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最新情報 2013年9月  No.42

【最新情報9月号 トピック一覧】 

*文部科学省

・特別支援教育について 学校教育法施行令の一部改正について(通知)(9月1日) 

*厚生労働省

・平成25年度「学生によるオレンジリボン運動」が実施されます

~若年者に向けた児童虐待予防のための広報・啓発の取組~(9月13日) 

*内閣府

・子どもの安全に関する世論調査(9月9日) 

*朝日新聞 

生徒に暴力指示は「体罰」 山形県教委、定義見直し方針(9月3日)

虐待死防止、課題は連携 児童相談所と市町村(9月4日)紙面で読む

(記者レビュー)自殺をどう伝えるか(9月6日)

(インタビュー)非行少年に寄り添う 弁護士・多田元さん(9月6日)紙面で読む

(社説)幼子の虐待 生まれる前から支えを(9月7日)紙面で読む

・虐待受けた児童、1万人超す 心理的被害目立つ(9月12日)

やめられない ネット依存と子ども(9月13日)

やめられない ネット依存と子ども:中 家族の支え、治療へ一歩(9月13日)

やめられない ネット依存と子ども:下 親、どう関われば 識者2人に聞く

(9月14日)

(どうする?)子どもの留守番 年齢でなく子の力をみて(9月14日)紙面で読む

未婚のひとり親にも支援の手 「寡婦控除」みなし適用(9月22日) 

*毎日新聞 

協定:児童虐待防止を強化 県警と児童相談所、より緊密に連携 再び被害遭わないために /兵庫

(9月6日)

新教育の森:いじめ対策/3 第三者委の課題 中立性、どう確保 /福岡(9月6日)

 ◇山口・下関市中3女子自殺 聞き取りなく、両親に不信感 「独立した調査が必要」

健診に行けない:未受診妊婦の今/上 電車賃も中絶費用もない(9月12日)

児童ポルノ:摘発最多 虐待の児相通告も−−今年上半期(9月12日)

児童ポルノ事件:スマホ介した被害が急増 警察庁まとめ(9月12日)

健診に行けない:未受診妊婦の今/下 早期支援で虐待防止も(9月13日)

生徒問題行動:5段階に分類 大阪府・市教委、対応マニュアル(9月17日)

自立援助ホーム:退所、1割失踪 10代の施設、運営難しく−−毎日新聞調査(9月18日)

自立援助ホーム:成人4% 再受け入れ、国が対応検討(9月25日)

いじめ防止対策推進法:きょう施行 期待の声 「運用方針、早期策定を」遺族ら要望(9月28日)

いじめ防止対策推進法:28日施行も基本方針間に合わず(9月28日) 

*読売新聞 

・児童養護施設 進む少人数ケア(9月7日)

・子どものスマホ、7割不安…犯罪・有害情報懸念(9月9日)

・「面前でDV」急増…児童虐待通告1万件超(9月12日) 

*産経新聞

シリーズ【今、学校で~深刻化するネットいじめ】

・(上)急増LINE 仲間内でエスカレート 自殺後も「お通夜NOW」(8月25日)

・(中)消してもまた…無間地獄で人間不信に(8月26日)

(下)学校裏サイト 誹謗中傷「減ってない」…隠語ですり抜け、監視に限界(8月28日)

 

・児童虐待、児相通告が過去最多 心理的虐待が半数以上(9月12日)

シリーズ子供たちと震災 

2年半の今  増える児童虐待 避難都市 ゆがむ母子(9月16日) 

*文部科学省

・特別支援教育について 学校教育法施行令の一部改正について(通知)(9月1日)

<改正内容>

 視覚障がい者等(視覚障がい者、聴覚障がい者、知的障がい者、肢体不自由者又は病弱者(身体虚弱者を含む。)で、その障がいが、学校教育法施行令第22条の3の表に規定する程度のものをいう。以下同じ。)の就学に関する手続について、規定の整備を行うこと。

http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/tokubetu/material/1339311.htm 

*厚生労働省

・平成25年度「学生によるオレンジリボン運動」が実施されます

~若年者に向けた児童虐待予防のための広報・啓発の取組~(9月13日)

http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000022976.html

 昨年度試行実施された「学生によるオレンジリボン運動」が、今年度から  本格的に実施され、全国107校の大学等で実施される予定。 近い将来親になりうる 10 ~ 20 代の若年者などに向けた虐待 予防のための広報・啓発が必要との提言を受け、厚生労働省から関係団体 に呼びかけ、子ども虐待のない社会の実現を目指す「オレンジリボン運動」の一環として、学生自身が主体となり創意工夫して実施される。 

*内閣府

・子どもの安全に関する世論調査(9月9日)

http://www8.cao.go.jp/survey/h25/h25-kodomo/index.html 

*朝日新聞 

生徒に暴力指示は「体罰」 山形県教委、定義見直し方針(9月3日)

 山形市内の市立中学校男子バレーボール部で顧問を務める50代の男性教諭が、部員に命じて部員同士で平手打ちなどをさせていた問題で、県教委は2日、「体罰」の定義を見直し、「生徒への暴力指示」も追加する方針を明らかにした。

 体罰の定義については、県教委が7月に策定したガイドラインの中で、文部科学省の通知を参考に、「身体に対する侵害(殴る、蹴るなど)」「肉体的苦痛を与える(長時間の正座、直立など)」と規定している。しかし、教師が直接手を下さず、生徒に暴力を命じるような事例については触れていなかった。

 今回の事例について県教委は、男性教諭が継続的に部員に殴る蹴るの暴力を振るったほか、「気合入れ」と称して部長や部員に平手打ちを命じた行為も、体罰に該当すると判断した。

 ガイドラインは7月に県内各校に配られたばかりで改訂版の発行は難しいため、県教委は近く体罰の定義について、「生徒への暴力指示」といった追加事項を文書で配布する方針だ。阿部善和教職員室長は「内容を詰めて、できるだけ早く現場への周知を図りたい」としている。

 また、吉村美栄子知事は2日の定例会見で「イメージ的には軍隊のよう。重く受け止めたい」と話し、体罰防止に取り組む考えを示した。

 県教委は6月、生徒に度々暴力を振るったとしてこの男性教諭を減給の懲戒処分としたが、部員同士で平手打ちさせたことは公表しなかった。吉村知事も「公表したほうが良かったと思う。私も報道で初めて知った」と話し、県教委の姿勢に注文をつけた。 【米沢信義】

http://www.asahi.com/edu/articles/TKY201309030338.html 

虐待死防止、課題は連携 児童相談所と市町村(9月4日)紙面で読む

市町村と児童相談所の虐待対応 

 

  子どもが虐待を受けて死亡する事件が後を絶たない。厚生労働省によると、2011年度は心中を含めると99人が亡くなった。児童相談所(児相)と市町村が関わっていながら救えなかった事例も多く、両者の連携不足が課題になっている。 

 ■役割分担、重視のあまり 

 大阪府東大阪市で12年1月、母親(当時37)が小学6年の長女(同12)を刺殺したとして殺人容疑で逮捕された。この事例について、府や市の検証チームはそれぞれ、「連携をとるべきであったが各機関が個別に動いてしまった」「問題の共有化がはかられることはなかった」と指摘した。子どもへの危害の予見は困難だったと認定したものの、連携不足を強調した。

 都道府県などが設置する児相と市町村の連携が必要になったのは、05年度に施行された改正児童福祉法による。児童虐待の相談は児相が受けていたが、比較的軽い事例は市町村の対応になった。児相は後方支援し、緊急度が高く深刻な事例を担当する。東大阪市では、その二人三脚がうまくいかなかった。 

 事件の約1年半前、児相は母親に育児放棄の疑いがあり、長女ら子ども3人を保護した。母親には精神疾患があったが、状態が改善したとして自宅に戻していた。その際、主治医に病状を十分に確認していなかった。その後、市は病院とやり取りし、母親の再入院の準備を進めた。だが、関係機関が個別事例ごとに支援方法を話し合う検討会議を開いていなかった。

 結局、児相も市も関わっていたのに、子どもが亡くなった。児相は「継続して児相で担当していたので、市に連絡する意識が低かった」、市の担当課は「児相が主担当のケースなので任せたという思いがあった」と振り返る。

 これを教訓に、市は検討会議を頻繁に開いている。11年度は152回だったが、12年度には236回になった。 

 11年8月には東京都足立区で、女児(当時7)ら3人が火災で死亡し、母親(同27)が現住建造物等放火などの疑いで逮捕された。東京都の報告書によると、無事だった女児の弟が虐待されており、事件の直前までこの家族が住んでいた渋谷区は、女児にも虐待の可能性があると、この家族を担当していた児相に訴えていた。だが、児相は適切な対応をしなかった。報告書は「適切に対応していれば、女児の死を避けられた可能性がある」としており、区と児相の連携が問われた。

 東京都には、07年に作った「児童虐待相談の連絡・調整に関する基本ルール(東京ルール)」がある。児相と市区町村の役割分担を明確に示したものだ。送致すると市区町村から児相に主担当は移る。渋谷区の担当者は「この事例は、複数回の転出入が伴うケースで、規定にない要素もあり、適切な役割分担がはかれなかった」と悔やむ。児相を所管する都は「見立ての違いを埋めるだけのコミュニケーションが取れなかった」と分析する。 

 国も死亡例の検証をしている。厚労省社会保障審議の委員は7月、児相と市区町村が関わりながら死亡した4件についてヒアリング調査し、自治体名を伏せて報告した。「関係機関で連絡体制を整え、情報を共有しておくべきである」「ルールを重視するあまり、個々のケースに即した対応ができなかった」などと指摘している。

 ■児相の専門知識、職員派遣し共有 埼玉、市の実務に合わせマニュアル作り 

 連携強化の実験的取り組みをしている自治体もある。埼玉県は昨年度から、児相職員を自治体に派遣するモデル事業を春日部市で始めた。 

 越谷児相の伊藤隆之虐待・相談指導担当課長が週2日、春日部市役所に出勤。市の職員と一緒に、通報の対応や危険度の評価、支援に携わる。

 2年前、男児(5)が父親と叔父に育児放棄されたうえ、暴行され死亡した事例が教訓になった。児相は「生活困窮」「父の家庭内暴力」などを把握していたが、1回の訪問で終了。一方の市は、職員が約40回訪問しながら、「体から異臭」「部屋が乱雑」などの育児放棄のサインを見逃した。 

 児相の副所長は当時、「虐待対応は一義的に市町村が担う」と説明。市は「児相に判断を仰いでいたつもりだった」とした。 

 いま、市子育て支援課の鈴木照子課長は「専門家である児相職員にすぐに相談できるのは大きい」と話す。男児に関わった市のケースワーカー4人は経験4年目以下で、半数は1年目。異動も多く、専門性を養うのは難しかった。児相職員の動き方を見て得るものは多い。家庭を訪問する際、子どもの安否確認だけでなく、家族の様子や環境の変化を把握し、有効な手立てを考えることが大切だと教えられた。

 児相側も「それまで、市の事情はわからなかった」という。伊藤課長は関係部署を取材し、市の体制に合った実務要領を市職員と一緒に作った。危険度を判断する際も、一人が記入するだけでなく、関係者全員で検証する仕組みにした。ただ、児相の人員も足りておらず、昨年度は月10日の派遣だったが、今年度は減らした。

 山梨県立大学人間福祉学部の西澤哲教授は「国や都道府県などが専門性を担保する仕組みを整え、支援することが不可欠だ」と話す。(山田佳奈、帯金真弓) 

http://digital.asahi.com/articles/OSK201309030155.html?ref=comkiji_txt_end_s_kjid_OSK201309030155 

(記者レビュー)自殺をどう伝えるか(9月6日)

 先月22日に命を絶った藤圭子さん。突然の訃報(ふほう)を各局がニュースやワイドショーで一斉に伝えた。

 番組トップで過去の映像を流したり、リポーターが現場の様子を細かく中継したり。親交のあった人たちのコメントを流し、スタジオで原因について臆測を交わし……。9月になっても様々な報道が続いている。 

 自殺対策を進めるNPOライフリンクの清水康之代表は「相変わらず不適切な自殺報道が繰り返されている。過剰で興味本位な事例が目立つ」と指摘する。群発自殺を防ぐため、世界保健機関(WHO)はメディア向けに「トップで目立つところで報道しない」「手段を詳しく伝えない」といったガイドラインを作成。特に著名人の自殺報道は影響が大きいとして注意を促している。

 一方、8月25日にはNHKスペシャル「僕はなぜ止められなかったのか? いじめ自殺・元同級生の告白」が放送された。友を救えなかったことを3年経った今も悔やむ生徒や遺族の思いを丹念に取材。「どうしたら防げたのか」を軸に当時の状況を検証し、一人の死が周囲にどれほど深い傷痕を残したかを描いた。 

 自戒を込めて、自殺をどこまでどう伝えるかは難しい。ただ、どんな形であれ、根底にある「繰り返さないために」という視点が問われているのだと思う。(佐藤美鈴)

http://digital.asahi.com/articles/TKY201309050456.html?ref=comkiji_txt_end_s_kjid_TKY201309050456 

(インタビュー)非行少年に寄り添う 弁護士・多田元さん(9月6日)紙面で読む

 少年犯罪を厳罰化する少年法改正案が近く、国会に提出される見通しだ。少年による凶悪事件で子どもや家族を失った遺族らの声が反映された形だが、社会はなぜ厳罰化を望むのか。厳罰化で問題は解決するのか。長年、非行少年に寄り添い、少年犯罪と向き合ってきた弁護士の多田元さんに聞いた。

 ――少年犯罪は年々、凶悪化しているように見えます。 

 「家庭裁判所に殺人罪で送致された少年は戦後のピークだった1961年は396人です。いまは年間40人前後。ここ何年か変わっていないから、データでいうと凶悪化とは言えません。メディアの影響が大きいですね。かつては日常的な事件として報道されていましたが、いまは事件が起こると、その報道で埋め尽くされ、凶悪さが社会に印象づけられています。それが厳罰化を望む声につながっていると思います」

 ――裁判官時代から少年事件を希望して担当されていたそうですね。 

 「名古屋家裁で初めて少年事件を扱いました。家裁で出会う少年たちは、非行に至るまでに悲惨な目に遭っている子ばかりで、彼らは被害者だと感じました。少年審判は、ふつうの刑事裁判とは違って、非行行為や犯罪を少年の成育歴や人格、家庭環境などから理解し、探っていくという科学的な方法をとります。私は『これだ』と思いました」

    ■     ■ 

 ――最近は少年事件を扱う家裁の現場が変わってきたそうですね。 

 「最高裁が法務省寄りになり、福祉的な援助より、効率的な処理を求めるようになりました。軽い事件は30分面接で終わらせる、という感じで。少年の生い立ちや生活環境などの社会調査を担当する調査官は、かつてはくつをすり減らして調査するのがふつうでしたが、今は裁判所職員の一員としての自覚を求められ、デスクワークが重視されています」

 「2000年の少年法改正で決定的になりました。検察官が非行内容の認定手続きに関与するようになり、さらに16歳以上の重大事件には家裁から検察官に送られる原則逆送の仕組みが持ち込まれました。一人ひとりのニーズにあった処遇を検討するという本来の少年法の理念から、非行行為の内容を重視して、それに見合う処分をするという発想に転換するものだったといえます」 

 ――具体的に説明してください。 

 「男子高校生が、カッターナイフで同級生の顔面を切りつけた事件がありました。逮捕され、鑑別所に入った少年が、家裁の調査官の面接で『謝りたくない』と話して、反省していないとされました。付添人になって何回目かの面会で『謝るのが怖かった』と話してくれました。『謝って許されて学校に戻ったらもっといじめられると思った』とも。少年はひどいいじめを受けていました。いじめの中心人物をやっつければ逃れられると、切りつけたのです」

 「家裁はいじめは認めましたが、ひとつ間違えば命にかかわるとして、少年院送致を決定しました。少年はそれまで何の非行もしていないのにです。高裁に抗告して差し戻され、短期の保護観察となりましたが、少年院送致という最初の決定は、非行行為だけを重視したもので、以前の家裁では考えられない。人とのコミュニケーションが下手な少年は親や周りに相談せず、ストレスをためて爆発する性格で、再犯のおそれがある、殺人を犯すかもしれないという発想をしています。なぜ、彼がそういう行動をとったかということに思いをはせていません」

 ――それでも顔面を切りつけるのは一線を越えています。 

 「少年はもともとまじめでおとなしく、生徒会長が『いじめを黙認していた自分たちの責任でもある』と問題提起して、生徒が嘆願書を出しました。それを知った少年は『みんながそんなに心配してくれたのか。相談すればよかった。自分はあのときは人を信じていなかった』と漏らします。これが彼の本当の反省ですし、成長です。彼は学校に戻り無事卒業しましたが、もし少年院に送られていれば、社会に対する見方はゆがんだでしょうね」

 ――少年だからこそ成人とは違った対応をしなくてはいけない、ということですか。 

 「成人同様に厳罰化するというのは少年の更生や成長を阻害し、さらなる社会の負担を招く可能性が大きいと考えます。例えば少年法改正案は不定期刑の上限を10年から15年に引き上げるなどとなりそうですが、16歳の少年が15年服役すれば、社会で暮らした時間と刑務所での時間とほぼ同じになる。心身の成長が著しい時期に社会から隔離されれば、服役後の社会適応が難しくなることは容易に想像できます。再び犯罪者になる恐れは大きい、と言えます」

 ――非行内容の審理で「推定無罪」の原則が軽視されているということも指摘されています。 

 「私が裁判官のときです。男子高校生がスーパーで万引きしたという事件で、少年が『とっていない』と言い張るので、警察に突き出されました。そこで少年は罪を認め、『もうどうなってもいいという気持ちになってとった』という調書が作られました。その少年に対して、家裁の調査官が『間違いないの?』と尋ねたところ、少年が言いよどんだそうです。お父さんも『今ごろこんなこと言っていいですか。家ではとっていないと言っている』と話したということで、調査官は非行の内容に争いがある、と報告してきました。少年に聞くと、『とっていないといくら言っても信じてもらえないので、とったと認めることをどうなってもいいと表現した』と言うのです。少年は商品に値札がついていなかったので、値段を聞こうと店員を追いかけてレジを通り抜けてしまったのです。警察は少年を捕まえた店員からは事情を聴いていませんでした。このケースは調査官が優秀で少年は真実を話せて不処分になりましたが、こういう冤罪(えんざい)は多いと思います」

    ■     ■ 

 ――少年法の改正案では、検察官の関与する事件が、殺人などの重大事件だけでなく、けんかなどの傷害、万引きなどの窃盗、かつあげなどの恐喝にも広がるそうですね。 

 「少年が非行内容を否認すれば、検察官が審判に立ち会うことになります。自分を疑う人がその場にいれば、少年はふてくされるしかなく、言葉が出てきにくい。事実が抑え込まれていく方向になると思います」

 ――検察官関与の拡大とともに、長年日弁連が要求していた国選付添人制度も拡大されると聞きました。 

 「いま国選付添人は殺人などの重大事件などに限定されていて、少年鑑別所に収容された少年1万人強のうちの4%弱にしかついていません。それを、日弁連が基金をつくって運営し、約7割の少年に付添人をつけています。費用は2011年で約8億5千万円。基金は弁護士が月4200円徴収されて成り立っています。成人の刑事裁判はほぼ100%弁護人がついているので、日弁連は鑑別所に収容されたすべての少年に国選付添人を、と主張してきました。予算として約10億円です」

 「ただ、法改正されても国選付添人がつくのは対象事件の6割強というのが日弁連の予測です。しかも、我々の徴収金も月900円減額されるだけです。被告側が同意しないと証拠が採用されない刑事裁判と違って、少年審判は警察や検察の調書はすべて事前に裁判官に提出されます。その場に検察官まで来てしまえば、有罪推定に傾くのは目に見えています。国選付添人制度の拡大は必要ですが、そのためといって、こんな取引はするべきではありません」 

    ■     ■

 ――少年事件によって家族を失った遺族が厳罰を求める気持ちは理解できます。 

 「被害者が、少年のやったことはあの世に行っても許せない、と思うのは当然のことです。でも、そういう感情だけではないと感じています。私は、複数の被害者遺族の方と10年以上おつきあいしています。毎年数回手紙を出して少年の様子を伝えている方もいれば、会って報告している方もいます。当初は死刑を求めた遺族もいますが、少年に対して『絶対に許せない』という思いとともに、『社会人としてまっとうに生きてほしい』という思いも持っておられるということです」

 ――なぜそこまでできるのですか。 

 「少年にとっては、被害者や遺族との関係から目を背けずに向き合うことが必要です。一生背負っていかなくてはいけません。そのためにはだれかのサポートが必要です。被害者にとっては忘れられることが一番つらいのです。被害者は、少年がどうしているかとても気にしています。私自身は、少年の更生を主張した以上は、きちんと見届けたい。ここ数年は遺族の方から『こんな気持ちでいられるのは定期的に会って、少年のことを伝えてくれているから』と言われています。いまは被害者への支援がなく、加害者との対立関係を残しがちです。被害者と加害者の関係は長い時間をかけて熟成していくべきで、システムとしてコーディネーターが必要だと思います」

 (聞き手・編集委員 大久保真紀) 

      * 

 ただはじめ 44年生まれ。一橋大学卒。69年に裁判官になり、秋田、名古屋、盛岡などの地家裁に勤務、数多くの少年事件を担当。88年に退官後、名古屋で弁護士になってからも、400人を超える非行少年たちと向き合ってきた。 

 ◆キーワード 

 <少年審判> 罪を犯したとされる少年は家庭裁判所で少年審判を受ける。調査が必要な場合は審判まで少年鑑別所に収容される。成人の刑事裁判とは違い、「弁護人」ではなく、少年の権利を守り、援助するための「付添人」を選任する制度がある。非公開で行われる審判は、少年法で「懇切を旨として、和やかに行う」とされている。裁判官や調査官が少年の抱える問題を一緒に見つけ、更生するのに一番良い処遇を探る。

http://digital.asahi.com/articles/TKY201309050543.html?ref=comkiji_txt_end_s_kjid_TKY201309050543 

(社説)幼子の虐待 生まれる前から支えを(9月7日)紙面で読む

 1歳の誕生日も迎えられず、命を絶たれる子たちがいる。 

 厚生労働省の専門委員によると、03年7月から昨年3月までに虐待で死亡した0歳児は218人(心中を除く)。虐待死の44%を占め、しかも100人は生後1カ月未満、うち83人は出生当日に亡くなった。

 生後1カ月未満の子では加害者の9割が実母で、10代後半と30代後半に集中している。望まない妊娠だったり、困窮していたりしたケースが目立つ。 

 妊娠中、定期健診をほとんど受けていなかった女性が多いのも特徴だ。 

 大阪産婦人科医がこうした「未受診妊娠」の実態を調べている。昨年までの4年間に、大阪府内で延べ861人の女性がほとんど健診を受けずに出産していた。妊娠350件に1件の割合で、年々増えている。 

 未受診は医学的なリスクが高まるが、関係者の献身的な努力で、大半は無事に出産している。調査を手がける光田信明医師は「むしろその後のことが気がかり」と話す。

 女性たちが病院に来たがらない理由の多くは、虐待のそれと重なる。問題が解決されないまま家に戻し、死亡させたのでは元も子もない。 

 どうすればいいか。 

 厚労省専門委の才村純委員長(関西学院大教授)は「女性たちに社会から手を差し伸べ、おせっかいを焼くような支援が必要だ」と言う。 

 大阪府は2年前、電話(0725・51・7778)やメールで保健師や助産師が相談に応じる「にんしんSOS」を開設した。匿名の相手でも、とことん寄り添って解決策を探る姿勢に徹し、最近は毎月百数十件の新たな相談がくる。

 従来の母子保健制度は健康な出産が主目的だ。望まない妊娠で中絶も選択肢に入れる女性には頼りにくいとされる。「ここになら悩みを打ち明けたい」と思わせる窓口を官民さまざまに増やしてほしい。 

 関係機関が虐待への対処を話し合う地域ネットワークはほぼ全自治体にある。09年の法改正で、出産後、虐待の恐れがある妊婦も支援対象になった。 

 実態に詳しい産科医らに協議に加わってもらい、出産後の支援態勢を早めに整えることも予防に役立つだろう。 

 全国の児童相談所が昨年度対応した虐待は6万6807件で、22年連続で過去最多だった。起きてからの対応はもはや限界だ。生まれる前から子どもたちを守る。その意識を社会全体で共有していきたい。

http://digital.asahi.com/articles/TKY201309060611.html?ref=comkiji_txt_end_s_kjid_TKY201309060611 

・虐待受けた児童、1万人超す 心理的被害目立つ(9月12日)

 虐待を受けているとして、全国の警察が今年上半期(1~6月)に児童相談所に通告した児童の数は1万61人で、上半期としては過去最多だったことがわかった。前年同期の約1・4倍で、初めて1万人を超えた。子どもの心を傷つける心理的虐待の増加が目立つという。

 警察庁が12日、発表した。通告児童数は統計を取り始めた2004年以降、年々増えており、昨年同期よりも2790人多い。

 通告児童1万61人のうち5割強の5670人が、子どもに暴力的な言動を浴びせる心理的虐待を受けていた。前年同期より56%増。このうち、3804人が配偶者への暴力(DV)を子どもの前で行うことで子どもの心を傷つける虐待だった。

 このほか、身体的虐待は26%増の2891人、育児放棄(ネグレクト)が15%増の1444人、性的虐待が33%減の56人だった。

 通告とは別に、警察が逮捕、書類送検した児童虐待は221件で、被害児童は224人。事件の件数は過去最多だった昨年同期より27件少ないものの、過去2番目に多かった。 

 通告児童数の増加について、警察庁は「児童虐待への社会の関心、意識が高まり、通報や相談が積極的になされるようになったためではないか」とみている。

http://digital.asahi.com/articles/TKY201309120013.html?ref=comkiji_txt_end 
 
 
 
 
 

(やめられない ネット依存と子ども:上)夢中…知らぬ間に20時間(9月13日)

紙面で読む

ネット依存度をみるチェックシート  

 横浜市の大学に通う男性(18)は中1の時、親から古いノートパソコンをもらった。自室でネットを見るようになり、次第にその時間が延びていった。 

 はまったのは、もらったパソコンで遊ぶオンラインゲーム。時間をかけるとレベルが上がり、強い敵を倒せるようになった。中2のころには多いと連日20時間、寝る以外はゲームという生活になった。部屋にこもり、風呂にも入らない。昼夜は逆転し、曜日の感覚もなくなった。

 もともと大人数と接するのが苦手で、小学校から不登校だった。マンガも読み飽き、「手っ取り早く、逃げやすかったのがネットだった」。ゲームをしていれば、学校のことを考えずにすんだ。 

 一度、親からパソコンを取り上げられた。だが、やることがなくなっただけで、学校には行かなかった。しばらくすると、親はパソコンを返してくれた。

 中2の秋、母が医師に相談。今の生活から抜け出せるよう、「極度の肥満による体調不良」を理由に、男性を半ば強引に小児科に入院させた。自分でも「今のままじゃダメだ」との思いがあった。 

 病院の院内学級に通い、毎日規則正しい生活を送るよう指導された。リハビリの一環で、自転車に乗るなど体も動かした。中学卒業まで院内学級で学び、小学校の勉強からやり直した。その後、高校に進学。友人もでき、放課後は遊ぶようになり、自然とゲームをする時間はなくなった。 

 入院という形で生活環境が変わったことで、依存から脱却できた。男性は「自分だけで抜け出すのは難しかった。周囲のサポートが欠かせないと思う」と話す。

 ■触れてないとイライラ、要注意 

 日本を含め、ネット依存症の世界的な診断基準はまだ確立されていない。が、米精神医学などで病気と認定する方向で研究が進んでいる。では、依存状態にある人と、「ヘビーユーザー」とでは、どう違うのか? 

 全国でも数少ない専門外来がある国立病院機構・久里浜医療センター(神奈川県横須賀市)の中山秀紀医師は「ネットに接する時間の長さだけで判断できない。ネットに触れられないとイライラし、我慢できない、といった状態ならば依存性が高いと考えられる。日常生活に影響が出ているかどうかもひとつの目安」と話す。

 例えば、仕事でメールやネットを頻繁に使っていると、メールが見られないと気にかかる。だが、休暇でメールを見なくていいと、気持ちがせいせいする。こんな場合、ネット依存状態とは言わない。 

 深刻になると、ネットから離れられなくなり、学業不振や不登校になることもある。生活も乱れ、1日1食しか食べなかったり、週に1度しか入浴しなかったりする。 

 親子関係にも影響を及ぼす。ネットから引き離そうとしたことをきっかけに、言い合いが絶えなくなったり、家庭内暴力が始まったりするケースもあるという。

 ■居場所探し、逃げ場に 

 同センターには、この2年弱で120人以上がネット依存の相談に訪れた。相談者は男性が多く、女性の5~6倍だ。女子がはまるのは、芸能人のブログや動画の閲覧など様々だが、男子は大半がオンラインゲーム。ネット上で他人と対戦できるのが特徴だ。コンピューターより人間相手の方が攻略しにくい。ゲームが複雑になったり、仲間を作って戦えたりするので、のめり込みやすい。

 依存状態になる子は、学校や家庭で見つからない居場所をゲームに求めているケースも多い。ネット依存を専門に扱う成城墨岡クリニック(東京都)の墨岡孝医師は「思春期の子どもは、ネット依存になりやすい」と指摘する。 

 思春期は、思い通りにはならない現実を前に迷ったり混乱したりするのが自然な姿だ。だが、ネットの世界ではゲームに勝つだけで、自分は何でも出来る、という「万能感」が得られる。このため、ネットの世界に逃げ込む子どもが出てくる、という。 

 最近流行しているLINEの影響を心配する声もある。無料通話やトークと呼ばれるメッセージのやりとりができるスマートフォンなどのアプリ。ネット依存の予防啓発をする民間団体「エンジェルズアイズ」(東京都)には、LINE利用に関する相談が昨年末ごろから寄せられる。遠藤美季代表は「友達同士でLINEをしている場合、仲間外れになることを恐れ、途中でやめられず長時間化することがある」と話す。

 相談者は大学生や高校生が中心だが、「小中学生に利用が広がり、ネット依存などの問題も増える恐れがある」と指摘する。(山田佳奈、長富由希子、中村靖三郎) 

     * 

 スマホやオンラインゲームの普及で、子どもとインターネットとの距離は急速に縮まっている。「ネット依存」の治療の現状や対処法、思春期のネットとの付き合い方について、3回にわたり報告する。

 ◆キーワード 

 <子どものネット依存> 厚生労働省研究班の調査によると、インターネット依存の疑いが強い中高生は全国に約52万人いると推計されている。全国の中高生約10万人が回答した調査によると、「依存の疑いが強い」とされた割合は中学生の6%、高校生の9%で、中高生全体では8%だった。 

http://digital.asahi.com/articles/TKY201309110691.html?ref=comkiji_txt_end_s_kjid_TKY201309110691 
 
 
 
 

(やめられない ネット依存と子ども:中)家族の支え、治療へ一歩(9月13日)

紙面で読む

ネット依存の子への家族の8カ条 

 「息子が引きこもり、ネットばかりしているんです」。ネット依存の治療をしている成城墨岡クリニック(東京都)に一昨年秋、高校2年の息子(17)の相談をしようと、母親が訪れた。 

 高1の時に自分用のパソコンを買って以来、1日12~14時間、オンラインゲームに没頭するようになった。熱心だった部活もやめ、学校に行かなくなった。本人はネット依存の自覚がなく、病院にも行きたがらなかった。本人が来院したのは、母親が最初に訪れた約2カ月後だった。

 来院後は、日記をつけて、どれぐらいネットをしているか、を自覚してもらった。「今よりもネットを1時間減らして、その時間を家族で過ごす」などの「宿題」を出した。ネットの時間を少しずつ減らすよう求め、半年後には、1日2時間以下に抑えられるようになった。 

 治療が終わった後、本人は「ネットで、人生を無駄にした」と話したという。墨岡孝医師は「最も大変なのは自覚がない本人を、病院に連れてくるまで。ただ、ネット依存の子どもは、おとなしくて約束を守る傾向があるので、来院後は半年程度で治る場合が多い」と話す。

 国立病院機構・久里浜医療センター(神奈川県横須賀市)でも、薬は使わず、通院による精神療法が中心だ。 

 毎日の行動記録をつけて、生活のリズムを取り戻してもらうよう促す。何時から何時までどんな内容でネットを使ったか、起床、食事、入浴の時間やその時々の感想も書かせる。1日の生活を客観視して、本人が考えている以上にネットに接する時間が多いことに気づいてもらう。また、軽い運動や絵を描いて、ネット以外の楽しみを見つける時間も設けている。

 ■専門家の力を借りて 

 ネット依存について、親にできることはあるのか? 

 墨岡医師は「まずはパソコンやスマホを子どもに与える前の段階でルールを作ることが大切」と説く。例えば、1日3~4時間までにする、学校に持って行かない、食事中は禁止、勉強もしっかりする……などだ。与えた後も、子どもの様子をよく見て、夜中まで起きていないか、成績が下がっていないか、など日常生活に気を配る必要がある。

 すでに依存状態にある場合、親がスマホやパソコンを取り上げると、子どもが感情的に反発してしまう。家庭だけで解決しようとせず、専門家に相談した方がよい。 

 また、久里浜医療センターの精神保健福祉士、前園真毅さんは「親戚など少し距離のある人、ネット依存に知識があるスクールカウンセラーなど、第三者に定期的に子どもと話してもらって」と勧める。話し合いで、ネットから離れる時間を作ることで生活にリズムが生まれる。また、第三者が介入することは、子どもが客観的に自分を見つめるきっかけになる。 

 同センターでは月に2回、「ネット依存家族」を開き、家族の支援もしている。オンラインゲームとはどんなものか、などのレクチャーを受けたり、子どもへの接し方について学んだり。お互いの思いもはき出し合う。

 ■授業に合宿、国も対策 

 子ども自身にネットとの関わりを考えてもらう公的支援も始まっている。 

 子どもへのメディア教育をしているNPO法人「子どもとメディア」は11月、福岡県筑紫野市内の公立中学校で計約400人を対象に「スマートスチューデントプログラム」を開く。文部科学省の委託事業。グループに分かれ、ネットで「得るもの」と「失うもの」を話し合う。「自分が本当にしたいこと」「将来したいこと」は何か、そのためには今の時間をどう使えばいいか、考えてもらう。古野陽一専務理事は「自分の生活を友だちと比べることで、ネットに頼りすぎるのはよくないと気づけるようになる」と話す。

 文科省も来年度予算案の概算要求に「ネット依存対策事業」を初めて盛り込んだ。依存傾向の子にネットがない環境で合宿してもらい、自然や「生」の人間関係に触れてもらおうというものだ。 

 「子どもとメディア」によると、韓国では10年以上前からネット中毒が社会問題化し、国を挙げて実態調査や専門相談員の養成などの対策に取り組んでいる。古野理事は「日本は始まったばかり。なぜ子どもがネットに依存するのか、根本的な原因を分析して対策を急ぐべきだ」と話す。(長富由希子、山田佳奈、中村靖三郎)

http://digital.asahi.com/articles/TKY201309120538.html?ref=comkiji_txt_end_s_kjid_TKY201309120538 

(やめられない ネット依存と子ども:下)親、どう関われば 識者2人に聞く

(9月14日)

 中高生にとってネットは今やなくてはならない存在になりつつある。親として、ネットを利用する思春期の子に、どう関わればいいのか。2人の識者に聞いた。

 ■親子でルール話し合おう 兵庫県立大学准教授・竹内和雄さん 

 ほとんどの親はLINEやオンラインゲームの仕組みなどネットの世界を知りません。何となく「危ないよ」と注意しても、子は「何言ってんの?」となるだけ。ネットについて勉強しましょう。そのうえで、なぜ子どもがはまっているかを知る必要があります。 

 いじめを受けるなどでリアルの世界で居場所を失い、ネットの世界に逃げ込んでいるような場合。これは、ネットが本人の「生きる場所」なので、いきなり断ち切ろうとしないほうがいい。親がリアルの世界での居場所を見つけてあげてください。例えば、昔の友達や幼なじみと一緒に遊びに行く機会をつくってあげるとか、少しずつネットの世界に行く頻度を減らす。最初は、簡単には応じないでしょう。でも、「あなたが心配だから、今のあなたを見るのは忍びない」と、向き合って繰り返し伝えていくしかありません。

 一方、多くの子どもは友達に引っ張られ何となくやっている。この場合はルールがないと、なし崩し的に利用時間が延びます。

 押しつけではなく、親子で話し合ってルールを決めることが大事です。例えば、親が「ネットは夜の10時まで」と言うと、子どもは「12時までにして」という。「じゃあ、11時までね」と。これは、子どもが自分で勝ち取った「11時」だから守ります。 

 LINEなどは友達同士で「同調」しなければいけない圧力があるから簡単にいかない部分もあるでしょう。でも、例えば、ルールをしっかり決めることで、自分の子が友達に断る口実をつくってやる、という手もある。「うちの親は怖いから夜遅くまでできないんだ」と親を前面に出せば、「可哀想だなあ。誘わないでおこうか」となり、いじめにはなりにくい。

 ネットやスマホの使い方やルールを親子で考えてほしい。そのコミュニケーションを通じ、「親子断絶」のツールではなく、親子のつながりを作り直すツールに変えましょう。 

 (聞き手・立松真文) 

    * 

 たけうち・かずお 専門は生活指導論。20年間、公立中学で生活指導に携わった経験を持つ。 

 ■ダメ出しせず興味示して 目白大学教授・黒沢幸子さん 

 思春期は、子どもが自分らしさを確立し、親からの自立を準備していく時期。大人にはくだらない話だと言われても、いつまでも友達と楽しくおしゃべりを続けた思い出はありませんか? 時間や同じ話題を共有し、仲間と「同じ」だということで「私はこれでいい」と確認していくのです。

 加えて、今は携帯電話やネットの発達で、子ども同士はつながりやすくなりました。これまで以上に何もかも共有しないと気がすまなくなっています。親がそのことを理解しておく必要があります。 

 「友達」のような関係の親子も増えている。仲がよいことはいいのですが、許せない行為はダメと示さなくてはなりません。ただ、常にガミガミ言っていると子どもは注意を聞かなくなり、隠れて続けるだけです。許せない行為以外はできるだけ、放っておく。そして、よい行動をとったときには、きちんとほめたほうがいい。

 子どもに何か起きたとき、動揺してしまうのも最近の親の傾向です。親が揺れているのを見透かされれば、自分の子どもをコントロールできません。許せないこと、減らしてほしいことを親自身がはっきりさせる。そして、子どもの強みや個性を誰より親が理解し、余裕を持って接することが大事です。 

 例えば、LINEも、親にとって減らしてほしい行為かもしれませんが、許せない反社会的行為ではありませんよね。禁止を強いるより、「お母さんもやってみたけど、面白いね。でも四六時中やり取りに追われて疲れるわ。中学生は元気だから大丈夫なのかな?」と自分の困り事として子どもに投げかけてみる。「疲れるほど返事しなくていいんだよ」と子どもが答えたら、自身が日頃やっている行為を客観視するきっかけになります。また、親にも興味や知識があると感じれば、何か問題が起きた時に、相談しやすくなります。

 頭ごなしに否定するのではなく、戦略を持って接してください。子どもより一枚上手になってください。

 (聞き手・山田佳奈) 

    * 

 くろさわ・さちこ 専門は臨床心理学、スクールカウンセリング。カウンセラーの養成にも携わる。 

http://digital.asahi.com/articles/TKY201309130526.html?ref=comkiji_txt_end_s_kjid_TKY201309130526 

(どうする?)子どもの留守番 年齢でなく子の力をみて(9月14日)紙面で読む

 小学生くらいの子に留守番させるのは、やはり心配です。でも、仕事や買い物など、やむを得ず1人にしなければいけない場面もあります。留守番の「適齢期」や心構えについて、専門家に聞きました。

 ■犯罪被害3割、住宅で 

 「私が午後5時半に帰宅するまでの数時間のことなんですが……」 

 東京都江東区に住む会社員の女性(39)は、来年4月から長男の放課後の居場所をどうするかが、悩みの種だ。 

 小学3年の長男は、今年度いっぱいで学童保育を「卒所」する。習い事や友達の家に遊びに行くなどして、週2、3日はやりくりできそうだ。それ以外の日に1人で留守番させていいものか、迷っている。 

 これまでちょっとした買い物の時などに、1時間程度の留守番はさせてきた。「インターホンにも、電話にも、出ない」「ベランダには出ない」などのルールを作り、少しずつ慣れさせているところだ。

 「もっと早く帰宅できればいいのですが、それも難しい。やはり心配です」 

 実際、留守番をしている子どもを狙った犯罪もたびたび起きており、親にとっては気がかりだ。今夏には、大阪府内で電気工事業者を装って住宅に侵入し、留守番中の女児を強姦(ごうかん)したとして、44歳の男が逮捕・起訴された。 

 警察庁のまとめによると、2012年に小学生が強制わいせつや窃盗、暴行などの犯罪被害にあった件数は、全国で約1万9千件だった。

 被害が発生した場所は、駐車・駐輪場が27%で最も多い。一方、共同住宅が19%、一戸建て住宅が11%で、合わせると全体の3割を占める。「自宅なら安全」とは言い切れないようだ。 

 ■ルール決める/近所に声かけ 

 といっても、留守番をさせざるを得ない家庭は少なくない。学童保育が終わる小学校中学年ごろから、留守番させる機会は多くなる。 

 そもそも気になるのは、何歳くらいなら留守番できるのか、ということだ。 

 子どもの安全について研究しているセコムIS研究所の舟生岳夫さんは、「個人差や住環境など事情が違うので、何歳という基準はない」という答え。「よその子がやっているからといって、決して無理させてはいけません」

 大事なのは年齢ではなく、子どもに「留守番力」=図=が備わっているかどうかだという。 

 基本的なルールは「ドアを開けない」「何かあったら電話する」などだが、親が一方的にルールを作っても、頭に入っていかなければ意味がない。「こういう場合はどうしようか?と親子で話し合ってルールを作れば、子どもは守りやすい」 

 住まいの防犯に詳しい積水ハウス住生活研究室の吉田健さんは、子どもによるが、小学校の低学年から中学年くらいまでは、できるだけルールをシンプルにして、それだけを徹底して守らせる方がいいと話す。

 例えば、「親の知り合い」や「水道局員」などと言って、言葉巧みに誘い出すケースもある。 

 この人なら大丈夫、こういう場合ならOK、という判断を、子どもにとっさにさせるのは難しい。「だれが来てもインターホンに出ては駄目、と教える方がいい。ただ、対応に応用が利かない分、長時間の留守番は避けてください」 

 1人で留守番することを悟られない工夫も必要だ。不審な人がついてきていないか、ドアを開ける前によく確認する。また、家にだれもいなくても、「ただいま!」と言いながら家に入るよう、日頃から習慣にしておくとよいという。

 ルールを守らせる以外に、親ができることはあるだろうか。 

 舟生さん、吉田さんともに強調するのは、近所との関係作りだ。 

 大切なのは「留守番時に、子どもに、1人で何とかしようとさせないこと」(舟生さん)。「子どもが困った時に遠慮なく訪ねていけるような関係を、親が近所の人たちと日頃から築いておいた方がいい」とアドバイスする。

 留守番させる前に、家の戸締まりを確認しておくのも大切だ。 

 例えば、警察庁の2012年の統計で窃盗の侵入手段を見ると、一戸建ての場合は、46%が施錠されていない「無締まり」の窓や出入り口から侵入している。 

 また、留守番中の火事や水の事故を防ぐためにも、火の元の管理や、風呂の水を抜いておくといった配慮も必要だ。(立松真文) 

http://digital.asahi.com/articles/TKY201309130559.html?ref=comkiji_txt_end_s_kjid_TKY201309130559 

未婚のひとり親にも支援の手 「寡婦控除」みなし適用(9月22日)

 【中塚久美子、丸山ひかり】未婚のひとり親家庭の保育料や公営住宅の家賃を、結婚歴のあるひとり親家庭並みに安くする自治体が増えている。料金の基準となる所得を算出する際、未婚のひとり親家庭には国の制度上適用されない「寡婦(かふ)(夫)控除」を“みなし適用”し、独自に支援する。朝日新聞が都道府県と主要都市を調べたところ、1県11市が実施し、東京都の2区が新たに実施する方針であることがわかった。  

■12自治体、国の動き待たず 

 結婚していない男女間の子の遺産相続の取り分を、結婚した男女の子の半分とする民法の規定について、最高裁は今月4日、「法の下の平等」に反すると違憲判断を下した。同様に結婚歴の有無により適否を決める寡婦控除についても、制度改正を求める声が高まっている。

 保育料や公営住宅の家賃は、収入から所得控除などを差し引いた所得に応じて決まる。しかし所得税法は未婚のひとり親を寡婦控除の対象とせず、税金に加えて保育料や家賃の負担も重い。自治体は税制改正はできないが、保育料などに寡婦控除をみなし適用して減額するようになった。

 朝日新聞は全国の都道府県、東京23区、政令指定市、県庁所在市、人口50万人以上の各市計126の自治体を対象に、保育料や公営住宅の家賃について、未婚のひとり親家庭に寡婦控除をみなし適用しているかどうか調査した。その結果、沖縄県と札幌、新潟、千葉、東京都八王子、奈良、岡山、高松、高知、松山、熊本、那覇各市が適用していた。

 保育料では11市が適用。1997年度から適用している岡山市を始めとして、2009~11年度に各1市、12年度に3市、13年度に4市と、ここ5年で拡大している。公営住宅の家賃については沖縄県と2市が適用していた。

 東京都新宿区は10月から、文京区は来年度から保育料などに適用する方針だ。

 適用の理由については「子は親を選べないということを根拠に踏み切った」(八王子市)、「離婚のひとり親世帯と状況は何ら変わりない」(高知市)など、多くが現制度の矛盾を挙げた。適用していない自治体は「税法上の『寡婦』の定義に従う。まずは法改正が必要」(名古屋市)、「市の負担が増える」(横浜市)などとしている。

http://www.asahi.com/edu/articles/OSK201309210146.html 

*毎日新聞 

協定:児童虐待防止を強化 県警と児童相談所、より緊密に連携 再び被害遭わないために /兵庫

(9月6日)

 県警と県こども家庭センター(児童相談所)は5日、児童虐待防止を強化するため協定書を交わした。虐待を受けた子どもが家庭に戻り、再び被害に遭うのを防ぐことに重点を置いたのが特徴で、より綿密に連絡を取り合って情報を共有し、被害の予防や早期対応を目指す。【宮嶋梓帆】

 協定で、虐待を受けているとして児童相談所が一時的に保護した子どもが自宅へ戻る際、その日程や住所を県警が把握できるようになる。児童相談所の職員らとともにその後の状況に注意を払い、見守る。

 県児童課によると、昨年度、虐待で一時保護した子どもは371人で、その約半数がその後に親元に戻った。児童相談所や自治体の職員が、再び虐待が起きないよう家庭訪問を続けているにも関わらず、虐待が繰り返されるケースがあるという。

 児童相談所は、市民や医療機関から虐待疑いの通報を受けても、実際に虐待かどうかの判断に時間がかかり、警察への通報が遅れる場合がある。協定には夜間や休日の連携も盛り込んでおり、子どもの住所地を管轄する警察署へ速やかに連絡できる仕組みを整える。

 神戸市中央区の県職員会館であった締結式で、西墻佐富士・県警生活安全部長は「いつの間にか被害児童が親元に戻り、対応に困ることがあった。情報共有が被害防止につながる」と期待を寄せた。今後、神戸市との協定も検討するという。

 県児童課のまとめでは、昨年度、県の5カ所の児童相談所に寄せられた児童虐待の相談は1757件で、統計を取り始めた1990年度以降最多だった。児童虐待の通報は、児童相談所全国共通ダイヤル(0570・064・000)へ。〔神戸版〕

http://mainichi.jp/area/hyogo/news/20130906ddlk28040283000c.html 

新教育の森:いじめ対策/3 第三者委の課題 中立性、どう確保 /福岡(9月6日)

 ◇山口・下関市中3女子自殺 聞き取りなく、両親に不信感 「独立した調査が必要」

 いじめ防止対策推進法(いじめ防止法)には、いじめによる自殺があった場合、自治体や学校が事実関係を調査する第三者委員会設置の考え方が盛り込まれ、関係者の期待の声も大きい。ただ、第三者委の中立性に懐疑的な声もある。山口県下関市で8年前に起きた中3女子のいじめ自殺では両親への聞き取りすらしないまま家庭の問題にすり替えられている。遺族の疑問が拭えない中、同法は28日、施行される。【平川昌範】

 下関市の安部としえさん(49)は今年1月、下村博文文部科学相に手紙を送った。「第三者機関の報告書には、私たちから聞き取りさえしていないのに『家庭にも問題があった』との文言が盛り込まれました」。2011年、大津市の中学2年男子が自殺した事件を機に「遺族の声を聞いてほしい」との思いで出したものだ。返事はまだない。

 としえさんは2005年、下関市立川中(かわなか)中3年生だった次女直美さん(当時15歳)をいじめ自殺で失った。下関市教委は当時、市内の大学関係者らをメンバーに第三者委員会にあたる下関市生徒指導推進協議会を設置した。しかし、遺族への聞き取りはなく約10カ月後、「人を思いやり、生命を大切にする心を育む必要がある」などとする提言を市教委に提出した。自殺の背景について「学校や家庭に居場所をもたず、追いつめられた」との文言が盛り込まれた。

 協議会が検討対象としたのは学校や市教委からの報告だけ。直美さんの父慶光さん(56)は「いじめと自殺の因果関係に触れず、責任の所在をあいまいにしただけだった。学校や市教委は自分たちに都合の悪いことは書かない。独立して調査にあたる委員会が必要だ」と今も語る。

 いじめ防止法は第三者委員会について「教育委員会や学校の下に組織を設け、適切な方法で当該重大事態の事実関係を明確にする」と定めている。教育委員会や学校の関与を前提に、学校からの独立性をどう確保するのか、誰にどんな調査をするのかといった運用上の問題は定められていない。

こうした中、大津市の越直美市長は8月28日、文部科学省に「学校や教育委員会を主体とした調査は公平性や中立性に疑義が生じる」として自治体の首長による調査委員会設置を求めた。一方、文科省は有識者会議を設けて運用の基本方針を定める考えだが、細部は有識者会議の話し合い次第との立場だ。

 下関市は再発防止を目的に「いのちの日」を制定しながら今なお第三者委員会のあるべき姿に関する議論は進んでいない。いじめ防止法には、地方公共団体が地域の実情に応じて基本方針を定める努力義務規定があり、国の方針を受けて市レベルでも何らかの考えを打ち出すよう迫られる可能性がある。

 下関市教委生徒指導推進室の森永亮室長は第三者委員会について「中立性確保は不可欠」と主張。こうした考え方を盛り込んだ市ガイドラインの策定に前向きな姿勢を示す一方「詳細は国がどんな基本方針を示してくるのかを待ちたい」として国の議論の推移を見守る立場だ。

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 ■ことば

 ◇下関市いのちの日

 下関市が昨年8月、いじめや自殺を防ごうと制定した。いじめを苦に自殺した安部直美さんの命日の4月13日を「いのちの日」とし、教諭や生徒間で事件を共有してもらう。今年は、市立の全幼稚園22園と小中高校75校で黙とうした他、校外から講師を招くなどして命の大切さを考える授業を行った。8月20日には、市内の教員約1800人が集まる市教育祭があり、波佐間清教育長が「(事件を)風化させないため誓いを新たにしたい」と述べた。

http://mainichi.jp/area/fukuoka/news/20130906ddlk40100395000c2.html 

健診に行けない:未受診妊婦の今/上 電車賃も中絶費用もない(9月12日)

 妊婦健康診査(妊婦健診)をほとんど受けない「未受診妊婦」の問題が深刻化している。大阪では2009年から、産婦人科医らが大規模な実態調査を実施しているが、その数は増加傾向にあるという。妊婦を取り巻く背景と、健診に行けない妊婦を支える取り組みを報告する。

 「健診に行かなきゃと思ってたけど、気持ちの余裕も、病院に行く電車賃もなかった」

 7月末に第3子を出産した大阪府の女性(21)は、妊娠4カ月で1度健診を受けたきり、その後約5カ月、病院に行かなかった。

 4歳と3歳の子がいるシングルマザー。元夫とは2人の出産後に離婚、その後、勤めていた飲食店の客の男性と暮らし始めたが、やがて男性は女性や子どもに暴力を振るうようになった。別れを意識し始めた昨秋、妊娠が判明。「産めない」と思ったが、生活は家賃や光熱費の支払いで精いっぱいで、中絶費用を工面できない。出産を望む男性から逃れるのも難しかった。

 今年5月、自分で育てられない赤ちゃんの養子縁組を手がける民間団体に助けを求め、この団体が運営する京都府の母子寮へ。妊娠9カ月でやっと2度目の健診を受けた。

 女性は養父母から暴力を受けて育ち、頼れる家族はいなかった。以前に行政の相談窓口で冷淡な扱いを受け、役所にも足が向かなかった。「トイレで赤ちゃんを産む女性のニュースを見るけれど、一歩間違えば、自分もそうなっていた」と、女性は振り返る。

 ●公費助成あるが

 大阪産婦人科医会は09年から4年間、お産を扱う大阪府内の医療機関約150施設を対象に、未受診妊婦の実数や背景を調査した。同会は未受診妊婦を「受診回数が3回以下」「3カ月以上受診していない」と定義しているが、その数は09年152人▽10年148人▽11年254人▽12年307人−−と増加傾向にある。未成年と35歳以上が多い。

 4年間で計861人の未受診妊婦の調査では、未受診になった理由で最も多かったのは経済的問題(31%)だった。妊婦の58%は無職で、パートナーが正規雇用だったのはわずか11%(10〜12年)だった。

 府内では健診に平均6万7793円(昨年4月現在)の公費助成が行われている。年々拡充しているが、雇用情勢が厳しいなか、十分効果が出ていないのが実情だ。

 ●つながりが希薄

 厳しいのは経済だけではない。7割近くの妊婦は、パートナーと結婚していない。予定外の妊娠も多く、12年は未成年で60%、20歳以上で半数に上った。さらに、毎年約1割の妊婦が、パニック障害やうつなどの精神疾患を抱えていた。

http://mainichi.jp/feature/news/20130912ddm013100010000c.html 

体罰:○×線引き…都教委が防止へ指針(9月12日)

 学校現場での体罰防止に向け、東京都教育委員会は12日、児童生徒への指導で「許されない行為」と「許される行為」の線引きを示したガイドラインをまとめた。体罰と言えなくても、しっぺや尻を軽くたたく行為や、子供の能力の限界を超えたスポーツ指導なども不適切だとした。大阪市立桜宮高の体罰問題を受けて文部科学省が3月に示した体罰などについての考え方に比べ、より具体的に例示している。

 ◇宿題忘れ鼻つまむ×

 ◇暴言で正座○

 ガイドラインで「許されない行為」としたのは▽体罰▽不適切な行為−−の二つ。「体罰」は、傷害を負わせたり、椅子を投げたりするなどの暴力行為と定義した。胸ぐらをつかんだり、人格を否定したりするような言動は「不適切な行為」に分類した。これらは処分の対象とする。

 一方、「許される行為」としては▽指導の範囲内▽適切な指導▽正当防衛・正当行為▽緊急避難−−を挙げ、具体例を示した。寝ている子供の肩をたたくのは「指導の範囲内」、危険行為を大声で注意するのは「適切な指導」、殴りかかってきた子供に抵抗するのは「正当防衛」、子供の危険を回避するためやむを得ず取った行動は「緊急避難」とした。

 都教委は1〜3月、公立小中高校などの体罰実態を調査し、昨年度に146校で182人の教職員らの体罰があったと結論付けた。今回のガイドラインは調査結果を踏まえて作成した。

 また、都教委は同日、調査で体罰が確認された教職員のうち44人と上司の9人を停職や減給、戒告の懲戒処分にしたと発表した。訓告や口頭注意も含めた処分対象は253人に上った。【和田浩幸】

http://mainichi.jp/select/news/20130913k0000m040081000c.html 

健診に行けない:未受診妊婦の今/下 早期支援で虐待防止も(9月13日)

 妊婦健康診査(妊婦健診)をほとんど受けない未受診妊婦。背景には、貧困や望まない妊娠など、複合的な要因がある。困難な事情を抱える妊婦を早期に見つけ、出産後の育児も見据えて支える取り組みが始まっている。

 ●保健師が自宅訪問

 「未婚」「10代の妊娠」「家族の支援不足」「医療費未払い」……。2年前の夏、岡山市保健所に、岡山県産婦人科医会から、ある妊婦の情報がファクスで届いた。医会が2011年1月に導入した「妊娠中からの気になる母子支援連絡票」だ。すぐに、保健センターの訪問支援が始まった。

 女性は水商売を転々としており、交際相手と別れたばかり。健診の回数も少なく、担当の保健師(34)は「自分の体調に気を配ったり、産後の暮らしを考えたりする余裕がなさそうだった」と振り返る。

 保健師は妊娠中期から、月に2〜3度自宅を訪問して出産準備を手伝い、健診にも付き添った。出産後も支援は続いており、保健師は「出産前から信頼関係を築けたので、育児の助言も聞いてもらいやすかった」と語る。

 連絡票の仕組みは多くの自治体で導入されているが、岡山の特徴は「情報の送りやすさ」。産婦人科は「望まない妊娠」「ドメスティックバイオレンス(DV)被害(疑い)」「子どもへの虐待(疑い)」など17項目に当てはまるものが一つでもあれば、チェックを入れて医会に送る。医会は、DVや虐待の疑いがあれば、本人の同意がなくても市町村に情報を送り、速やかに地域と情報を共有する。

 連絡票を考案した岡山大学医学部の中塚幹也教授は「スタッフが妊婦の背景まで思いやる視点を養えるようになった」と語る。

 ●電話相談で地道に

 厚生労働省の調査によると、05年1月〜12年3月に虐待で死亡した児童(心中を除く)420人のうち、母親が妊婦健診を受けていなかったのは83人と、全体の約2割に及ぶ。虐待してしまう「SOS」のサインは妊娠期から出されているのではないか−−。同省は11年7月、妊娠中の相談体制を整備するよう自治体に要請した。妊娠中からの育児支援は、虐待予防の観点からも不可欠なのだ。

 全国各地で、行政やNPO(非営利組織)による相談ダイヤルの設置が進む。

 「生理が来ないみたいで……」。幼い声が電話の向こうから聞こえる。助産師らが育児支援に取り組むNPO法人「MCサポートセンターみっくみえ」(三重県桑名市)が昨年11月に県からの委託で始めた、予期せぬ妊娠に関する相談ダイヤル「ココアライン」に電話をかけてきたのだ。

スタッフが心がけるのはきめ細かな対応。沈黙する相手には、口を開くまで待つ。「娘が妊娠しているようだが、仲が悪くて病院に連れて行けない」という母親には「父親のことを聞いたり責めたりせず、まず『病院に行こう』と誘って」と助言。未受診の相談者には病院を紹介し、同意があれば病院に妊婦の情報も伝える。

 7月末までに15歳〜40代まで約30件の相談があったが、うち2割は中絶できる期間(22週未満)を超えており、病院も受診していなかった。みっくみえの松岡典子代表は「ここに電話しなければ安全な出産に至らなかったのでは、という相談も複数あり、専用ダイヤルの意義を感じます」と話す。

 11年10月、都道府県として初めて相談事業「にんしんSOS」を始めた大阪府には、開始1年半で1010件の電話やメールがあった。約3割が府外からの相談だ。

 「女性の体や妊娠に関する相談は、地域の保健センターでも受けているが、知られていない」と、にんしんSOSを運営する府立母子保健総合医療センターの佐藤拓代・企画調査部長。「パートナーに妊娠を打ち明けたら逃げられた、という相談も多く、男性を含む性教育の充実が不可欠です」と訴える。

 一筋縄ではいかない未受診妊婦問題だが、解決の手がかりもある。大阪産婦人科医会の調査では、未受診妊婦の7割は母子手帳を取得しており、出産まで一度も医療機関や行政窓口に行かない「飛び込み出産」は一部とみられる。

 子どもの健やかな育ちを保障するため、健診に継続して「行けない」妊婦の背景に寄り添い、支え続けることが、関係機関に求められている。【江口一、反橋希美】

http://mainichi.jp/feature/news/20130913ddm013100025000c.html 

児童ポルノ:摘発最多 虐待の児相通告も−−今年上半期(9月12日)

 子どもの裸の画像を製作したり受け渡すなどしたとして、今年上半期(1〜6月)に全国の警察が摘発した児童ポルノ事件は763件(前年同期比0・1%増)、被害者(18歳未満)は316人(同22%増)で、いずれも上半期としては統計を取り始めた2000年以降で最多だったことが警察庁のまとめで分かった。保護者らによる虐待が疑われるとして警察が児童相談所に通告した18歳未満の子どもの数も1万61人(同38%増)で過去最多だった。

 同庁によると、児童ポルノ事件の被害者の内訳は高校生が132人(42%)で最多。次いで、中学生124人(39%)、小学生以下48人(15%)−−などだった。小学生以下の画像・映像には、強制わいせつに該当する無理やり体を触られているものが29人、乱暴されているものも8人いた。

 被害者が容疑者と連絡を取り画像を送ったりするなどした手段は、スマートフォン(多機能携帯電話)が84人(27%)で最も多く、旧来の携帯電話の76人(24%)を上回った。昨年1年間の被害者531人について調べたところ、スマホを通じた被害は全体の1割に過ぎず、スマホの浸透ぶりがうかがえる。

 取り締まり強化などで出会い系サイトを通じた被害は減少傾向だが、警察庁幹部は「LINEなど無料通話アプリのIDを交換する非公式の掲示板やコミュニティーサイトを通じて事件に巻き込まれるケースが多い。保護者らは注意を払う必要がある」と指摘する。

 一方、今年上半期に警察が児相に通告した子どもの虐待の類型では、心理的虐待が5670人(前年同期比56%増)で最多。このうち子どもがDV(配偶者暴力)を目撃する「面前DV」が3804人に上った。止めに入った子どもに刃物を突き付けたりするケースもあった。

 虐待による摘発は221件(同11%減)で、被害を受けた子どもは224人(同11%減)。身体的虐待を受けた子ども157人のうち11人が死亡した。死亡した子どもの数は、09年上半期と並び過去最少だった。虐待で摘発された人数は227人(同11%減)。被害者からみた関係は、実父が33%で最多。実母25%▽養父・継父18%▽母の内縁の夫13%−−などの順。【川辺康広】

http://mainichi.jp/select/news/20130912dde041040037000c.html 

児童ポルノ事件:スマホ介した被害が急増 警察庁まとめ(9月12日)

児童虐待と児童ポルノ事件の摘発件数の推移 

 ◇上半期は最多763件

 子どもの裸の画像を製作したり受け渡すなどしたとして、今年上半期(1〜6月)に全国の警察が摘発した児童ポルノ事件は763件(前年同期比0.1%増)、被害者(18歳未満)は316人(同22%増)で、いずれも上半期としては統計を取り始めた2000年以降で最多だったことが警察庁のまとめで分かった。保護者らによる虐待が疑われるとして警察が児童相談所に通告した18歳未満の子どもの数も1万61人(同38%増)で過去最多だった。

 同庁によると、児童ポルノ事件の被害者の内訳は高校生が132人(42%)で最多。次いで、中学生124人(39%)、小学生以下48人(15%)−−などだった。小学生以下の画像・映像には、強制わいせつに該当する無理やり体を触られているものが29人、乱暴されているものも8人いた。

 被害者が容疑者と連絡を取り画像を送ったりするなどした手段は、スマートフォン(多機能携帯電話)が84人(27%)で最も多く、旧来の携帯電話の76人(24%)を上回った。昨年1年間の被害者531人について調べたところ、スマホを通じた被害は全体の1割に過ぎず、スマホの浸透ぶりがうかがえる。

 取り締まり強化などで出会い系サイトを通じた被害は減少傾向だが、警察庁幹部は「LINEなど無料通話アプリのIDを交換する非公式の掲示板やコミュニティーサイトを通じて事件に巻き込まれるケースが多い。保護者らは注意を払う必要がある」と指摘する。

 一方、今年上半期に警察が児相に通告した子どもの虐待の類型では、心理的虐待が5670人(前年同期比56%増)で最多。このうち子どもがDV(配偶者暴力)を目撃する「面前DV」が3804人に上った。止めに入った子どもに刃物を突き付けたりするケースもあった。

 虐待による摘発は221件(同11%減)で、被害を受けた子どもは224人(同11%減)。身体的虐待を受けた子ども157人のうち11人が死亡した。死亡した子どもの数は、09年上半期と並び過去最少だった。

 虐待で摘発された人数は227人(同11%減)。被害者からみた関係は、実父が33%で最多。実母25%▽養父・継父18%▽母の内縁の夫13%−−などの順だった。【川辺康広】

http://mainichi.jp/select/news/20130912k0000e040171000c.html 

生徒問題行動:5段階に分類 大阪府・市教委、対応マニュアル917日)

 大阪府・大阪市の両教育委員会は17日、児童・生徒のいじめや問題行動に対する対応マニュアルを発表した。

 深刻さの度合いに応じて、教職員の対応方法を5段階に分類。これまでは教育的見地から、警察の関与を極力避ける傾向があったが、最も重大なレベルでは、警察への通報や児童福祉施設との連携など、より踏み込んだ対応をすることを明記した。問題行動を分類し、度合いに応じて対応方法を定めるのは全国的にも珍しいという。

 マニュアルでは、程度の軽い方から順に、(1)からかいや無視、無断欠席・遅刻(2)仲間外れ、悪口・陰口(3)「死ね」「うざい」などの書き込みや集団での中傷、たたく・蹴るなどの暴力(4)金品の要求や屈辱的な行為をさせるなど重い脅迫、強要、暴力、傷害。窃盗・痴漢(5)極めて重い脅迫、強要、暴力、傷害。放火、強制わいせつ−−など具体的な問題行動を例示。

 (1)では、担任・学年教員で対応するが、(2)では、保護者を交え、管理職や生徒指導担当も加わった学校全体で指導する。(4)からは、教育委員会が主導し、出席停止を行うほか、警察と連携し、指導計画に基づき家庭での指導を行う。(5)では、教育委員会が主導し、警察や福祉機関と連携を図って対応する、としている。

 (3)以上では、市町村教委からの要請に応じて、府教委が指導主事や社会福祉士、弁護士、精神科医ら必要な専門家でつくる支援チームを編成し、市教委や学校に派遣する支援策を講じる。【深尾昭寛】

http://mainichi.jp/area/news/20130917ddf041100029000c.html 

自立援助ホーム:退所、1割失踪 10代の施設、運営難しく−−毎日新聞調査918日)

 家庭での生活が困難な15〜19歳の未成年に生活の場を提供する「自立援助ホーム」の入所者のうち、1年間で少なくとも30人以上が無断で施設を抜け出し、その後行方不明になっていることが17日、毎日新聞の調べで分かった。退所者は年間約260人に上り、このうちの1割以上が失踪状態だった。こうした退所者はその後、犯罪に巻き込まれるケースも少なくなく、行き場を失った10代の「最後の砦(とりで)」とされる自立援助ホームの運営の難しさが改めて浮き彫りとなった。

 全国の自立援助ホーム99施設のうち、所在地が明らかで連絡が取れた84施設に対し、入所者の生活状況などについて今年8月、9項目のアンケート調査を実施。66施設から回答を得た。

 「年間で退所する少年少女は何人(延べ数)ですか」との質問への回答は計約260人。退所後の行き先を聞いたところ、「他の施設に移った」「自宅に戻った」「就職などで自立」などの他、「無断退所などのため不明」もあった。この不明のケースにあてはまる人数を聞いたところ、「数件」などの答えもあり、少なくとも合計で30件以上に達した。

 施設関係者によると、共同生活になじめず、夜中に施設を抜け出したまま戻らないケースが多いという。いったんは自宅などに帰った後に家出するケースもあり、ホームでの生活を経た後、失踪状態になっている退所者はさらに多いとみられる。また、退所者のうち45人が、生活保護を受給していることも分かった。

 自立援助ホームを巡っては、広島県呉市の山中に女子生徒(16)の遺体が遺棄された事件に関与したとされるグループの1人が、ホームの生活になじめず無断で退所していたことが判明。この少女はその後、生活保護を受給しながら他のメンバーと共同生活するなど、過酷な生活実態にあったことが毎日新聞の報道で明らかになっている。【中里顕、黄在龍、石川裕士】

http://mainichi.jp/area/news/20130918ddn001040004000c.html 

自立援助ホーム:成人4% 再受け入れ、国が対応検討925日)

 親から虐待を受けるなどして行き場のない10代後半の少年らが共同生活する「自立援助ホーム」で、公費の支給対象とならない20歳以上の入所者が、全入所者の4%以上に当たることが全国自立援助ホーム協議会(事務局・東京)の調査で分かった。これらの入所者の支援のための費用はおおむねホーム側が負担している状態といい、厚生労働省は対応の検討を始めた。

 協議会が今年4月時点で全国に100あるホームの入所者を調査。入所者計442人のうち、男性13人、女性6人が20歳以上だった。虐待の後遺症などで自立に時間がかかる入所者を再受け入れしたケースなどが多いという。

 自立援助ホームは1998年に児童福祉法に位置付けられ、国と自治体が折半で補助金を支給するようになった。ほとんどが民営で、未成年者を受け入れて将来の自立のため就労を支援する。多くは入所者が月3万円程度の寮費を払う。

 2008年度以前は施設の規模に応じて施設が補助を受ける仕組みで、20歳以上も受け入れる施設が少なくなかった。だが、補助金が国や自治体の財政状況などにより減額される恐れもあったため、厚労省は09年度、施設側の安定的な財政運営に向け、15〜19歳の入所者1人ごとに一定額(月約17万〜20万円)を支給するよう制度を改定。結果として20歳以上を受け入れるホームが費用負担する状態になったという。関西の自立援助ホーム施設長は「成人になったからといって機械的に支援を打ち切れるものではない」と指摘する。

 京都市は3年前から独自に21歳までの全額助成を始めたが、同様の制度はまれという。厚労省家庭福祉課は「20歳以上の支援ニーズがあるのは承知している。児童福祉法の規定がある中、どう対応できるか検討中」としている。【野倉恵】

 ◇施設側「やり直す場必要」

 九州の自立援助ホームに入所する男性(21)は、親の養育放棄のため児童養護施設やホームで暮らした後、自動車部品工場に就職し1人暮らしを始めた。だが、金銭管理が十分できず、訪問販売で契約した車のローンや高額な生命保険料の支払いに追われ、ホームに戻って来た。

 関西のホームの20代前半の入所男性は軽度の知的障害がある。うつ病の母と2人暮らしだったが、母が「このままでは息子を刺してしまう」と知人に訴えたのを機に入所し、施設で成人を迎えた。

九州のある施設長は「虐待や養育放棄で親元に戻れない一方、知的障害が疑われても障害者手帳がないため、福祉サービスを受けられない若者もいる。独り立ちしてもつまずきやすく、成人してもやり直す場が必要だが、施設の負担でぎりぎりやりくりしているのが現状だ」と話す。

http://mainichi.jp/select/news/20130925dde041040038000c.html 

いじめ防止対策推進法:きょう施行 期待の声 「運用方針、早期策定を」遺族ら要望928日)

 大津市立中学2年の男子生徒が自殺した問題を受けて成立した「いじめ防止対策推進法」が28日、施行される。いじめでわが子を失った親たちは新法に期待するとともに、文部科学省に対し法運用のための基本方針を早急に策定するよう求めた。

 自殺した大津市立中男子生徒の父親(48)は27日に同市内で記者会見し、「何よりも現場の教師の方々に法の趣旨を正しく理解してもらいたい。子供の命を守り抜く使命感を持って意識改革してほしい」と語った。

 同法は、いじめの防止や調査について学校や自治体、国の責務を定めている。文科省は法律運用のための基本方針策定も進めていたが、施行に間に合わなかった。父親は「基本方針は新法の取扱説明書。一日も早く具体的なガイドラインを示し、誤った恣意(しい)的な解釈がないようお願いしたい」と強調した。

 2005年4月に中学3年だった次女直美さん(当時15歳)をいじめで失った山口県下関市の安部慶光さん(56)は、新法に盛り込まれた第三者委員会について「学校や教育委員会から切り離さなければ中立的な調査はできない」と訴えた。

 直美さんの場合、下関市教委が大学関係者らをメンバーに設置した第三者委員会は遺族への聞き取りもないまま、学校や市教委の報告だけに基づき「学校や家庭に居場所をもたず、追いつめられた」と、家庭にも問題があったと受け取れる提言を市教委に提出した。

 基本方針には第三者委員会の在り方も含まれるとみられ、慶光さんは「娘の事件を教訓に国がしっかりと方針を示してほしい。自治体ごとに対応が違うようでは苦しむ遺族が増えるばかりだ」と話した。

 新法は施行前から既に動き出している面もある。11年9月に起きた鹿児島県出水市立中2年の女子生徒(同13歳)の自殺では、市教委が「自殺の直接のきっかけになるいじめなどは確認できなかった」とするのに対し、遺族らは新法の趣旨に基づき、いじめの有無などを調べた全校生徒アンケート結果の開示などを求めている。

 遺族を支援する元高校教諭の草野要作さん(64)は「新法の根っこには、真相をきちんと解明することが再発防止になるという考えがあると思う。子供を守る立場で運用してほしい」と求めた。【石川勝義、平川昌範、宝満志郎】

http://mainichi.jp/area/news/20130928ddp041010033000c.html 

いじめ防止対策推進法:28日施行も基本方針間に合わず928日)

 いじめから子供を守るため、学校や行政の責務を定めた「いじめ防止対策推進法」が28日、施行された。同法は、大津市の中2男子いじめ自殺問題をきっかけに与野党の議員立法で成立したが、運用に必要な国の基本方針作りが間に合わないという想定外のスタートとなった。学校と行政の役割分担などで混乱する懸念があり、遺族からは文部科学省の見通しの甘さを指摘する声も上がっている。【水戸健一、小林哲夫、石川勝義】

 「いじめを調査する『第三者』とは、どんな人を指すのか」「あまり対象を狭められると調査メンバーの選任が難しくなる」。法の施行が迫った26日、文科省で開かれた「いじめ防止基本方針策定協議会」では、休憩を挟んで4時間半、激論が交わされた。

 有識者や弁護士、小中学校長ら計14人で、同法が定める国の基本方針を策定する。子供の生命と人権に関わることに加え、衆参両院の委員会の付帯決議が法の不備を補う複雑な事情があり、基本方針なしに法の的確な運用は難しい。

 6月の法成立後、8月中旬に協議会の初会合が開かれた。施行日までに5回の会合を開き、まとめる予定だった。だが、自治体、学校、教員の役割について国がどこまで踏み込むのか、いじめの調査メンバーをどうするのか、など意見がまとまらないまま会を重ね、不満を訴える委員も。26日の第5回会合でも集約できず、基本方針がないまま施行日に突入することになった。座長の森田洋司・大阪市立大名誉教授は「徹底的に議論する必要がある。できる限りよいものにしたい」と理解を求めた。基本方針に策定期限はないが、施行日に間に合わないのは想定外。協議会は10月上旬の策定を目指す。

 昨年10月に「子どものいじめの防止に関する条例」を施行した岐阜県可児市の片桐厚司市民部長は「条例がない自治体では、国の基本方針が定まらない中で(行政や学校、保護者など)それぞれの役割について対応を進めるのは難しいかもしれない」と話す。条例はいじめの防止と早期発見のため、市と学校、保護者、市民らそれぞれの立場で責任を明確化。市内の事業所がステッカーを作ったり、自治会が、高齢者らに登下校時に合わせ散歩するよう呼び掛けて見守り活動をしたりするなどの動きが出てきた。片桐部長は「教育委員会と学校、家庭、地域が一体になる体制ができてきた」と条例効果に実感を込める。

法制化のきっかけとなった大津市の中2男子の父親(48)は「文科省は作業を甘く見ていたと思う」と指摘。一方で、第三者が調査し公平・中立性を確保するなど、要請が基本方針案に反映されつつある点は評価し「基本方針が10月上旬にまとまるか、今のところ分からないと聞いているが、きちんと使えるものにしてほしい」と行方を見守っている。

 ◇いじめ防止対策推進法

 いじめへの対応と防止について、学校や行政等の責務を定めた法律。今年6月、与野党の議員立法で成立した。小中高校と高等専門学校を対象に、自殺など心身に深刻な危害が及ぶ「重大事態」について学校や自治体に調査と報告を義務付けたほか、各学校に教職員や心理・福祉の専門家による組織を常設する。警察や児童相談所、法務局など関係機関との連携を強く促し、早期発見にも力点を置く。

http://mainichi.jp/select/news/20130928k0000e040176000c2.html 

*読売新聞 

・児童養護施設 進む少人数ケア97日)

 家庭にいられない子供が暮らす児童養護施設で、少人数グループに分かれて生活する「小規模グループケア」の導入が、県内でも進んでいる。今年度中に全19施設中14施設で実施する予定だ。一方、施設の改修費や職員の負担増など新たな課題に、行政の支援拡充を求める声も強まっている。

 「一人一人が自分のリズムで生活できるし、職員も子供たちの異変にすぐに気付ける」。今年12月から新しい施設で小規模グループケアを実施する「筑波愛児園」(つくば市)の山口公一園長(65)は、笑顔を見せた。

 同園は現在、3~18歳の子供41人が、5~12人の5グループに分かれて生活。1グループを4人の職員で面倒を見ている。これが12月からは子供6~7人に対し、職員3人。新施設は全員に個室が用意され、リビングや浴室もある。「家庭と同じ感覚で暮らせる」のが魅力だ。

 国は2012年11月、家庭的な成育環境の整備を目的に、29年度までの完全小規模化を決めた。これまで主に20人以上だった集団生活を改め、原則個室の6~8人によるグループケアや民間住宅などを利用して暮らす「地域小規模児童養護施設」に切り替わる。

 しかし、現場からは新たな課題を指摘する声も上がる。

 来年度からグループケアを導入する県北の施設長は「6人用設備を1か所増やすだけでも1000万円かかる。初期費用への助成が必要」と訴える。職員も増員しなければならず、全員に個室を設置する施設は、筑波愛児園だけとなる。

 県子ども家庭課によると、養護施設は老朽化による改修以外は財政支援をしておらず「小規模化に必要な費用は施設側にお願いしている」のが現状という。

 また、職員も宿直回数の増加が想定され、トラブルを1人で処理するケースも多くなるとみられる。筑波愛児園の山口園長は「とにかく人手が足りない。入所者5・5人当たり1人の職員配置基準を『4人に1人』にするなどの改革が必要」と指摘している。

児童養護施設

 虐待や育児放棄、保護者不明などで親族との家庭生活が不可能な18歳未満の子供を受け入れる施設。県内は水戸など11市町に19施設(定員計906人)があり、児童相談所が入所の必要性を判断する。今年4月時点の入所率は79・2%。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/ibaraki/news/20130906-OYT8T01437.htm 

・子どものスマホ、7割不安…犯罪・有害情報懸念(99)

 内閣府が7日に発表した「子どもの安全に関する世論調査」によると、18歳未満の子どものスマートフォン(高機能携帯電話、スマホ)利用について、71・9%の大人が不安を感じていることが分かった。

 46・4%が「不安を感じる」と答え、「どちらかと言えば感じる」は25・5%だった。従来型携帯電話と比べてインターネットに接続しやすいスマホの急増により、子どもが犯罪に巻き込まれたり、有害情報に接したりすることへの懸念が高まっていることが分かった。

 調査は7月、18歳未満の子どもがいるかどうかに関係なく、全国の20歳以上の男女3000人を対象に行った。政府によるこうした調査は初めてで、回収率は60・0%だった。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/news/20130909-OYT8T00433.htm 

・「面前でDV」急増…児童虐待通告1万件超912日)

 今年6月までの半年間に、全国の警察が児童相談所に児童虐待の可能性があるとして通告した児童数は、昨年同期より2790人多い1万61人で、上半期ベースで過去最多となったことが、警察庁のまとめで分かった。

 親が子どもの目の前で配偶者に暴力を振るう「面前DV(ドメスティック・バイオレンス)」が全体の37・8%を占めており、同庁は「『面前DV』も虐待との認識が広まり、通報が増えた」と分析している。一方、児童虐待の上半期の摘発件数は昨年同期より27件少ない221件だった。

 通告児童の総数は、昨年同期比38・4%の増加。「面前DV」による通告は、昨年同期より1370人多い3804人で、56・3%の増加となっている。同庁は、「DVへの社会的関心が高まって近隣住民からの通報自体が増えており、調べの中で面前DVによる虐待の疑いが発覚するケースも多い」としている。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20130912-OYT1T00683.htm 

*産経新聞

シリーズ【今、学校で~深刻化するネットいじめ

・(上)急増LINE 仲間内でエスカレート 自殺後も「お通夜NOW」(8月25日)

中高生のスマホ所有率

 

 生徒アンケートに無視や暴力などのいじめ証言が40件以上記述されていたことが判明した奈良県橿原(かしはら)市立中学1年の女子生徒=当時(13)=自殺問題。遺族や関係者によると、女子生徒は生前、「ネットいじめ」も受けていた。

 《んま(ほんま) うざいなあ、さよーならー》

 今年3月上旬、女子生徒は、同級生の女子がスマートフォン(高機能携帯電話)などで使える無料通信アプリの「LINE(ライン)」に書き込んだ文面を見て「私のことなんやろな」と思った。女子生徒は昨秋から、この女子を含め仲良しだった同級生3人から無視されるなどのいじめを受けていたからだ。

 仲間内で文字や写真などをやり取りできるLINE。女子生徒は自分だけメッセージを読めないよう設定され、悪口を書き込まれることもあった。

 3月中旬、別の女子からは、やはりLINEで家庭を中傷する書き込みをされ、学校でこの女子と激しく口論となり、担任が止めに入るトラブルになった。

 このころ、複数の友人に「しんどい」「死にたい」と相談していた女子生徒は、3月28日の早朝、マンション7階から飛び降りた。携帯電話の未送信メールには「みんな 呪ってやる」と記されていた。

 その直後、女子生徒を中傷していた女子は「私のせいや。私も死んだ方がいいんかな」と書き込んだ。だが通夜の際にはこう書き込んだ。「お通夜NOW」 

■高校生56%がスマホ

 LINEは主にスマホ向けのアプリで、急速に普及が進み、国内の利用者は4500万人以上に上る。中高生にも利用者が増えているのはスマホの所有率が急増しているからだ。内閣府が今年1月に公表した調査によると、高校生のスマホ所有率は前年度比約8倍の56%、中学生は約5倍の25%。利用者増に伴い、LINEいじめが増えている。

 今年7月には山形県鶴岡市の市立中学野球部で、複数の部員が1人の服を脱がせて携帯電話のカメラで撮影した画像をLINEに掲載するいじめが発覚した。

 なぜ、LINEが安易ないじめのツールとして広がっているのか。ネットいじめに詳しい全国webカウンセリング協議会の安川雅史理事長(47)は「現実世界のいじめなら周囲の目もあり歯止めがかかるが、1対1またはグループ間という閉じられた世界でのいじめは、発覚しにくい上、エスカレートもしやすい」と指摘する。

 九州地方の県立高校では昨年12月以降、女子生徒の間でLINEによる中傷を繰り返す中で、書き込みがエスカレートし、「妊娠した」と嘘を書かれた生徒が退学する事態に発展した。

■すぐ返信しないと…

 「どうやったらLINEのやり取りをうまくやめられますか」。同協議会には最近、こういう相談が増えているという。LINEではメッセージを読むと、相手に「既読」の文字が表示される。大震災などの際に安否確認ができるための機能だが、これがいじめを発生させる原因となる。

 メッセージを読んですぐに返信しないと「既読無視」といわれ、仲間外れにされる。方法はグループから強制的に退会させる「ライン外し」や、グループに1人だけ残して別のグループを立ち上げる方法などがある。外される不安感からメッセージ交換が長時間に及ぶこともあり、「LINE疲れ」で寝不足に陥る中高生も少なくないという。

 喜怒哀楽などを示す「スタンプ」と呼ばれるイラストが充実しているのもLINEの特徴だが、これもいじめに発展する。安川氏は「誰かが『スタンプ、空気読めてないよね』と言っただけで外されることもある。とにかく些細(ささい)なことで外される」と話す。

 自殺した橿原市の女子生徒の友人によると、女子生徒は無視されたグループから「KY(空気が読めない)でうざい」と言われていたという。女子生徒は「私、彼女たちに何かしたんかな」と外された理由が分からず悩んでいた。

 LINEがどこまで女子生徒を追い詰めたのかは分からない。ただ母親(44)は言う。「LINEがあるから家でも気が休まらなかったんだと思う」

 昨年、大津市の中2男子の自殺問題を機に社会的関心が高まったいじめ問題。今年6月にいじめ防止対策推進法が制定されるなど国を挙げた対策が進められるが、いじめは一向になくならない。なかでもネットいじめは夏休み明けに悪化するとの指摘もある。現状をリポートする。

http://sankei.jp.msn.com/life/news/130825/edc13082511110000-n1.htm

 

・(中)消してもまた…無間地獄で人間不信に(8月26日)

 ネットいじめの深刻さは被害者に与える精神的ダメージにあるといわれる。

 関東地方の高校に通っていた無職男性(19)は3年生だった昨年、夏休みを利用した住み込みのアルバイトから帰宅し、1カ月以上放置していたスマートフォン(高機能携帯電話)を見て戦慄した。「お前はこじき」「○○高のカス」…。無料通信アプリの「LINE(ライン)」に、クラスの数人から数十件もの悪口が書き込まれていた。

 大学受験を控えながらアルバイトに精を出す姿勢を批判されたのがきっかけだった。クラスでも一部から無視された。1カ月後、友人から「お前の悪口、ネットの掲示板に書かれているぞ」と教えられ、確認すると複数のサイトの掲示板に書き込まれ拡散していた。

 見知らぬ男の声で電話もかかってきた。同性愛者が集う掲示板に、男性の写真が携帯番号とともに転載されていたのだ。男性は怖くなって電話番号を変えた。

 友人や親からは「見なければいい」と言われたが、気になって深夜までサイト運営者に削除依頼を申請する日々が続いた。だが、消してもまた書かれるの繰り返し。この「無(む)間(げん)地獄」(男性)の中で人間不信にも陥った。「LINEと違って掲示板は誰が書いているか分からないから精神的にきつくて、心配してくれる親友さえも疑うようになっていった」。男性は学校を休みがちになり、受験を断念。今も人の目を見て話すことができない。

 平成23年度の情報通信白書によると、全国1万人の生徒を対象に実施した調査では、ネットいじめ被害で最も多いのは中学生では「からかい」(1・9%)、高校生も「からかい」と「画像の無断掲載」(いずれも3・6%)。生徒らが立ち上げた「学校裏サイト」や「2ちゃんねる」などの掲示板が舞台だ。

 小中学校では、メールを使ったいじめ被害が目立つ。典型的な手口が他人のメールアドレスを悪用して悪口などを送りつける「なりすましメール」だ。

 関東地方のある中学校では昨年、生徒たちが夏休み前にクラス全員でアドレスを交換。その後、ある生徒に「きもい」「学校に来るな」といったメールが全員から一斉に届いた。生徒は休み明けに不登校になった。警察に相談した結果、送信者は1人だけだった。

 なりすましメールは自分のアドレスを教えたくない場合やアドレスを持っていなくても指定したアドレスにメッセージを送信できるサービスを悪用したもの。全国webカウンセリング協議会の安川雅史理事長(47)は「誰でも簡単にできてしまうが、逮捕されるケースも少なくない」と警鐘を鳴らす。被害を受けた場合、迷惑メール受信拒否設定で対処可能だ。

いじめは通常、知人の間で起こるものだが、ネットいじめの中には、安易な書き込みをきっかけに不特定多数から一斉に攻撃されるケースもある。関東地方に住むある女子高生は、アルバイト先のカラオケボックスで、監視カメラに写ったみだらな行為をしていた男女の画像をツイッターで公開。これに対し、ネット上では、すぐに店名と女子高生の通う学校名が特定され、女子高生の顔写真も多数さらされてしまった。

 さらに「プライバシーの侵害だ」と、女子高生の行為に批判が集中し、女子高生を誹(ひ)謗(ぼう)中傷する書き込みが殺到した。

 安川氏は「デマを含めネットでの誹謗中傷は、いろいろな人に見られるという点で、想像以上に被害者を精神的に追い詰める。不眠から鬱になり、生きる気力を失ってしまうケースもある」と指摘する。

 韓国では2007年以降、ネット上で誹謗中傷されていた女優や歌手の自殺が相次ぎ、米国でも同年ごろから、ネットいじめを受けていた中高生の自殺が社会問題化。国立国会図書館海外立法情報課の井(い)樋(び)三枝子さん(40)は「全米の3分の2の州では、ネットいじめをいじめ対策法などの対象として厳しく規制している」と話す。

 日本では6月に成立したいじめ防止対策推進法で、ネットいじめについて、国や自治体による対策強化が盛り込まれたばかりだ。

http://sankei.jp.msn.com/life/news/130826/edc13082613130000-n1.ht 

(下)学校裏サイト 誹謗中傷「減ってない」…隠語ですり抜け、監視に限界(8月28日)

 

ネットいじめ対策のポイント

 ネット監視大手「ガイアックス」(東京都品川区)の社内には、100台を超すパソコンが24時間体制で稼働する部屋がある。常駐するスタッフが画面越しに見つめるのは「学校裏サイト」への書き込みだ。 
 
 生徒らが学校に関する話題を語り合うために設置した学校裏サイトが、いじめの温床として注目され始めたのは平成19年ごろから。以来、対策は進み、文部科学省によると22年12月時点で、都道府県と政令市の約7割が民間業者に委託するなどして「ネットパトロール」に取り組んでいる。 
 
 ガイアックスも16の自治体と契約し、延べ3330校の裏サイトを監視。「個人が特定できる誹謗(ひぼう)中傷やメールアドレスなどを見つければ、学校に連絡し、サイト管理者に削除依頼する。自殺や犯罪予告は警察に通報します」と同社の杉之原明子さんは説明する。 
 
 21年6月に全国に先駆けてネット監視を始めた東京都教育庁の小沢哲郎主任指導主事(53)は「書き込みを1分でも放置すれば転載が繰り返され、飽きられるまで無限に拡大する危険性がある」と早期発見の必要性を指摘。都では21年度に発見された学校裏サイトへの書き込みのうち約13%あった誹謗中傷が昨年度は1・3%にまで減った。 
 
 だが、ネット監視は万能ではない。杉之原さんは言う。「パトロールできるのは誰でも閲覧できるサイトだけ。『ミクシィ』や『モバゲー』などの会員制サイトやメール、無料通信アプリの『LINE(ライン)』などでのやり取りは法律上監視できない」 
 
 ◆隠語ですり抜け 
 全国webカウンセリング協議会の安川雅史理事長(47)も「学校裏サイトへの書き込みは減ってなんかいない。監視する側が見つけられなくなっただけだ」と指摘する。 
 
 安川氏によると、書き込みの舞台は会員制サイトに移行し、パスワードを設けたり、警察が捜査できないよう海外のサーバーを使ったりするケースもある。さらにネット監視の検索などをすり抜けるため、「死ね」なら「氏ね」「市ね」と隠語を使い、「横浜」なら「木」「黄」「三」「兵」と分割。「ネットいじめは巧妙、悪質化している」と安川氏。実際、同協議会へのネットいじめの相談件数はここ数年、7千~8千件で微増傾向にある。 
 
 ネット監視に限界がある中、「ネット情報の正しい受け取り方を教えることが、ネットいじめ防止の手段」と強調するのは、NPO法人「青少年メディア研究協会」(前橋市)の下田太一理事長(35)だ。 
 
 ネット上のコミュニケーションは字面だけで、相手の真意を理解するには圧倒的に情報量が足りない。下田氏は「子供たちは欠けた情報を勝手な『思い込み』で補い、心理的に追い詰められる。場の雰囲気や空気が読めないネットコミュニケーションの特性を理解できれば、ネット上の言葉に対するフィルターや抗体ができ、不快な言葉を問題視しなくなる」と主張する。 
 
 ◆親の役割が重要 
 学校現場での情報教育も広がっている。東京都世田谷区では区立中学全29校で大学生によるネットリテラシー(情報の評価・活用力)講座を実施。体験談を交えてトラブルの危険性と有効活用法を伝える。「ネットは危ないから使うなというのは車は危ないから乗るなというのと同じでネットも正しく使えば生活を豊かにする」と橘太造教育指導課長(50)は話す。 
 
 安川氏は被害者にも加害者にもさせないために親の役割の重要性を強調する。「危ないサイトへの接続を制限するフィルタリングの設定が最も効果的な対策だが、大半の親は設定していない。スマートフォン(高機能携帯電話)を買い与えるなら、親も一緒に買って勉強していかないと子供の言いなりになる」と話す。 
 
 ネットいじめは学校の内外を問わないため、夏休み中も継続し、休み明けに悪化するケースも多いという。子供の様子に敏感になる必要がある。安川氏は言う。「急に着信音をオフにしたり、家族の前でメールを見なくなったりしたら要注意。被害に遭っていることを家族に知られないようにしている可能性がある」(河合龍一、篠原那美)

http://sankei.jp.msn.com/life/news/130826/edc13082613130000-n1.htm

・児童虐待、児相通告が過去最多 心理的虐待が半数以上(9月12日)

 今年上半期(1~6月)に虐待を受けたとして全国の警察が児童相談所に通告した18歳未満の被害児童の人数は前年同期比2790人増の1万61人で、初めて1万人を超えたことが12日、警察庁のまとめで分かった。このうち、「生まれてこなければよかった」などの暴言を繰り返すといった心理的虐待が同2036人(56%)増の5670人で全体の半数を超え上半期として過去最多となった。

 通告件数の増加について、警察庁幹部は、「児童虐待への社会の関心が高まり、通報が増加したためではないか」と話している。

 警察庁によると、通告の内訳は、心理的虐待がトップで、以下身体的虐待が591人増の2891人、食事をさせないなどのネグレクトが190人増の1444人、性的虐待が27人減の56人と続いた。

 児童虐待全体の摘発件数は221件と同27件減、摘発人数は同28人減の227人。摘発件数のうち、心理的虐待は包丁を示して脅すなどした暴力行為法違反が6件、脅迫2件の計8件だった。死亡した児童数は3年連続減の11人で過去最少となった。警察庁幹部は「深刻な事態になる前に早期に対処している成果」としている。

http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/130912/crm13091212190007-n1.htm

 

【子供たちと震災 2年半のいま】

・(4)増える児童虐待 避難都市 ゆがむ母子(9月16日)

宮城、福島両県の児童虐待対応件数 

まずは親の生活再建

 浜児童相談所によると、現在は子供を親から引き離さなければならないほど深刻な虐待が増えているわけではないという。子供を一時保護する割合は全体の3割、児童養護施設など施設へ入所させる割合は1割で、いずれも原発事故の前から変わらない。

 福島県南の児童養護施設「堀川愛生園」の伊藤信彦施設長(51)は「親を取り巻く状況が変わらなければ、ストレスはたまる一方となる。今後は施設で受け入れる子供が増えるのではないか」と懸念する。

 昨年7月の薄曇りの夜、福岡県久留米市の公営住宅近くで、5歳の女児が泣きながら歩いているところを保護された。30歳の母親が、自宅で女児の首を絞めたとして逮捕された。母親は原発事故後、郡山市から女児ら娘4人を連れて自主避難していた。傷害罪に問われ、懲役10月、執行猶予3年の有罪判決を受けた。

 郡山市などを管轄する県中児童相談所の市川英雄次長(56)は言う。

 「夫を残しての自主避難は生活費も二重になり、母子だけの生活は虐待のリスク要因ともなる。自主避難に限らず、親の生活を再建できなければ、子供の生活、成長を保障できない」

 ■児童虐待 児童虐待防止法は、(1)体に暴行を加える身体的虐待(2)わいせつな行為をしたり、させたりする性的虐待(3)食事をさせないといったネグレクト(育児放棄)(4)暴言などで傷つける心理的虐待-の4類型を規定。厚生労働省によると、全国の児童相談所が対応した虐待は平成2年度から増え続け、24年度に初めて6万件を超え6万6807件。前年度から1・1倍増えた。

突出する「いわき市」

 児童虐待の対応件数が昨年度、仙台市を除く宮城県と福島県でいずれも前年度から1・2倍増え、全国平均より増加率が高かった。

 ただ同じ被災地でも地域差がみられる。突出して増えたのは東京電力福島第1原発のある「浜通り」地方を管轄する浜児童相談所の管内。前年度の56件から120件と2・1倍増えた。

 福島虐待問題研究会「エフパネットふくしま」の影山和輝理事(48)は「浜通りの中心都市であるいわき市で、地域の異常事態が2年半続いていることを考える必要がある」と指摘する。

 人口32万7千人のいわき市に、原発事故の避難者2万4千人が流入し、仮設や借り上げ住宅で暮らす。さらに原発事故の収束作業や除染の「後方基地」として全国から作業員が集まる。

 浜児童相談所の安部智彦所長(58)は「元々の住民からすれば、地域の中に知らない人々が入ってきた格好だ。また仮設住宅は壁が薄く泣き声が聞こえやすい」と話し、こう続けた。

 「結果的に、近隣住民からの『泣き声通報』が増えた。子供の安否を確認すると『念のため対応しておいたほうがいい』という事例がどうしても多くなった」

まずは親の生活再建

 浜児童相談所によると、現在は子供を親から引き離さなければならないほど深刻な虐待が増えているわけではないという。子供を一時保護する割合は全体の3割、児童養護施設など施設へ入所させる割合は1割で、いずれも原発事故の前から変わらない。

 福島県南の児童養護施設「堀川愛生園」の伊藤信彦施設長(51)は「親を取り巻く状況が変わらなければ、ストレスはたまる一方となる。今後は施設で受け入れる子供が増えるのではないか」と懸念する。

 昨年7月の薄曇りの夜、福岡県久留米市の公営住宅近くで、5歳の女児が泣きながら歩いているところを保護された。30歳の母親が、自宅で女児の首を絞めたとして逮捕された。母親は原発事故後、郡山市から女児ら娘4人を連れて自主避難していた。傷害罪に問われ、懲役10月、執行猶予3年の有罪判決を受けた。

 郡山市などを管轄する県中児童相談所の市川英雄次長(56)は言う。

 「夫を残しての自主避難は生活費も二重になり、母子だけの生活は虐待のリスク要因ともなる。自主避難に限らず、親の生活を再建できなければ、子供の生活、成長を保障できない」

 ■児童虐待 児童虐待防止法は、(1)体に暴行を加える身体的虐待(2)わいせつな行為をしたり、させたりする性的虐待(3)食事をさせないといったネグレクト(育児放棄)(4)暴言などで傷つける心理的虐待-の4類型を規定。厚生労働省によると、全国の児童相談所が対応した虐待は平成2年度から増え続け、24年度に初めて6万件を超え6万6807件。前年度から1・1倍増えた。

http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/130916/dst13091607000003-n1.htm