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バルブ落ち検証 | Hiro's Style
バルブ落ち検証 | Hiro's Style

バルブ落ち検証

まずはお知らせ。

精密測定の結果
シリンダー、ヘッド、コンロッド、ピストン、ピストンリング、カム、ロッカーアーム
全て無事♪

本当に奇跡の連続(笑


とは言え笑ってもいられないので

バルブ落ちに至った根本原因を分析します。

問題は

先にサージングが起こって異常摩耗したのか

異常摩耗したからサージングが起こったのか


内燃機屋さんとPRESTOの間でもその論点で話し合われました。
※PRESTOと長年のタッグを組む内燃機屋さんも相当な方です。

結論はリテーナーが摩耗したことによるバルブスプリングのセット長が変わりサージングを起こしコッターの脱落に至りバルブ落下という結末。

これは僕も其々の部品を見て判断しましたがほぼ同じ結論です。




…が…僕の分析はもう少し突っ込んでこうです。

無事だったと書いてたEX側のバルブですが
実はそれは見た目だけでスプリングは手で動くぐらいセット長が緩くなっていました。





これはリテーナーにコッターが食い込んでいった結果、プリロードが抜けている状態です。

流石にこれではバルブスプリングは暴れバルブは追従出来なくなります。

もちろん組んだ時の状態ではスプリングテンションを確認してるので
ここまで緩かった訳ではないので摩耗から緩んだという結論になるのは理解できます。


しかし僕はこのコッターとリテーナーのアタリ痕に疑問があります。
IMG_20160330_134545362.jpg 

下の1/3しか摩耗痕がありません。
INもEXも同じです。
これはコッターとリテーナーの適合を疑います。
ここはレーシングエンジンにおいては特にガッチリ噛み合ってないとダメな部分です。

これでは噛み合う面が少な過ぎて小さい面積で力を受ける事になり外れやすい状態であると言えます。

もうこれは例えリテーナーがクロモリ製でも疑ってしまう部分です。


そこで組まれる前の時の写真を探し出しました。
 
 
やっぱり…

コッターが沈み込んでいます。

ここで疑問に思うべきだったのです。
 



そしてサージングが起こったとしても通常バルブヒットしない限りは
コッターがリテーナーから抜けるまで上昇する事は考えにくいのですが
落下したINバルブがピストンリセスに干渉した跡が全くありません。




リセスどころか当たってるのは明らかに中心に近い所…
ここに当たるようにするにはピストンが下にある時に異常にバルブが飛び出していないと当たらない場所なんです。

そしてEXバルブにも干渉痕が見当たらない…


これが意味するものはピストンとバルブのヒットは完全にバルブが抜け落ちてからだということになります。

決してピストンにバルブが押されてコッターが外れたのではないのです。




リテーナーとコッターとの接触面積不足
          ↓
リテーナーの摩耗の促進
          ↓
バルブスプリング緩み
          ↓
高回転域にてサージング
           ↓
バルブコッター外れ
          ↓
バルブ落下
          ↓
ピストンに干渉
          ↓
バルブ変形、バルブガイド割れ

という流れです。


ではナゼIN側が先に抜け落ちたか?


これはバルブの大きさではないかと思われます。




IN側のバルブの方が大きく重量もあるので単に影響が少しだけ早かったと思われます。


EX側のリテーナーのコッターとの摩耗痕を見れば殆どの人が
『え?この程度の摩耗で?』
と思われるレベルです。

しかしPRESTOのブログを見ればわかりますが
バルブにたったの0.7mmのシムを入れただけで
スプリングの反力は大きく変わります。

それなのにセット長まで変わってしまったのですから…


最も減ってはいけない部分。
最も変化してはいけない部分。

この認識を今回は組み手も乗り手も十二分に持っていたのに
デッドストックの頂き物ということもありリテーナーの素材確認時に
持ち主の『クロモリです』の言葉に何の疑いも持たなかった事が悔やまれます。


しかしアルミと言えどもWPCまでしているので耐摩耗性は少しは上がっているハズ。
スプリントレース用のリテーナーと言えども600km程度の走行でダメになるものではないハズ。

そう。素材の認識不足は今回の真因ではない。


最も問題だったのはリテーナーとコッターの不適合疑惑。


これも頂いた時の写真を探し出し確認。

 

そして取説をよく見る。

 
 

2 KEEPERS #4005


オーマイガッ! 

そういうことか…


欠品…
専用のコッター(アメリカではキーパーとも言うのか…)があったのか…

しかし実際に組まれた時のセット長はいくつだったのか?
これは29.8mmだったそうです。

インチで1.200~1.230なので
30.480~31.242mmという事になると更にスプリングへの力がかかっている事になる。
ここだけはどうしても辻褄が合わない。

コッターが食い込む=リテーナーの位置が上がる=セット長が長くなる
なのに実測はセット長が取説よりやや短かった。

何故なのか?
考えられるのはコッターのテーパー角ではなくバルブ側の溝から何から何まで
付属の専用キーパーは寸法が違ったということぐらいか?


この謎はもう一度同じ物を新品で手に入れない事には判明しないでしょう。



しかしここはさて置き外れたメカニズムは検証の結果で間違いないと思います。


動画の音をよく聞いてみてください。
携帯で再生されている方は正確な音が出ないのでイヤホンを付けて聞いてください。

ここに書かれていることをイメージして聞けば納得できると思います。


この事実をPRESTOに伝え…


_| ̄|○ガックリ・・



部品に関して勿論、頂き物なので文句は言うつもりもありません。
※TT225時代のデッドストック骨とう品ですから内容から材質等まで完全に覚えていないのも頷けます。

売る気なら話は別ですが…


通常PRESTOでは部品持ち込みではやっては貰えないのですが
僕だから特別にやってくれた事もあり
PRESTOに対しても文句も言うつもりもありません。

PRESTOが部品手配からであれば起こらない事ですから。
PRESTOではベアリング1個でも持ち込みでの作業はしていません。


それでもこの結果を受けてPRESTOを始めとして複数の方からフルサポートしてくれることになりました。


これは特別待遇であり本当に感謝します。


そもそもこのカムは実測においてハイカムではなくチョイカムなので
ノーマルのアウタースプリングでもフルストロークで2.4mmの余裕があることが確認できています。
※インナースプリングは現在測定中

内燃機屋さんもPRESTOも組み付け当初からリフト量が純正と比べても
大したことない(ヨシムラでいうところのステージ1にも満たない)のでノーマルでもいけるのでは?
という見解もあり僕もその案も貰っていました。

でも折角スプリングキットがあるんですから使わないのも勿体ない。
まさか欠品してるなんて思いもしなかったから…


バルブサージングは起こるものです。
バルブサージングが起こったとしても回転の頭打ちが起こるだけです。
225SPの時も超下りの5速全開吹け切り135㎞を超えたあたりで出てました。

つまりサージングが発生しても今回のようなバルブ落下だけは絶対に防ぐ必要があるのです。
特にレーシングエンジンにおいては特に重要。
(え?( ̄▽ ̄)TWってレーシングエンジンだっけ?w)


PRESTOと話し合いこれからの展開を決定。

リテーナーは編摩耗してしまっているので使えません。
日本の代理店がリテーナーとコッターだけを輸入してくれる訳もありません。
(本国に直接では部品販売してもらえるとは思いますが)


なのでバルブ及びバルブスプリングは温存していた純正新品を使い

 


バルブリテーナーもコッターも純正新品を使います。

そしてメガサイクルカムにノーマルスプリングでテストし
サージングの発生を見極めます。

更に比較の為にノーマルカムも入れ替えてテストします。

メガサイクルに少しでも不安感があればノーマルに戻します。

この組み替え検証から完成までPRESTOはフルサポートしてくれます。


チョイカムで1PSでも稼げているのであれば是非メガサイクルを使いたいとは思ってます。
目指すパワーウェイトレシオにおいてもここからの1PSは重要であることは計算すればわかります。

今回色々と上手くいかずにちょっと投げたくもなりましたが
周りの手厚すぎるサポートによって
これをプラスに変える準備は整いました♪

決してスペック主義に走らず、耐久性重視で長く走れるTW230RRを
今度こそ完成させる決意です。

皆さん、ありがとう!