはその情報に基づいて行った行為に対する罰を免除されるべきである。（いずれも抜粋）