学校の鐘から消防の半鐘まで「不発弾」！
　
第二次大戦末期、特に沖縄本島が米軍の手に堕ちて以降、米軍による「次なる攻略目標」として猛攻撃を受けることとなった、喜界島。　1945（昭和 20 ）年５月から８月（終戦）までの間、100 日以上に及ぶ空爆に晒されたと言われています。　当時、島内に 30 以上あった集落の内、半数以上が「全焼失」、残りの集落の殆ども「半焼失」。　山手（丘陵部）のジャングルの中に点在していた僅かな集落が、かろうじて戦火を免れたと記録されています。
　
そんな喜界島では戦後、島内の至る所に米軍機が投下して破裂しなかった「不発弾」が。　当時の投下爆弾、特に物量作戦で大量生産されていた米軍の製品には不備の物も多く、着地しても不発に終わった物が多かったとか。　そのため、直径にして 30cm 以上、長さにして１ｍほどもある鉄製の爆弾が、ゴロゴロ転がっていたそうです。
　
終戦直後からＧＨＱの委任統治下に置かれ、戦後復興も儘ならなかった、喜界島。　集落を再建するにも、何もかもが不足していました。　そこで再利用された物の１つが、なんと、島じゅうに転がっていた「不発弾」。　芯管を外し、弾尾部分を分解し、爆薬を取り除けば、それは大きな円錐状の筒。　これを吊り下げれば、立派な釣鐘に早変わりという訳です。　ハンマーで叩けば大きな音が響き渡る、釣鐘と化した「不発弾」。　学校や集落の鐘（かね）として、消防施設の半鐘（はんしょう）として、島内の様々な場所で使われていたそうです。
　
現在でも、道路工事や農地造成の際などに地中から「不発弾」が出てくる、喜界島。　もちろん現在では、自衛隊によって処理作業が行なわています。

　　
　　小野津（おのつ）集落に廃棄されている、不発弾を再利用した釣鐘

　　
　　消防団の半鐘に使われていたため、「火の用心」の文字が刻まれている

　　その他、佐手久集落の公民館前にも、不発弾を加工したオブジェが在ります。
　
　
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