ヒラマサ五輪を目前にして、韓国が北朝鮮との関係を無理やりにでも改善しようと動いているようです。

地政学的に朝鮮半島が割れているからこそ、このブログでも言うように天下三分割の三竦み的な意味で、極東地域が安定していると言えるので無いでしょうか。ですが朝鮮半島の統一なり連合なりの国家が誕生すると、朝鮮半島周辺国家と言うか米中露三大国の外交もかなり変化するのでは無いでしょうか?


そしてもう一つ、もし朝鮮半島統一したら……

中国満州地域のないしそれに準ずる地域の独立あり得るのでは無いでしょうか。

いきなり言われて「??!?!」と思われる方も居ると思いますので、本日は、その事に関して話させてもらいます。


★朝鮮半島統一の余波

今現在、多くの論客の方々が朝鮮半島の情勢を予測しています。そこで必ずと言っていい程、半島の統一の話が出てきますが、その多くが悲観的な予測となっています。

韓国主導でも北朝鮮主導でも、双方にとっても、また周辺諸国にとっても良い結果にはならないと言う予測が大半です。経済的にも軍事的にも、正直言って両国にも負担にしかならないでしょう。

ですが「非常に難しい」だとか「負担になる」などと言っても、それ以上に統一しなければ、国家国民の命を守ることが出来ないと両国の指導者が判断すれば、「負担になっても統一する」と言う選択をする可能性は十分あります。

特に米国と中国の問題だけでは無く、大陸国家同士の中露問題です。これ以上中国の拡張政策と国領の増大が続くようならば、中露関係が悪化と軍事的衝突地帯として朝鮮半島が挙げられる可能性があるからです。(北朝鮮の地政学の記事を参照)

当然それらのリスクを考慮した場合、朝鮮半島の政治家達も自分達の存在を売り込むために、ある態度の妥協による統一も視野に入れておかなければなりません。

統一した場合、中露VS日米の様な「大陸国家と海洋国家」の関係を前提とした外交をし難くはなるかもしれませんが、中国VSロシアの「大陸国家と大陸国家(もしかしたらそこに+日米)」の間で起こる可能性のあるパワーゲームに関しては、朝鮮半島の存在を高値で提示する事も出来るのです。


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ここで、もし朝鮮半島が統一後に起こるかも知れない国家間のやり取りを、幾つかの例として挙げさせてもらいます。

①半島統一国家が中国と同盟
中国と統一朝鮮が同盟関係を結べば、中国は対ロシアで満州を包囲される可能性が激減します。中国の安全保障も有る程度改善する事でしょう。

ですが日本はこの同盟を簡単に破綻させることが出来ます。日本がロシアと同盟を組めば、この同盟は満州は下より朝鮮半島も丸ごと反包囲の態勢を構築してしまえるからです。

但し米国から見たら、大陸国家であるロシアと日本の結びつきの強化は、ロシアに海洋侵略ルートの確保をされる事も考慮しなければならず、米国の日本に対する心証を悪くする可能性が有ります。


a1中国


②半島統一国家がロシアと同盟
もし統一朝鮮がロシアと手を組めば、満州が丸ごと包囲されてしまい、中国は圧倒的に不利な体勢に追い込まれるでしょう。

ですがこの場合も、日本が中国と同盟関係を構築した場合、日本列島の地理的状況と供給能力を使用し、統一朝鮮の挟み撃ちとロシアのオホーツク原潜の無力化で、半島とロシアの同盟が破綻させられてしまうかのせいが有ります。

但し米国から見たら、米覇権に挑戦する中国に、海洋に進出する為のルートを提供する可能性ありと見なされて、日本に良い心証を抱かない可能性が有り、その点がリスクであると言えます。

a2ロシア



③半島統一国家が米国と同盟
このまま米国が北朝鮮に圧力を強めて、属下に置いた場合は、米国の朝鮮半島での軍事プレゼンスが高まる事を意味しており、中国は世界最強の米軍と向き合わなければならない状況に成るでしょう。とは言え米国も相応の軍事負担を背負う事になると思われます。

ロシアにしても現在最大の脅威は、中国と成っています。ですが北朝鮮付近に米軍が展開する事はいい気分にはならないでしょう。

最もロシアと中国の双方共に、朝鮮半島を米国に取られた場合、半島を挟み撃ちに出来る地理的位置にある日本との友好関係の強化に乗り出すと思われます。

a3アメリカ


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これ等の事を考慮に入れた場合、各国共に動きたくても動けない状態と成っている事が分かります。

そして今回の中国の満州地方の独立が有るかもしれないと言った予測は、「②と③」のロシアと米国に朝鮮半島が流れた場合に、中国が生存するために起こす可能性の一つの戦略として考察する事が出来ます。

ここで重要なのは、やはり米国の存在です。

正直、米国が朝鮮半島情勢にどれだけ関与するかどうかは判断が付きません。ですが米国自身が直接統治するにしても、米露どちらかに統治させるにしても、自国に対して軍事リソースが向けられない様に封じ込め戦略を行う事は確実と思われます。

そして米国が行う封じ込め戦略は、片側の大陸国家を、もう一つの大陸国家にぶつけて勢力をそぎ落とすのが基本戦略となります。

それを考慮した場合、台頭著しい中国を叩くために日本を保持したままロシアと同盟を組む戦略に出る事は、大いに可能性のある事です。(米国は日本を手放しません。日本を手放したら技術的にも資本的にも地理的にも米国は終わります)

以上ことから中国は、朝鮮半島の統一と米露の同盟を如何にして成立させない状態を作るかを考慮した戦略を立てなければなりません。そして、それらの事を前提にした場合、中国東北部の満州地方の独立は、現実味を帯びる事になります。


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長い記事になりますので、残りは次回に続きます。



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