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[122]トランス脂肪酸の原因となる油脂、使用禁止へ。米国 | 「できる!」ビジネスマンの雑学 | 明日香出版社
「できる!」ビジネスマンの雑学
2015年08月25日
[122]トランス脂肪酸の原因となる油脂、使用禁止へ。米国

 サッカリン、チクロ、赤チン・・・。いずれも筆者が幼い頃、身の回りにあった甘味料や薬品です。昭和の子供たちは膝を赤チンで赤くして、甘いキャンデーを大いに食べていました。ところが、発がん性があるなどと言われて、いつのまにか姿を消してしまいました。

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 平成のいま、昔と同じようにやり玉にあげられている物質があります。その名もトランス脂肪酸。このトランス脂肪酸、日常的に摂取し続けると、心筋梗塞などの心臓病を引き起こすことがわかってきました。

 アメリカ食品医薬品局(FDA)は今年6月16日、「部分水素添加油脂(PHO)」がトランス脂肪酸のもとになるとして、3年以内に使用を全廃するよう食品メーカーに指示しました。

米で「トランス脂肪酸」禁止 削減対策進む国内企業
 米食品医薬品局(FDA)は今月、トランス脂肪酸の原因となる油脂の使用を3年後に原則禁止することを決めた。大量に摂取すると心臓疾患などのリスクを高めるとされるトランス脂肪酸の削減が目的だ。トランス脂肪酸をめぐっては、世界保健機関(WHO)が10年以上前に減らすよう勧告しており、日本の食品メーカーでも削減対策が進んでいる。
産経ニュース・くらし 2015年6月29日 平沢裕子)

 これによって米国内で年間1万~2万人近くの心筋梗塞を防ぎ、致命的な心臓病を年数千件減らすことができると、見込まれているそうです。

 では、トランス脂肪酸を多く含む食品には、何があるのでしょうか。

 食品の原材料としてはマーガリンやショートニング、食べ物ではカップ麺、スナック菓子、ケーキ、揚げ物などの加工食品があげられます。身近なものでは、ドレッシング、コーヒーフレッシュ、ホイップクリームなどもあります。トランス脂肪酸は妊婦や乳幼児への影響が特に大きいと言われていますが、これだけ広範囲に使用されていると、避けようがないですね。

 日本ではトランス脂肪酸への対応はどうなっているのでしょうか。農林水産省に関連した報告があります。

「すぐにわかるトランス脂肪酸」  (農林水産省 更新日:2015年6月24日)

 長文ですので、要点を以下に抜き出してみましょう。

「トランス脂肪酸が体に悪いって本当? 」
・トランス脂肪酸をとる量が多いと、血液中のLDLコレステロール(いわゆる悪玉コレステロール)が増えて、一方、HDLコレステロール(いわゆる善玉コレステロール)が減ることが報告されています。日常的にトランス脂肪酸を多くとりすぎている場合には、少ない場合と比較して心臓病のリスクを高めることが示されています。

「日本では何をしているの? 」
・農林水産省が実施した調査研究(2008年)から、日本人が、一人一日当たり食べているトランス脂肪酸の平均的な量は0.92~0.96グラムと推定されます。(筆者注:米国人は5.6グラム 上記産経ニュースより引用)
・日本人でも食事からとる脂質の量が多い場合には、トランス脂肪酸をとる量も多くなることが報告されています。そのため、食塩や脂質を控えめにし、いろいろな食品をバランスよく食べるという食生活指針の基本を守れば、トランス脂肪酸によって心臓病のリスクが高まる可能性は低いと推定されます。
・最近では、日本でも食品事業者による自主的な努力によって、トランス脂肪酸の含有量が従来よりも少ない食品が販売されています。
・現時点では、日本において食品中のトランス脂肪酸について、表示の義務や含有量に関する基準値はありません。また、トランス脂肪酸だけではなく、不飽和脂肪酸や飽和脂肪酸、コレステロールなどの他の脂質についても表示の義務や基準値はありません。

 農水省はトランス脂肪酸が心臓病へのリスクがあると認めながらも、日本人はトランス脂肪酸の摂取は少なく、食品への使用も減少傾向にある。そのため日本での規制は、現在のところ設けていない、という主張です。

 この報告にもあるように、日本の食品メーカーは脱トランス脂肪酸へと舵を切り始めています。

「トランス脂肪酸等に関する情報開示について」(山崎製パン)
https://www.yamazakipan.co.jp/company/trans_fat/index2.html

「トランス脂肪酸 Q&A」(雪印メグミルク)
http://www.neosoft-brand.com/sp/transfat/

 一部のメーカーで、自発的にトランス脂肪酸の含有率を下げていることは喜ばしいことです。ただ、いまだに表示義務もなく、使用量に何の規制もないため、ほとんどの加工食品は野放し状態なのが日本の現状です。
 また、バターの安定供給に何度も失敗している農水省が、代替品として大いに助けられているマーガリン類に、今さら厳しい規制を加えるのは、難しくはないでしょうか。
(当コラム5月27日掲載:『[059]何ともならない日本のバター不足』 を参照ください)

 マーガリンに含まれるトランス脂肪酸の影響については、以下の著書に詳しいようです。

「なぜ、マーガリンは体に悪いのか?
"栄養学後進国"ニッポンの危険すぎる食卓」
(著:山田豊文 2015年3月刊 廣済堂健康人新書)

 トランス脂肪酸はどんな食品にも含まれてはいますが、その摂取量は食品の選択により大きく変わってきます。心臓病へのリスクがあることは日本の農水省も認めていますから、マーガリンに限らず、日頃からトランス脂肪酸の少ない食べ物を選ぶ知識が必要なようですね。(水)

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