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1 第1章 借地権売買 第1 借地権価額の算定方法 【問】 借地権付き建物の購入を検討して
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第1章 借地権売買
第1 借地権価額の算定方法
【問】 借地権付き建物の購入を検討しています。建物価額は見当がつきますが、
借地権の価額を査定するための目安はありますか。
【答】
1 正確な借地権価格の算定を行う場合には、不動産鑑定士に鑑定をしてもらうこ
とになりますが、簡易に借地権価格を算定する方法として、路線価格から公示価
格を割り出し、借地面積と借地権割合をかけて算定する方法があります。
2 路線価は、一般的に公示価格の8割程度といわれています。従って、路線価を
0.8で割り戻せば公示価格を算出することができます。
3 借地権価格の理論的な値段
例えば、路線価格1㎡20万円、借地権割合60%(D地区)の土地150㎡
を借りている場合の借地権価格の算定は以下のとおりとなります。
【試算例】
1) 1㎡20万円×150㎡=3000万円(路線価)
2) 3000万円÷0.8=3750万円(公示価格)
3) 3750万円×60%(借地権割合)=2250万円(借地権価格)
4 借地権の実際の取引価格
1) 上記のように理論的には 2250万円という借地権価格が算定できますが
この値段で建物価格を加えて、実際に売ろうとしても誰も買い手が付かないの
が実情です。
2) 上記のとおり理論的な価格は算定できても、借地権を買った者は、地代の増
減について地主との交渉が必要ですし、増改築禁止特約付きの契約であれば建
替えについて地主の承諾が必要となります。また、借地権の売買には地主の承
諾が必ず必要になります。
3) 要するに、借地権はその利用や処分について制約があり、なかなか上記の理
論的な価格で売れないのが実務です。状況により異なりますが、せいぜい上記
の理論的な価格の半額プラスアルファ程度での売却になるのではないかと思わ
れます。
4) さらに、借地権の取引では次に述べる、譲渡承諾料・建替承諾料・更新料な
どを売主・買主どちらが負担するかも、実際の売買価格の問題に影響します。
5 現在世の中に存在する借地権は、契約により設定された土地利用権であり、こ
れは契約上の地位であるため、その譲渡をするには法理論上契約の相手方である
地主の承諾が必要となり、地主に譲渡承諾料を支払う必要があります。その譲渡
承諾料の相場は、借地権価格の10%程度になるのが通常です。
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6 さらに、借地上の建物が古い場合には、買主は建替えができることを条件に購
入することが多いので、増改築禁止特約があると、譲渡前に地主から建替承諾を
もらう必要があり、その場合の承諾料は木造から木造への建替えの場合、通常、
更地価格の3%程度とされています。
7 なお、借地権の譲渡にあたり、地主から建替えの承諾を受け、かつ借地契約期
間の延長(更新)を行う場合には、地主から更新料の支払いを求められることが
あります。この場合の更新料については、確たる相場はありませんが、更地価格
の3%~5%程度の範囲内で協議により決まる例が多いといえます。
8 したがって、このように、譲渡承諾料・建替承諾料・更新料等の地主との関係
を調整するために必要な費用を売主・買主どちらが持つかということが、借地権
の譲渡価格に影響することを考えて協議しなければなりません。
第2 借地権売買仲介における重説は借地契約内容に及ぶか
【問】 借地権付き建物の売買において、売却後の借地契約の内容が従前の契約と
変わらない場合、借地契約(賃貸借契約)の内容についての重説を買主宛にする必
要はありますか。
【答】
1 純理論的には、借地権付き建物売買の仲介で、賃貸借契約(借地契約)締結の
仲介ではありませんが、売買目的物である借地権の内容を説明するために、借地
契約の内容の説明も合わせてすべきと考えます。
2 国交省の「解釈・運用の考え方」の第35条1項関係の3の(1)では 「宅
地建物取引業者が、借地権付き建物の売買などを行う場合においては、建物と敷
地の権利関係の重要性にかんがみ、当該借地権の内容について説明することとす
る 」とされています。
3 要するに、賃貸借契約(借地契約)締結の媒介をしたときは、媒介によって成
立した契約内容という意味で、賃貸借契約の内容について重説をしなければなり
ません。しかし、借地権付き建物売買の仲介は、すでに成立している借地権を売
買するのであって 新しい借地契約を仲介により成立させたわけではありません
もっとも、仲介業者は、借地権付き建物売買の対象物である借地権につき、その
売却対象になっている権利 借地権 の内容は説明しなければならず 結果的に
自分が成立させた契約ではないものの賃貸借契約の内容を説明しなければならな
いということになります。その結果賃貸借契約(借地契約)締結の仲介の際に行
う重説と同じになるという考え方です。
4 宅建業法35条1項は、宅建業者は 「宅地」にかかわる売買を媒介した場合
に、買主に対して、重説することを定めていますが、この宅地が借地権である場
合、当然借地権の内容が重要事項となり、結局のところ、借地契約の内容の重説

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が必要となります。
5 国交省の「解釈・運用の考え方」の第35条1項関係の3の(1)では、その
理由を説明していませんが、借地契約の内容の重説も結論として必要になる理由
は上記のとおりです。