【11月5日 AFP】トルコ・イスタンブールのサウジ総領事館内でジャーナリストのジャマル・カショギ(Jamal Khashoggi)氏が殺害された事件で、トルコ高官は5日、警察による捜索の前に、サウジアラビアが事件隠蔽(いんぺい)のため毒物学者と化学物質の専門家をイスタンブールに派遣していたと語った。

 匿名で取材に応じた高官は、「この2人はトルコ警察が捜索を許される前に、カショギ氏殺害の証拠を隠蔽することを唯一の目的としてトルコを訪れたと、われわれは考えている」と述べた。

 さらに、サウジが事件の捜査班として先月派遣した一行の中に、この化学物質の専門家と毒物学者が含まれていたというトルコ日刊紙サバハ(Sabah)の報道についても認めた。

 同紙の報道によると、専門家2人はトルコ入りした先月11日から17日まで、総領事館を毎日訪れていたという。トルコ側はカショギ氏が館内で先月2日に殺害されたと発表しているものの、サウジアラビア側がトルコ警察による館内の捜索を認めたのは15日からだった。

 同高官は、「事件の9日後にサウジから処理班が派遣されている事実は、サウジ高官がカショギ氏の殺害を認識していたことを示唆している」と指摘している。

 トルコのレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領は先週、カショギ氏の殺害命令はサウジアラビア政府の「最高レベル」から出されたものであるという見方を示す一方で、同国のサルマン国王(King Salman)の関与については「一瞬たりとも考えたことはない」と話していた。

 ただトルコメディアでは、サウジで大きな影響力を持つムハンマド・ビン・サルマン(Mohammed bin Salman)皇太子の名前が取り沙汰されており、トルコ政府はムハンマド皇太子をサウジの政権中枢から遠ざけたい考えだという識者らの声もある。とはいえエルドアン大統領はこれまでのところ、ムハンマド皇太子に対する直接の非難はしていない。(c)AFP