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一過性全健忘
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一過性全健忘
平成24112日 救急部カンファレンス

Page 2
Papez(パペッツ)の記憶回路

Page 3
Papez(パペッツ)の記憶回路
Wernicke脳症
視床梗塞
アルツハイマー病

Page 4
健忘症とは
定義
日常生活の出来事の記憶が障害されていて、
その症状が意識障害や認知症によって
生じたものではないこと

Page 5
健忘症とは
疾患発症
逆向性健忘
疾患発症前に起こった
出来事を思い出せない
前向性健忘
疾患発症後の新しい
出来事を記憶できない
現在
過去
未来
短期
記憶
近時
記憶
遠隔
記憶
長期記憶
(1分以内に消失)
(数分∼数日)
(何十年にも及ぶ)

Page 6
一過性全健忘
(Transient global amnesia : TGA)
頭部外傷等の明らかな誘因なく、突然新たな記憶が全く
できなくなる病態(=前向性健忘)。
自分の置かれている状況が把握できなくなり、周囲に
質問を繰り返す。名前、家族の顔、昔の出来事等は
発作中も保たれる。運転も可能。また発作中の新たな
記憶はできないので、発作終了後も記憶は欠落したまま
通常24時間以内に消失する。
徐々に新たな記憶ができるようになってくる。
50歳以降に多い。
通常一生に一回のみ。
5−20%程度は再発する。

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一過性全健忘の症候
「今日は何日?」
「(自分は)どうしてここにいるの?」
「記憶がない」
などとひっきりなしに言い始める。
答えを聞いて一度は納得するが、それを記憶に
とどめることができず次々に忘れ、さも今初めて
自分が気付いたかのように、同じ質問や言葉を
繰り返す。

Page 8
診断
1.発作中の情報が目撃者から得られる。
自分がいる場所、何をしているかを必ず周囲に尋ねる。
2.発作中、明らかな前向性健忘がある。
時に逆行性健忘も認める。
3.意識障害はなく、健忘以外の高次脳機能障害はない。
4.発作中、四肢麻痺のような神経学的異常はない。
5.てんかんの徴候はない。
側頭葉てんかんの除外が必要。
6.発作は24時間以内に消失する。
TIA(海馬を含む脳血管障害)の除外が必要。
7.最近の頭部打撲やてんかん発作はない。
Hodges et al., 1990

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検査
脳波
通常異常なし。側頭葉てんかんの除外目的。
頭部CT/MRI
脳血管障害(TIAを含む)の除外目的に必要。
一過性全健忘に特徴的な異常がでることもある(後述)。
脳血流シンチ
発作中から発作後早期に海馬(時に視床)の血流低下が起こり得る。
てんかんなら血流は増加。
採血
凝固系、ビタミンB1等。やはり他疾患の鑑別目的。
救急外来では症候的に診断せざるを得ない。

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一過性全健忘MRI所見
Lancet Neurol. 2010; 9(2): 205-214
発症24∼72時間後に
海馬にDWIT2FLAIR
高信号を呈することが
ある。
上記高信号は一過性
永続的ではない。
60日後には消失

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原因
1954年 Haugeによって椎骨動脈造影後の
一過性記憶障害が初めて報告
1958年 Fisher と Adamsが同様の症状を呈し
た12例を報告し一過性全健忘と命名
いまだに原因は不明のまま。
最近、頭部MRI DWI異常が報告されるようになった。

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誘因・原因
① 情動(不安、ストレス)、体性感覚刺激(寒冷、
プール、入浴、疼痛)、自律神経関連症状(嘔吐、
咳嗽)等を契機に発症することが多い。
② 脳静脈うっ滞の報告あり。一過性に海馬の
機能低下が生じる?
③ 片頭痛との関連(頭痛発作中に発症)も報
告されている。一過性血流低下は虚血ではなく
血管収縮などの乏血?
④ 脳卒中の危険因子を有する例は少ない。

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治療
予後は良好であるので、通常治療は必要なし。
ただし、救急外来で診た場合は、脳血管障害や
側頭葉てんかんの除外のために、後日精査を
勧めることが望ましい。