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薬は飲み続けないとダメ?

質問

「心臓の薬は利尿剤以外は1度飲み始めたら一生飲まなければいけなくなる」のでしょうか?

解答

ご質問ありがとうございました。

結論からお答えしますと、

薬で心臓をサポートし続けたいなら、飲み続ける必要がある

という事になります。

病気を治すのは薬でなくて本人

もう少し詳しく解説します。

実は、とても大事なポイントなのですが、
お薬で治せる病気はあまり(ほとんど?)存在しません。

多くの場合は、

「薬で症状を抑えておくから、その間に早く自分で良くなってね」

という使われ方をされます。

ですから、カゼをひいた時には咳やくしゃみ、のどの痛みなどの
「症状」を抑えてくれる薬を使います。
直接、カゼのウイルスを退治してくれる薬を使っている訳ではありません。
治しているのは結局のところ、本人です

心臓病の場合は…

カゼならばそれで済む話なのかもしれませんが、
心臓病の場合はちょっと違います。

「心臓病の症状を抑えておいたら、その間に愛犬が自分で治った」

という事が無いんですね。(僕の知る限りではですが)

ですから、心臓病の治療方針は

「少しでも、悪くなるのを遅らせよう」
「少しでも、長生きできるようにしよう」
「少しでも、いい状態で暮らせるようにしよう」

となる事がほとんどです。
そのために、いかに心臓の負担を減らすかがポイントになってきます。

そこで、ほとんどのお薬は

「この子がお別れするまで、心臓のサポートをし続けましょうね」

という使われ方をされます。
言い換えると、

「一生、薬を飲んで下さいね」

という事になるんです。

「そうか!じゃあ薬をやめたら大変な事になるんだ!!」

とびっくりされた方もおられるかもしれませんので、
もう少し必要な事をいくつかお話しします。

心臓病のお薬の多くは、とても効き目がマイルドです。

つまり、

「ゆっくり、じっくりサポートしていく」

というタイプのものです。

ですから、
ちょっとの期間薬を飲んだから大変な効果があるかというと、そんな事はありません。

その逆に、
ちょっと薬を飲まなかったら大変な事になるかというと、そんな事もありません。
(注 ただし、本当に心臓が悪い子では危険な場合があります。
   肺水腫を起こしてしまうレベルの子の場合はご注意下さい。)

また、サポートを考えるためには、サポートされる側(=心臓)の状態も大切です。
調子が良いのであればサポートを減らすという選択肢もありますし、
逆に今はサポートを切りたくないという時もあります。

以上から、結局冒頭に言った結論に戻りますが

「薬で心臓のサポートを続けたいなら、お薬は続ける必要がある」

と言えますし、

「状況で心臓の薬を減らしたり、内容を変える事も可能」

とも言えます。

お薬による治療とはあくまで、

「心臓にどういう程度の、どういう内容のサポートをしたいですか?」

という事ですから、一生変えてはいけないものではありません。
愛犬の状態を見て、必要な分だけサポートしてあげれば良いのです。

ですから、かかりつけの先生が

「このお薬はずっと続けなければいけない」

とおっしゃっている時は、

(今の愛犬の状態からすると)このお薬はずっと続けなければいけない
 (と私は判断したのでおすすめしますがいかがでしょうか?)

というような意味だったりします。

そのため、
何か要望がある場合はかかりつけの先生に伝えてみて、よく話し合う。
これが簡単かつ、まず最初に出来る事だと思います。

どうぞそんな「話し合える関係」をかかりつけの先生と作って下さいね

回答は以上になります。
愛犬もどうぞお大事になさって下さい。

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