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PRTR とは何か
Page 1
PRTRの基本的構造
事業者
(3)利用
(3)利用
市民・NGO
(1)届出
(1)推計
(2)集計・公表
(3)利用
家庭、自動
車などの届
出対象以外
の排出量
PRTRデータ(化学物質の排出量等)
行 政
参加
対話
情報
さまざまな化学物質が環境中に排出されていることを何となく不安に思うことはあっても、自分の
住む地域でどんな化学物質が、どこから、どれだけ排出されているか知っている人はほとんどいない
のではないでしょうか?
「市役所に問い合わせてみれば分かるかもしれない」「インターネットで調べたら何か情報が得られ
るだろう」とあちこち探してみても、期待したほどデータは集まらず、市民にとって化学物質の排出
に関するまとまった情報を入手するのは容易ではないことに気づきます。
PRTR とは、毎年、どんな化学物質が、どこから、どれだけ排出されているか知るためのしくみ
です。
Pollutant
Release
and
Transfer
Register
(環境汚染物質
排出
移動
登録
の略称で、これまで市民がほとんど目にすることのなかった化学物質の排出に関する情報を国が1
年ごとにまとめて公表する制度です。日本だけでなく諸外国でも導入が進んでいます。
PRTR では、化学物質を取り扱う全国の事業者が1年間にどのような物質をどれだけ環境中へ排
出したか、あるいは廃棄物としてどれだけ移動したかを国に届け出ます。国はそれを集計し、毎年公
表します。また、家庭や農地、自動車などから排出される化学物質の量も国が推計し、事業者からの
届出とあわせて公表することになっています。
PRTR とは何か
1

Page 2
PRTR が導入され、企業や家庭、農地などから排出される化学物質の量が毎年公表されることで、
身の回りの化学物質と私たちとの関係はどのように変わってゆくのでしょうか。
○多くの化学物質の排出状況がわかる
これまでも人の健康や生態系に被害をもたらすようないくつかの有害な化学物質の排出について
は、主に工場などを対象に法律による規制が行われてきました。しかし、流通している化学物質が多
種多様なため、一つ一つの物質に対して規制をかけることの効果は限定的ですし、家庭や農地、自動
車などからも排出されている多くの化学物質についても、どこからどれだけ排出されているのか十分
に実態を把握することができませんでした。
PRTR では354物質の排出状況が公表されます。そしてこのデータは化学物質の環境リスクを低
減するための基礎的な情報源となります。
○行政施策や事業者の自主的取り組みが促進される
この情報をもとにして、行政が化学物質対策を検討する際の優先順位を決める判断材料にしたり、
事業者が排出量を削減する際の目標設定に役立てることができます。また、事業者が1年分の化学物
質の排出を行政に届け出るには、まず自社で取り扱っている化学物質の種類やその量について十分に
把握する必要があります。その過程で無駄な排出に気づき、自主的な管理の改善が進むことが期待さ
れます。
○市民、企業、行政が同じ情報を共有する
PRTR で公表されるデータは誰でも見ることができます。市民は、自分の住む地域の化学物質の
排出状況について、企業や行政とまったく同じ情報を手にすることが可能になります。これまで行政
や企業に任せるしかなかった化学物質問題への取り組みに市民が積極的に参加する機会が広がりま
す。また、誰でもデータを見ることができるため、行政や企業の取り組みには絶えず社会の目が注が
れ、環境保全対策の効果や進捗状況をみんなで確認することができます。
○化学物質による環境リスクへの理解を深める
もちろん市民にも化学物質の使用や排出を減らす努力が求められます。こうした市民や企業、行政
の共同作業を通じて、化学物質による環境リスクへの理解が深まり、社会全体の環境への化学物質の
排出量を減らすことが期待されます。
環境リスクについて → 22、67ページ
PRTR はどんなことに
役立つか
2

Page 3
PRTR は法律で定められた制度です。1999(平成11)年に公布された「特定化学物質の環境への
排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律」に基づき、対象化学物質や届出をしなければな
らない事業者などが決められています。この法律は「PRTR 法」または「化学物質管理促進法」と
いう略称で呼ばれることが多く、このガイドブックの中では「PRTR 法」と表記します。
○PRTR 法の対象化学物質
対象となる化学物質は、人の健康や生態系に有害なおそれがあるなどの性状を有するものです。
PRTR 法の化学物質は、その物質が環境中にどれくらい存在しているかによって「第一種指定化学
物質」と「第二種指定化学物質」の2つに分けられています。環境中に多く存在しているほうが「第
一種指定化学物質」で354物質あります。事業者が排出量を届け出たり国が事業所以外からの排出量
の推計を行うのは、この「第一種指定化学物質」です。また、この中でも人に対する発がん性がある
と評価されたもので特に注意を要する物質は「特定第一種指定化学物質」と呼ばれ、12種類が指定
されています。
何万種類もある化学物質のうちどの物質を PRTR の対象にするかは、有害性についての国際的な
評価や生産量などを踏まえ、専門家の意見を聴いて決められています。
○PRTR 法の対象事業者
業種、従業員数、対象化学物質の年間取扱量という3つの条件があり、それぞれ一定の基準に合致
する事業者が、環境中への排出量及び廃棄物としての移動量についての届出を義務付けられます。具
体的には製造業や鉱業、電気業、ガス業などをはじめとする23業種が対象となります。
・PRTR 法について
→ 環境省環境保健部環境安全課 PRTR 担当(61ページ)
→ 経済産業省製造産業局化学物質管理課(61ページ)
・対象物質について → 5ページ、巻末付録1,2
・対象事業者について → 8、64ページ
PRTR 法とは
3

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PRTRの情報の流れ
集計・公表
個別事業所データの開示請求
開示
集計結果・個別データの提供
地域ニーズに応じて集計・公表
○PRTR の情報
事業者の届出は都道府県を経由して国に届けられます。国は全国から集まってくるデータととも
に、事業所以外の発生源(家庭、農地、自動車など)からの排出量を集計して、年に1回公表します。
また、事業所のデータはコンピュータ処理が可能な形に加工され、国から都道府県に提供されるこ
とになっており、各都道府県でも地域のニーズに応じてデータを集計し公表することができます。
国民は、国による集計結果の公表とは別に、個別事業所のデータを国に開示請求し、入手すること
ができます。
・事業者の届出のしかたについて
→ 9ページ
4

Page 5
PRTR 法の対象となる化学物質は、人の健康や生態系に有害なおそれがあるもので、環境中に存
在する量の違いによって次の2つに区分されています。
○第一種指定化学物質(354物質)
環境中に広く継続的に存在し、次のいずれかの有害性の条件に当てはまるもの
・人の健康や生態系に悪影響を及ぼすおそれがあるもの
・その物質自体は人の健康や生態系に悪影響を及ぼすおそれがなくても、環境の中に排出された後
で化学変化を起こし、容易に有害な化学物質を生成するもの
・オゾン層を破壊するおそれがあるもの
○第二種指定化学物質(81物質)
第一種と同じ有害性の条件に当てはまる物質で、製造量、使用量などが増加した場合には環境中に
広く継続的に存在することとなることが見込まれる物質
PRTR 法に基づいて事業者に届出が義務付けられた化学物質は「第一種指定化学物質」です。ま
た、この物質を他の事業者へ出荷する場合には、有害性に関する情報や取扱い方法などを記載した
MSDS(化学物質等安全データシート)を提供することが事業者に義務付けられています。
「第二種指定化学物質」については排出量等を国に届け出る必要はありませんが、第一種指定化学
物質と同様 MSDS の提供が定められています。
・第一種・第二種指定化学物質 → 巻末付録1,2
・MSDS → 12ページ
どんな物質について
届け出られるのか
5

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物質名
トルエン
CAS No.
108−88−3
英語名
toluene
別 名
メチルベンゼン、フェニルメタン、トルオール、メチルベンゾール
概 要
特徴的臭気を有する無色透明の液体
用 途
染料、香料、火薬、有機顔料、合成クレゾール、甘味料、漂白剤、ポリウレタン、合成繊維、
可塑剤などの合成原料、塗料・インキ溶剤
主な使
用業種
化学工業、石油製品・石炭製品、金属製品、鉄鋼、電気機械器具、輸送用機械器具など
蒸気を吸い込むと、肺から容易に吸収され、中枢神経系に影響を与える。低量では錯覚感や吐き気、
大量になると酩酊や精神錯乱、歩行異常などの症状が生じる。また、腎機能障害も報告されている。動
物実験及び人で発がん性を示すデータは報告されていない。
物質名
キシレン
CAS No.
1330−20−7
英語名
xylenes
別 名
キシロール、メチルトルエン
概 要
一般に使用される製品は、o−、m−、p−、エチルベンゼンからなる混合物で、無色の液体
用 途
有機合成原料、一般溶剤(塗料、農薬、医薬品)、石油精製溶剤、染料、有機顔料、香料、
可塑剤、合成樹脂原料
主な使
用業種
化学工業、石油製品・石炭製品、鉄鋼、電気機械器具、輸送用機械器具など
蒸気の吸入は急性または慢性中毒を起こす。高濃度ガスのとき急性中毒を起こし、麻酔状態になるこ
とがある。慢性中毒の場合は、貧血、胃腸障害を起こす。
物質名
ジクロロメタン
CAS No.
1975−09−2
英語名
dichloromethane;methylene dichloride
別 名
塩化メチレン
概 要
揮発性の高い物質
用 途
ペイント剥離剤、プリント基板洗浄剤、エアゾール噴射剤、有機溶剤、ウレタン発砲助剤、
冷媒、抽出溶媒
主な使
用業種
化学工業、プラスチック製造業、その他製造業など
肺から速やかに吸収される。皮膚からも吸収されるが全身症状は起きない。呼気および尿中に速やか
に排出される。そのままでの毒性は少ない。皮膚、粘膜の刺激がややある。肝臓障害は少ない。経口摂
取および静脈内投与により毒性を示す。吸入および他の経路により穏やかな毒性あり。吸入により血液
および中枢神経系に影響をおよぼす。強力な麻酔剤だが他の激しい中毒作用はほとんどない。液体の皮
膚に対する刺激作用は弱いが眼に対する刺激がある。
対象物質はこんな物質
届出の対象となる第一種指定化学物質がどんな物質か、一例をご紹介します。
同じ PRTR のデータを見るにしても、対象物質について知っているのと知らないのとでは結果の
見方もずいぶん違ってきます。PRTR の制度化に伴い、行政や企業による化学物質に関する情報の整
備も進んでいます。簡単な物質情報の例を載せておきますので参考にしてください。ここでは2000(平
成12)年度に行われた PRTR パイロット事業の結果、排出量が多かった上位5物質を取り上げました。
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Page 7
物質名
砒素及びその無機化合物
CAS No.
7440−38−2(砒素)
英語名
arsenic
別 名
砒酸、砒化
概 要
無臭、灰色でもろく、金属のように見える結晶
用 途
半導体、合金添加元素木材防腐剤、防蟻剤、殺そ剤、染料製造
主な使
用業種
電子部品製造、鉄鋼業
砒素はあらゆる経路で強い毒性を示し,あらゆる経路で人体に侵入し中毒をおこす。眼、皮膚、気道
を刺激する。循環器系、神経系、腎臓、消化管に影響を与え、けいれん,腎障害、重度の出血、体液や
電解質の損失、ショックを生じることがあり、場合によっては死に至る。変異原性あり。動物実験では
催奇形性を示す。水生生物に対して毒性が強く、環境中に残存する。
注1)CAS 番号
アメリカ化学会の機関である CAS(Chemical Abstracts Service)が化学物質に付与している登録番号
で、******−**−*の数字。世界共通の化学物質に対するコードで、約3200万の登録がある(2001
年8現在,http://www.cas.org/casdb.html 参照)。
注2)このガイドブックで用いる物質名は,平成12年度 PRTR パイロット事業報告書に準じています。
・対象物質の性状 → 環境省 PRTR ホームページの「化学物質データベース」
http://www.env.go.jp/chemi/prtr/risk0.html
または、「対象化学物質情報一覧」
http://www.env.go.jp/chemi/prtr/3/3index.html
・化学物質の毒性 → 67ページ
・対象物質選定の考え方 / 対象物質選定の手順 / 対象物質選定の経緯
→ 特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律に基づく第一種指定化学物質
及び第二種指定化学物質の指定について(中央環境審議会答申)
http://www.env.go.jp/press/file_view.php3?serial=1210&hou_id=1705
物質名
パラ
p−ジクロロベンゼン
CAS No.
106−46−7
英語名
p−dichlorobenzene
別 名
1,4−ジクロロベンゼン、p−DCB
概 要
強い臭気のある無色から白色の結晶
用 途
染料、殺虫剤、防臭剤
主な使
用業種
医薬品製造業、農薬製造業、繊維業
この蒸気は眼、皮膚、気道を刺激する。目に対しては眼球水晶体の混濁を起こし、皮膚からは容易に
吸収され、長時間接触させると熱感と軽度の刺激をみる。短期間に高濃度で暴露すると、血液および中
枢神経系に影響を与え、機能障害および溶血性貧血を生じることがある。長時間暴露すると、肝臓、腎
臓および血液に影響を与えることがあり、人に対して発がん性を示す可能性がある。また、水生生物に
対する毒性が強い。
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対象化学物質を製造したり、使用したりしている事業者のうち、以下の3つの条件に合致する事業
者に届出の義務があります。
①対象業種
○金属鉱業
○原油及び天然ガス鉱業
○製造業
○電気業
○ガス業
○熱供給業
○下水道業
○鉄道業
○倉庫業
○石油卸売業
○鉄スクラップ卸売業
○自動車卸売業
○燃料小売業
○洗濯業
○写真業
○自動車整備業
○機械修理業
○商品検査業
○計量証明業(一般計量証明業を除く)
○一般廃棄物処分業(ごみ処分業に限る)
○産業廃棄物処分業(特別管理産業廃棄物処分業を含む)
○高等教育機関(附属施設も含み、人文科学系のみを除く)
○自然科学研究所
②従業員数 常用雇用者21人以上の事業者
③第一種指定化学物質のいずれかを1年間に1t 以上(特定第一種指定化学物質については0.5t
以上)取り扱う事業所を有するなどの要件を満たす事業者。ただし、PRTR が始まってから2
年間は取扱量が5t 以上(但し、特定第一種指定化学物質については0.5t 以上のまま)の事業
所を対象とする。
PRTR では企業の代表者のことを事業者、工場や事務所のことを事業所といっています。排出量
や移動量の届出義務があるのは事業者ですが、実際の届出は事業所単位、すなわち工場ごとに行われ
ます。
全国約670万の事業所(民営・公営含む)のうち、この条件を満たす事業所は数万とみられます。
いくつかの調査から、全国の化学物質排出量の大半はこの数万の事業所によるものと推定されていま
す。
規模が小さいなどの理由で PRTR の対象とならない残りの事業所からの排出は、国が、家庭や農
地などからの排出量を推計するときに一緒に推計を行います。
・対象事業者の考え方・経緯 → 今後の化学物質による環境リスク対策の在り方について(中央環境審議会第二
次答申)−PRTR 対象事業者等について−
http://www.env.go.jp/press/file_view.php3?serial=1211&hou_id=1705
・対象事業者かどうかの判定のしかた → 64ページ
どんな事業者が届け出るのか
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届出の流れ
1
2
3
対象となった事業者は、毎年、前の年度に事業所から排出された化学物質の量及び廃棄物として事
業所の外へ移動させた量を、その事業所の所在する都道府県の知事を経由して国へ届け出ることが義
務づけられています。
①事業所は1年間の排出量及び廃棄物としての移動量を都道府県の知事を経由して、その事業所を
所管する主務大臣に届け出ます。
②ただし、秘密情報にあたると考える物質の情報については、その理由をつけて直接主務大臣に届
け出ます。秘密情報にあたるかどうかは国で厳格に判断されます。
③主務大臣を経由して届けられた全国の事業所のデータは、環境大臣と経済産業大臣がコンピュー
タ処理が可能なように電子ファイル化し、集計します。
届出の対象となる事業者が届出をしなかったり、または虚偽の届出をした場合には、罰則として20
万円以下の過料が課されます。
事業者が届け出る「第一種指定化学物質の名称並びに排出量及び移動量」の様式には次の2種類が
あります。10ページには事業者の名前や事業所の住所、その事業所で行われている事業の業種など
が記入される様式を示してあります。また11ページには、その事業所から排出または移動される化
学物質の量(質量)が書き込まれる様式が示してあります。この11ページの様式は、1つの化学物
質ごとに1枚ずつ届け出られることになります。
事業者はこうやって届け出る
9

Page 10
事業所
(ふりがな)
事業者の名称
前回の届出における名称
(ふりがな)
事業所の名称
前回の届出における名称
(ふりがな)
都道
市区
府県
町村
事業所において常時使用される従業員の数
事業所に
おいて行
われる事
業が属す
る業種
業種コード
うち主たるもの
第一種指定化学物質の排出量及び移動量
別紙番号1∼
のとおり
本届出が法第6条第1項の請求に係るものであることの有無
(該当するものに○をすること)
1.有
2.無
担 当 者
(問い合
わせ先)
(ふりがな)
電話番号
※受理日
日 ※整理番号
○「排出量」や「移動量」はどのように調べるのか?
事業所では1年間の排出量や移動量をすべて実際に測定しているわけではありません。具体的には
①物質収支、②実測値、③排出係数、④物性値を用いた方法、あるいは⑤その他的確に算出できると
認められる方法で算定して求めます。
○「排出量」や「移動量」はどのくらいの精度で記入されるの?
排出量や移動量は kg(ダイオキシン類は mg−TEQ)単位で有効数字2桁で記入されます。
○1社平均何物質くらい届け出るの?
PRTR の届出対象となる第一種指定化学物質は354物質ですが、1事業者が届け出る物質の数はそ
れほど多くありません。事業所が営んでいる業種、規模などによって異なりますが、例えば2000(平
成12)年度に354物質を対象に行ったパイロット事業では、1社あたりの平均報告物質数は4.0物質
でした。
10

Page 11
:排出
:移動
ハ.土壌
イ.下水道への移動
イ.大気
ロ.廃棄
ロ.公共用水域
二.当該事業場における埋立処分
第一種指定化学物質の名称
第一種指定化学物質の号番号
単位(該当するも
のに○をすること)
1.kg
2.mg−TEQ
排出量 イ 大気への排出
ロ 公共用水域への排
排出先の河川、
湖沼、海域等の
名称
ハ 当該事業所におけ
る土壌への排出
(ニ以外)
ニ 当該事業所におけ
る埋立処分
埋立処分を行う場所
(該当するものに○を
すること)
1.安定型
2.管理型
3.遮断型
移動量 イ 下水道への移動
ロ 当該事業所の外へ
の移動(イ以外)
※整理番号
排出量は排出先によって大気、水域(河川、海などの公共用水域)、土壌、埋立処分の4つ、移動
量は下水道、当該事業所の外の2つに分類されて届け出られます。
・届出様式について →『PRTR 施行規則』別記様式
http://www.env.go.jp/chemi/prtr/sho02_1.html
・排出量の算定方法について →『PRTR 排出量等算出マニュアル』(平成13年4月、経済産業省・環境省)
11

Page 12
○MSDS(化学物質等安全データシート)
事業者が排出量や移動量を算出する際、自分の取り扱っている原材料等について、どのような化学
物質がどれくらい含まれているかという情報が必要になります。このような情報に加え、その性質や
取扱い方法などが記載されたものを MSDS といいます。
MSDS は、事業者が化学物質や化学物質を含む製品を他の事業者に出荷する際に、その相手方に
対して、その化学物質に関する情報を提供するためのシートです。PRTR 法では、政令で定める第
一種指定化学物質、第二種指定化学物質及びこれらを含む一定の要件を満たす製品について、この
MSDS を提供することが義務づけられました。
MSDS の例
化学物質等安全データシート(性状取扱情報)
1.製品及び会社情報
製品名
トリクロロエチレン
会社名
霞が関工業株式会社
住 所
神奈川県横浜市中央区1丁目1番地
担当部門
品質保証部
担当者(作成者)
製品太郎
電話番号
045−123−4567
FAX 番号
045−123−4568
製品コード
COS−0001
緊急連絡先
横浜工場(電話番号 045−123−1234)
整理番号
TCE−1
2.組成、成分情報
単一製品・混合物の区別
単一製品
化学名
トリクロロエチレン
別 名
トリクロルエチレン、三塩化エチレン
成分及び含有量
99%
化学特性(化学式又は構造式)
CHCl=CCl
官報公示整理番号(化審法・安衛法)
2−105
CAS No.
79−01−6
化学物質管理促進法
第一種指定化学物質政令番号第211号
労働安全衛生法
57条の2第1項(通知対象物政令番号第383号)
3.危険有害性の要約
最重要危険有害性:吸入したり皮膚からの体内への吸収により、中枢神経系や血液に影響を及ぼす。蒸気は強
い麻酔作用がある。
有害性:蒸気は強い麻酔作用があり、肝臓や腎臓に障害を起こしうる。この液体と接触すると、目は刺激され、
継続して作用を受けると皮膚も刺激される。急性毒性の結果としては、中枢神経系の一時的障害、し
かし永続的障害も起こる。火災の場合は、有害な塩化水素等が発生する。
環境影響:水生生物に中程度の毒性を示すが、生物蓄積は低い。
物理的及び化学的危険性:トリクロロエチレンは、室温では難燃性である。しかし、高温度や高酸素濃度等の
特殊な条件の下では引火し、時には爆発する。
主要な徴候:麻酔作用
分類の名称:(分類基準は日本方式)急性毒性物質、その他の有害性物質
4.応急措置
吸入した場合:傷病者を新鮮な空気のところに移し、窮屈な衣服部分は緩めて安楽な状態にし、医師が来るま
で身体を冷やしてはならない。呼吸が停止しているときは、直ちに人工呼吸を行なうとともに、
医師の診断を受けさせる。
(以下略)
・MSDS に関する規定 →『指定化学物質等の性状及び取扱いに関する情報の提供の方法等を定める省令』(平
成12年12月22日通産省令第401号)
http://www.env.go.jp/chemi/prtr/shorei01.pdf
http://www.meti.go.jp/policy/chemical_management/law/msds1.htm
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Page 13
いうまでもなく PRTR 法の対象となった事業所だけが化学物質の排出源ではありません。農薬の
散布や自動車の排ガスなどからも多くの化学物質が排出されていますし、家庭における塗料や殺虫剤
などの使用もあります。
これら事業所以外の発生源は、排出している物質やその量を届け出ることが難しいため、代わりに
国が推計を行います。この結果は、事業所から届け出られた情報と併せて公表されます。
推計の対象となるのは主に次のような発生源からの排出です。
!PRTR 法対象業種に属する事業を営む事業者からの排出量
・届出の対象となっていない小規模な事業者:従業員数が21人未満の事業者
・届出の対象となっていない小量の取扱化学物質:年間取扱量1t 未満の化学物質
!PRTR 法対象業種に属する事業を営まない事業者からの排出量
(例)農業で使用される農薬等
!家庭からの排出量
(例)家庭において使用される塗料、防虫剤等
!移動体からの排出量
(例)自動車、航空機、船舶等
○推計のしかた
例えば農薬の排出量は、次のような手順で推計します。
①統計資料から農薬の出荷量や使用量を把握する。
②PRTR 対象物質の含有率を調べる。
③農薬の用途から、農地や家庭園芸など、分野ごとに環境中への排出量を推計する。
・パイロット事業の推計結果
→ 40ページまたは各年度の『PRTR パイロット事業報告書』環境省環境保健部環境安全課
http://www.env.go.jp/chemi/prtr/5/5index.html
事業所以外からの排出
13

Page 14
対象化学物質
有害性があり、広範囲な地域の環境中に
継続的に存すると認められる物質
(政令で指定)
対象事業者
対象化学物質の製造事業者等
(業種、規模を政令で指定)
事業者が自ら排出量・移動量を
把握し届出
都道府県(経由)
国:届出データをファイル化
国:家庭、農地、自動車などからの
  排出量を推計・集計
国:届出と推計を合わせて
  集計・公表
国:個別事業所データの請求が
  あれば開示
都道府県:地域ニーズに応じた
     集計・公表
都道府県への送付
対象事業者:
化学物質等安全データシート
(MSDS)の提供
国:化学物質管理指針の策定・公表
(事業者が自主的管理を進める上でのガイドライン)
※届出先は事業所管大臣です。
電子ファイル化や集計は
経済産業大臣と環境大臣が
行います。
秘密情報は
国に直接届出
事業者が届け出た情報が国によって集計され、一般に公表されるまでの流れをまとめると、次のよ
うにあらわすことができます。
公表のしくみ
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企業
市民
都道府県
NGOなど
○集計の公表
○個別事業所の情報開示
○有害性などの情報提供
○情報に関心を持つ
○できることから行動する
○地域ニーズに合わせた
 集計の公表
○リスク評価に必要な
 解説情報の提供など
○自主的な情報提供
○説明会の開催
①対象事業者は、対象化学物質の1年間の排出量や移動量などを把握し、その結果を都道府県を経
由して国へ届け出ます。ただし事業者が秘密情報と考える場合は国に直接届け出ます。それが秘
密情報にあたるかどうかは国が厳格に判断します。
②国は、全国の対象事業者から集まったデータをコンピュータ処理が可能なように電子ファイル化
し、物質別、業種別、都道府県別などに集計します。
③国は、全国の家庭や農地、自動車などから排出される化学物質の量を推計します。
④国は、②と③を併せ、公表します。
⑤国は、集計結果の公表とは別に、請求があれば電子ファイル化された個別事業所ごとの情報を開
示します。
⑥電子ファイル化された情報は国から都道府県に提供され、都道府県は地域のニーズに応じた集
計・公表を行います。
○PRTR データやその他関連情報の公表予定
PRTR 法に基づき、事業者は2001(平成13)年4月から1年間の排出量・移動量を把握し、2002
(平成14)年4月∼6月までの間に、行政庁に届出を行います。第1回目の PRTR 結果が集計されて
公表されるのは平成14年度後半に予定されています。
また、PRTR のスタートに伴い、化学物質に関するさまざまな情報が行政や企業から提供される
ようになります。国から公表される PRTR データはもとより、化学物質の有害性や各企業の化学物
質管理などについての情報に触れる機会も少しずつ増えてきます。それに伴って、市民、企業、行政
や NGO などが社会で積極的な役割を担うことが期待されます。
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