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ひきこもりの原因とは?精神疾患や発達障害との関わり、相談先や支援について【専門家監修】【LITALICO発達ナビ】
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ひきこもりの原因とは?精神疾患や発達障害との関わり、相談先や支援について【専門家監修】

ライター:発達障害のキホン

ひきこもりとは、社会との交流をほとんどしないで家庭に6ヶ月以上の長期間ひきこもっている状態のことを指します。近年、長期化、ひきこもり当事者の高齢化などが社会問題にもなり、公的な支援も拡充しつつあります。ひきこもりの原因や関係の高い問題にも触れつつ、どうしたらひきこもりから抜け出せるのか、詳しくご紹介します。

 
目次

ひきこもりとは

ひきこもりとは、長い期間社会活動に参加せず、自宅などに閉じこもり続ける状態像を示す言葉です。
厚生労働省より公表されている「ひきこもりの評価・支援に関するガイドライン」では、原則的には6ヶ月以上にわたっておおむね家庭にとどまり続けている場合としてひきこもりの定義がなされています。
ひきこもりに至った理由や要因は人によってさまざまですが、上記のガイドラインによる定義では、統合失調症などの精神疾患によって家にこもっている状態とは区別されています。ただし実際には確定診断がなされる前の統合失調症などの精神疾患や発達障害がある人が含まれている可能性もあると考えられています。

ひきこもりによって社会参加の回避が長期化すると、社会生活への復帰のハードルも高くなってしまいます。本人自身や家族が大きな不安を抱えている場合も少なくありません。

しかし、社会の偏見や無理解、近所の目や、家族内の意見相違があることも少なくないといわれています。そのため支援を受けられずに家庭内で解決しようとするあまり、状況がさらに長期化し解決が難しくなってしまうことがあるのです。

平成25(2013)年の15~34歳(若年層)を対象にした調査によると、日本には推計でほとんど家からでないひきこもり状態にある人が約23.6万人、自分の用事のときだけ外出する準ひきこもり状態の人が約46.0万人、合わせて約69.6万人もの人が広義のひきこもり状態にあるそうです。
平成30(2018)年には満40歳から満64歳(中高年層)を対象にした調査が行われ、ひきこもりの推計数は61.3万人であることが分かりました。若年層と中高年層を合わせると約115万人がひきこもりの状況であると推測されます。
この事態を受け、厚生労働省をはじめ、行政もひきこもりへの支援を推進しています。
参考:『ひきこもりの評価・支援に関するガイドライン』
https://www.mhlw.go.jp/content/12000000/000807675.pdf
参考:平成26年版 子ども・若者白書(全体版)
https://www8.cao.go.jp/youth/whitepaper/h26honpen/pdf_index.html
参考:令和元年版 子供・若者白書(概要版) > 特集2 長期化するひきこもりの実態
https://www8.cao.go.jp/youth/whitepaper/r01gaiyou/s0_2.html

ひきこもりの原因

単純に本人の性格や甘え、子育てのせいと結びつけられがちですが、ひきこもりのきっかけや要因はさまざまです。

『平成26年版子ども・若者白書(全体版)』による調査では、病気や仕事・学業でのつまずきがきっかけとして多いことが分かります。
ひきこもりになったきっかけの図
平成26年版 子供・若者白書より引用
Upload By 発達障害のキホン
出典:平成26年版 子供・若者白書
https://www8.cao.go.jp/youth/whitepaper/h26honpen/pdf_index.html
子どもは成長するに従い、自立とスキルを求められるようになります。他者と折り合いをつけ、円滑にコミュニケーションをとることや、勉強や将来に向けての進学・就職に成功することなど。それらのさまざまなプレッシャーのなかで、外=社会での居場所を失い外に出られなくなった場合、家の中にひきこもらざるを得なくなってしまうことがあるのです。つまり、どの子どもでも、ひきこもりになる可能性はあるということです。

きっかけとして多いのは、いじめや人間関係がうまくいかないこと、成績の低下や受験・就職活動の失敗などの経験が挙げられますが、きっかけがよく分からない場合も少なくありません。

一つの原因だけでなく、複数の要因が複雑に関係しているケースもみられます。不登校が長期化してひきこもりになることもあります。最近は、背景に発達障害が関係していることもあるという報告もあります。

ASD(自閉スペクトラム症)を背景とする場合、他者の意図や会話を理解したり、状況をくみ取ることが苦手なために、違和感や被害感など抱きやすく、社会への恐怖を感じてしまうことがあるようです。また生活習慣を変えることや、予期せぬ事態に直面することへの抵抗感が強いことも関連して、ひきこもりが長期化するということがあることが分かっています。

家族としては、どうしても「なぜひきこもりになったのか」が気になり、突き止めたくなるでしょう。ですが、「どうしてひきこもりになったのか」「何のせいでひきこもっているのか」と原因探しをすることは、ひきこもり状態の解決にはあまり意味がないかもしれません。ひきこもりの解決のためには「なった要因」よりも「ひきこもり状態からどうたら抜け出せるのか」を考え、支援する必要があるのです。
参考:青年期のひきこもりと発達 障害
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjpm/50/4/50_KJ00006164148/_pdf

ひきこもりと精神疾患の関係は?

定義上ではひきこもりは精神疾患が原因ではありません。ですが、ひきこもり状態の中には、精神疾患と何らかの関連がある場合も考えられます。

この場合、いくらひきこもりを脱しようと頑張っても、根本にある精神疾患の治療や支援をしないと、解決できないことがあります。そこで、ひきこもり状態の裏になんらかの精神疾患や障害が隠れていないかどうか注意することが非常に重要です。

精神疾患とひきこもり状態の関係には以下の3つのパターンが考えられます。

精神疾患の症状から外に出られない場合

ひきこもりの人の中には、精神疾患の症状のために家から出られないのに、そのことに気づかず、見過ごされている状態の人がゼロではないと考えられています。つまり、精神疾患からひきこもり状態を引き起こしているが未診断という状態です。

不安障害や統合失調症、双極性障害、うつ病などの症状とひきこもりとの関連が指摘されています。

精神疾患の診断がある場合、それ自体の治療が必要な場合もあります。これらの症状がある場合は早めに精神科の受診を検討しましょう。
参考:第1章 ひきこもりの心理状態への理解と対応 斎藤 環(爽風会佐々木病院 診療部長)|内閣府
https://www8.cao.go.jp/youth/kenkyu/hikikomori/handbook/pdf/1-1.pdf
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統合失調症とは?症状や特徴、原因、治療法、薬などについて詳しく解説します

なかでも統合失調症は鑑別が難しい精神疾患です。統合失調症の陰性症状は、エネルギーが下がった状態で起こる症状です。主な症状としては、うつ状態になることと、感情の起伏が少なくなることの2つがあります。陰性症状が進むにつれてほかの人とのコミュニケーションが難しくなり、ひきこもり状態になることがあります。この状態を単なるひきこもりと誤解されてしまうことがあります。

統合失調症の主な症状としては、幻覚や妄想、幻聴なども挙げられます。これらの様子が見られる際には、精神科の受診をおすすめします。ただし、ひきこもり状態でも妄想などがあらわれる場合もありますので、統合失調症かどうかは医師による慎重な判断が必要です。
参考:知ることからはじめよう みんなのメンタルヘルス|厚生労働
https://www.mhlw.go.jp/kokoro/know/disease_into.html

発達障害や精神障害の二次障害としてひきこもりになっている場合

精神疾患の症状から、人間関係のトラブルや強いストレスを引き起こし、二次的な障害としてひきこもり状態になる場合もあります。

近年、発達障害とひきこもりの因果関係が指摘されることが多くあります。発達障害のある人が特性を理解されないまま不適切な環境にいることで、環境との不適応を起こし、二次障害としてひきこもり状態になってしまう場合が少なくないのです。

ASD(自閉スペクトラム症)のある人はコミュニケーションの困難のため思春期以降、複雑化する学校生活や人間関係などがうまくいかず、ひきこもり状態になってしまう場合があります。また感覚過敏がある場合も多いため、学校生活でのさまざまな音やにおい、刺激などへの対応に困難を感じ、次第に登校しにくくなることがひきこもり状態につながってしまうということもあります。

ADHD(注意欠如・多動症)のある人も、不注意や衝動性といった特性が社会適応を困難にしたり、叱責を受けてしまうことで自己肯定感が低くなってしまうことが、ひきこもりにつながってしまうことがあるといわれています。

また、LD(学習障害/限局性学習症)のある人は、学習でのつまずきによって学校に行きたくないと感じてしまったり、自己肯定感の低下を引き起こすことでひきこもりにつながるという場合があります。

発達障害の根本的な治療法は現代の医学では確立していませんが、周りの理解や環境調整、スキルトレーニングなどによって困りごとが軽減するといわれています。それらの適切な対応をすることで、二次障害としてのひきこもりを起こさないようにしたり、ひきこもり状態から早期に抜け出せるようにすることができるかもしれません。

また、ひきこもりの状態にある人の中にも、その背景に発達障害が隠れていることに気がついていない人も一定数いると考えられます。発達障害がある場合、さまざまな社会的支援が受けられる場合もあります。幼少期の生育歴などに発達障害に該当する様子がなかったかなど、一度専門機関に相談してみるとよいでしょう。
発達障害とは?特徴・症状・分類や診断方法について【専門家監修】のタイトル画像

発達障害とは?特徴・症状・分類や診断方法について【専門家監修】

参考:ひきこもりと発達障害|星野仁彦
https://www8.cao.go.jp/youth/kenkyu/hikikomori/handbook/pdf/1-2.pdf

ひきこもりが長期化することにより精神症状があらわれる場合

長期間にわたるひきこもり状態や孤立から、しばしば二次障害的に精神疾患の症状が出現することもあります。ひきこもり状態にある人のなかには、ひきこもりをやめたいのにやめられなかったり、家族とぶつかったり、近所の人の目を気にしたりなど、「ひきこもっていること」そのものに対して強いストレスを感じている場合があります。

これらが心身に悪い影響を及ぼし、対人恐怖症状や強迫症状、被害念慮(妄想)、うつ状態などがあらわることがあり、しばしばそれらがひきこもりから抜け出すことをより困難にすることがあります。しかし、家庭の中だけで解決することは難しいことが多いため、早期に専門機関に相談することが重要です。
参考:第1章 ひきこもりの心理状態への理解と対応 斎藤 環(爽風会佐々木病院 診療部長)|内閣府
https://www8.cao.go.jp/youth/kenkyu/hikikomori/handbook/pdf/1-1.pdf
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