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(あなせにいますひょうず) 桜井市穴師1065 mapfan
祭神 祭神については、御食津神・天鈿女命、素盞嗚尊、天富貴命・建御名方命、大己貴神の分身伊豆戈命、大倭大国魂神とする説がある。祭神の重層化のようだ。 右社 若御魂神 境内表示「三種の神器を御守護された稲田姫命を御祀りし、御神体は匂玉と鈴で、芸能の神として崇敬を受けられています。」また豊宇気毘売命の親の和久産巣日神とする説がある。
左社 大兵主神 境内表示「纏向山上の弓月嶽に祀られたが、後に下られて御祀り申し上げています。御神体は剣(ほこ)で武勇の神、従って相撲の祖神となった。」八千戈命、素盞嗚命、天鈿女命とする説がある。兵主の神であり、天日槍命と見る事が出来る。
由緒 この弓月岳は一体どの山か、竜王山、穴師山、巻向山の説がある。
小川光二氏の『大和の原像』では穴師山説をだされている。 【頂上の様子】(1973年以前) 【古老曰わく】 千田稔氏は『鬼神の鎮魂歌』のなかで巻向山説を示されている。
【頂上の様子】 平成十三年五月、神奈備も登った。 要するに決定的な説はない。直木孝次郎氏なんかは、山辺の道から見えるどれかだろうと『日本古代国家の成立』の中で述べている。山の位置は、天日矛一族・兵主神奉祭氏族に関わる可能性もあり、古代国家の成立の重要なポイントと思うが、この面ではノーテンキだ。一方、千田稔氏や小川光二氏は自分の足で確認をされている。これが真実を探求する姿勢と思う。 ようこそ奈良山岳会のホームページへ:巻向山」によると 『大和志料』は巻向山説に見えるが、三輪山の北にあるのは、穴師山か竜王山である。竜王山は石上神宮ゆかりの布留川の源流の一つ。 巻向山の名を持つ山が穴師山から現巻向山に変わったとも考えることができる。『神奈備』は実は現穴師山に登っていない。どうこう云う資格はないが、小川光二氏の説に引かれる。
小川光二氏の『大和の原像』によると、穴師上社の跡地は「ゲシノオオダイラ=夏至の大平」と呼ばれ、弓月岳頂上、上社の跡地、現下社、箸墓古墳後円部中心、前方部中心が一直線に並ぶとの事である。夏至の祭祀の日の太陽はこのラインを照らす。太陽祭祀すなわち農耕神の性格があったとされる。 当初弓月岳頂上に祀られたのは当然山の神である。山の神は春には田の神となる。巻向川の水の神である。また兵主はヒョウスベで河童に通じるのも面白い。 弓月岳頂上の神社は、大和に築かれた王権によって祀られて、兵主神が持ち込まれたのであろう。崇神天皇陵とされる古墳からも後円部から前方部中央へ引くラインは弓月岳頂上を指している。兵主神-天日槍命-イリ王朝-邪馬台国を連想させずにはおかない。 弓月岳を越える道はテンノウ坂と呼ばれる。兵主社から竜王山、また都祁国へ行く道であった。この都祁国の南に吐山郷があり、白木と呼ばれる里に新羅の王子天日矛が新羅城を築いたとの伝承がある。都祁は柘植に通じ、近江は天日矛の後裔の息長氏の本拠地である。 なお兵主神とは、漢の高祖が「蚩尤:シユウ」を祀って勝利を祈った事に由来する。貝塚茂樹氏は兵主神とは武器製造の鍛冶屋神としている。 この神社の近くの畑の土は赤みを帯びており、かっては、金属が採取された可能性がある。砂鉄が発見されて、渡来系の人々や、太刀作りや鏡作りの人々がここに集うようになって、武器、軍神の性格を持っていったものである。
大倭本紀には、天皇始めて天降り来ましし時、ともに斎鏡三面・子鈴一合を副え護らしめたもう。鏡の一つは伊勢神宮に、一つは紀の国の国懸神宮に、残る一つの鏡と子鈴は穴師社におさめたたとある。穴師社は御食津神として天皇の朝夕の食事、日夜の護りとしたと記されている。崇神天皇の出身地との説がある。*1
兵主神ゆかりの神社は延喜式に19社ある。 お姿 正面に穴師神社の鳥居があり、ここからは大和国中がよく見える。北側に景行天皇陵とされる古墳が大きく見える。 その向こうに箸墓古墳がある。参道は楓の木が多く、おそらく秋には見事に染まることだろう。 幽玄な雰囲気の参道である。桧、杉が多い。 お祭り 例祭 4月8日 この日は釈迦誕生の日でもあるが、山開きの日でもある。山の神が土地に降り田の神になる日である。 *1 神々と天皇の間(鳥越憲三郎)朝日新聞社 神奈備にようこそ |