埼玉県で自生する黒トリュフが採れるぞ! 県内最大級のビッグサイズが発見
埼玉県で発見された黒トリュフ(写真提供:埼玉県立自然の博物館)

世界三大珍味のひとつで、高級食材としても知られているトリュフ。
これがなんと、埼玉県内で見つかったと「埼玉県立自然の博物館」の公式アカウントがツイートして話題になっている。
まさか埼玉でトリュフが自生しているとは……。発見の経緯を博物館に取材してみた。

県内最大級の黒トリュフ


今回発見されたのは「イボセイヨウショウロ」という黒トリュフのひとつで、中国を中心としたアジアに分布している。重さは74.2gで県内で見つかったものではおそらく最大級とのこと。研究員が採取したわけではなく、一般の方から持ち込まれたという。ちなみにトリュフの特徴といえば強い香りだが、今回発見されたものも例に漏れず、苦しむ研究員もいたほどの香りが部屋を包み込んだそうだ。

だが、黒トリュフは簡単に見つかるものなのだろうか。
今回黒トリュフが見つかった詳しい場所は非公開だが、同種が国内で見つかった例は過去にもいくつかある。大阪府の明治の森箕面国定公園では、府民から「トリュフらしきものが発生している」と連絡を受けて発見(大阪府ホームページより)。

愛媛県の滑川渓谷では「遊歩道の途中に整備された休憩場所で、コンクリート製のベンチなどが置かれた一見すると何の変哲も無い場所」(愛媛県総合科学博物館研究報告 第15号より)で発見された。ほかにも京都府長岡京市や兵庫県西宮市で発見情報がある。

全国で見つかっているものの、頻度はさほど多くないようだ。同担当者によると、イボセイヨウショウロは広葉樹林の下に生えていることが多いが、「地中に潜っていてなかなか発見されないのではないか」と見解を示してくれた。


展示の予定はなし


今回持ち込まれた黒トリュフは残念ながら展示の予定はないとのこと。かといって研究員が持ち帰って食べてしまうわけではない。埼玉県立自然の博物館は、埼玉の自然に関する情報を収集・蓄積する役割も担っているため、フリーズドライを施し標本にするという。標本は非常にデリケートで劣化しやすいため、展示できないそう。残念だが、文字通りお蔵入りというわけだ。
ちなみにこの黒トリュフはいくらぐらいになるのか。
正確な値段は定かではないが、ネットショップで調べると中国産の冷凍黒トリュフが100gで3500円前後で販売されていた。
(しげお)