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先端医療ヘルスケアセミナー ~いつまでも健康に~ 第 3 回 「痛みと運動」 <b style="color:black;background-color:#99ff99">佐藤</b> 純(さとう
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先端医療ヘルスケアセミナー ~いつまでも健康に~
第 3 回 「痛みと運動」
佐藤 純(さとう じゅん)
(名古屋大学環境医学研究所 近未来環境シミュレーションセンター 准教授)
「痛みと天気、その不思議な関係」
「痛めている膝がうずくから、もうすぐ雨が降るよ」などと言って“天気予報”をする人が
います。この人たちは、どうやって天気の変化を予知することができるのでしょうか?
関節リウマチなどの患者さんの慢性の痛みが天候の影響を受けることは各種の統計調査
で証明されています(天気痛と呼びます)が、両者の因果関係は不明でした。そこでまず私
たちはラットを使った動物実験でこの現象のメカニズムを明らかにして、有効な予防法と治
療法を見つけようと研究を続けてきました。
ネズミ(ラット)の後足の神経や関節に処置を施して、軽い“慢性痛”の状態にします。
このネズミは痛みを感じると、処置をした後足を持ち上げる動作をします。また、足の裏に
軽い圧刺激を与えても痛みを感じて後足を引っ込めます。そこで、この「慢性痛ラット」を
環境実験室に入れ、気圧を低気圧が接近する程度(10~27hPa の減圧)下げて、痛み行動に
与える影響を観察しました。
観察を 5 分間ずつ行った結果、ラットが痛みを感じて後足を上げていた時間の累計は、大
気圧の場合は約 40 秒でしたが、低気圧状態では約 70 秒に増加しました。また低気圧状態で
は、通常は痛みを感じない程度の圧刺激でも足を引っ込めて痛みを感じるようになりました。
実験を続けるうちに、気圧の変化を感じるセンサーが内耳に存在する可能性が高いことが
分かりました。また、気圧を低下させると血圧と心拍数がそろって上昇し、血液中のノルア
ドレナリン(交感神経の伝達物質)の量が上昇することも明らかとなりました。気圧低下は
ラットの交感神経の緊張を引き起こすものと考えられます。
慢性痛はストレスなどで交感神経が緊張すると悪化することが特徴です。よって、低気圧
が近づくと内耳の気圧センサーが大気圧の変化を感じ、その結果交感神経の緊張が生じて神
経や関節が痛むというメカニズムが存在するものと思われます。
これらの実験結果を臨床応用することを目的として、現在は「天気痛」を持つ患者さんの
ご協力を得て、人工気象曝露実験も行っています。本セミナーでは、この研究で得られた結
果もご紹介いたします。

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講師略歴
【学歴】
1983 年 3 月
東海大学医学部医学科卒業
1983 年 4 月〜1987 年 3 月
名古屋大学大学院医学系研究科(医学博士)
【職歴】
1987 年 9 月〜1991 年 3 月
米国ノースカロライナ大学医学部生理学教室
Research Associate(研究助手)
1991 年 4 月〜1999 年 6 月
名古屋大学環境医学研究所 神経性調節分野 助手
1999 年 6 月〜2006 年 3 月
名古屋大学環境医学研究所 神経性調節分野 助教授
2004 年 4 月〜現在まで
名古屋大学環境医学研究所 近未来環境シミュレーションセン
ター 准教授
*名古屋大学医学部非常勤講師兼任
*愛知医科大学医学部 学際的痛みセンター非常勤医師兼任
【所属学会】
日本疼痛学会(理事)、日本生理学会(評議員)、日本ペインクリニック学会(評議員、倫理委員、
学会誌査読委員)、日本宇宙航空環境医学会(評議員)、日本生気象学会、日本神経科学会、日本
臨床生理学会、日本慢性疼痛学会、日本動物実験学会、国際疼痛学会(IASP)、北米神経科学会
【研究領域】
慢性痛における自律神経(特に交感神経)の関わりについての基礎/臨床研究
気象病(天気痛、うつ病)に関する基礎/臨床研究
【著書、学術論文】
「環境生理学」(北海道大学出版会, 2007)
「疼痛の理学療法 慢性痛の理解とエビデンス第 2 版」(三輪書店, 2008)
1) The inner ear is involved in the aggravation of nociceptive behavior induced by lowering
barometric pressure of nerve injured rats. M Funakubo, J Sato, T Honda and K Mizumura,
European J Pain, 2009, in press.
2) Changes in cardiovascular parameters and plasma norepinephrine level in rats after
chronic constriction injury on the sciatic nerve. Y Jin, J Sato, M Yamazaki, S Omura,
M Funakubo, S Senoo, M Aouyama, K Mizumura. Pain 135(3): 221-31. 2008
【報道】
「Scientists still mulling causes of weather-related pain.」(USA TODAY, 2005)
「週間!健康カレンダー カラダのキモチ(腰痛と天気)」(TBS テレビ, 2006)
「Feeling under the weather? Read on to find out why.」(THE INDEPENDENT, 2006)
「病は気象から」(日本経済新聞, 2007)
「多田しげおの気分爽快(気圧と痛みの関係)」(CBC ラジオ, 2007)
「体を温め体調管理」(読売新聞、2009)