過去最大級の隕石衝突跡(クレーター)がオーストラリアで発見される / その幅 “東京 – 大阪間” の400km!3億~6億年前のものだと専門家は推測

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遥か宇宙の彼方から、はるばる地球にやってくる隕石。実は、その固形物体が1ミリよりも大きいと「隕石」。小さいと「宇宙塵」と区別されることをご存知だろうか?

そして今回、過去最大の隕石衝突跡(クレーター)が発見されたと話題が集まっている。その幅は、東京から大阪までの直線距離とほぼ同じ400km! しかも、3億~6億年前にできたものなのだとか。なぜここまで “大きなもの” が、今まで発見されなかったのか?

・地下で巨大隕石の衝突跡が発見される

この度、オーストラリア大学のドリュー・グリクソン教授率いるチームが発見した、幅約400kmのクレーター。この過去最大級の隕石衝突跡が発見されたのは、オーストラリアの中央部、クイーンズランドとノーザンテリトリーの間に位置する場所だ。確かにオーストラリア大陸は広大だが、なぜ、このクレーターが今まで発見されなかったのだろう?

実は、地表のクレーターはとっくの昔に消えていたのだが、今回発見されたクレーターは、地下2kmのところに姿を隠していたのだ。地熱調査のために地面を掘っていグリクソン教授たちが、偶然発見したのである。

・隕石は真っ二つに割れた可能性がある

調査によると、この隕石が地球に落ちてきたのは、今から3億~6億年前にまでさかのぼるのだとか。衝突跡が2つあることから、地球にぶつかる前に隕石が真っ二つに割れたと見られており、それぞれの隕石は、直径10km以上。

・多くの生物が絶滅?

こんなにも大きな隕石がぶつかったのだから、破壊力も抜群だっただろう。衝撃によって舞い上がった灰やチリなどが、大気中で雲を形成。雲に覆われた地球の気温は変化し、地球上から多くの生物が絶滅した……なんて想像することができる。

しかし、3億年前には生物が大量に絶滅した形跡が見られないことから、もっと古い時代に、隕石が衝突した可能性も考えられるとグリクソン教授は述べる。

・隕石衝突が生物の進化に影響を及ぼす

巨大隕石による絶滅説と言えば、恐竜を思い浮かべる人もいるだろうが、恐竜が姿を消したのは約6600万年前。ちなみに恐竜を滅ぼしたとされる隕石が落ちたのは、メキシコのユカタン半島で、クレーターの幅は約180kmだ。隕石の直径は、約10kmだと推測されている。

グリクソン教授は、「このような大規模な衝突が、地球上の生物の進化に与える影響は、我々が考えているよりもずっと大きいのではないか」と話しているのだった。

なんだか気の遠くなるような隕石話だが、今の時代だって隕石は地球に落ちてくる。そういえばロシアに落ちてきた巨大隕石なんて、この世の終わりのような光景を見せてくれたっけ……。

参照元:Science NewsNASAInternational Business TimeSlash Gear(英語)国立極地研究所
執筆:小千谷サチ
Image Credit: NASA/Don Davis