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Ⅰ. 平成 28(2016)年エイズ発生動向 ―概要―
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Ⅰ. 平成 28(2016)年エイズ発生動向 ―概要―
厚生労働省エイズ動向委員会
エイズ動向委員会は、都道府県等からの報告に基づき日本国内の患者発生動向を把握し公表している。
本稿では、平成 28(2016)年 1 年間の発生動向の概要を報告する。2016 年に報告された HIV 感染者数
1,011 件、AIDS患者数は 437 件であり、両者を合わせた新規報告件数は 1,448 件であった。2016 年に累積
報告件数(凝固因子製剤による感染例を除く)は 2.7 万件に達し、2016 年末の時点では HIV 感染者 18,920
件、AIDS 患者 8,523 件で計 27,443 件となった(図 1)。
注)「HIV感染者」:感染症法の規定に基づく後天性免疫不全症候群発生届により無症候性キャリアあるいはその他と
して報告されたもの。
「AIDS患者」:初回報告時に AIDS と診断されたもの。(既に HIV 感染者として報告されている症例が AIDS を発症
する等病状に変化を生じた場合は除く。)
1.結果
(1) 報告数
平成 28(2016)年の新規報告件数は、HIV 感染者および AIDS 患者を合わせて 1,448 件(前年 1,434 件)
であった(図 2)。新規報告件数に占める AIDS 患者の割合は 30.2%(前年 29.8%)であった。
① HIV 感染者
平成 28(2016)年の新規報告件数は、1,011 件(前年 1,006 件)であった。2007 年以降、2008 年(1,126
件)をピークとして、年間 1,000 件以上を維持しており、2016 年は過去 8 位の報告数である(図2)。累積報
告件数は 18,920 件となった。国籍及び性別では、日本国籍例は 885 件(前年 898 件)で、このうち男性
が 857 件(前年 860 件)と大半を占めており、女性は 28 件(前年 38 件)であった。外国国籍例は 126 件
(前年 108 件)で、このうち男性が 108 件、女性が 18 件であった。大半を占める日本国籍男性 HIV 感染
者報告数は 2007 年以降横ばいが続いている。外国国籍男性は2年連続で増加しており、過去最高であ
った(図 3)。
② AIDS 患者
平成 28(2016)年の新規報告件数は、437 件(前年 428 件)であった。2006 年以降、年間 400 件以上
を維持しており、2016年は過去 6 位の報告数である(図 2)。累積報告件数は 8,523 件となった。国籍及び
性別では、日本国籍例は 394 件(前年 390 件)で、このうち男性が 376 件(前年 379 件)と大半を占めて
おり、女性は 18 件(前年 11 件)であった。外国国籍例は 43 件(前年 38 件)で、このうち男性が 39 件、
女性は 4 件であった。大半を占める日本国籍男性 AIDS 患者報告数は、全体としては頭打ち傾向がみら
れるが、2010 年以降 4 回 400 件を越えており、横ばいが続いている(図 4)。
図 1. 2016 年までの累積報告数
図2. 新規 HIV 感染者および AIDS 患者報告数の年次推移

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(2) 感染経路
① HIV 感染者
2016年の HIV感染者報告例の感染経路で、異性間の性的接触による感染が170件(16.8%)、同性間
の性的接触による感染が 735 件(72.7%)で、性的接触による感染は合わせて 905 件(89.5%)を占めた(図
5)。性的接触による感染に占める異性間の割合は 18.8%(昨年 22.1%)、同性間の占める割合は 81.2%
(昨年 77.9%)で、昨年より同性間の感染の割合が増加した(図 5)。また、母子感染の報告はなかった。
日本国籍例では、男性同性間の性的接触は 669 件(前年 637 件)であり、2007 年以降横ばいの傾向
が続いている。異性間の性的接触は男性が 117 件(前年 133 件)(図 6)、女性が 22 件(前年 35 件)であ
った(図 7)。日本国籍男性の静注薬物使用は 2001 年以降、2013 年を除くと、毎年 1-5 件報告が続いて
おり、前年(2015 年)は 1 件、2016 年も 1 件報告があった。
これまでの累計において、日本国籍男性の HIV 感染者の主要な感染経路はいずれの年齢階級にお
いても同性間性的接触の割合がもっとも高い(図8)。年齢が上がるに従い異性間性的接触の割合が高く
なる傾向がみられた。
図 3. 新規 HIV 感染者報告数の国籍別、性別年次推移
図 4. 新規 AIDS 患者報告数の国籍別、性別年次推移
図 5. 2016 年に報告された新規 HIV 感染者の感染経路別内訳
図 6. 日本国籍男性の新規 HIV 感染者報告数の感染経路別*年次推移
( *静脈薬物使用、母子感染、その他は除く)

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② AIDS 患者
2016 年の AIDS 患者報告例の感染経路は、異性間の性的接触による感染が 114 件(26.1%)、同性間
の性的接触による感染が 241 件(55.1%)で、性的接触による感染は合わせて 355 件(81.2%)を占めた(図
9) 。
日本国籍男性例の感染経路を見ると、同性間性的接触は 223 件(前年 240 件)で、過去 7 位である。
異性間の性的接触は 92 件(前年 77 件)で 2000 年以降ほぼ横ばいで推移している(図 10)。
なお、HIV 感染者、AIDS 患者ともに、静注薬物使用や母子感染によるものはいずれも 1%未満にとど
まっている。2012 年以降の AIDS 患者での静注薬物使用による感染は毎年 3-4 件報告されていたが、
今年は日本国籍女性の1例であった(図 9)。
(3) 外国国籍報告
2016 年の外国国籍の報告例は、HIV 感染者が
126 件(前年 108 件)、AIDS 患者では 43 件(前年
38 件)で、いずれも 2 年続けて前年より増加がみら
れた。HIV 感染者、AIDS 患者共に異性間の性的
接触による感染例は増減を繰り返しつつほぼ横ば
いの状況にある。また、男性同性間の性的接触に
よるHIV感染者は、2006年に大きく増加して以降、
ほぼ横ばいの状況が続いていたが、2011 年以降
増加に転じ、特に 2013 年からは 50 件以上を推移
していた。2016年は前年の54件から12件増加し、
図 9. 2016 年に報告された新規 AIDS 患者の感染経路別内訳
図 7. 日本国籍女性の新規 HIV 感染者報告数の感染経路別*年次推移
( *静脈薬物使用、母子感染、その他は除く)
図 10. 日本国籍男性の新規 AIDS 患者報告数の感染経路別*年次推移
( *静脈薬物使用、母子感染、その他は除く)
図 11. 外国国籍男性の新規 HIV 感染者の感染経路別*年次推移
( *静脈薬物使用、母子感染、その他は除く)
図 8. 日本国籍 HIV 感染者報告数の年齢別、性別・感染経路別内訳
(累計、*性的接触に限る、年齢不明を除く)

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66 件となり過去最高を更新した (図 11)。また、2015 年の静注薬物使用は HIV 感染者、AIDS 患者でともに
1 件ずつあったが、2016 年はどちらも報告なしであった。推定感染地域は、男性 HIV 感染者で、2001 年以
降継続して国内感染が国外感染を上回っている。また、2016 年の外国国籍例 169 件(HIV 感染者 126 件、
AIDS患者43件)の報告地は、HIV感染者が25都道府県で、東京都(62件)、大阪府(10件)、神奈川県(9
件)、愛知県(5件)、岐阜県(5件)、福岡県(5件)の順で多く、AIDS患者は19都道府県で、東京都(8件)、
愛知県(5 件)、神奈川県(4 件)、群馬県(4 件)、大阪府(3 件)の順で多かった。
(4) 推定される感染地域および報告地
HIV 感染者(1011 件)の推定感染地域は、全体の 82.9%(838 件)が国内感染で、日本国籍例(885 件)で
は 88.6%(784 件)を占めていた。AIDS 患者(437 件)の推定感染地域は、全体の 78.7%(344 件)が国内感
染で、日本国籍例(394 件)では 84.8%(334 件)を占めていた。
報告地では、HIV 感染者は東京都を含む関東・甲信越からの報告が多く、2016 年の報告では 50.8%
(514 件)を占める。東京都を含む関東・甲信越に次いで報告が多い近畿は、全体のうち、2016 年の報告で
は 18.3%(185 件)を占める。その他の地域についても近年は全体的に横ばいの傾向が認められるが、2011
年以降九州からの報告数が増加傾向にあり、2014 年は初めて 100 件を越え(109 件)、2015 年は一旦 70
件に減少したが、2016年は94 件となり2014年に次いで2番目となった。北海道・東北では、2015 年は一昨
年から 16 件増加し初めて 50 件を超えた(52 件)が、2016 年は 46 件だった(図 12)。
AIDS 患者(437 件)の報告地別分布は、HIV 感染者と同様に、東京都を含む関東・甲信越に集中してい
るものの、2016 年の報告では占める割合が 42.3%(185 件)で、昨年(36.9%)より増加した。2016 年は東京都
が 97 件と昨年(71 件)から 26 件増加し、再び1位となった(昨年は東京都を除く関東甲信越、近畿に次い
で3位だった)。近年増加傾向が見られる九州は、過去最多報告数だった前年(58件)より17件増加し2016
年は 75 件となり過去最高を更新し、全体でも東海を抜いて 4 番となった。2011 年まで東海は増加傾向にあ
ったが、2012 年以降横ばい傾向にある。中国・四国は 2006 年以降緩やかな増加傾向を示していたが、
2016 年は 18 件と昨年より 19 件減少し、2004-2006 年の件数まで下がった。北陸はゆるやかな増加傾向か
ら横ばいへと移行していたが、2016 年は昨年(8 件)より 6 件減少し、報告は 2 件だった。北海道・東北はほ
ぼ横ばいの推移が続いている (図 13)。
東京都と大阪府およびその 2 府県を除いた他のブロックの新規報告件数に占める AIDS 患者の割合を
2000 年以降プロットすると、東京都は 2000 年に 30%だった割合が漸減し、2007 年以降は 20%前後で推
移している(2016 年:20.8%)。一方、大阪府は 2006 年までは東京都と同様に減少し一旦 20%以下まで低
下するが、翌年から増加に転じ近年は 25%前後で推移している(2016 年:25.5%)。東京都と大阪府を除い
た他のブロックの平均は、2007 年以降は 30%台後半で推移している(2016 年:36.8%)(図 14)。
図 12. 新規 HIV 感染者報告数の報告地(ブロック)別年次推移
図 13. 新規 AIDS 患者報告数の報告地(ブロック)別年次推移

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2016 年報告数の上位 10 位は、HIV 感染者では
東京都、大阪府、愛知県、神奈川県、福岡県、千
葉県、埼玉県、北海道、岐阜県、兵庫県で、AIDS
患者では東京都、大阪府、福岡県、愛知県、神奈
川県、北海道、千葉県、埼玉県、兵庫県、群馬県
であった(表)。なお、人口 10 万対では、HIV 感染
者では沖縄県、山梨県、徳島県、熊本県、高知県
が、また AIDS 患者では佐賀県、高知県、愛媛県、
沖縄県が、上位 10 位に加わる。人口 10 万対でみ
ると、2015 年 HIV 感染者では九州ブロックから 2
県(沖縄、宮崎)、AIDS 患者では 3 県(沖縄、宮崎、
福岡)が10位内に入り、沖縄は2位であった。2016
年は、HIV 感染者では九州ブロックから 3 県(沖縄、
福岡、熊本)、AIDS 患者では 3 県(福岡、佐賀、沖
縄)が 10 位内に入り、福岡、佐賀が1位、2 位を占
めた。昨年は HIV 感染者では 2 県(徳島、香川)、
AIDS 患者でも 2 県(香川、高知)が 10 位内に入っ
ていた四国ブロックは、今年も、HIV 感染者では 2
県(徳島、高知)、AIDS 患者でも 2 県(高知、愛媛)
が 10 位内に入った。
2.まとめ
2016 年の HIV 感染者および AIDS 患者の両者を合わせた新規報告数は 1,448 件(前年 1,434 件)であっ
た。HIV 感染者報告数(1,011 件)は、2007 年以降年間 1,000 件を越えているが、横ばい傾向が続いており、
2016 年はこれまでで 8 番目に多かった。AIDS 患者報告件数(437 件)はこれまでで 6 番目に多かった。報告
例の大半を占める日本国籍男性の HIV 感染者数は、2008 年以降増加から横ばい傾向にある。
感染経路では、HIV 感染者の 72.7%(735 件)、AIDS 患者の 55.1%(241件)を同性間性的接触による感染
例が占める。そのうち、日本国籍男性の同性間性的接触による感染は、HIV感染者では 2008 年をピークとし
てその後は横ばい傾向で、AIDS患者では増加傾向が続いていたが、2011 年以降横ばいの傾向となってい
る。2016 年は、昨年に引き続き、HIV感染者と AIDS 患者の両方で静注薬物使用の報告があり、それぞれ 1
件ずつだった。
年齢では、HIV 感染者は 20〜30 歳代に集中しており、2016 年は 20 歳代(313 件)と 30 歳代(317 件)の合
計が 630 件で、全体の 62.3%(昨年 64.1%)を占める。また 60 歳代が 44 件、70 歳以上が 7 件報告され、60
歳以上の全体に占める割合は 5.0%となった。AIDS 患者では 20 歳以上に幅広く分布し、30〜40 歳代の特に
40 歳代に多い傾向が続いている。また、60 歳代が 46 件、70 歳以上が 11 件報告され、60 歳以上の全体に占
表 新規 HIV 感染者・AIDS 患者報告数
上位 10 位の自治体
図 14 .新規報告件数に占める AIDS 患者の割合年次推移:東京都、大阪府とその他の地域の比較

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める割合は 13.0%となった。昨年までの 5 年間は、10.6% (2011)、12.5% (2012 )、 16.3% (2013)、9.7%
(2014)、 9.6% (2015)と、10%前後で高止まりしている。70 歳以上の AIDS 患者は調査を始めた 2012
年以降 10 件以上の報告が続いている。
報告地では、HIV感染者については、昨年まで増加傾向が続いていた九州では、2015 年は一旦減少した
が、2016 年は前年より 24 件増加した。また、東京、東海、北陸、中国・四国でも昨年からやや増加した。一方
で、北海道・東北、関東・甲信越、近畿では昨年よりやや減少した。AIDS 患者については、2016 年は東京都
で 97 件と昨年より 26 件増加し、昨年東京都を除く関東・甲信越、近畿に次いで3番目になった報告件数が再
び1番になった。ここ数年全体としては横ばい傾向が続いているが、九州からの報告は最多だった昨年(58件)
から 17 件増え、75 件となり最多件数を更新した。また、2016 年報告数の上位 10 位を人口 10 万対でみると、
HIV 感染者では九州ブロックから 3 県(沖縄、福岡、熊本)が入り、特に AIDS 患者では 3 県(福岡、佐賀、沖
縄)が10位内に入り、しかも福岡、佐賀が1位、2位を占めた。沖縄だけでなく、福岡を含めた九州各県におけ
る早急な対策が必要と言える。
また、2016年の保健所等でのHIV抗体検査件数は、118,005件(前年128,241件)で、相談件数は119,378
件(前年 135,282 件)であった。HIV 感染者、AIDS 患者の早期発見、早期治療のために検査の必要性をこれ
まで以上に広報する事が求められる。また、陽性者への支援や医療・福祉等の整備もよりいっそう進める必要
がある。
新規HIV感染者・AIDS 患者報告数が毎年増加していた 2000 年代前半までと比較して、ここ数年間の新規
HIV感染者・AIDS 患者報告数は横ばい傾向といえる。2016 年は昨年から新規 HIV 感染者が 5 件増加とほと
んど変わらなかったが、日本国籍が 13 人減って、外国国籍が 18 人増えていた。また、昨年 98 件減少した同
性間性的接触の件数は、今年は 44 件増えていた。一方で、異性間性的接触による感染は 26 件減少してい
た。同性間性的接触と外国国籍の感染者の増加傾向が来年以降も続くのかどうかを注意深く見守る必要があ
る。
2007 年以降、年間 1,500 件前後の新規報告が続いている状況に変わりはない。累積報告件数(凝固因子
製剤による感染例を除く)は 2016 年末に 27,443 件に達し、AIDS 患者の新規報告件数はいまだ年間 400 件
以上が続いており、早期診断を行うための更なる対策が急務である。新規報告数に占める AIDS 患者の割合
は今年も 30%を超える高い割合となっており、男性異性間に限れば 40%前後を推移している(図 15)。また、
地域別にみると、東京、大阪を除く全国平均は 40%に近くなっている(図 14)。年代別人口で 10 万対の発生
数を比較すると 20 歳代と 30 歳代で多く、次いで40 歳代が多い(図 16)。年齢階級別での 20〜30 歳代の HIV
罹患率の高さと、AIDS 患者に占める 60 歳以上の割合の増加に対しても対策が必要である。
国においては、HIV 感染の現状と正確な情報を広く国民に向けた広報が、また各自治体においては地域
の発生状況に基づいたHIV感染対策に取り組むことが求められる。特に、九州ブロックにおいては、HIV感染
者と AIDS 患者件数が福岡、沖縄を中心に増加傾向が続いており、引き続き積極的な自治体の関与が必要と
言える。
HIV 感染者の過半数が男性同性間性的接触によること、また近年外国国籍男性の感染者が増加傾向
にあること等を踏まえ、エイズ予防指針に基づき、普及啓発・早期発見・早期治療に向けた対策、相
談等の支援などの対策を進める必要がある。
図 15. 新規報告件数に占める AIDS 患者の割合の感染経路別年次推移
図 16. 年齢階級別新規 HIV 感染者罹患率の年次推移