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3 歴代会長の当時の思い出
⑴ 隊友会への思い(第 10 代会長 中村晃氏)
入会は平成 3 年で湾岸戦争が始まった頃だった。その後、カンボジア、ゴラン
高原、ペルシャ湾海上給油活動、イラク等自衛隊の海外派遣の機会が増えてきた。
一方国内においては、北海道南西沖地震、阪神・淡路大地震、東日本大震災、熊
本地震、九州北部豪雨等大規模かつ長期にわたり災害派遣を要する事態が発生し
た。
平成 16 年秋からのイラク派遣部隊も北方であった。当時、道隊連会長であっ
た私は各地方隊友会の自主性を損なわないように、かつ財政的基盤もないので精
神的なバックアップをするしかないと考えた。時は冬に向かっているので除雪な
どで留守家族を支援したいと申し出たが、現地では自隊で出来るとお呼びではな
かった。時代は変わり災害派遣においても留守宅を心配しつつ出動した隊員の話
を聞いた。今後も大規模自然災害が発生することが予想される。
現在は、留守家族支援も重要な課題である。危機管理や防災等に関して地方自
治体との協力関係も広がりつつある。役員の構成は、多種で入会当時とは様変わ
りである。特にここ 10 年、皆の努力で確実に前進していると思う。
⑵ 隊友会 60 年史発刊に寄せて(第 14 代会長 坂元順一氏)
隊友会創立 60 周年を心からお祝い申し上げます。平成 22 年 5 月に会長に就任
し、その年創設 50 周年記念大会において「決意表明」を宣したことが思い出さ
れます。平成 28 年 4 月までの 6 年間会長を務めました。就任にあたって、我々
の存在および活動の原点は、「まずは部隊 ・ 隊員のため、そして地域や社会のた
めに」としました。先輩たちが築き上げた伝統的な事業はきちんと継承し、時代
の変化に基づく部隊の任務や行動から隊友会に求められる新たな協力 ・ 支援には
的確に対応していこうと思いました。特に注力したことは、平成 27 年までに管
内 8 個全駐(分)屯地司令と当会との間で大規模災害時等に派遣される隊員の家
族に対する「家族支援に関する協定書」を結んだことです。まずは「形」を作る
ことを優先しましたが、隊友会全般としては先行した事業となったと思います。
また、「道民と自衛隊とのかけ橋」を目的とした「札幌防衛セミナー」はその
重要性を再認識しました。これは昭和 56 年から令和元年度まで 39 回にも及ぶ伝
統的な講演会ですが、公共の大ホールを準備し、各界の著名な講師を招き、自衛
官、隊友会員、協力団体、部内外関係者など約 400 名の参加をいただく公益事業
の柱で、札幌地方隊友会活動のアイデンティティを象徴するものです。
思い出は尽きないですが、様々な人との出会いや縁は貴重な宝となりました。
これからも顧問として隊友会活動をサポートしていきたいと思います。