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02†@fiÁ‘W flŠ‹ä†@488-501
Page 1
I. はじめに
 2003年に82特定機能病院で開始されたDPC(Diagnosis
Procedure Combination)に基づく診療報酬包括払い
DPC/PDPS; Per-Diem Payment System)は,その後,
他の病院にも順次拡大され2014年現在の推計で,一般病
床約90万床のうち約49万床,約55%を占めるなど,我が
国の急性期入院医療に対する診療報酬制度の中心的な枠
組みとして成長してきた.同時にDPCは,診療報酬支
払い方式としての普及に呼応して,我が国の病院診療に
係る診療情報集積の枠組みとして着実な成果を上げ,病
院間の診療比較・改善に止まらず,我が国の医療政策の
展開にも大きく寄与するなど,医療政策評価の基盤とし
ても極めて重要な位置を確立しつつある(図表1).
DPCは概念としては「診断群分類」,すなわち診断名
と関連する診療行為などの情報に基づく患者分類の一種
であり,本邦において独自に開発された手法である.一
方で国際的には,同じ「診断群分類」として先行して米
国で開発されたDRG(Diagnosis Related Groups)が有名
で,様々な国の医療制度で活用されており,特に支払方
式として1986年に米国の高齢者を対象とした公的医療制
度Medicareの病院費用償還(Hospital fee)において導
入されたDRG/PPS(Prospective Payment System)はそ
の典型である.
 本邦オリジナルのDPCはその開発経緯から,診断名
(傷病名)とともに実施された診療行為の双方を重視し
た臨床医療に馴染みやすい特性をもち,近年では国際的
にも高い評価を受けつつある.一方で,制度として支払
方式に活用された我が国のDPC/PDPSが一日当たりの
包括評価,米国MedicareのDRG/PPSが入院一件当たり
の包括評価だったことから,DPCが一日定額,DRGが
一件当たり定額,といった誤解も生じてきた [1-2].
 本稿では,本邦で開発されたDPCの特徴について,
米国DRGとの違いやその開発経緯から改めて整理する
J. Natl. Inst. Public Health, 63(6): 2014
488
保健医療科学 2014 Vol.63 No.6 p.488−501
<解説>
DPCはいかに誕生したか―DRGとDPCの違い―
迫井正深
厚生労働省老健局老人保健課
The Making of DPC (Diagnosis Procedure Combination):
The difference between DRG and DPC
Masami SAKOI
Division of the Health for the Elderly, Health and Welfare Bureau for the Elderly, Ministry of Health, Labour and Welfare
抄録
 我が国の診断群別日額定額払い方式DPC/PDPS(Diagnosis Procedure Combination / Per-Diem
Payment System)は病院入院医療の中心的な支払制度となった.DPCは本邦で開発された患者分類
手法であり,先行して米国で開発されたDRG(Diagnosis Related Groups)と同様に診断群分類の一種
である.しかし,その構造や分類の考え方には幾つかの相違点があり,特にDPCは,その前身にあた
る国立病院等10病院定額払い試行で使用された「試行診断群分類」開発で得られた教訓を活かし,診
断名とともに実施された診療行為の双方を重視し,臨床医療に馴染みやすいという特性を持つ.DPC
DPC/PDPS制度導入の様々な背景要因から臨床現場に幅広く普及し,DPCを活用した病院診療に
関する様々な情報分析や医療政策立案のエビデンス蓄積に大きく貢献している.
キーワードDPC,PDPS,入院医療定額払い,試行診断群分類
連絡先:迫井正深   〒100-8916 東京都千代田区霞が関1-2-2
[平成26年12月25日受理]
特集:エビデンスに基づく医療政策へのDPCデータの活用

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とともに,DPCが我が国の医療において急速に普及し
てきた要因についての考察を試みた.なお,本稿には,
これまでに実施された施策などの事実関係とともに,関
連する政策的な課題等に関する私見に基づく記述も含ま
れている.これらについては,厚生労働省はじめ関係す
る組織の公式な見解とは必ずしも一致しない内容があり
得ることを予めお断りしておきたい.
II. DPC開発に至る時代背景
 我が国の診療報酬支払い方式の特徴について,従前で
は“出来高払いを基本とする支払方式”と表現され,特
に入院医療については高齢者を中心とした慢性期医療に
包括評価が導入されていたにすぎなかった.しかし,
2003年の急性期病院医療におけるDPC/PDPSの導入と
その後の普及により,我が国の診療報酬支払方式は“出
来高払いと包括払いの混合”というのが実態に近い表現
とされるようになった[3](図表2).
 この2003年における「支払方式」としてのDPC/PDPS
の導入こそが,DPCを活用した入院医療に係る様々な
分析や評価の可能性と実効性を飛躍的に向上させ,医療
政策も含めた多岐に亘る分野でその恩恵をもたらしたこ
とは疑う余地がない.では,その導入とはいかなる時代
背景や経緯でなされたのか.また,その時の論点や課題
がどのようなものであったのか.これらはすなわち,
DPCの特徴を理解する上での鍵になると考えられる.
1.1990年代後半からの医療保険制度改革
 1980年代に取組みが強化された医療費コントロールに
係る施策(高齢者医療に係る1983年の老人保健制度創設
や1984年の健康保険法改正による医療費負担割合の引き
上げ)の導入後においても日本経済の低迷(バブル経済
の崩壊)と,それに伴う社会の負担能力停滞は継続し,
更なる医療保険制度の見直しが避けられない,というの
がこの時期の客観情勢であった [4].そして,1990年代
の更なる医療保険制度改革へと引き継がれ,1994年の健
康保険法改正による食事療養費の導入などが相次いで実
施された.特に1997年の健康保険法改正による一部負担
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DPCはいかに誕生したか―DRGとDPCの違い―
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図表1 DPC/PDPS対象病院数・病床数の変遷
図表2 現行診療報酬体系のイメージ

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の引き上げや薬剤別途負担(その後廃止)などの導入時
の国会審議では,国民への更なる負担を求める前提とし
て医療保険制度の抜本改革が求められ [5],それらの課
題の一つに診療報酬体系の見直しが掲げられていた
(1997年8月「21世紀の医療保険制度(厚生省案)」,「21
世紀の国民医療(与党医療保険制度改革協議会)」).
 当時の診療報酬体系の課題の一つとして認識されてい
たのが,診療報酬の支払い方式として主流であった「出
来高払い方式」の特性である.特に,老人保健制度創設
以降,主として高齢者が入院する慢性期入院医療につい
ては一定の範囲について包括評価が導入されていた中で,
急性期の入院医療における出来高払い方式が医療費高騰
の最大要因の一つと指摘され,1990年代の診療報酬改定
に係る中医協の議論において支払側から,急性期入院医
療の診療報酬体系において包括評価の導入を検討すべき
旨の指摘が度々なされていた(後述).また,前述の政
府与党や厚労省の改革試案においても,急性疾患・急性
期医療について,疾患別の定額払いの導入やその検討に
ついて言及されていた.
 この当時,保険者や財政当局をはじめとする支払側が
急性期入院医療の包括評価として念頭にあったのが,米
国で高齢者に対する公的医療制度Medicareの支払い方
式として1986年から採用された「診断群分類」
(Diagnosis Related Groups; DRG)による包括評価方式
(予測支払方式),いわゆるDRG/PPSである.当時,我
が国以外の世界各国においても,入院医療を含めた医療
制度改革への取組みが求められていた.その中で他国に
先んじて1980年代にDRG/PPSを導入した米国の取組み
は世界的にも大きく注目され,1990年代初頭には米国
DRG/PPSの医療財政上の効果や診療内容への影響に関
する知見すなわち,医療費伸び率の鈍化,平均在院日数
の短縮,病院数や病床数の縮小と外来サービスへのシフ
ト,退院後6週間以内死亡率は変わらないものの再入院
率は微増,といった制度導入による影響の概要が盛んに
発信され,我が国の病院医療関係者や医療保険者等も強
い関心を寄せていた [6-8].
 高齢者を中心とした慢性期の入院医療は,慢性疾患を
中心とした病態であり,実施される診療内容(検査や投
薬等)についても,ある程度の定型化・類型化した範囲
でとらえることができる.更に1980年代以降,いわゆる
社会的入院や高齢者に対する過剰な検査や投薬・注射の
是正といった視点から,慢性期入院医療における薬剤や
検査についても一定の範囲であれば包括評価が可能とさ
れ,診断群分類のような傷病名と診療内容による細分化
ではない,3段階の疾患・状態と医療処置(医療区分)
と3段階の身体機能の状況(ADL区分)に基づいた定額
払い方式が療養病床において実際に導入されてきた.
 しかし,急性期の入院医療は,救命救急処置を要する
循環器系の疾患から予定手術が可能な悪性腫瘍に至るま
で様々な疾患を取扱い,また,例えば同じ悪性疾患でも
手術治療が実施される場合から保存的な薬物療法が適応
される場合など,取扱う疾患や実施する治療方法によっ
て診療内容(投入する医療資源量)が大きく異なる.
 ここで問題となるのが,診療報酬の評価方式(支払方
式)によって生じるとされる診療内容への影響である.
一般に,出来高払い方式は個別の診療内容に応じた収入
でコストが補償されるため医師の裁量がより反映されや
すいが,逆に言えばコスト意識が減殺されやすく,コス
トに見合った診療効果が得られないような,いわゆる
“過剰診療”を誘発しやすいともされる [9].包括払い
(包括評価)は実施する診療内容によらず一定の支払い
が得られるため,経済的なインセンティブとしては,投
入資源量(診療行為)を抑制する方向,即ち可能な限り
効果を維持しつつ投入資源が抑制されるという診療内容
の効率化が期待される一方で,もし診療の効果も同時に
減殺されれば,いわゆる“粗診粗療”を誘発する恐れが
ある(図表3).このため,前述の高齢者や小児のよう
に,一般成人との比較で投薬や検査などの侵襲を相対的
に抑える方向が望ましい診療特性の分野は包括評価がよ
り馴染みやすいとされ,1990年代になってこれらの分野
への包括評価の導入が進んだと言えるであろう.
 一方で,特に一般成人の急性期入院医療において,投
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迫井正深
図表3 出来高払い制と一件ごとの包括支払い制の長所と短所
(遠藤久夫:診療報酬制度の理論と実際(2005)より一部抜粋)
短所を最小化するための方法
主な短所
主な長所
支払方式
● 事前に設定した水準以下に支出総額が
納まるように上限を設けたり,支出が
一定水準を超えないように価格を調整
することにより予測を超える支出増や
コスト上昇を抑制する
● 保険者は支出額を予測できない
● コスト上昇:供給者誘発需要のインセン
ティブ
● 高い管理コスト(価格コントロールには
定期的価格見直しや強制適用が必要)
● サービス供給を増
やすインセンティ
● 効率性は総予算の
上限を設けること
により向上する
出来高払い制
(診療報酬が
公定化されて
いる場合)
● 詳細なケースミックスカテゴリーを採
● 複数の支払方式を組み合わせる
● 保険者は支出額を予測できない
● 高い管理コスト(出来高払いよりは低
い)
● 医療提供主体はケースカテゴリー内の低
リスク者を選択
● ケースごとの支払いは外来では入院より
適用しにくい(ケースの定義が困難)
● 運営上の効率化に
対する強いインセ
ンティブ
1件ごとの包
括支払い制

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入する医療資源を包括的に評価した診療報酬を支払うた
めには,少なくとも個々の患者について,疾患別に,実
施される手術や処置の組み合わせに応じて投入される医
療資源の多寡を,一定の均質性(相同性)を前提として
評価することが求められる.このようなことから,急性
期入院医療の包括評価(定額払い)においては診断群分
類と組み合わせた評価手法の導入が検討されるように
なった.実際,我が国においても,現行DPC/PDPSの
前身として試行された国立病院等における定額払いの試
行(後述)において,当初は診療科別程度での大くくり
な1日当たり包括評価が手法として検討されていたが [10],
その後の検討を経て,実際に試行されたのは診断群分類
を活用した一件当たり(一入院当たり)の定額払いで
あった.
2.診断群分類の開発と入院医療の質的改善の取組み
 一方,医療保険制度を中心とした医療財政・制度論と
は別に,1980年代に入り,病院医療の質的改善を目指し
た取組みが米国を中心に大きく展開していた.
 特に,米国Yale大学のFetterらによって世界に先駆けて
1980年代に開発されたDRG(Diagnosis Related Groups)
は,概念としての「診断群分類」を最初に打ち出したも
のといえるであろう [11].当時Fetterらは病院医療にお
ける診療サービスを改善するための取組み,すなわち診
療プロセスを詳細に評価し改善していくという品質管理
(Quality Control)の手法としてDRGを開発・活用しよ
うとしたのであり,必ずしも診療報酬支払のための手法
を前提として開発したわけではなかったようである [12].
 その後,当時の米国連邦政府・医療財政庁(Health
Care Financing Administration; HCFA,現在はCenters
for Medicare & Medicaid Services; CMS)が米国の高齢
者向け医療保険連邦プログラム,メディケア(Medicare)
の入院医療・病院医療費支払い方式(Hospital fee;
Medicare Part A)に 活 用 し 導 入 し た の が 前 出 の
DRG/PPSであった(1983年に一部の州で先行導入,
1986年には全米展開).
 このように,Yale大学で開発されたDRGは,本来は概
念としての「診断群分類」という一般名称のような意味
合いを持つ.この視点から言えば,後述の通り我が国で
開発されたDPCは直訳すれば“診断名と手術処置の組
み合わせ”となろうが,日本語では通常,患者分類とし
ての「診断群分類」とされる.つまり,この意味におい
てはDRGの一種であり,両者に本来的な差はないとさ
れる [13].
 一方で,DRGは特定の診断群分類を指す固有名詞の
ように使用される場合もある.例えば,前述の米国の高
齢者向け医療保険(メディケア)病院医療費償還で採用
されたHCFA-DRG(現在はCMS-DRG)を皮切りに,各
国の様々な制度で採用された固有のDRGが多数存在す
るため,意味合いとして,これらを区別する必要がある
(図表4).
3.診療情報分析のための共通言語への期待
 我が国の急性期医入院医療においても定額払い方式導
入を検討すべきとの提起が1990年代中頃から中医協で盛
んになったのは,前述のような医療保険制度改革を巡る
医療財政政策としての背景がある.しかし,我が国の医
療関係者の間には,制度論・財政論からではない診断群
分類への関心を高めるような,いくつかの要因があった
と考えられる.
 第一に,一連のDRG/PPS導入評価で,医療財政上の
効果とともに特に注目されたのが,施設や設置組織(法
人)ごとの診療内容の客観的・定量的な比較評価,即ち
医療の質的評価の枠組み,いわゆるベンチマーキングの
共通言語としての可能性である.
 臨床医学のそれぞれの分野では,診療方法の標準化や
治療成績評価のために,各分野の学会を中心として様々
な患者取扱い規約や診療ガイドライン,重症度分類など
が策定され,患者分類として運用されてきた.しかし,
これらは特定の診療科や治療分野に焦点を当てたアプ
ローチであり,病院医療全般,すなわち全ての診療分野
を網羅する形で患者を分類したり,診療手順の体系化を
進めたり,といった視点に欠けていた.これは,病院と
いうシステム全体を管理する(マネジメント)という着
想がなければ全ての患者や診療分野について体系的にと
らえて整理する手法にはたどりつかないためであり,す
なわちこのような視点から,診断群分類が異なる診療分
野を横断的・統合的に評価し得る手法として注目され始
めたのである.
 当時,急性期入院医療を担う施設には,多数の国立・
自治体立病院や日本赤十字病院・労災病院等のいわゆる
公的病院とともに,経営管理や診療内容の質的改善に熱
心に取り組む民間病院も少なからず存在していた.その
ような施設の関係者の中には,米国VHA(Voluntary
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(厚生労働科学研究・急性期入院医療試行診断群分類
を活用した調査研究(主任研究者:松田晋哉)
平成13年∼15年度総合報告書より)
図表4 診断群分類開発の歴史

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Hospitals of America)による病院間の診療情報共有化を
通じた医療の質向上の活動を参考に,VHJ研究会を発足
させ(Voluntary Hospitals of Japan;1993年発足,2004年
2月にはNPO法人VHJ機構に移行),当時の米国HCFA-
DRGを参加施設に当てはめて各施設の診療内容の評価
を試みるなどの先進的な取組みを進めていた.これらの
関係者からも,我が国の医療制度において診療情報共有
のためのプラットホームとなり得る米国HCFA-DRGの
ような枠組みの創設が期待されていた.
 第二に,多くの関係者が共通の課題として捉えていた
のが,病院医療の診療内容をエビデンスとして集積する
際の柱となる「病名」の取扱いである.我が国の医療は
国民皆保険制度の下,事実上の単一報酬体系で運用され,
全ての医療機関が共通の報酬体系で,しかも出来高払い
方式により個々の診療内容が評価され支払を受けている.
従って,実施された診療内容をエビデンスとして収集し
集積する最も簡便かつ効率的な手法は,診療報酬明細書,
すなわち「レセプト」の記載情報の活用であることは明
らかであった.
 ところが,これらの診療行為の必要性を裏付ける診断
名(病名)の記載には極めて多くの問題が潜んでいた.
いわゆる「レセプト病名」問題である.例えば,ある疾
患を有する患者について,確定診断に至るまでには様々
な疾病の可能性を想定した検査を実施する.あるいは,
治療の過程で想定される合併症に対処するための薬剤投
与を行う.これらの検査や薬剤費を保険請求するために
は,それぞれの検査や薬剤の必要性を裏付ける「病名」
を記載しなければ査定されるが,このことは,結果的に
見れば確定診断に至った主傷病とは別の“保険請求上”
の病名が多数付記されることになる.「保険病名」とも
呼ばれる所以である.
 このレセプト病名の存在は,幾つかの観点から,診療
報酬明細書の集積による診療内容のエビデンスとしての
活用を阻害する要因となっていた.まず,レセプトに記
載する病名は極めて自由度が高く標準化が困難であった.
但し,この点については平成14年診療報酬改定以降のレ
セプト記載では有識者が策定した「標準病名マスター」
の搭載病名に標準化していくよう図られたため,多くの
病院では一定の改善がなされてきたと言える.そして,
より深刻なことが,主傷病として記載する病名の数に制
限がなく,しかも優先順位(どの主病名が最も重要か)
が明確でないことであった.主傷病が複数あり,実質的
な入院目的である病名なのか,単なる保険病名なのか,
データ上区別がつかないことはこれらを分析する上で大
きな支障となることは明らかである.
 一方,診断群分類はこのような視点から見れば,診断
群分類は医療資源が最も投入された主傷病とそれに対す
る診療内容に基づき決定されるため,レセプト病名等の
弊害は大幅に回避され,診療内容に係る情報化を推進す
る上でも極めて有効な打開策となり得たのである.
III. 急性期入院医療定額払い試行の実施
 前述のような様々な状況が重なりあう時代背景の中で,
1996年診療報酬改定に関する中医協での検討において,
諸外国の支払い方式について議論がなされた後,支払側
委員から,急性期入院医療における定額払い方式の導入
について,診療内容の効率化や病院経営の合理化にどの
程度寄与するのか,医療の質にどのような影響があるの
か,といった視点から検討すべきとの提起がなされた.
これを受け,医療制度及び医療保険制度改革のための基
礎資料を得ることを目的とした「試行」を国立病院等に
おいて実施することが1996年改定事項として合意された.
そして1998年11月から診断群分類に基づく「急性期入院
医療定額払いの試行」が国立病院8病院と社会保険病院
2病院の計10病院において,試行実施期間を概ね5年間
と区切って実施されたのである(図表5)[14-16].
 中医協での「試行」了承を受け,試行実施に向けた作
業が急ピッチで進められた.この過程で,定額払いの手
法は,当初提案された概ね診療科別程度での一日当たり
定額払いから,諸外国の例を参考に診断群分類による一
件当たり(一入院当たり)定額払い方式に変更され,中
医協でアナウンスされた試行開始の予定時期も何度か延
期される等,実際の試行実現までには2年半の歳月を要
することとなった.
 また,現に診療が行われている病院現場で,実際の支
払いも伴う試行は,当該病院の運営に大きな影響を及ぼ
す可能性もあったため,経営状況が比較的安定している
病院を選定する必要があった.また,定額報酬の設定は
当該試行病院での実績データを前提としたことから,試
行病院に対しては,診療録をはじめとした診療内容に係
る情報の提供,そしてレセプトをはじめとした診療報酬
請求内容に係る情報の提供など,診療情報管理部門と医
事会計部門の情報処理インフラが一定以上の水準にある
ことが求められた.このような一定の要件を満たす当時
の国立病院及び社会保険病院の中から試行10病院が選定
され,それらの施設における過去の診療実績に係る情報
が収集された(基礎患者調査).
1.試行診断群分類の策定
 一連の準備作業の中で最も労力を費やされたのが,試
行で用いる試行診断群分類の策定とそれに基づく定額報
酬の設定作業であった.当時,診断群分類としては
HCFA-DRGをはじめ欧米のものしか存在せず,入院医
療の現場実態が全く異なる我が国での運用には,我が国
独自の診断群分類の開発が不可欠,というのが多くの識
者の基本認識であった.このため,1997年7月に試行全
体の在り方を検討する「試行調査検討委員会」とともに,
臨床各科の専門家が参画した約20の分担研究班から構成
される「診断群分類案作成調査研究班」が組織され,厳
しい時間的制約の中で策定作業が進められた.
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迫井正深

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 国としての診断群分類策定作業は初めての試みであっ
た.また裏打ちとなる診療実績データ(基礎患者調査結
果)は試行対象10病院分と件数としては必ずしも十分で
はなかった.更に,検討作業と並行してデータクリーニ
ング・集計を進めたため,診断群分類策定開始の時点で
はデータ分析結果が活用できないといった作業上の制約
もあった.従って,実際の診断群分類策定作業はHCFA-
DRGに代表されるような米国DRGの基本構造を参考に,
まずは臨床的視点から有識者が原案を策定し,それらに
ついて試行病院での診療実績データにより検証する,と
いうステップで作業は進められた.主要な臨床各科を柱
建てとする13の主要診断群分類(Major Diagnostic
Category; MDC)を設定し,MDC毎に関係する臨床有
識者が専ら臨床的な観点からHCFA-DRG等を参考に,
各MDCでカバーされる患者件数で上位80パーセンタイ
ルの疾患をカバーできるような試行診断群分類ツリー構
造案を策定するという手法が採用された.
 当時,我が国の臨床医の大多数は,後述の通り,米国
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図表5 急性期入院医療の定額払い方式の試行について
(中医協:診-5 平成12年9月13日)

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DRG/PPS等の急性期医療に対する定額払い方式につい
て,もっぱら医療費を抑制するための手段と受け止める
などの厳しい見方をしていたため,臨床医学関連学会の
協力を得ることは必ずしも容易ではなかった.このため,
これら一連の診断群分類策定作業への協力を得た臨床各
科専門家と関連する学会との関係も様々であり,学会挙
げてのサポートを得られた診療科もある一方で,この時
点では試行の検討と一定の距離を置いた学会も少なから
ずあった.このような事情もあり,策定された試行診断
群分類を全体で見ると,傷病名のみの分類のMDC,傷
病名から手術の有無へと流れるMDC,あるいは米国
DRGと類似の手術有無が最初の分岐となっているMDC
など,MDCによってその基本構造が大きく異なってお
り,後述のDPCへの見直しにつながるような課題を内
包していた(図表6).
 また,診断群分類で使用する疾病名コードとして何を
採用するかも大きな論点となった.ICD体系は当時ICD-
9からICD-10への移行が進められており,将来性を考え
るとICD-10体系とすべきであった.また,米国で開発さ
れたICD-9の傷病名に臨床現場で実施される診療行為を
加味したICD-9CM(Clinical Modification)という亜系も
あり,こちらの方が診断群分類の設定においてはより親
和性が高いとの指摘もあった(当時,ICD-10はCM未対
応).その上で,当時の試行病院における傷病名コー
ディングはその大部分がICD-9の環境だったことから,
まずはICD-9で試行診断群分類を策定し,将来的にICD-
10への移行を検討することとなった.
2.包括の範囲と定額報酬の設定
 診断群分類別定額報酬の設定手法についても具体的に
検討を要する重要な論点であった.
 まず,評価対象となる包括範囲については,3つの選
択肢の中から検討された.すなわち,(案の1)薬剤・
医療材料などの物件費に関連する部分だけを包括する,
(案の2)手術・麻酔など患者ごとの変動が大きく技術
料的な色彩,すなわちドクターフィー的要素の強い報酬
は除外するという米国DRG/PPSに近い方式,(案の3)
傷病名・診療行為・重症度などを十分考慮した上で全て
の範囲について包括報酬を設定するというドイツで実施
されている方式,といった対応の考え方である.これら
のうち,(案の3)全包括は非現実的とされ,より包括
範囲が広く比較的理解が得られ易い(案の2)が採用さ
れた(図表5).
 定額報酬の具体的な設定(算出)手法としては,試行
病院における過去の診療実績データをもとに,外れ値や
保険外診療等の除外処理をしたあとの症例について,平
均値(手法としては誤差の影響を受けにくい幾何平均)
として通常の出来高算定報酬と同等となる形で定額報酬
が設定された(財政中立の原則).なお,報酬設定では
一定の信頼性を確保するため,20症例以上あり,かつ,
変動係数が一定以下となるような診断群分類に絞り込ま
れている.これらの包括範囲や定額報酬設定条件の考え
方は基本的に現行DPC/PDPSにおいても踏襲されてい
るものが多い.
 また,試行10病院には精神病床,結核病床を有してお
らず,小児科関連の診療実績も十分でなかったなど,こ
の過程で,特定の診療分野が除外された.これらの過程
を経て,最終的に定額報酬が設定された試行診断群分類
の一次案 [13] は183分類となり,基礎患者調査で得た症
例の46.9%に相当した.
 実際の報酬請求事務については,更に様々な視点から
の検討や配慮が必要となった.例えば,試行診断群分類
でカバーされない,すなわち定額報酬設定のない疾患・
症例については,通常の出来高点数を算定して診療報酬
請求を行うこととなったが,試行病院にとって,定額算
定と出来高算定という二つの請求方式の混在は医事会計
処理において大きな事務負担を伴うものとなり,例えば
入院段階では試行診断群(定額対象)に該当したが,診
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図表6 試行診断群分類(1997年)の構造

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療の経過で手術が中止され非該当(出来高算定)となる
ような場合をどう取り扱うのか,あるいは,例外的な症
例(短期間での死亡症例,在院日数が著しく遷延した症
例など)の取扱いをどうするか等,様々な課題に対処す
る必要があり,試行前の事前の検討だけでは解決できな
いものもあった.これらの実務的な課題の抽出と対応方
策の蓄積は,その後のDPC/PDPSをより実用的な制度
運用とするための貴重なノウハウとして活用されること
となった.
IV. 定額払い試行の教訓を活かしたDPC/PDPS
の創設
 1998年11月から開始された定額払い試行について,
2000年度診療報酬改定までの1年5か月間の実績が2000
年7月の中医協で報告され,また関連団体(日本医師会,
健保連等)の見解も相次いで公表された.
 これらを踏まえ,2000年11月の中医協で,定額払い試
行の評価と今後の見直しの論点が検討され,1)試行10病
院での定額払い試行は継続し試行診断群分類の見直しを
早期に適用する,2)定額払いを伴わない形での民間病院
や特定機能病院の協力を得て試行診断群分類を活用した
診療実績データを収集する,3)試行診断群分類について
小児疾患も含めたより広く一般病棟での疾患が網羅でき
るよう見直すとともに傷病名コードをICD-10体系に移行
する,などの対応方針が打ち出され,2001年1月以降,
順次着手された.
1.診断群分類の見直しと「DPC」の誕生
 試行診断群分類の見直しは試行診断群分類一次案が策
定された直後の早い段階から,診断群分類案作成調査研
究班が検討作業を継続しており,2000年11月の中医協で
の中間見直し案の検討段階で532分類(うち定額報酬設
定は267分類)の見直し案が策定されていた.この時点
で,当初から指摘されていたMDC間での分類構造の明
らかな不整合等はある程度解消され,分類の基本構造に
ついては第一層を主傷病,第二層を手術・処置・合併症
等とする基本ロジックが設定されるとともに,小児分野
の追加も含めた分類の追加,合併症の定義の明確化,
ICD-10への変更,診療報酬点数表に基づく診療行為の定
義化等の改善が図られていた.
 そして,2001年4月から民間病院等も加わった試行を
伴わない診療実績データの収集がこれらの作業を後押し
するとともに,検討の枠組みも大幅に強化され,2001年
度から3か年の厚生労働科学研究費「急性期入院医療試
行診断群分類を活用した調査研究」(主任研究者:松田
晋哉産業医科大学教授)による検討体制に引き継がれた.
 一連の検討に当たって研究班は,まず,見直し後の診
断群分類の活用の在り方についての前提を確認している.
すなわち,新たな診断群分類は本邦の医療サービス提供
者,医療の受療者(患者・家族)や国民,医療保険者,
政府,関係学会・団体などの様々な関係者が医療サービ
スに関する情報を共有するための「共通言語」あるいは
「共通スケール」として活用するという目的を明確にし
ている.その上で,研究班の多角的な検討と分析を通じ
て,診断群分類の見直し・精緻化を進めるとともに,開
発された診断群分類の活用を通じた医療の質や病院管
理・医療経済に関する基礎的な分析方法等,様々な角度
から診断群分類の可能性についての知見を蓄積していっ
たのである.
 この前提の確認こそが,定額払い試行の経験から得ら
れた重要な教訓の一つである.すなわち,本来,診断群
分類という患者分類手法としてのDRGやDPCそれ自体
は,診療報酬支払制度や医療財政政策とは直接の関係は
ない.しかしながら残念なことに,後述の如くDRGに
ついては,既に医療費削減のための政策手段という印象
が本邦の臨床現場において強く刷り込まれており,この
ことが程度の問題はさておき,診断群分類の普及や円滑
な運用の支障になっている,という危機感の表れでも
あった.すなわち,診断群分類が「共通言語」として適
切に普及運用されることで医療政策を論じるためのエビ
デンス提供が可能となり,それらのエビデンスを分析検
討した結果に応じて,必要な医療政策が展開されるべき
であり,場合により医療の効率化のみならず医療資源の
投入増といった政策に結びつくこともあり得る,という
のが研究班の一貫したスタンスであった [17].筆者は,
この段階での研究班の明確なスタンスの表明と,臨床現
場(学会)との時間と労力をかけた丁寧な対話が,その
後のDPCの開発促進と安定的な運用に至った最大の要
因ではないか,と考えている.
 診断群分類の見直し・精緻化の具体的な作業は,診断
群分類調査研究班(五島雄一郎東海大学名誉教授)と15
分野21班から構成される主要診断群別検討班(MDC毎
検討班)が改めて組織され,内科系学会社会保険連合
(内保連)・外科系学会社会保険連合(外保連)加盟の各
臨床系学会を中心とした臨床医療有識者と研究班の協力
体制のもと,臨床的類似性という視点に基づく診断群分
類の見直し原案がまず策定され,これらについて調査対
象病院から得られた診療実績データを活用して医療資源
消費の均一性・医療資源投入(手間のかかり具合)の相
同性について検証し,その結果を踏まえた新たな診断群
分類の案が取りまとめられた.
 この中で,新たな診断群分類の策定に当たっては,1)
臨床医をはじめとする臨床現場が受容可能な臨床的妥当
性を有すること,2)一般病棟入院患者のほぼ100%が診
断群分類でカバーできるような分類とすること,3)特定
の診療報酬支払方式での活用を前提としない柔軟性・汎
用性を持たせること,の3つを基本方針として確認して
いる.
 前述のような3)への配慮とともに,特に1)の臨床
現場が理解し受容可能な分類とするためには,分類の考
え方(ロジック)と実地臨床医療における思考過程の親
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和性が高くなければならない.診断群分類の活用と普及
で鍵を握るのは,臨床現場の理解と協力が得られるか否
かである.すなわち,実際に傷病名を診断し治療法を選
択する医師をはじめ看護師や薬剤師などを含む診療部門
の理解と協力,そして病院事務,具体的には選択実施さ
れる診療内容をまとめて報酬として請求する医事会計や
診療に要する医薬品や医療材料などの資材調達・在庫管
理,そして診療録(カルテ)を中心とした診療情報管理,
それぞれの関係者の理解と協力が得られるかどうかがポ
イントとなる.
 医師の理解と協力を得る上で診断群分類の基本構造は
極めて重要である.米国のHCFA-DRGをはじめとした
DRGはその生い立ちから,病院医療の運営や管理を改
善するためのツールとして開発され,医療資源投入量を
より重視した分岐構造となっている.これが最も端的に
表れていると考えられるのが,基本構造の最初の分岐が
「手術室利用の有無」となっていることであろう(図表
7).病院全体のサービス提供や人員・資材を管理する
視点からすれば,手術サービス提供の有無(手術室使用
の有無)は病棟における医療サービス以外で最も大きな
追加的要素となることは明らかであり,実際のコスト
データから解析して得られる結論としても,この意味か
らすれば合理的である.
 しかし,日本の臨床関係者が受けた印象は全く異なっ
ていたように思われる.特に,HCFA-DRGを初めて目
にした時,日本の臨床医がほぼ例外なく指摘した違和感
はこの部分であった.
 このような日本の臨床医療界の反応については幾つか
の要因がその背景として考えられる.
 第一に,このような分岐構造に基づく患者分類は,少
なくとも当時の日本の臨床実態とはあまりにかけ離れた
ものに映ったことである.我が国においても近年,外来
部門と入院部門との機能分担・連携が進み,外来等で実
施された診察や検査に基づき,入院直後から手術や化学
療法といった治療に特化した入院サービスの提供が可能
になってきた.しかし,本来の臨床医療の自然な流れは,
診察や検査結果をもとに傷病名が診断され,その傷病名
に応じて必要な手術や投薬が実施される,というスタイ
ルである.この点HCFA-DRGは,その構造から,あた
かも医学的診断や実施される診療の内容よりもコスト管
理が優先され,医療費を適正化するためのもの,という
印象を持たれてしまったかのようであった.診断群分類,
とりわけ米国DRGに対する我が国臨床界の拒否反応が
当初極めて強かったのは,そして,現在でも診断群分類
としてのDPCDPCを活用した支払方式である
DPC/PDPSが,一義的に医療費適正化を目的として開
発・導入されたとの誤解が一部に根強く残っているのは,
このような文脈も背景にあったのではないかと考えられ
る [18].
 第二に,Medicare等の米国医療保険における診療報
酬と日本の医療保険における診療報酬の制度上の違いも
重要である.すなわち,米国の医療費支払システムは,
MedicareのようにDRG/PPSによって評価される病院医
療費(Hospital fee)とRBRVSと呼ばれる投入資源に基
づく相対評価により算出される医師に対する技術料
(Doctor’s fee)に完全分離され評価算出される仕組みが
一般的である.
 しかし,我が国では保険医療機関たる病院や診療所
(医療法人等の組織)に,個々の患者診療に要した費用
が一括して保険者から支払われ,医師は雇用関係にある
病院等の法人組織から給与としてその一部を受け取る仕
組みになっている.すなわち,米国の医師にとって,
DRGをはじめとする診断群分類は,自身が提供した技
術への評価(対価)と切り離して,病院設備を使用した
入院サービスに対する評価(対価)としてとらえること
ができる.しかし,日本の病院勤務医にとって診療報酬
は,病棟や各種診療部門で勤務する従事医師としての治
療技術や病棟管理に関する評価をも包含し,診断群分類
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図表7 米国DRGの基本的な枠組み

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があたかも医師自身に対する技術評価(技術料)そのも
のとして捉える側面もある.このようなことから,より
精緻な分類評価を求める傾向が強かったと考えられる.
 このような背景を踏まえ,国立病院等でのDRG/PPS
試行やその後のDPC/PDPSにおける診療報酬の包括範
囲の考え方も,前述の通り「ホスピタルフィー的なも
の」に限定し「ドクターフィー的なもの」として手術料
等は除外され出来高算定する形で整理されている.なお,
現行DPC/PDPSの包括範囲については,外科系の手術
や処置が出来高算定で別途請求できるのと異なり,内科
系の診断や病棟での管理技術の評価が不十分との見解も
内科系学会から指摘されている [19].
 以上のような経緯から,臨床診断としての傷病名とと
もに,対応して実施される手術・処置等の診療行為にも
重点を置く,という形で内科系・外科系双方の臨床的な
視点に十分配慮しつつ,診断群分類の基本的論理構造を
①傷病名②処置・手術③重症度や合併症による追加的医
療行為,の三層構造を基本原則として新たな診断群分類
は構築された(図表8-10).
 このような臨床的なプロセスを重視した「診断」+
「診療行為」の組み合わせ(combination)に基づく分類,
という原則を強調するとともに,既に制度化されている
特定の診療報酬支払方式を連想させる傾向の強い
「DRG」とは一線を画す本邦オリジナルの診断群分類で
あることを明確にするため,この新たな診断群分類は
“診断Diagnosisと診療行為(処置)Procedureの組み合わ
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図表9 DPCの構造
図表8 DPC分類番号(14桁)の構成

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※1 MDC: Major Diagnostic Category 主要診断群
※2 改定時点で包括対象となっているDPC
<参考1>試行診断群分類の分類数及びMDC数は以下の通り.
     試行診断群分類(1998年) 13MDC 183分類
     試行診断群分類(2000年) 15MDC 532分類
<参考2>平成15年4月の診断群分類は当初,DPC(Ver.3)と呼ばれていた.
     これは,2つの試行診断群分類(1998年,2000年)の後継としての標記であった.
図表12 MDC(主要診断群)のコードと名称
図表10 アメリカのDRGと日本のDPCの違い
図表11 診断群分類の総数の変遷
<参考>
 試行診断群分類(1998年)はMDC13までで,新生児や小児疾患等には対応していない.
 試行診断群分類(2000年)でMDC14,MDC15が追加された.
 2003年DPCからMDC16が追加され,2008年DPCからMDC17,MDC18が追加された.

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せCombination”,すなわち「DPC」と命名されたので
ある.同時に,このような診断名と実施した診断行為の
組み合わせによるロジックの採用が,将来的な電子カル
テの普及により,日常診療記録がそのまま分類につな
がっていく,というシステム志向を意図したものである,
と松田らは表現している [20].
DPCとして策定された新たな診断群分類は,2003年
4月から特定機能病院を対象とした新たな診療報酬定額
払い方式DPC/PDPS(当時はDPC制度とされた)に活用
され,分類数は2,552分類うち包括評価該当は1,860分類
であった.傷病名と診療行為の組み合わせとして整理さ
れたため,複数の傷病名や手術・処置をグルーピングす
る当初の試行診断群分類と比較し大幅に分類数は増加し
ている(図表11, 12).
2.診療報酬支払方式(DPC/PDPS)の普及による
DPC利活用の展開
 これまで述べた通り,国立病院等10病院「急性期入院
医療定額払い方式の試行」で開発された試行診断群分類
は,その開発過程で得られた経験・教訓や病院実務での
ノウハウ等とともに,新たな体系として創設された診断
群分類「DPC」の開発に引き継がれ,そしてDPCは2003
年に制度化された特定機能病院を対象とする入院医療の
定額払いにおける報酬の評価手法,DPC/PDPSとして
活用された(当時は単に「DPC制度」と呼ばれた).更
にその後の対象病院拡大を経て今日に至り,DPCは我
が国の入院医療に関する様々な分析や医療提供体制の政
策評価に不可欠のツールとして普及することになる.
 このようなDPCの広範な利活用を実現したDPC/PDPS
が普及した要因は何か.筆者は,この間に見られた幾つ
かの対応や転機が非常に重要な役割を果たしたとのでは
ないかと考えており,以下,私見も含めて整理してみたい.
(1)「定額払い」の新たな展開(特定機能病院への適用)
 1998年に始まった定額払いの試行から,現実の制度と
して2003年の特定機能病院を対象としたDPC/PDPSの
創設に至る過程は,政策的に見ても大きなブレイクス
ルーを伴うものであったはずだが,これには関係者それ
ぞれの異なる視点が収斂して制度化に結びついていった
と考えられる.この点について,対象病院としてまず
「特定機能病院」に焦点を当てた“逆転の発想”が大き
な転機となっているように思われる.
 当時,急性期入院医療に対する定額払いの適用につい
ては,前述のとおり,特に急性期病院関係者の間では懐
疑的または慎重論者が大勢であったと言え,だからこそ
まずは国立病院等10病院での試行により制度の在り方を
議論する,というステップを踏んでいた.従って,当時
の10病院による試行実績をもって一般病院を対象として
直ちに制度化するというアプローチは必ずしも容易では
なかったと言えるであろう.この点から見て,特定機能
病院は幾つかの異なる側面から実現可能性が共有できる
と判断されたのではないかと考えられる.
 第一に,行政や医療関係者の間では,大学病院(特定
機能病院)は一般病院とは異なる診療報酬体系が導入さ
れてもよいのではないか,という認識がある程度醸成さ
れていたことが挙げられる.診療報酬制度にはもともと,
1984年の健保法改正による特定療養費制度創設に合わせ
て大学病院(当時は特定機能病院制度の創設前)を念頭
に高度先進的な医療の実施施設を指定し(特定承認保険
医療機関※但し2006年の先進医療制度導入により廃止),
一般の病院とは異なる診療報酬を支払う仕組み自体が既
に導入されており,定額払いの制度化はこの枠組みを活
用すれば実務的には比較的容易だと考えられた.また,
当時の日本医師会も2001年に発表した「厚生労働省試案
に対する見解」,更に2002年3月の「医療のグランドデザ
イン」の中で,大学病院・大病院については実績に基づ
く「総額予算制」と入院・外来とも1患者1日当り定額
を導入,と主張していた.
 第二に,大学病院関係の当事者にとっても,保険請求
上のメリットを包括評価に見出す要素が存在していた.
出来高払いの環境下で,大学病院をはじめとする診療密
度の高い急性期入院医療を担う施設にとって,保険請求
における高額な医薬品や頻回の検査実施は,レセプト審
査において大きな査定要因であり経営上のリスクでも
あった.また,医薬品や医療機器の適応症について薬事
法上の承認要件が厳格に適用されることについても,大
学病院に求められる役割や診療実態に照らして必ずしも
適切ではない,との主張も根強くあったように思われる.
包括評価が導入され,一定の裁量の範囲の中で,適切な
水準の定額報酬が確保されれば,これらの煩わしさから
解放される,と映れば当事者にとってはメリットとして
受け止められたと考えられる.更に,当時の特定療養費
制度の弾力的な運用がセットで適用されれば,専門外来
等の予約診療や医薬品等の治験などについて保険診療と
自費負担を上手く組み合わせることを可能とするなど更
なるメリットも考慮することとが出来た(実際には他の
病院にも適用される形で2002年改定において先行対応).
 第三に,包括評価が適用される診療の在り方や考え方
の展開・進化である.出来高払いと包括払いの特徴比較
で既に見たように,包括評価を適用する場合,対象とな
る診療内容に一定の均質性や相同性が求められるため,
一見,大学病院での急性期入院医療はどちらかと言えば,
逆の性質に近いように思われる.一方で,包括評価導入
で危惧される影響は,いわゆる粗診粗療,診療の質的な
低下だが,大学病院はその機能や診療実態から見て,粗
診粗療の防止という観点から,一般論で言えば優位性が
ある.このため,前述のような診断群分類の十分な精緻
化により均質性・相同性を確保し,かつ,個々の病院機
能の評価を反映させることで,粗診粗療のリスクを低減
する,という考え方で特定機能病院に対する定額払いの
適用という考え方が整理されたものと思われる.
(2)包括評価手法の工夫(PDPSと調整係数の導入)
 患者分類としてのDPC開発と並行して,DPCを活用
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した急性期入院医療定額払いの具体的手法を策定するこ
とも極めて重要な課題であった.患者の個別性が大きい
手術等の技術料を包括対象外としても,当時の分析結果
から見て,在院日数や薬剤をはじめとする投入資源量の
病院間でのバラつきは決して小さくはなく,定額払いの
導入による現場への影響が危惧されていた.
 そこで,包括評価の単位を米国等における一件当たり
ではなく,一日当たりの定額(PDPS)としつつ在院日
数に応じた三段階傾斜の定額報酬を設定することで,危
惧されていた早期退院への「強いインセンティブ」を緩
和しつつ同時に診療の効率化を推進するというバランス
を取った仕組みが導入された.
 更に,制度の切り替えにより適切な報酬水準が維持で
きなければ(急激な医業収入の減少等で赤字になれば)
病院運営自体に重大な支障が生じかねないことから,前
年度の報酬算定実績を参照し,病院全体として前年度と
同程度の報酬水準が確保できるような調整メカニズム
(「調整係数」による報酬水準の補正)も導入された.
 これらの報酬算定上の措置により,定額評価が適用さ
れる病院関係者の理解を得やすい形となり,
DPC/PDPSの普及を後押しした [21].
(3)制度導入後の医療費マイナス改定
 2003年の特定機能病院に対するDPC/PDPS導入後,
2004年の診療報酬改定を皮切りにそれ以降,参加を希望
する一般病院についても,事前に準備病院として一定期
間のDPCデータ提出や看護体制及び診療録管理体制等
の要件を満たせばDPC/PDPSの適用が認められてきた.
一方,診療報酬改定は2004年から連続して2010年まで
ネットでマイナス改定が続き,参加病院数の傾向を見る
と2008年(平 成20年)以 降 の 増 加 が 著 し く,
DPC/PDPSの普及が一気に加速している(図表1).厚
生労働省も2008年以降の参加病院の大幅拡大を目標とし
て掲げており,目標通りの推移となっている.この傾向
をどのように考えるか,明確な理由づけは必ずしも容易
ではない.しかし,前述のようにDPC/PDPS参加病院
の定額報酬水準に対する配慮(激変緩和)として導入さ
れた調整係数の効果,すなわち前年度並みの報酬算定水
準を確保するというメカニズムにより,病院運営の観点
から他の出来高算定病院との比較で言えば,ネットマイ
ナス改定時の対応はDPC/PDPS参加病院の方がより容
易であったと考えられる.このような背景も含めた要因
から,2年間の準備期間を経たDPC/PDPS参加希望病
院が2010年以降の大幅増加となって現れるとともに,そ
の後の中医協における調整係数見直し議論の一因となっ
ていったのではないかと考えられる.
(4)「共通言語」DPC利活用の有用性
 DPC/PDPSの制度化によりDPC/PDPS対象病院は,
全ての入院患者に関する患者毎の診療報酬請求情報(レ
セプト)と診療内容の概要に係る情報(「様式1」等)
の提出が求められる.報酬請求の前提となるため,全症
例についてデータ提出が徹底され(悉皆・回答率100%),
更にこれらの情報はDPC/PDPS制度導入の影響調査と
して定期的に集計され公表される.
 まず,これらの診療情報に関する一次情報の活用だけ
で,従前では相当の労力を要し,かつ悉皆性や回収率の
点で限界のあった病院入院医療の診療内容に関する様々
な情報が,極めて簡便に入手できるようになった.しか
も,既に見た通り,従来のレセプト分析で生じる病名選
択の課題などについても劇的な改善を伴うものである.
この効用こそがDPC開発の本来的な目的であり,その
成果は当然に期待されたものであった.
 これらの活用事例の詳細は別稿に譲るが,患者や住民
にとって,疾患別・治療種別の症例数や在院日数といっ
た情報が病院別に集計され公表されることは,例えば,
がん治療の手術種別の症例数などについての情報が誰で
も簡便に入手できることを意味した.更に,これらの一
次情報をマスコミ等が一般向け(患者向け)に分かりや
すく加工し二次情報として提供することで,重症度や病
院機能に関する補正等の課題や“ランキング本”のよう
な安易な情報提供について議論の余地はあるにせよ,地
域における入院医療の提供状況についての理解とアクセ
ス確保への有益な支援となった.一般論として,病院の
診療内容に関する情報開示がここ10年で大きく進展した,
との評価を得ているという印象を筆者は持っているが,
この最大の要因はDPC/PDPSに基づく情報公開ではな
いかと考える.
 また,病院医療を提供する視点からは,公表情報にと
どまらない経営的な付加情報も含めて,DPCという共
通言語の活用による他施設との診療成績やコストの比較,
といったベンチマーキングによる診療の質的改善や効率
化の推進が可能になる.
 このようなDPC関連情報活用の有用性についての認
識の広がり,そして,ベンチマーキングに係る病院間
ネットワークへの参加や,マスコミ提供の二次情報への
収載による広告効果,といった付加価値が,更なる
DPCの普及・活用を促すという循環・相乗効果をもたら
す側面も無視できない.実際,特定機能病院以外の一般
病院参加が可能になった段階で,当初,DPC/PDPS対
象病院への参加に慎重だった病院の中には,このような
二次的な理由から,その後,参加に踏み切った場合も
あったものと考えられる.
 更に,医事会計における診療報酬請求や診療録・病歴
管理の業務においても,担当医による診断名(主傷病
名)が従来にも増して重要な位置づけとなったため,担
当医をはじめとする医師と病院事務部門との連携が病院
運営を成功させる必要不可欠な要素となる.同様に,看
護スタッフや病棟薬剤師などの医療専門職種間で,患者
の病態と対応する診療内容の定型化・体系化による認識
の共有が進むなどのチーム医療推進や,他施設との比較
検討,院内クリティカルパス・地域連携クリティカルパ
スなどの診療連携の足掛かりとして診断群分類の活用は
病院医療のシステム化や効率化に大きく寄与する契機と
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なる.このような一連の取組みによる病院マネジメント
の見直し・効率化の起爆剤として,DPCの導入や
DPC/PDPSへの参加が積極的に活用されたと考えられる.
VI. おわりに
 DPCの更なる分類精緻化とそれらを視野に入れたCCP
マトリックス導入の検討など,本邦オリジナルのDPC
は更なる進化を続けている.同時にDPCを基盤とした
診療情報の利活用も今後,一層の進展が期待されている.
特に医療政策分野において,全国の地域別医療提供の現
状分析や医療需要の将来推計など,これまで定量的な分
析や検討が容易ではなかった医療提供体制の在り方の検
討等に大きく貢献することは間違いない.更には,現行
DPCの論理構成や基本的考え方を応用し,急性期入院
医療の枠を超えた慢性期医療や在宅・外来医療などの診
療内容に関する評価体系構築についても検討する必要が
あり,これまでのDPC開発の知見を有効活用した展開
が期待されるところである.
 今回,DPC及びDPC/PDPS制度化に至った経緯につ
いて,その源流としての国立病院等での急性期入院医定
額払いの試行とそれらの取組みに関連する背景について
まとめる機会を得た.本稿が読者にとってDPCを理解
する一助になれば幸いである.
 最後に,本稿の執筆にあたり,資料提供や原稿とりま
とめ作業などで多大なるご理解とご支援を頂いた,国立
保健医療科学院岡本悦司統括研究官及び同院総務部総務
課図書館サービス室の杉浦さおり氏に厚く御礼を申し上
げる次第である.
引用文献
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2189:16-20.
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DPCはいかに誕生したか―DRGとDPCの違い―
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